2 / 3
天才
しおりを挟む
「そこのホワイトボード貸して貰えます?」
天才も突然現れた男前を気にしながらおもむろに問う。
「お・・・おう」
THE軍人もジジイボムへの興味と男前の登場にまだ頭が追いつかないのだろう。
「プロジェクターアプリ使うなら電気消すけど?」
青メガネロリが優しく天才に問う、男前の登場もすでに何もないくらい冷静な姿もまた印象的だった。
「あっ大丈夫です、あれ容量出かいんで消しちゃっんですよ」
天才もさらりと返す。どうやら青メガネロリ同様この状況に適応したようだ。
プロジェクターアプリはこの時代の携帯用アプリで、携帯自体のカメラから壁などにそのまま内臓したデータを映すことができるアプリでビジネスマンが多様している便利なアプリの一つだ。
(こんなアプリですら使えない高齢者ってやっぱり要らねえよな)
と天才が感じた瞬間でもあった。
・現在の軍の状況
・予想される今後の展開
・若者の能力向上
・強力な武器の製造
・ハッキングアプリの製造及び強化
・高齢者の納得と同意
・高齢者からの融資
ホワイトボードには世界地図と共にこんなことが記載されていた。
「これ消しても大丈夫ですか?」
とすでに消しながら天才は言う。
「いやまだ消していいって言ってねえだろ」
とTHE軍人が少し興奮気味に言うとのと同時に
「全く礼儀を知らん奴だ、これだから天才と呼ばれる人種は」
とチョビヒゲがため息まじりに呟いていた。
ホワイトボードを借りれた時点でここに何かを記載することを承諾されていて、建前上放った言葉なんだということはTHE軍人以外は気付いていた。
「あっダメでした?」
天才がまた建前上の言葉を放つ。
「いや別にいいけどよ・・・」
とTHE軍人がブツブツ言っている姿は少し滑稽だった。
「フッ」
「クスクス」
と鼻で笑う男前と青メガネロリの笑う姿も少し新鮮だった。
「じゃまず皆さんの一番の疑問であろう『なぜジジイに爆弾をくくり戦地に送るのか』の説明をしますね」
軽い口調と少しノッてきたのか天才の小さな声は通常の人と同等くらいのボリュームまで上がっていた。
「まず核や新しい武器を作る為の予算もなく技術者もいない、という点が補填され、さらに既存の爆弾を使用すればすぐにでも使用可能なことから後継者育成の時間、武器の設計や計画にかかる時間をも補うことができます。そしてこの国には幸いジジイは7000万人ほどいます。つまりジジイボムは7000万発の使用が可能ということです。簡潔に言うと金、時間、数の問題はこの時点で大きくクリア出来てると思います」
天才が自信に満ちた顔で言う。
「2つ目は『性能』のお話です」
間髪入れずに話そうとする天才に
「既存の爆弾を使うんだろ?性能なんか何も変わんねえし良い性能の爆弾はそんな数ねえぞ」
とTHE軍人が茶々を入れる。
「それを今から話すんじゃないですか」
と天才が呆れながら言う。
「あぁん?」
THE軍人は明らかに興奮していた。
「黙って聞きたまえ」
男前が笑いながらTHE軍人に向かってゆっくり言った。
「も・・・申し訳ありません」
THE軍人の声が天才ほどに小さくなり自分より小さい男前に謝るTHE軍人のデカイ身体が異様に小さく見えた。そして男前の変わらない男前な笑顔と放った一言にこの場にいた男前以外の人間が一瞬背筋を凍りつかせるほどのものでもあった。
天才は産まれて初めて何かわからない恐怖感を覚えたのと同時に
(世界にはこんな男がいるのか)
と世界の広さを覚えたのもまた事実であった。
「すまない、続けてくれないか?」
男前が変わらない男前な笑顔で言う、先ほどとは違ういつもの男前の笑顔がそこにあった。
「えっと・・・性能のお話しですね」
天才の声は少し小さくなっていた。
「熱感知センサー、モーションセンサー、地雷を含めていくつもの爆弾はあると思うんですが、使用するものはタイマー付きのシンプルな爆弾で結構です、理想は遠隔操作ができれば尚良いんですけどね」
天才が喋っているのをまた遮るかのように
「だからそれと・・・」
THE軍人が何か言おとしたが
「すまない、続けてくれ」
と何かを悟ったのかTHE軍人は話すことをやめた。ふと見た男前は相変わらず男前に笑っていた。
「ジジイボムは簡潔に言うと『追跡』もしくは『攻撃対象のランダム化』の効果を爆弾に追加できるんです。」
