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第三章
赤紫色の魔血水
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「ハイゼ……うっ」
不意打ちで肘打ちを食らわせてきた。
息が詰まって炎が弱まった一瞬の隙をつき、距離をとるハイゼル。
ヴィセントと対峙していたラックがぼくに寄り添ってくる。
『ハチミツだいじょうぶか』
「うん……でもなにか変だ……」
ようすがへんだ。
明らかに劣勢のはずなのに余裕の笑みを浮かべている。
「やっぱり地上はいいよな、暗くて狭くて汗臭い地下とは大違いだ。オレがいるべき場所はこっちなんだよ。──そのためなら」
おもむろに懐から小瓶を取り出し、蓋を開けた。赤紫色の液体が満ちており、鼻がしびれるような匂いがする。ラックがびくっと震えた。
『なんだあれ、めちゃくちゃヤな気配がするぜ……』
微光虫は本能的に危険なものが分かる。
ラックが言うなら相当まずいものなのだろう。
「いい匂いだ。使わせてもらいますよ」
ハイゼルはなんのためらいもなく半分ほどを飲み干すと、肩に乗っていたヴィンセントにも残りを差し出した。
「飲めよ相棒、うまいぜ」
『やめろよマジ! ヴィンセント! おまえだってヤベーのが分かるだろ!』
同じ微光虫であるラックの説得もむなしく、ヴィンセントは戸惑いながらもぴちゃぴちゃと液体を舐めた。
次の瞬間、丸いずんぐりとした体がガタガタと震えはじめる。
「怖がることはないぜ、ただの精製水だ。ただし魔物の血を分析して作られた魔血水だけどな」
魔血水? 一体なにが起きるんだ。
ピシピシピシ……。
ヴィンセントの体が肥大──巨大化していく。
もはや微光虫ではない。樹木をはるかにしのぐ巨大な魔物だ。
『オレ様聞いたことがあるんだ。大昔、微光虫は地下で生活するため小型化したけど、地上で生活していたときはものすげー巨大だったんだ。ヴィンセントのやつ、先祖返りしやがった』
ドシン、ドシン、軽く動くだけで地面が震える。
翅を震わせると坑道嵐のような突風が吹きすさんだ。
『うわぁ~』
突風に巻き込まれたラックがぴゅーっと飛んでいく。
「ラッ……」
「よそ見してるんじゃねぇよ!」
焦っているすきに間合いを詰められ、力いっぱい蹴られた。
油断していたせいでバランスを崩して倒れ込む。そこにハイゼルが馬乗りになり、ぐっと首を絞めてくる。信じられない力だ。
眼が。
血のように朱い。
それだけじゃない。
髪も肌も全身が、禍々しい赤紫色の炎に包まれている。
これはシオンと同じだ。魔物化しかけている。
「いいザマだな、8032」
ぎりぎりと締め上げられる首。
遠のく意識の中でハイゼルの笑い声が響いた。
「オレはなぁ、周りから甘やかされて大事にされるおまえが大嫌いだった。親父がつくった借金のカタに売られたオレとは大違いだ。600万ペルカだぜ、600万ペルカ。あの野郎、オレと母親を置いて逃げやがった。そのせいで母親は自殺、オレは地下送りだ。なんでオレばっかりが不幸なんだよ」
「は、なせ……」
ここで負けるわけにはいかない。
ハイゼルの腕を振り払おうと右手に魔力を送る。白い炎がゆらりときらめいて薄い水色に変わった。
「ちっ」
さすがのハイゼルも熱さにこらえられず退く。
ぼくの喉は空気を求めてあえいだ。
「はぁ、はっ、はっ……ふぅ……」
全身に巡る空気。
体が重くて仕方ない。でもまだ戦える。
守らなくては。メルカの街を、シオンの住む街を。
よろよろと体を起こしたぼくは、こちらに向かってくる足音に気づいた。
「なんだあの魔物は」
「森が」
「みて、勇者様だわ!」
最悪だ。
森の異変に気づいたメルカの街の人たちがやって来たんだ。
「あ、ハチミ……っ!」
街の人たちに交じって、心配そうに佇む銀の髪の少女を捉えた。
ぼくの名前を呼びかけたところで間一髪こらえたものの、なにか言いたげな眼差しでじっと見つめている。
シオン。こんな形で再会したくなかった。
「ヴィンセント、やれ!」
ハイゼルの号令でヴィンセントが思いきり翅を震わせた。元々の炎がさらに大きくなって街の人たちに襲いかかる。
「逃げろー!!」
一目散に走り出した街の人たち。しかし炎が容赦なく行く手を阻む。
怒号と悲鳴と風と炎と地響き、周囲は地獄絵図のようだ。
「きゃっ」
逃げようとして木の根につまずくシオン。
「チャーンス!」
ハイゼルが火鉱石を振りかぶった。爆破する気だ。
「──やめ……っ!」
ぼくは走った。
助けたい。いまはそれしか考えられなかった。
────ドォン!!
辺りに響き渡る爆音。
「ハチミ、ツ」
ぼくの目の前で、シオンが瞳を瞬かせている。間一髪。シオンに覆いかぶさることができた。
「よかっ……シオ……うぐっ」
熱い。痛い。くるしい。
火鉱石の直撃を受けたぼくの背中からは煙が立ちのぼり、内臓がえぐれて血があふれだしていた。
息をするのがやっとだ。
でも良かった。シオンを守れたなら、それで。
「待っててハチミツ、すぐに治癒を……!」
ネックレスを取り出した瞬間、横から突風が吹いた。鎖が千切れ、治癒鉱石は遠くへ転がって行ってしまう。
「他人をかばうなんて、おまえってホントくそみたいなヤツだな」
冷めた眼差しのハイゼルと巨大化したヴィンセントが近づいてくる。口にはぐったりしたラックをくわえていた。
ぼくはもう指一本動かせない。かわりにシオンが手を広げた。
「やめて、これ以上彼らを傷つけないで! お願い! 仲間でしょう!?」
震えながらも必死にぼくを守ろうとするシオン。
ハイゼルは不快そうに眉根を寄せた。
「仲間? ちがうな、オレにとってそいつは害虫でしかなかった。本当ならこのまま苦しみながら死なせてやりたいところだけど、あの人が連れて来いって言うからよ」
「あの人? だれのことを言ってるの?」
「言うかボケ。おまえはコイツの面倒でも見てろ」
ぽいっ、ラックを宙に放り投げた。シオンが気を取られた隙にヴィンセントが再び翅を震わせる。シオンがよろめいて倒れたところへ突進し、身動きが取れないぼくをくわえた。
「まったく、あの人もなんの用があるんだか」
首筋にちくりと傷みが走った。
ハイゼルがぼくに注射器を突き立てている。中身は例の赤紫色の液体、魔血水だ。
あっという間に減っていき、体内に取り込まれていく。
どくん!
「ぅぁっ……」
思わず呻いた。
内側から針で刺されるような痛み、猛烈な喉の渇き、抗いがたい衝動。血がぐるぐると逆流しているようだ。
どくん、どくん、ど……くん……。
最後に大きく拍動して、ぼくの心臓が止まった。
不意打ちで肘打ちを食らわせてきた。
息が詰まって炎が弱まった一瞬の隙をつき、距離をとるハイゼル。
ヴィセントと対峙していたラックがぼくに寄り添ってくる。
『ハチミツだいじょうぶか』
「うん……でもなにか変だ……」
ようすがへんだ。
明らかに劣勢のはずなのに余裕の笑みを浮かべている。
「やっぱり地上はいいよな、暗くて狭くて汗臭い地下とは大違いだ。オレがいるべき場所はこっちなんだよ。──そのためなら」
おもむろに懐から小瓶を取り出し、蓋を開けた。赤紫色の液体が満ちており、鼻がしびれるような匂いがする。ラックがびくっと震えた。
『なんだあれ、めちゃくちゃヤな気配がするぜ……』
微光虫は本能的に危険なものが分かる。
ラックが言うなら相当まずいものなのだろう。
「いい匂いだ。使わせてもらいますよ」
ハイゼルはなんのためらいもなく半分ほどを飲み干すと、肩に乗っていたヴィンセントにも残りを差し出した。
「飲めよ相棒、うまいぜ」
『やめろよマジ! ヴィンセント! おまえだってヤベーのが分かるだろ!』
同じ微光虫であるラックの説得もむなしく、ヴィンセントは戸惑いながらもぴちゃぴちゃと液体を舐めた。
次の瞬間、丸いずんぐりとした体がガタガタと震えはじめる。
「怖がることはないぜ、ただの精製水だ。ただし魔物の血を分析して作られた魔血水だけどな」
魔血水? 一体なにが起きるんだ。
ピシピシピシ……。
ヴィンセントの体が肥大──巨大化していく。
もはや微光虫ではない。樹木をはるかにしのぐ巨大な魔物だ。
『オレ様聞いたことがあるんだ。大昔、微光虫は地下で生活するため小型化したけど、地上で生活していたときはものすげー巨大だったんだ。ヴィンセントのやつ、先祖返りしやがった』
ドシン、ドシン、軽く動くだけで地面が震える。
翅を震わせると坑道嵐のような突風が吹きすさんだ。
『うわぁ~』
突風に巻き込まれたラックがぴゅーっと飛んでいく。
「ラッ……」
「よそ見してるんじゃねぇよ!」
焦っているすきに間合いを詰められ、力いっぱい蹴られた。
油断していたせいでバランスを崩して倒れ込む。そこにハイゼルが馬乗りになり、ぐっと首を絞めてくる。信じられない力だ。
眼が。
血のように朱い。
それだけじゃない。
髪も肌も全身が、禍々しい赤紫色の炎に包まれている。
これはシオンと同じだ。魔物化しかけている。
「いいザマだな、8032」
ぎりぎりと締め上げられる首。
遠のく意識の中でハイゼルの笑い声が響いた。
「オレはなぁ、周りから甘やかされて大事にされるおまえが大嫌いだった。親父がつくった借金のカタに売られたオレとは大違いだ。600万ペルカだぜ、600万ペルカ。あの野郎、オレと母親を置いて逃げやがった。そのせいで母親は自殺、オレは地下送りだ。なんでオレばっかりが不幸なんだよ」
「は、なせ……」
ここで負けるわけにはいかない。
ハイゼルの腕を振り払おうと右手に魔力を送る。白い炎がゆらりときらめいて薄い水色に変わった。
「ちっ」
さすがのハイゼルも熱さにこらえられず退く。
ぼくの喉は空気を求めてあえいだ。
「はぁ、はっ、はっ……ふぅ……」
全身に巡る空気。
体が重くて仕方ない。でもまだ戦える。
守らなくては。メルカの街を、シオンの住む街を。
よろよろと体を起こしたぼくは、こちらに向かってくる足音に気づいた。
「なんだあの魔物は」
「森が」
「みて、勇者様だわ!」
最悪だ。
森の異変に気づいたメルカの街の人たちがやって来たんだ。
「あ、ハチミ……っ!」
街の人たちに交じって、心配そうに佇む銀の髪の少女を捉えた。
ぼくの名前を呼びかけたところで間一髪こらえたものの、なにか言いたげな眼差しでじっと見つめている。
シオン。こんな形で再会したくなかった。
「ヴィンセント、やれ!」
ハイゼルの号令でヴィンセントが思いきり翅を震わせた。元々の炎がさらに大きくなって街の人たちに襲いかかる。
「逃げろー!!」
一目散に走り出した街の人たち。しかし炎が容赦なく行く手を阻む。
怒号と悲鳴と風と炎と地響き、周囲は地獄絵図のようだ。
「きゃっ」
逃げようとして木の根につまずくシオン。
「チャーンス!」
ハイゼルが火鉱石を振りかぶった。爆破する気だ。
「──やめ……っ!」
ぼくは走った。
助けたい。いまはそれしか考えられなかった。
────ドォン!!
辺りに響き渡る爆音。
「ハチミ、ツ」
ぼくの目の前で、シオンが瞳を瞬かせている。間一髪。シオンに覆いかぶさることができた。
「よかっ……シオ……うぐっ」
熱い。痛い。くるしい。
火鉱石の直撃を受けたぼくの背中からは煙が立ちのぼり、内臓がえぐれて血があふれだしていた。
息をするのがやっとだ。
でも良かった。シオンを守れたなら、それで。
「待っててハチミツ、すぐに治癒を……!」
ネックレスを取り出した瞬間、横から突風が吹いた。鎖が千切れ、治癒鉱石は遠くへ転がって行ってしまう。
「他人をかばうなんて、おまえってホントくそみたいなヤツだな」
冷めた眼差しのハイゼルと巨大化したヴィンセントが近づいてくる。口にはぐったりしたラックをくわえていた。
ぼくはもう指一本動かせない。かわりにシオンが手を広げた。
「やめて、これ以上彼らを傷つけないで! お願い! 仲間でしょう!?」
震えながらも必死にぼくを守ろうとするシオン。
ハイゼルは不快そうに眉根を寄せた。
「仲間? ちがうな、オレにとってそいつは害虫でしかなかった。本当ならこのまま苦しみながら死なせてやりたいところだけど、あの人が連れて来いって言うからよ」
「あの人? だれのことを言ってるの?」
「言うかボケ。おまえはコイツの面倒でも見てろ」
ぽいっ、ラックを宙に放り投げた。シオンが気を取られた隙にヴィンセントが再び翅を震わせる。シオンがよろめいて倒れたところへ突進し、身動きが取れないぼくをくわえた。
「まったく、あの人もなんの用があるんだか」
首筋にちくりと傷みが走った。
ハイゼルがぼくに注射器を突き立てている。中身は例の赤紫色の液体、魔血水だ。
あっという間に減っていき、体内に取り込まれていく。
どくん!
「ぅぁっ……」
思わず呻いた。
内側から針で刺されるような痛み、猛烈な喉の渇き、抗いがたい衝動。血がぐるぐると逆流しているようだ。
どくん、どくん、ど……くん……。
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