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第一章 2度目の誕生 乳児編
幕間 ある日のアネモネ
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アタシはアネモネ・アフロディーテ。
ゼルエル・アフロディーテとシエン・サリュー・アフロディーテの娘。
3人家族。
しかし、5歳の誕生日の翌日、急遽アルデウス家に預けられることになった。
仕事の関係で帰りはわからないと父は言っていた。
あんな見たこともない、笑ってるとも泣いてるとも言えない表情をしている父のセリフは、暗に父や母が帰ってこないことを示していた。
5歳と言っても私は考えることはできた。
両親が、帰ってこないことは予測できたが、納得することは、できなかった。
だから、いつまでもエルバーや、アンネに対して敬語を使っていた。
アルデウス家の人間を家族として認めてしまえば、両親が帰ってこないような気がしたのだ。
しかし、アルデウス家での生活を1ヶ月が終えたころ、アンネとともに、天使が現れた。
天使と言っても比喩だ。
御伽話の天使ではない。
そう、ライラック・アルデウスだ。
アタシは彼と結婚し、子どもを産むことを決めた。
0歳児に向かってである。
気がつけばキスをしていた。
彼も吸ってきたので、吸い返した。
舌も絡めてしまった。
子どものイタズラで済まされないことはわかっていた。
だから、少しずつやめるようにした。
しかし、彼を思う気持ちは一切変わらなかった。
キスの代わりにできることを、考えた。
絵本を読んであげようと決めた。
そして、本を選び、大切に大切に奥へしまった。
すると、どこにしまったのかわからなくなった。
焦った。
見つけた。
練習通り読むと、にこにこしてくれていた。
アタシは彼の家族になると決めた。
アルデウス家の人間になると決めた。
その日、アタシは学校へ初めて行った。
本当は4月から1年生をしなきゃいけなかったのだが、4月4日からアルデウス家にお世話になったので、登校できないまま半年経ってしまった。
もちろん、アンネからは何度も学校へ行くように言われたが、アルデウス家に世話になると決めかねていたアタシは、学校へ行くことも断っていた。
それに、アタシが学校へ行きたくないのは、余計なトラブルをさけるためでもあった。
両親はアタシが学校へ行っても問題ないように、色々と教えてくれた。
特に気をつけなさいと何度も言われたのが、魔力操作だ。
アタシの魔力鑑定は陽の上級だが、実はそれ以上にある。
通常、ヒトの魔力は1000mpで頭打ちとなるので、出産時の簡易鑑定では1000mpまでしか鑑定できない。
そのため、上級と出てしまうらしい。
もっとも、1000mpの人間は全人口の100万人に1人の珍しいヒトであることにはかわりないが。
1000mpが上級の限界で、ヒトの限界だと言われている。
しかし、アタシは9500mpもある。
いわゆる特級術者という存在だ。
これは特異体質で、非常に珍しいことだそうだ。
両親も共に特異体質らしく、そのせいでアタシも異常な魔力を得ることになった。
おそらく、両親が巻き込まれているトラブルは特異体質がらみだろう。
だから、命の危機にあることを言わずにアタシを他家に託して行ったに違いない。
つまり、アタシたち特級術者は命を狙われるということだ。
両親のように。
学校で特級術者であることを公にしてしまうことはできまないので、幼いころから、魔力の制御トレーニングを続けた。
さぁ、もう教室に到着する。
うまく過ごして、でも、たくさん学ぶんだ。
がんばろう。
「おはようございます。アネモネ・アフロディーテです。よろしくお願いします」
「はい。アネモネさん、上手にご挨拶ができましたね。それじゃ、新しいお友達に質問のある子はいますか?…はい、それじゃあ、クリスさんどうぞ」
「はい。アネモネさん、よろしく。クリスです。アネモネさんは何級術者ですか?やっぱり中級ですか?」
さっそく、本質的な質問だ。
しかし、答えを用意しているので問題はない。
「一応、上級らしいです。お父さんも、お母さんも上級だかららしいです」
「そうだったんですね。先生はアネモネさんが上級だと知っていましたが、ご両親もなんですね。両親共に上級だと上級の子どもが生まれやすいらしいですね」
そう、私は担任の先生も騙さなければならない。
だから、事実ではあるが、納得しやすい答えを言う。
もちろん考えたのはお母さんだ。
その後も授業や友だちとの交流でボロを出すことなく、かつ、楽しく過ごすことができた。
しかし、自分が特級であることを全員に隠すことは難しいと考えた。
困った時に相談する相手がいないからだ。
誰かに相談したいので、相手をみつけないと。
ライが大きかったら間違いなく打ち明けていたが、今は赤ちゃん。