天才のこの発言を聞き
「なるほど、そういうことか」
チョビヒゲはジジイボムを理解したようだ。
「そういうことです」
天才は自信に満ちた表情で、男前に負けず劣らずのような笑みを浮かべてうなずいた。
「ほんとすごい子」
「天才か・・・フッ」
青メガネロリ、男前ももちろん理解したようだった。
「えっと分かりやすく説明してもらえますか?」
THE軍人がどんどん小さく見える。
「危険徘徊防止法だよ」
チョビヒゲが偉そうに言う。
「危険徘徊防止法?」
THE軍人はまだ理解出来ていないようだ。
「いい?危険徘徊防止法って言うのは昔介護施設で入院している高齢者が夜勝手に抜け出して近所の子供3人を含む12人を殺害したことから再発防止の為に65歳を超える高齢者には体内にGPSを埋め込むことが義務化された法律よ。まあ施設側からすれば勝手に出てってケガとかこんなことされても監督責任が問われてしまうのもたまったもんじゃないでしょうしね、職員の絶対数が何しろ少ないしね、けど今では高齢者が悪法だって叫んでるのもあっていつ無くなってもおかしくない法律の一つね。こんなの中学生でも知ってることよ?」
青メガネロリが厳しい口調で言う。
「いや授業って言ってもほら、ほとんどオンラインで学校まで行って学ぶことって実技介護と集団生活体験くらいだったからさ」
THE軍人の言い訳を聞き天才には彼がさらに小さく見えた。
「で、その危険徘徊防止法により身体に埋め込まれているGPSでジジイを追跡できることは何となくわかった。爆弾追跡して何かあんのか?」
THE軍人のこの発言を聞き、天才はこのレベルに合わせて説明しないとダメなことに小さくため息をついた。
「例えばGPSの信号が途絶えるということはジジイ自体が何かしらのトラブルに襲われていることは理解出来ますか?」
天才はかなりものを砕いてTHE軍人に問う
。
「そんなことは当たり前だろ」
THE軍人が返す刀で言う。イラ立ちを抑えている天才を見て青メガネロリが声を我慢しながらお腹を抱えて笑っている。それを見た天才はまた少しイラ立ちが増したようだ。
「戦地にジジイを送ってジジイにトラブルがあるならほぼほぼ周囲に敵がいるの、ジジイボムを複数使えばジジイのGPS信号のトラブルが起きる範囲がより絞れるの、つまり敵の居場所がわかるの」
と天才とは思えない大きな声で明らかなイラ立ちとともにTHE軍人に言い放った。
「すげえな」
THE軍人がもらしたのその一言は心の底からそう思ったんだろう、というのが全員に伝わった。
「えっと、次は攻撃対象のランダム化ですね・・・」
と少し冷静になった天才がTHE軍人をチラ見しながら言う。
すると先ほどまであれほどうるさくしていた彼が天才の話を真剣に聞きたくて待っているのも目に見えて伝わって来た。
「攻撃対象のランダム化はジジイが勝手に歩く、タイマーの設定をバラバラにする、というもので、どこでいつ爆発するかわからない、まあテロみたいなものだと思ってください。」
またさらりと天才が言う。そしてまた少しチラ見をする。
THE軍人は真剣に天才の話を聞いている。天才は嬉しくも少し複雑な心境だった。
「目的もわからず、いつどこで爆発するかわからない敵が複数いる、ということは敵からすればかなりの恐怖です。」
天才の顔と声に当初の自信が戻っていた。
「そう、三つ目はジジイボムが与える『恐怖心』についてです」
と勢いに任せて話を進めようとした天才に
「ぶっ続けは身体に毒よ」
と青メガネロリが微笑みながら言う。
天才は少し肩の力が抜けた。それを見て
「では少し休憩しましょうか」
と男前が男前な笑顔とともにそう言って小一時間休憩することになった。 続く
天才も突然現れた男前を気にしながらおもむろに問う。
「お・・・おう」
THE軍人もジジイボムへの興味と男前の登場にまだ頭が追いつかないのだろう。
「プロジェクターアプリ使うなら電気消すけど?」
青メガネロリが優しく天才に問う、男前の登場もすでに何もないくらい冷静な姿もまた印象的だった。
「あっ大丈夫です、あれ容量出かいんで消しちゃっんですよ」
天才もさらりと返す。どうやら青メガネロリ同様この状況に適応したようだ。
プロジェクターアプリはこの時代の携帯用アプリで、携帯自体のカメラから壁などにそのまま内臓したデータを映すことができるアプリでビジネスマンが多様している便利なアプリの一つだ。
