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第46話 改革
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「そろそろ終わりませんか?」
かれこれ3時間は剣を振り続けている。
スキルの副作用が抜けない僕は無理やり終わることができない。
口だけでなく、体もピュアになるみたいだ。
「いえいえ、もう少し続けましょう」
アイリスはずっと見学している。
「アイリスも入って見てはどうかな? 盾スキルのトレーニングにちょうどいいよ?」
「そうですか? それじゃあ、少しだけ」
どこからともなく取り出した盾を身に付け、スパイクの剣を受ける。
あ、アイリスは頼まれたら断れないスキルだったな。
もっと、早く頼めばよかった。
「あ、レベルアップしました」
「おお、早速か。『鑑定』するよ」『鑑定』
『鑑定結果 アイリス・バルーン14歳 女 スキル【受け レベル5】(奉仕 レベル10)(盾 2)』
「あれ?『奉仕』のレベルが一気に上がってるね?」
「少しずつ上がってました」
「そうなんだ。僕が『鑑定』できるようになったから言ってくれたらするよ?」
「かしこまりました」
「スキル合成もしておくね」『合成』
こんなこともあろうかと、『自己暗示』でショコラのスキルを頂戴しておいた。
ほかにも欲しいスキルはあるのだが、つい、忘れてしまう。
「ありがとうございます」
「いいよいいよ」
さて、ここからが本番だ。
領地経営について説明は受けたが、明らかに失敗するやり方をしている。
ダメ社員とは言え、社会人経験者だ。
会社のNGくらいはわきまえている。
まず、領地という会社が部署に分かれていないのが大きな問題に思えた。
「スパイク殿、領内の組織表なるものはありますか?」
「そしきひょう? ですか?」
ダメだこりゃ。
組織として機能していないのが丸わかりだ。
「複数の人数で何かをするときは仕事を明確に分担した方がスムーズですよ」
「ほう。すると、その組織表があれば分担できるのですか?」
「そうですね。誰が何をするのかは決めて、紙に書いておかないと、トラブルの原因となります」
「さすが、アーサー様。すばらしいご慧眼ですな」
いや、誰でも知ってそうだけどな。
城なら部署ごとに分けて仕事してたし。
そうか、鉱物だけで食っていけた時は、掘る人と計算する人だけでよかったのか。
単純に進んでいたものが、複雑にしなければならないのに、できなかったわけか。
少し口出しするだけで化けるかもしれないな。
「いえいえ、それより、働いている領民の福利厚生は考えていますか?」
「ええ、休日や給料は設定していますよ」
「すばらしい功績を残したものにボーナスは支給していますか?」
「案はありますが、すばらしい功績が何もないので、渡せずにいます」
なるほど、完全に止まっている会社だ。
せめて自転車操業でもいいから動いている会社にしなければ、全員飢え死にするぞ。
「今は農作物で生計を立てていますよね? 不作だった場合の対応は考えていますか?」
「いえ、昨年から農業をメインに切り替えたので、なかなかいいものがありません」
「近くにダンジョンはありますか?」
「はい。いくつもあります。そのため、夜には魔物が徘徊するので、畑が荒らされるんです」
「冒険者ギルドはありますか?」
「ありません。……っは!」
「お気づきですか? 冒険者ギルドを斡旋して、冒険者の町にすれば消費が増えますね」
「そんなことにも気づかないなんて。てっきり生産だけでどうにかしなければならないと思い込んでいました」
「都市内で消費を循環させるよりは外からのお金を入れた方が儲けが大きいですね。それに、不作の時も対応できます」
おお、スキル副作用すごいな。
こんなにスラスラしゃべったのは生まれて初めてかもしれない。
内容は小学校の社会で習いそうなことだけど……。
ってか、これにすら気づかないスパイクはどんだけ脳筋なんだよ。
その後のスパイクは生まれ変わったように、仕事熱心に働いた。
翌日は早速冒険者ギルド王都支部に手紙を書き、斡旋に向けた準備を始めた。
そして、ダンジョンの近くに宿屋と、衛兵を設置した。
ダンジョンは都市の周辺に九個にも及ぶ数で存在した。
都市を拠点として、ダンジョン事に宿屋を利用させるということだろう。
冒険者ギルドは存在しないが、宿屋があるということで、冒険者が集まるようになり、少しずつ冒険者の都市としての機能を持ちつつあった。
都市では、冒険者が大きな消費者となり、産業も拡充されていくことだろう。
そう、後半は僕の予想だ。
そうなればいいなっていう希望的観測。
なるかならないかはわからない。
しかし、ギルドも動きだしそうだし、その可能性は十分ある。
僕はそれを見届けることはできない。
だって、短期留学だし。
でも、ヒントは出したんだから、もういいよね?