そうなると信用できそうなのは…。
その後、アネモネが相談できたのはもう少し後のお話。
ゼルエル・アフロディーテとシエン・サリュー・アフロディーテの娘。
3人家族。
しかし、5歳の誕生日の翌日、急遽アルデウス家に預けられることになった。
仕事の関係で帰りはわからないと父は言っていた。
あんな見たこともない、笑ってるとも泣いてるとも言えない表情をしている父のセリフは、暗に父や母が帰ってこないことを示していた。
5歳と言っても私は考えることはできた。
両親が、帰ってこないことは予測できたが、納得することは、できなかった。
だから、いつまでもエルバーや、アンネに対して敬語を使っていた。
アルデウス家の人間を家族として認めてしまえば、両親が帰ってこないような気がしたのだ。
しかし、アルデウス家での生活を1ヶ月が終えたころ、アンネとともに、天使が現れた。
天使と言っても比喩だ。
御伽話の天使ではない。
そう、ライラック・アルデウスだ。
アタシは彼と結婚し、子どもを産むことを決めた。
0歳児に向かってである。
気がつけばキスをしていた。
彼も吸ってきたので、吸い返した。
舌も絡めてしまった。
子どものイタズラで済まされないことはわかっていた。
だから、少しずつやめるようにした。
しかし、彼を思う気持ちは一切変わらなかった。
キスの代わりにできることを、考えた。
絵本を読んであげようと決めた。
そして、本を選び、大切に大切に奥へしまった。
すると、どこにしまったのかわからなくなった。
焦った。
見つけた。
練習通り読むと、にこにこしてくれていた。
アタシは彼の家族になると決めた。
アルデウス家の人間になると決めた。
その日、アタシは学校へ初めて行った。
本当は4月から1年生をしなきゃいけなかったのだが、4月4日からアルデウス家にお世話になったので、登校できないまま半年経ってしまった。
もちろん、アンネからは何度も学校へ行くように言われたが、アルデウス家に世話になると決めかねていたアタシは、学校へ行くことも断っていた。
それに、アタシが学校へ行きたくないのは、余計なトラブルをさけるためでもあった。
両親はアタシが学校へ行っても問題ないように、色々と教えてくれた。
特に気をつけなさいと何度も言われたのが、魔力操作だ。
アタシの魔力鑑定は陽の上級だが、実はそれ以上にある。
通常、ヒトの魔力は1000mpで頭打ちとなるので、出産時の簡易鑑定では1000mpまでしか鑑定できない。
そのため、上級と出てしまうらしい。
もっとも、1000mpの人間は全人口の100万人に1人の珍しいヒトであることにはかわりないが。
1000mpが上級の限界で、ヒトの限界だと言われている。
しかし、アタシは9500mpもある。
いわゆる特級術者という存在だ。
これは特異体質で、非常に珍しいことだそうだ。
両親も共に特異体質らしく、そのせいでアタシも異常な魔力を得ることになった。
おそらく、両親が巻き込まれているトラブルは特異体質がらみだろう。
だから、命の危機にあることを言わずにアタシを他家に託して行ったに違いない。
つまり、アタシたち特級術者は命を狙われるということだ。
両親のように。
学校で特級術者であることを公にしてしまうことはできまないので、幼いころから、魔力の制御トレーニングを続けた。
さぁ、もう教室に到着する。
うまく過ごして、でも、たくさん学ぶんだ。
がんばろう。
「おはようございます。アネモネ・アフロディーテです。よろしくお願いします」
「はい。アネモネさん、上手にご挨拶ができましたね。それじゃ、新しいお友達に質問のある子はいますか?…はい、それじゃあ、クリスさんどうぞ」
「はい。アネモネさん、よろしく。クリスです。アネモネさんは何級術者ですか?やっぱり中級ですか?」
さっそく、本質的な質問だ。
しかし、答えを用意しているので問題はない。
「一応、上級らしいです。お父さんも、お母さんも上級だかららしいです」
「そうだったんですね。先生はアネモネさんが上級だと知っていましたが、ご両親もなんですね。両親共に上級だと上級の子どもが生まれやすいらしいですね」
そう、私は担任の先生も騙さなければならない。
だから、事実ではあるが、納得しやすい答えを言う。
もちろん考えたのはお母さんだ。
その後も授業や友だちとの交流でボロを出すことなく、かつ、楽しく過ごすことができた。
しかし、自分が特級であることを全員に隠すことは難しいと考えた。
困った時に相談する相手がいないからだ。
誰かに相談したいので、相手をみつけないと。
ライが大きかったら間違いなく打ち明けていたが、今は赤ちゃん。
そうなると信用できそうなのは…。
その後、アネモネが相談できたのはもう少し後のお話。
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