(こんなアプリですら使えない高齢者ってやっぱり要らねえよな)
と天才が感じた瞬間でもあった。
・現在の軍の状況
・予想される今後の展開
・若者の能力向上
・強力な武器の製造
・ハッキングアプリの製造及び強化
・高齢者の納得と同意
・高齢者からの融資
ホワイトボードには世界地図と共にこんなことが記載されていた。
「これ消しても大丈夫ですか?」
とすでに消しながら天才は言う。
「いやまだ消していいって言ってねえだろ」
とTHE軍人が少し興奮気味に言うとのと同時に
「全く礼儀を知らん奴だ、これだから天才と呼ばれる人種は」
とチョビヒゲがため息まじりに呟いていた。
ホワイトボードを借りれた時点でここに何かを記載することを承諾されていて、建前上放った言葉なんだということはTHE軍人以外は気付いていた。
「あっダメでした?」
天才がまた建前上の言葉を放つ。
「いや別にいいけどよ・・・」
とTHE軍人がブツブツ言っている姿は少し滑稽だった。
「フッ」
「クスクス」
と鼻で笑う男前と青メガネロリの笑う姿も少し新鮮だった。
「じゃまず皆さんの一番の疑問であろう『なぜジジイに爆弾をくくり戦地に送るのか』の説明をしますね」
軽い口調と少しノッてきたのか天才の小さな声は通常の人と同等くらいのボリュームまで上がっていた。
「まず核や新しい武器を作る為の予算もなく技術者もいない、という点が補填され、さらに既存の爆弾を使用すればすぐにでも使用可能なことから後継者育成の時間、武器の設計や計画にかかる時間をも補うことができます。そしてこの国には幸いジジイは7000万人ほどいます。つまりジジイボムは7000万発の使用が可能ということです。簡潔に言うと金、時間、数の問題はこの時点で大きくクリア出来てると思います」
天才が自信に満ちた顔で言う。
「2つ目は『性能』のお話です」
間髪入れずに話そうとする天才に
「既存の爆弾を使うんだろ?性能なんか何も変わんねえし良い性能の爆弾はそんな数ねえぞ」
とTHE軍人が茶々を入れる。
「それを今から話すんじゃないですか」
と天才が呆れながら言う。
「あぁん?」
THE軍人は明らかに興奮していた。
「黙って聞きたまえ」
男前が笑いながらTHE軍人に向かってゆっくり言った。
「も・・・申し訳ありません」
THE軍人の声が天才ほどに小さくなり自分より小さい男前に謝るTHE軍人のデカイ身体が異様に小さく見えた。そして男前の変わらない男前な笑顔と放った一言にこの場にいた男前以外の人間が一瞬背筋を凍りつかせるほどのものでもあった。
天才は産まれて初めて何かわからない恐怖感を覚えたのと同時に
(世界にはこんな男がいるのか)
と世界の広さを覚えたのもまた事実であった。
「すまない、続けてくれないか?」
男前が変わらない男前な笑顔で言う、先ほどとは違ういつもの男前の笑顔がそこにあった。
「えっと・・・性能のお話しですね」
天才の声は少し小さくなっていた。
「熱感知センサー、モーションセンサー、地雷を含めていくつもの爆弾はあると思うんですが、使用するものはタイマー付きのシンプルな爆弾で結構です、理想は遠隔操作ができれば尚良いんですけどね」
天才が喋っているのをまた遮るかのように
「だからそれと・・・」
THE軍人が何か言おとしたが
「すまない、続けてくれ」
と何かを悟ったのかTHE軍人は話すことをやめた。ふと見た男前は相変わらず男前に笑っていた。
「ジジイボムは簡潔に言うと『追跡』もしくは『攻撃対象のランダム化』の効果を爆弾に追加できるんです。」
天才のこの発言を聞き
「なるほど、そういうことか」
チョビヒゲはジジイボムを理解したようだ。
「そういうことです」
天才は自信に満ちた表情で、男前に負けず劣らずのような笑みを浮かべてうなずいた。
「ほんとすごい子」
「天才か・・・フッ」
青メガネロリ、男前ももちろん理解したようだった。
「えっと分かりやすく説明してもらえますか?」
THE軍人がどんどん小さく見える。
「危険徘徊防止法だよ」
チョビヒゲが偉そうに言う。
「危険徘徊防止法?」
THE軍人はまだ理解出来ていないようだ。
