女の子がエロい服を着てる世界でもラブコメはできる!

キューマン・エノビクト

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73. 第三者が特殊プレイをやる状況も、経験せざるを得ない

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「かのっちもゆーみんもお先ー」

 ヘンゼルとグレーテル組の三人は先に自分たちの教室へと帰っていった。

「…えーっと、第2ターンから再開いたしますか?」
「は…はい…約束、チップちょうだい…」

 結局イカせてもらえなかったらしい花音がゆーみんにチップを要求する。
 それに対し、彼女は意外な行動に出た。

「はい、どうぞ」

 渡すと約束したチップどころか、自分の手元のチップをまとめて花音に渡したのだ。

「わたしはここで降りるからさ。使っていいよ」
「えっ…?でも…」
「そのかわり」

 ゆーみんはそう言って、花音をぐいっと引き寄せたかと思うと、自分の膝の上に乗せた。

「ここでやって」
「…? うん、わかった…」

 刺激を与えられ続けて蕩けた表情の彼女は、特に何も考えずにゲーム続行を選択した。
 …展開が予想できてしまった。

「では、プレイスユアベット」

 気づかないふりをして、俺は賭けを促す。
 花音はチップを持った手を彷徨わせて…

「ひゃあん!」

 色っぽい声と同時に体をびくりと震わせた。
 ダンボール製のチップが指先に押されて凹む。
 …案の定、後ろから伸びてきた手が彼女の慎ましやかな胸を鷲掴みにしていた。

「ほらほらー、ちゃんと賭けないと」
「こんなの…っ、きいてな…!」

 ビクビクと体全体に震えを行き渡らせながら、花音はチップを押しやった。

「セカンドコラム、当たれば3倍です。よろしいですか?」
「おね、が、しま…」

 彼女はもはやこちらを見ることすら叶わず、顔を下に向けたままとぎれとぎれに言葉を発するのみ。

「では、ノーモアベット」

 俺はボールを構え、ルーレットを回した。

「ほらほら、何が当たるかちゃんと見ないとダメだよ?」

 いたずらっぽいゆーみんの声に、花音はなんとか視線を上げた。

(…うわ、えっろい…)

 どストレートな心の声が、自分の中で漏れた。
 それほどまでに彼女は蕩けきった表情をしていた。
 これだけ長い時間弄られておきながら、まだイくことができていないのだろう。
 そんな考えを脳裏に走らせているうちに、ボールはカランと音を立ててスポットに転がり込んだ。

「黒の29…当たりですね。おめでとうございます」

 チップ不足を防ぐためある程度の枚数を両替してその場に置きながら、俺は言った。
 二回ともチップを失うことは避けられたようだ。

「あ、ありがとうござい、ます…」

 花音がチップを手繰り寄せようと腕を伸ばした、その時。

「えい」
「んいっ…くぅっ!?」

 目が合った状態で、彼女は快感に表情を変えた。
 そして、先程よりも大きく、波のある震え方をして、積まれていたチップを崩してしまう。

「失礼します、お飲み物をお持ちしました…」

 バニーになった色葉が来るなり、怪訝な表情を一瞬した。
 飲み物を置いて、俺の耳元に顔を近づける。

「…これ、どういう状況?」
「…わからん」

 俺はこっそりと眉間にシワを寄せながら答えた。
 …本当に、どうしてこうなった。

「とりあえずね、一つ言っておくと…」
「なんだ?」
「その…乳首は、ヤバいよ。戻ってこれなくなる」

 そう言った色葉のそれは、バニーの網目から顔を出している。
 擦れたせいか、少々大きさを増して固くなっている…ように見える。

「ほんと、奥原くんのせいで大変なことになったんだから。近藤にもバレちゃったし」
「そりゃ失礼…って、近藤?」
「そ。あいつセックスでいつも必ず乳首責めしてきてそのたびにイかされるんだもん。教えたの奥原くんでしょ」
「あー、えーと…すまん?」

 いくらセックスがコミュニケーションになってる世界とはいえ、それが何度も、話の種に上がるほど…ねぇ。
 これは、そういうことと見ていいんだろうか。

「まったく、奥原くんも責任とって乳首責めの虜にされてほしいくらいなのに。男でもイケるんだよ?」
「…遠慮しとくわ」

 突然降り掛かった貞操の危機(?)をギリギリで回避し、俺は前を見据えた。
 ちょうど花音が絶頂から帰ってきたところだった。

 ――結局、花音は5ターン目でチップをスってしまい、罰としてゆーみんにもう一度イかされてしまっていた。
 戻ってこれないんだろうなあ、と俺は色葉の言ったことを思い出しながら二人を見送った。
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