乾燥したガラクタ

デラシネ

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希望とか愛とか夢とか

目覚め

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白昼夢なのかわからなくなるが、多分現実だと思うことにする。
そのほうが気分が落ち込まずに済む。
これ以上落ち込みようがないんだけどな。






またもや夢の続きをみる。
タカハシはバンドでツアーをしていた。
旅館のような所で打ち上げをしていたが、荷物をまとめると言って席を立つ。

「?」
ギターが10本以上ある。後から気付いたが本当に現実で持っているものだった。
どうやって持ってきたのか記憶にない。少なくとも機材車に積める量ではなかった。
悩んでいたが、仕方がない。
「宅配便で送るか」

場面が変わった。何故か新幹線に乗っている。
「やばい・・・・・」
自分の顔から血の気が引いて行くのがわかった。
「ギター旅館に忘れたかも・・・・・・」
「おお、マジかよ」
配送に出した記憶も車に詰め込んだ記憶もなかった。
タカハシは現実で「本当に」空港でスーツケースを忘れたことがあるのだ。
これも脳が鈍くなったと思う原因だった。

「またやっちゃったよ・・・・旅館に電話してくる!」しかし名前が思い出せない。
やはり頭が鈍くなっている。慌てふためいてスマホで調べる。
「ここだよ」
誰かが前の席からスマホを見せる。
「ありがとう!ちょっと行ってくる!」

時計を見ながら電話を掛ける。
「早く出てくれ・・・・頼む・・・・・」
恐怖で鳥肌が立ち、冷や汗をかいていた。

また場面が変わる。
家の真ん前でバスに乗っていた。どうやら眠ってしまったようだ。
「ん?・・・・ああ!・・・降ります!すみません降ります!」

部屋に入ると疲れていたのだろう、そのまま布団に飛び込んだ。
ふと思い出す。
「あれ?ギターどうしたっけ?」
荷物はリュックだけだった。
「電話して・・・・あれ?したか?・・・・・あ・・・不味・・・・」
泥のように纏わりつく眠気が思考を停止させた。
体が引き摺り込まれて行くように目の前が真っ暗になる。











「ギター!!!!!!!!!!!」

その瞬間飛び起きていた。自分の声で起きるなんて生まれて初めてだ。
玄関に目をやる。ギタースタンドに振り返る。
全部・・・・・・ある・・・・・・・。

「夢??????」




何故か汗は止まっていた。
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