10 / 76
第二章 躍動の5年間 初等部編
第8話 俺の初めてを捧げます 初等部1年生
しおりを挟む
今日は慎重に動きたい。
今日はアノ日だ。
初めてを捧げる日だ。
赤飯がいるぞー!
バァさんや、メシはまだかの?
いやいや、違うぞ、違う!
落ち着けー!
スーハースーハー。
そう、今日は杖を買いに行くぞ!
待望の杖だ!
初めて魔術を使える日だ。
問題はいくつかある。
だから、落ち着けー。
問題点の1つ目は、購入予算だ。
今の所、1万丸ガンの予算らしい。
初等部の杖の相場を考えると多めに設定してくれているらしいが、兄よりは安いものらしい。
悔しいが、仕方ない。
2人目の子どもとはそういうものだ。
俺も子育ては経験があるからよくわかる。
上の子には取り敢えずいいものを買い与えてみるが、冷静になると「やっぱ、いらんかったな」と、なる。
しかし、それに対しては対抗手段を用意している。
普通、杖を買う時は、魔術屋で杖と中身の魔術をセットで購入する。
そして、魔術屋で、杖に魔術を付与してもらうのが、通常の流れだ。
魔術は単品で買うと、付与するために手数料を取られる。
杖と一定の魔術がセットで販売されているものは少しお得に購入できる。
杖というハードウェアに、魔術というソフトウェアをインストールするという考え方だ。
通常なら、セットを買うところだ。
しかーし、俺はこの5年間でアースの部屋の本を借りて勉強したのだ。
そこで、魔術の術式とその付与の仕方を予習しておいたのだ。
簡単な魔術だと初等部でも付与できるが、実用的な魔術となると、中等部の教科書を見る必要があった。
そこで、俺はアースの本と、家庭教師を利用してバッチリ予習済みというわけだ。
もちろんアースにはワイロ(オヤツ)を渡してある。
これで、俺は少ない予算でも、杖本体に全ての財力を投入できる。
そして、その後発生するのが、第2の問題だ。
それは、ママンのいない時に買うことである。
普通、小学1年生が1万円の買い物をするとなれば、大人が同伴するものだ。
しかし、ママン同伴で買いに行けば、魔術とセットの方を買おうとする。
なぜなら、魔術の付与は失敗すると、マナ暴走を誘発する危険性があるからだ。
安全面には配慮して付与するつもりだが、ママンが許してくれるとは思えない。
でも、少しでも高級な杖を買いたい。
そこで俺は考えた。
「ねぇ、ママン、今度、学校で使う杖を買いに行きたいんだけど、いいかな?」
「もちろんよ。しっかり勉強してもらわないとね。予算は、言ってた通り1万丸ね」
「ありがと。それじゃあ、アネモネと買いに行くよ。どうやら、アネモネは近所の魔術屋に顔がきくらしくて、少しいいものを買えるらしいんだ」
「そうなの?いつも通ってるからアネモネに任せようかしら。アネモネも中等部に入って、引き続き成績優秀らしいしね」
そう、エリートをダシに使う作戦だ。
アネモネは上級術師で、成績はいつもトップだ。
それに、内緒で教えてもらったことだが、彼女は実は特級術師だ。
魔力が9500mpもあるんだから、成績がトップなのも頷ける。
調べてわかったが、特級術師が生まれる確率は、1億分の1の確率だ。
この星も地球と人口がそこまで変わらないことから、特級術師はこの星に80人程度しかいない計算になる。
彼女はそのうちの1人なのである。
それくらい貴重な人材だから、命を狙われるとのことだ。
もちろんトップシークレットだ。
さて、さっそく頼んで見よう
「ねぇねぇ、アネモネ!俺の杖を買いに行くからついてきてよ」
「今なら大丈夫よ。どんな杖にするか決めてる?」
「あぁ、杖自体は詳しく無いんだけど、買うのは杖だけで魔術無し、それで、杖は付与できる容量のなるべく大きい物がいいな」
「それだけ具体的に決まってるならすぐに決まるわね。まかせて、値切ってあげる。アタシ、実はあの店の付与手伝ってるのよ?」
「おお、さすがだね!心強い!」
魔術屋にいくと1万5千丸の杖を1万丸にオマケしてくれた。
さらに、アネモネが付与できる最高の魔術セットまで付与してくれた。
これは一度やってみたかったけど、今回はこれでいいや。
お得なお買い物だった!ラッキー!