「いい?危険徘徊防止法って言うのは昔介護施設で入院している高齢者が夜勝手に抜け出して近所の子供3人を含む12人を殺害したことから再発防止の為に65歳を超える高齢者には体内にGPSを埋め込むことが義務化された法律よ。まあ施設側からすれば勝手に出てってケガとかこんなことされても監督責任が問われてしまうのもたまったもんじゃないでしょうしね、職員の絶対数が何しろ少ないしね、けど今では高齢者が悪法だって叫んでるのもあっていつ無くなってもおかしくない法律の一つね。こんなの中学生でも知ってることよ?」
青メガネロリが厳しい口調で言う。
「いや授業って言ってもほら、ほとんどオンラインで学校まで行って学ぶことって実技介護と集団生活体験くらいだったからさ」
THE軍人の言い訳を聞き天才には彼がさらに小さく見えた。
「で、その危険徘徊防止法により身体に埋め込まれているGPSでジジイを追跡できることは何となくわかった。爆弾追跡して何かあんのか?」
THE軍人のこの発言を聞き、天才はこのレベルに合わせて説明しないとダメなことに小さくため息をついた。
「例えばGPSの信号が途絶えるということはジジイ自体が何かしらのトラブルに襲われていることは理解出来ますか?」
天才はかなりものを砕いてTHE軍人に問う
。
「そんなことは当たり前だろ」
THE軍人が返す刀で言う。イラ立ちを抑えている天才を見て青メガネロリが声を我慢しながらお腹を抱えて笑っている。それを見た天才はまた少しイラ立ちが増したようだ。
「戦地にジジイを送ってジジイにトラブルがあるならほぼほぼ周囲に敵がいるの、ジジイボムを複数使えばジジイのGPS信号のトラブルが起きる範囲がより絞れるの、つまり敵の居場所がわかるの」
と天才とは思えない大きな声で明らかなイラ立ちとともにTHE軍人に言い放った。
「すげえな」
THE軍人がもらしたのその一言は心の底からそう思ったんだろう、というのが全員に伝わった。
「えっと、次は攻撃対象のランダム化ですね・・・」
と少し冷静になった天才がTHE軍人をチラ見しながら言う。
すると先ほどまであれほどうるさくしていた彼が天才の話を真剣に聞きたくて待っているのも目に見えて伝わって来た。
「攻撃対象のランダム化はジジイが勝手に歩く、タイマーの設定をバラバラにする、というもので、どこでいつ爆発するかわからない、まあテロみたいなものだと思ってください。」
またさらりと天才が言う。そしてまた少しチラ見をする。
THE軍人は真剣に天才の話を聞いている。天才は嬉しくも少し複雑な心境だった。
「目的もわからず、いつどこで爆発するかわからない敵が複数いる、ということは敵からすればかなりの恐怖です。」
天才の顔と声に当初の自信が戻っていた。
「そう、三つ目はジジイボムが与える『恐怖心』についてです」
と勢いに任せて話を進めようとした天才に
「ぶっ続けは身体に毒よ」
と青メガネロリが微笑みながら言う。
天才は少し肩の力が抜けた。それを見て
「では少し休憩しましょうか」
と男前が男前な笑顔とともにそう言って小一時間休憩することになった。 続く
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】
一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。
しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。
ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。
以前投稿した短編
【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて
の連載版です。
連載するにあたり、短編は削除しました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

宇宙で第三の人生、始めました。
ツヅラ
SF
人類は、宇宙での生活へと歩を進めていた。
各国に割り振られた宇宙ステーションで、選ばれた人々が生活し、人が宇宙で暮らすためのデータを集めていた。
各国が厳密な審査基準を設ける中、日本が設けた基準は『寝たきりの人間であること』という条件だった。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる