中身はクズモブなのに『ピュア』だけでゴリ押す第六王子のハーレムは完成する〜非戦闘スキルなのにバトルも無双〜

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第43話 消えた『催眠術』

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 タッタラー
 タッタラー
 タッタラー
 タッタラー
 タッタラー
 タッタラー
 タッタラー
 タッタラー

 やたらとレベルが上がった。
 そうか、パーティブーストとピンチブーストが両方かかった状態で魔王を倒したからだな。

 早速、鑑定してみよう。『鑑定』
『鑑定結果 アーサー・ド・サリューム14歳 男 スキル【ドラゴンハート レベル2】【ピュア レベル6】(剣聖 レベル1)(催眠術 レベル10)(勇者 レベル2)』
 
 おお!『催眠術』がカンストしたな。
 まぁ、魔王を倒したのは催眠術のおかげだもんな。
 それで?
 確か、この後は、スキルを合成するんだっけ?
 どうやんの?
 元鑑定屋のショコラに聞いてみよう。

「ねぇ、ショコラ。今大丈夫?」
 ボロボロになった城で待機していたショコラを見つけた。
「はい。どうしましたか?」
「どうやら、僕のスキルがレベル10になったんだけど、合成ってどうやってするの?」

「おめでとうございます。『スキル合成』という派生スキルを使います。今すぐ合成しますか?」
「おお、僕はまだ、それを持ってないんだよ。お願い」
「承知しました」

『鑑定』「確かに、『催眠術』が10ですね。『ピュア』に合成でいいですね?」
「うん。それでかまわないよ」
『合成』「できました。『催眠術』が使えるか試してみて下さい」

「そうだね。じゃあ、ショコラが実験台で」
『催眠術』「前のエッチしたことを内緒にしてくれ」
「内緒にしたかったのですね。少し悲しいです」
 ショコラは少し悲しそうな表情をしてる。
 やっぱり、記憶に関することはダメなのかな?
 いや、口止めはできたぞ?
「そんな反応ってことは効いてないな。別ので試すか」
『催眠術』「右手を上げろ」

 ・・・・・・

 あれ?
『催眠術』が無くなってる?
 今までかなりお世話になったスキルなのに!
 具体的な指示で暗示ができたから凄く便利だったのに!
 ショック!
 泣きそう!
 これで、エッチな命令もできなくなる。
 こっそりエッチなことができる手段だったのに!

「んあー!なんてことだ!」
 心の声を一言で表してみた。
 
「おそらく、スキルの機能も合成されたせいでしょう」
「機能の合成?」
「ええ、似たようなスキルを合成することで、ベーススキルの性能を底上げすることができます。アーサー様の『ピュア』と『催眠術』は非常に似た効果でしたので、『ピュア』に合成されたものかと思います」

「すると、どうなるの?」
「『ピュア』を使うだけで催眠術の効果を得ることができます」
「おお。なるほど、いつも『ピュア』のあとに『催眠術』を連続で使うのが面倒だったんだよな。それは助かる」
「回数は、合成されてレベルが上昇していますので、『ピュア』の六回と『催眠術』の十回を足して16回使用できます」
「おお、合成した効果なのに回数は変わらないんだな。お得な感じだな」

 んじゃ、さっそく。
『ピュア』「左手をあげろ」
 ショコラが左手を挙げる。
『ピュア』「右手で胸を揉め」
 ショコラが左手を挙げたまま、右手で胸を揉みしだく。
 おお、できた。

『ピュア』で『催眠術』の効果があるようだ。
 これで、具体的な命令を出す回数が増える。
 しかも『ピュア』なことを言っているような雰囲気を醸し出しながら。
 最高じゃないか。
 これじゃあ、何を言っても許されてしまう。
 しかも16回!
 使いたい放題だ。

 ちょっと遊びに行こう。
 お、ちょうどいいところに、お父様がいた。
 報告をかねて遊ぼう。
「お父様、今回の事件の黒幕はどうやらアウグスト公爵でした。公爵は大公の研究を引き継ぎ、魔王召喚と魔族召喚を完成させていたようです。魔王となった公爵はサイト様の剣技で倒され、魔族と化した者もまとめて魔界に送り返したようです」
 お父様は真剣な表情で聞いていた。
「そうか。それは大儀であった。サイト殿やお前にも褒美をやらねばな」
 よし、待ってました。

『ピュア』「ありがとうございます。褒美ですが、アイリスとの結婚も同時に行いたいので、その準備を進めていただけますよう、お願い申し上げます」
 お父様は続けて真剣な表情をしていた。
「そうか、死線を越えた男女が結ばれるのは必定。アイリスともそのような仲になったのだな? わかった。バルーン家は私が説得しよう」
「ありがとうございます。僕も後日ご挨拶に伺います」
「そうだな、それがいいだろう。なるべく早く行くように」

 うおー。
 すごい。
 なんでもアリだ。
 やりたい放題だな。
 浮かれた僕はその後も、出会う人にくだらない『ピュア』を使い、全ての回数を使い切ってしまった。
 
 そこへ、ライオネラ・ストライクお義父さんがやってきた。
「アーサー、無事か? よかった。ガーベラに会って無事は確認していたが、一目見るまでは安心できなかったのだ」
 朝になり、王城付近の異常に気づいた近くの貴族が集まりだしている。
「ああ、おはようございます。昨夜は大変だったんですよ」
「そのようだな。それもそうだが、先ほど陛下とお会いした。アーサー、お前は本気で王になる気になってくれたのだな。関心したぞ」
 え??

「どういうことですか?」
「いや、三人目の妻を迎えようとしているのだろう? 子爵で三人の妻を養うというのは中々難しい。領地経営がよっぽどうまくいっていないとな」
「え? そうなんですか? てっきり毎月の給料と領地からの収入があるから大丈夫かと思ってました」
「うちの領地の収入をアテにしているのだったらあきらめろ、私の領地は現在収入が極端に少ない。現在は剣聖の収入が主な収入源だ。お父様の将軍としての収入と、ガーベラの剣聖としての収入だな」

「え? 領地経営はしてないんですか?」
「鉱山があったからそこからの収入があったのだが、そこが枯れてしまってな。今はない。あ、そうだ、お前が領地経営を立て直してくれよ。ガーベラの兄には任せているのだが、どうやらうまくいっていないようなんだ」

「はい。わかりました。がんばります」(え、イヤですよ)
 
 あれ? 心にもないことを口走っている。
 口が勝手に動く。
 あ、『ピュア』を使いすぎると自分もピュアになることを忘れていた。
 困った副作用だな。
 この副作用は回数リセットされるまでは効果が続くからな。
 今日はおとなしく家にいておこう。

 その後、家に帰ったが、昼にはその日の晩餐会として、諸侯会議を開くとの招集があった。
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