平凡雑音日記。

オンライン授業にて

　私と彼の位置は多分車で1,2分，徒歩5ー10分ほどの距離であろう。
彼は英米が好きなのか，国旗を後ろに掲げ，学歴社会について話している。

社会あるあるのレーニンのような頭で，

よく老人がしている別に細長くもなく，

決してまるメガネの方に大きくない，

中間くらいの老眼鏡をつけている。

肌は焼け，「釣りをしてます」とか言ったら，

「だろーな」とか，冷たい目で見れる。

そいつと会ったのは今日が初めて。

1時55分～18時の間，僕はその人の顔をまじまじと画面越しにみる。

すぐそこでべちゃくちゃ喋っているが，

実際は数キロ離れた場所で，一人カメラに向かって話しかけている。

誰もいない空間で。

それを偶々通った青年や，女子大生がドア越しで見たら，

昔なら何やってんだ，この人。って不思議に思われるだろうが

今ならば「なんか撮ってんのかな」
とくらいしか思われない。

時代の流れとは恐ろしいものだ。

ああ，もうあんな青空がいつの間にか真っ暗な闇に姿を変えている。

まるで私の何かを吸い込むブラックホールみたいで，何だか心地よい

時の流れは残酷で元には戻らないし，倍速になることも減速になることもない。

だから私は，時代の変化を淡々と文字で表現する本が好きだ。

彼が話している内容も，私を昔の世界へ引っ張り，社会科見学をさせているよう。

ああ，もうこんなに経ったんだ。

46億年前に誕生した地球も，
時という川の流れに身を任せて，
日に日に変化をしながら生きている

この画面越しの人も，昔と今では周りの見方も変わっている

私がみている光景もいつか，
かわってしまうのだろうか。