と、いうことで、アイリスの『受け』の効果を試している。
仕事はスパイクに丸投げだ。
僕の部屋にアイリスを呼んでいた。
アイリスはあらゆる注文を『受け』ることができる
レベルも15だ。すばらしい。
以前は『催眠術』でお願いしたが、今回は使わない。
彼女のスキルだけで『受け』切ってもらおう。
「アイリス、今からすることは実験だから、みんなには内緒だよ?」
「はい。いつもの実験ですね。かしこまりました」
「ありがとう。それじゃあ、まずは続きだ。スカートをめくってパンツを見せてくれ」
アイリスは恥ずかしそうに少しずつスカートをめくり上げる。
今日もパンツは白だった。
レースがかわいい。
「次は、スカートをおろしていいから、パンツを脱いでくれるかい?」
「承知しました」
アイリスは顔を真っ赤にしながらパンツを脱いだ。
パンツをずらすときに中が見えないようにする仕草がかわいい。
脱いだパンツは自分の後ろに隠してしまった。
「その持っているパンツをこちらへ向けて広げてくれるかい?」
「え、……かしこまりました」
おお。
これまで『受け』てくれるか。
結婚してしまえばなんでもお願いし放題だな。
アイリスはパンツをこちらへ向けて差し出し、広げて見せてくれた。
「あ……」
アイリスは小さい声でつぶやいた。
視線は定まらず、手は震えている。
最終的に定まった視線は僕の後ろに向けられていた。
そこにはいないはずの人間がいた。
本来であればダンジョンで鍛錬している人間だ。
そう、騎士団の千人長トリスタン・ド・サリューム。
第三王子であるトリスタンお兄様が窓の外からこちらを覗いていたのだ。
かれこれ3時間は剣を振り続けている。
スキルの副作用が抜けない僕は無理やり終わることができない。
口だけでなく、体もピュアになるみたいだ。
「いえいえ、もう少し続けましょう」
アイリスはずっと見学している。
「アイリスも入って見てはどうかな? 盾スキルのトレーニングにちょうどいいよ?」
「そうですか? それじゃあ、少しだけ」
どこからともなく取り出した盾を身に付け、スパイクの剣を受ける。
あ、アイリスは頼まれたら断れないスキルだったな。
もっと、早く頼めばよかった。
「あ、レベルアップしました」
「おお、早速か。『鑑定』するよ」『鑑定』
『鑑定結果 アイリス・バルーン14歳 女 スキル【受け レベル5】(奉仕 レベル10)(盾 2)』
「あれ?『奉仕』のレベルが一気に上がってるね?」
「少しずつ上がってました」
「そうなんだ。僕が『鑑定』できるようになったから言ってくれたらするよ?」
「かしこまりました」
「スキル合成もしておくね」『合成』
こんなこともあろうかと、『自己暗示』でショコラのスキルを頂戴しておいた。
ほかにも欲しいスキルはあるのだが、つい、忘れてしまう。
「ありがとうございます」
「いいよいいよ」
さて、ここからが本番だ。
領地経営について説明は受けたが、明らかに失敗するやり方をしている。
ダメ社員とは言え、社会人経験者だ。
会社のNGくらいはわきまえている。
まず、領地という会社が部署に分かれていないのが大きな問題に思えた。
「スパイク殿、領内の組織表なるものはありますか?」
「そしきひょう? ですか?」
ダメだこりゃ。
組織として機能していないのが丸わかりだ。
「複数の人数で何かをするときは仕事を明確に分担した方がスムーズですよ」
「ほう。すると、その組織表があれば分担できるのですか?」
「そうですね。誰が何をするのかは決めて、紙に書いておかないと、トラブルの原因となります」
「さすが、アーサー様。すばらしいご慧眼ですな」
いや、誰でも知ってそうだけどな。
城なら部署ごとに分けて仕事してたし。
そうか、鉱物だけで食っていけた時は、掘る人と計算する人だけでよかったのか。
単純に進んでいたものが、複雑にしなければならないのに、できなかったわけか。
少し口出しするだけで化けるかもしれないな。
「いえいえ、それより、働いている領民の福利厚生は考えていますか?」
「ええ、休日や給料は設定していますよ」
「すばらしい功績を残したものにボーナスは支給していますか?」
「案はありますが、すばらしい功績が何もないので、渡せずにいます」
なるほど、完全に止まっている会社だ。
せめて自転車操業でもいいから動いている会社にしなければ、全員飢え死にするぞ。
「今は農作物で生計を立てていますよね? 不作だった場合の対応は考えていますか?」
「いえ、昨年から農業をメインに切り替えたので、なかなかいいものがありません」
「近くにダンジョンはありますか?」
「はい。いくつもあります。そのため、夜には魔物が徘徊するので、畑が荒らされるんです」
「冒険者ギルドはありますか?」
「ありません。……っは!」
「お気づきですか? 冒険者ギルドを斡旋して、冒険者の町にすれば消費が増えますね」
「そんなことにも気づかないなんて。てっきり生産だけでどうにかしなければならないと思い込んでいました」
「都市内で消費を循環させるよりは外からのお金を入れた方が儲けが大きいですね。それに、不作の時も対応できます」
おお、スキル副作用すごいな。
こんなにスラスラしゃべったのは生まれて初めてかもしれない。
内容は小学校の社会で習いそうなことだけど……。
ってか、これにすら気づかないスパイクはどんだけ脳筋なんだよ。
その後のスパイクは生まれ変わったように、仕事熱心に働いた。
翌日は早速冒険者ギルド王都支部に手紙を書き、斡旋に向けた準備を始めた。
そして、ダンジョンの近くに宿屋と、衛兵を設置した。
ダンジョンは都市の周辺に九個にも及ぶ数で存在した。
都市を拠点として、ダンジョン事に宿屋を利用させるということだろう。
冒険者ギルドは存在しないが、宿屋があるということで、冒険者が集まるようになり、少しずつ冒険者の都市としての機能を持ちつつあった。
都市では、冒険者が大きな消費者となり、産業も拡充されていくことだろう。
そう、後半は僕の予想だ。
そうなればいいなっていう希望的観測。
なるかならないかはわからない。
しかし、ギルドも動きだしそうだし、その可能性は十分ある。
僕はそれを見届けることはできない。
だって、短期留学だし。
でも、ヒントは出したんだから、もういいよね?
と、いうことで、アイリスの『受け』の効果を試している。
仕事はスパイクに丸投げだ。
僕の部屋にアイリスを呼んでいた。
アイリスはあらゆる注文を『受け』ることができる
レベルも15だ。すばらしい。
以前は『催眠術』でお願いしたが、今回は使わない。
彼女のスキルだけで『受け』切ってもらおう。
「アイリス、今からすることは実験だから、みんなには内緒だよ?」
「はい。いつもの実験ですね。かしこまりました」
「ありがとう。それじゃあ、まずは続きだ。スカートをめくってパンツを見せてくれ」
アイリスは恥ずかしそうに少しずつスカートをめくり上げる。
今日もパンツは白だった。
レースがかわいい。
「次は、スカートをおろしていいから、パンツを脱いでくれるかい?」
「承知しました」
アイリスは顔を真っ赤にしながらパンツを脱いだ。
パンツをずらすときに中が見えないようにする仕草がかわいい。
脱いだパンツは自分の後ろに隠してしまった。
「その持っているパンツをこちらへ向けて広げてくれるかい?」
「え、……かしこまりました」
おお。
これまで『受け』てくれるか。
結婚してしまえばなんでもお願いし放題だな。
アイリスはパンツをこちらへ向けて差し出し、広げて見せてくれた。
「あ……」
アイリスは小さい声でつぶやいた。
視線は定まらず、手は震えている。
最終的に定まった視線は僕の後ろに向けられていた。
そこにはいないはずの人間がいた。
本来であればダンジョンで鍛錬している人間だ。
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