女の子がエロい服を着てる世界でもラブコメはできる!

キューマン・エノビクト

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90. これを見るのは、二度目だ

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 モーター特有の唸りとともに、手から振動が伝わってきた。

「んん…!」

 白宮さんが俺のそれを咥えたまま声を上げる。
 途端に、昇ってくる感覚に襲われる。
 射精しそうになったその瞬間、俺のペニスは包まれる生暖かい感覚から開放された。
 唾液に塗れたそれは、暖房のよく効いたこの部屋でもひんやりとする。

「つ、つよすぎ、るっ…!」

 白宮さんは何やら必死でこちらに顔を向けて、そう訴えている。
 バイブの底面に目を凝らしてみると、スイッチが数段階あった。
 切に加えて、弱・中・強の三段階が直線で並んでいる。
 どうやら、俺は一気にスイッチを中段階まで入れてしまったらしい。

「よ、弱くして…イッちゃう、からっ…!」
「わ、わかった…」

 そう答えて、スイッチに指をかけてから、ふと思い出す。

(…何でもしていいって、言われてなかったっけ)

 ならば、これも許されるのではなかろうか。そんなことを言ったほうが悪いのだから――
 悪戯心と好奇心の赴くままに、俺はスイッチを強へとスライドさせた。

「ひゃあああっ!?」

 弱くなると思い込んでいた刺激が逆に強くなり、白宮さんは嬌声を上げてしまう。
 腰をくねらせて必死に逃げようとするが、俺はそれを上から押さえつける。
 白宮さんのイく姿は、一度しか見たことがない。
 あのときはまだこの世界に今ほど馴染んでおらず、一応見たものの目を逸らしながらだった。
 今なら目を逸らさずしっかり見届けられる。

(白宮さんが――好きな人が自分の手で気持ちよくなるところを、見たい)

 悪戯心に同居する好奇心、欲望が表出していく。

「もうっ、だめっ…いっ、くぅ…っ!」
「いいよ、イッて」

 そう声をかけたその瞬間、がくがくと揺さぶられていた腰が一際大きく跳ねて――

「…っっ――!!」

 白宮さんが俺の腰あたりに必死でしがみつく。
 バイブが俺の手から滑り落ちて床に転がった。
 そして俺の顔には、熱を持った液体がぴちゃぴちゃと音を立てながらかかってきた。
 数秒ほど続いて、白宮さんの腰が落ちてきた…ちょうど、俺の口のところに。

「だ、だからぁ、強すぎってぇ…」

 そんな訴えは、耳に入らない。
 性欲をダイレクトに刺激するような匂いが、味が、口や鼻を覆ってくる。
 ――我慢できない。
 俺は、口を開いて舌を差し出し、割れ目へと侵入させた。
 さっきまではエロスを演出していたはずの白い尻尾も、今は頭にかかって邪魔に感じる。
 目の前のそれに集中すべく、俺はゆっくりと尻尾を引き抜いた。

「え、ちょ、まだイッたばっか――」

 普通に考えて、到底美味しいとは言えないはずの味が、今は媚薬のごとく脳に効いてくる。
 もはや何も考えることなく、啜り、舐め、擦っていく。

「ダメ、今敏感で、もう、また、イく…!」

 すぐにまた、熱い液体が顔を直撃する。
 今度は、さっきよりも至近距離で。
 声もあげないまま、白宮さんはイッた。

「はぁ、はぁっ、はぁっ…」

 肩で息をしながら、白宮さんは俺の上から退いて仰向けに転がった。
 上体を起こして眺めてみると、まだ股間から透明な液体が少し迸っていた。

「も、もう…なんで、無視するのっ…!」
「…ごめん。何でもいいって言われたから、つい…」
「限度があるでしょ、限度が…!」

 汗だくになって真っ赤な顔をしてこちらを睨む白宮さんは可愛いが、それを言うわけにもいかない。

「こっちもイカせてやるんだから…!」

 復活して対抗心を燃やした白宮さんが、俺の腰のそばに寝そべる。
 そして再び、固いままのペニスを口に含み、頭を動かし始めた。

「や、やばいって、それ…!」

 白宮さんの絶頂を生で見て肌で感じて、興奮が最高潮になったところに与えられた刺激に、俺はなすすべもなく射精へと導かれる。

「くっ…うっ…」

 今までに経験したことのないような快感が脳を貫いて、口から情けなく息が漏れる。
 しばらくその状態が続いた後、白宮さんは口を離した。

「あっ…わりい、吐き出すか」

 俺は予め用意されていたティッシュを一枚出して渡そうとしたが、パッと手で止められる。

「んっ、んくっ…やっぱり、苦いね」

 そして、喉を鳴らしながら飲み下した。

「…ん?どうしたの?」
「いや、飲むんだなって…」
「そんなに変なことじゃないよ、汚いわけでもないし」
「えっ」

 それは、どう解釈したら良いのだろうか。
 俺の精液なら汚くないとか、そういう方向に解釈しても良いのだろうか。
 …射精したばかりで、頭がバカになっているかもしれない。
 俺はそれ以上の反応をやめて、タオルとティッシュで飛び散った液体を拭い始めた。
 結局、終わったときには心地よい疲労感のおかげで布団に倒れ込むなりすぐに眠れるほどだった。

 ちなみに、こちらの世界では精液は尿と同じく無菌状態が保たれるらしいということを知ったのは、その後数日ほど経ってからのことだった。
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