今日はアノ日だ。
初めてを捧げる日だ。
赤飯がいるぞー!
バァさんや、メシはまだかの?
いやいや、違うぞ、違う!
落ち着けー!
スーハースーハー。
そう、今日は杖を買いに行くぞ!
待望の杖だ!
初めて魔術を使える日だ。
問題はいくつかある。
だから、落ち着けー。
問題点の1つ目は、購入予算だ。
今の所、1万丸ガンの予算らしい。
初等部の杖の相場を考えると多めに設定してくれているらしいが、兄よりは安いものらしい。
悔しいが、仕方ない。
2人目の子どもとはそういうものだ。
俺も子育ては経験があるからよくわかる。
上の子には取り敢えずいいものを買い与えてみるが、冷静になると「やっぱ、いらんかったな」と、なる。
しかし、それに対しては対抗手段を用意している。
普通、杖を買う時は、魔術屋で杖と中身の魔術をセットで購入する。
そして、魔術屋で、杖に魔術を付与してもらうのが、通常の流れだ。
魔術は単品で買うと、付与するために手数料を取られる。
杖と一定の魔術がセットで販売されているものは少しお得に購入できる。
杖というハードウェアに、魔術というソフトウェアをインストールするという考え方だ。
通常なら、セットを買うところだ。
しかーし、俺はこの5年間でアースの部屋の本を借りて勉強したのだ。
そこで、魔術の術式とその付与の仕方を予習しておいたのだ。
簡単な魔術だと初等部でも付与できるが、実用的な魔術となると、中等部の教科書を見る必要があった。
そこで、俺はアースの本と、家庭教師を利用してバッチリ予習済みというわけだ。
もちろんアースにはワイロ(オヤツ)を渡してある。
これで、俺は少ない予算でも、杖本体に全ての財力を投入できる。
そして、その後発生するのが、第2の問題だ。
それは、ママンのいない時に買うことである。
普通、小学1年生が1万円の買い物をするとなれば、大人が同伴するものだ。
しかし、ママン同伴で買いに行けば、魔術とセットの方を買おうとする。
なぜなら、魔術の付与は失敗すると、マナ暴走を誘発する危険性があるからだ。
安全面には配慮して付与するつもりだが、ママンが許してくれるとは思えない。
でも、少しでも高級な杖を買いたい。
そこで俺は考えた。
「ねぇ、ママン、今度、学校で使う杖を買いに行きたいんだけど、いいかな?」
「もちろんよ。しっかり勉強してもらわないとね。予算は、言ってた通り1万丸ね」
「ありがと。それじゃあ、アネモネと買いに行くよ。どうやら、アネモネは近所の魔術屋に顔がきくらしくて、少しいいものを買えるらしいんだ」
「そうなの?いつも通ってるからアネモネに任せようかしら。アネモネも中等部に入って、引き続き成績優秀らしいしね」
そう、エリートをダシに使う作戦だ。
アネモネは上級術師で、成績はいつもトップだ。
それに、内緒で教えてもらったことだが、彼女は実は特級術師だ。
魔力が9500mpもあるんだから、成績がトップなのも頷ける。
調べてわかったが、特級術師が生まれる確率は、1億分の1の確率だ。
この星も地球と人口がそこまで変わらないことから、特級術師はこの星に80人程度しかいない計算になる。
彼女はそのうちの1人なのである。
それくらい貴重な人材だから、命を狙われるとのことだ。
もちろんトップシークレットだ。
さて、さっそく頼んで見よう
「ねぇねぇ、アネモネ!俺の杖を買いに行くからついてきてよ」
「今なら大丈夫よ。どんな杖にするか決めてる?」
「あぁ、杖自体は詳しく無いんだけど、買うのは杖だけで魔術無し、それで、杖は付与できる容量のなるべく大きい物がいいな」
「それだけ具体的に決まってるならすぐに決まるわね。まかせて、値切ってあげる。アタシ、実はあの店の付与手伝ってるのよ?」
「おお、さすがだね!心強い!」
魔術屋にいくと1万5千丸の杖を1万丸にオマケしてくれた。
さらに、アネモネが付与できる最高の魔術セットまで付与してくれた。
これは一度やってみたかったけど、今回はこれでいいや。
お得なお買い物だった!ラッキー!
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
おっさんの異世界建国記
なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる