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第29話 プロポーズ
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「サルビアの家に行くには一応、アートク・ラムダンの許可を得ておくか」
セージ一家が匿われているのはアートクの所有する別荘だ。
別荘までの通り道にラムダン家があるので、寄ることにした。
今、僕は自宅の前にいる。
さきほど、フランソワに事情を説明してショコラを預けてきた。
フランソワはまた全裸だったが、アイリスが働いていたので問題ないのだろう。
結婚式までに子供ができそうだな。
なぜか、悔しかったので、またアイリスのパンツを見てから外へでてきた。
アイリスは催眠術がよく効く。
まったく、他言はしないし、はずかしそうにしながらも、いつも言うことを聞いてくれる。
ん?
パワハラかな?
この世界にそんな概念ないか。
よし、ラムダン家へ向かおう。
御者に指示を出し、ラムダン家へ向かう。
ちなみに馬車は王城のものを借りパク中だ。
道中、馬車同士のすれ違いのときに、王城の馬車は便利だ。
かならず相手がよけてくれる。
一応、王子なんだし、それくらいしたっていいよね?
ラムダン家は子爵ということで、侯爵家の屋敷街の奥にある。
侯爵は領地を持っているが、子爵は領地を持っていない。
公爵か侯爵に雇ってもらう形で領地経営の参謀として働く者が多い。
と、言っても、領地経営は公爵も侯爵も子爵も息子や娘に任せることが多い。
王都で情報を集めて、それを領地へ渡し、指示して動かすのが主な仕事だ。
そんなことを言いながら、パーティでおいしいご飯を食べてお酒を飲むだけの毎日なんだけどね。
しかし、男爵は違う。
地方の領地経営権があるが、なんの利益もでない枯れた大地だ。
男爵になってしまうと、そこから出世することが非常に難しい。
そんなこともあって、『勇者』は子爵スタートなのだろう。
しかも、僕の場合は、ガーベラの実家であるストライク家が侯爵で領地を持っている。
その経営に口を出す形で貴族としての生活をすることになるだろう。
うまくいけば侯爵になれるらしい。
でも、僕は興味がない。
やたらと苦労する男爵はイヤだし、責任の大きな侯爵もイヤだ。
子爵はとても都合のいいポジションなのだ。
ここを死守しよう。
さて、ラムダン家へ着いたようだ。
約束はしていないので、最悪、会えなかったら伝言だけでいいだろう。
むしろ、ラムダン家には用はない。
世話になったのに、礼も言わなければ、これからの貴族生活に水を差される。
それはなんとしても阻止せねば。
ゴンゴンゴン 「ラムダン卿、いきなりすいません。アーサーです」
執事が出てきた。
「旦那様はただいま来客中です。もうすぐ終わられますので、少々お待ちください。こちらへどうぞ」
待合室へ連れていかれる。
その道中、応接間のドアが開き、中から二人の男性がでてきた。
一人はラムダン卿、もう一人は知らない人だった。
すぐに案内されるだろうから、待っておこう。
本当にすぐに案内された。
「ラムダン卿、今回の件では大変お世話になりました。セージ家は無事でしたし、僕の疑いも晴れました」
「それはよかった。これで、セージ家のみんなもアーサー様に仕えることができますね」
「そうですね。さっそく、連れて帰ろうかと思います」
「ええ、そうしてください」
ラムダン家を後にした。
そのままセージ家がいる別荘へ向かう。
ゴンゴンゴン「アーサーです。開けてください」
「アーサー様。お待ちしておりました。どうぞお入りください」
「お待たせしました。全て解決したので、僕の屋敷へ来てください」
「よろしいのですか? ありがとうございます」
「アーサー、ありがとう!」
サルビアがほっぺにキスしてくれた。
こういうピュアな演出は嬉しいな。
「そういうことで、改めまして、サルビア・セージさん。僕と結婚してください」
「ええ。よろこんで。よろしくお願いします」
「あと、結婚式はガーベラと同時に行います。僕は妻に順列をつける気はありません」
「なんと!」
バリスお義父さんが驚いている。
「そんなこと、ストライク家が許してくれないでしょう?」
「いえ、了承は得ています。ご安心ください」
「そうですか。それでは、早速ですが、荷物をまとめますので、少々お待ちください」
しばらく待ったあと、別荘を出発した。
道中、僕とサルビアの二人で僕が乗ってきた馬車に乗ることになった。
セージ家はもう一台の馬車に全員乗っている。
「アーサー、あなたって本当に勇気があるのね」
しゃべり方が出会ったころに戻っている。
気が抜けたのだろう。
「ありがとう。でも、僕はこんなことはあまり好きじゃないんだ。できたらダラダラしていたいんだよ」
「もう、そんなこといって、これだけのことをしたんだよ? かっこいいよ」
美少女にかっこいいと言われた。
もう死んでもいい。
やり残したことはもうない。
ごちそうさまでした。
「ちょっと、ニヤけてるわよ?」
「ああ、ごめんごめん。美少女にかっこいいと言われて昇天しそうになったよ」
あれ?
そういえば、サルビアは美少女だけど、緊張せずに話せるな。
ああ、一度ケンカみたいになったし、言いたいこと言える関係になったら大丈夫なのかな?
僕の相手と言えば、名前もわからない売られた奴隷か、名前はわかるが、子づくりのためだけにやった奴隷かのどっちかなのに。
サルビアはいい子だな。
僕は屋敷につくまで気づかなかった。
屋敷にはセージ家全員分の部屋がないということを。
セージ一家が匿われているのはアートクの所有する別荘だ。
別荘までの通り道にラムダン家があるので、寄ることにした。
今、僕は自宅の前にいる。
さきほど、フランソワに事情を説明してショコラを預けてきた。
フランソワはまた全裸だったが、アイリスが働いていたので問題ないのだろう。
結婚式までに子供ができそうだな。
なぜか、悔しかったので、またアイリスのパンツを見てから外へでてきた。
アイリスは催眠術がよく効く。
まったく、他言はしないし、はずかしそうにしながらも、いつも言うことを聞いてくれる。
ん?
パワハラかな?
この世界にそんな概念ないか。
よし、ラムダン家へ向かおう。
御者に指示を出し、ラムダン家へ向かう。
ちなみに馬車は王城のものを借りパク中だ。
道中、馬車同士のすれ違いのときに、王城の馬車は便利だ。
かならず相手がよけてくれる。
一応、王子なんだし、それくらいしたっていいよね?
ラムダン家は子爵ということで、侯爵家の屋敷街の奥にある。
侯爵は領地を持っているが、子爵は領地を持っていない。
公爵か侯爵に雇ってもらう形で領地経営の参謀として働く者が多い。
と、言っても、領地経営は公爵も侯爵も子爵も息子や娘に任せることが多い。
王都で情報を集めて、それを領地へ渡し、指示して動かすのが主な仕事だ。
そんなことを言いながら、パーティでおいしいご飯を食べてお酒を飲むだけの毎日なんだけどね。
しかし、男爵は違う。
地方の領地経営権があるが、なんの利益もでない枯れた大地だ。
男爵になってしまうと、そこから出世することが非常に難しい。
そんなこともあって、『勇者』は子爵スタートなのだろう。
しかも、僕の場合は、ガーベラの実家であるストライク家が侯爵で領地を持っている。
その経営に口を出す形で貴族としての生活をすることになるだろう。
うまくいけば侯爵になれるらしい。
でも、僕は興味がない。
やたらと苦労する男爵はイヤだし、責任の大きな侯爵もイヤだ。
子爵はとても都合のいいポジションなのだ。
ここを死守しよう。
さて、ラムダン家へ着いたようだ。
約束はしていないので、最悪、会えなかったら伝言だけでいいだろう。
むしろ、ラムダン家には用はない。
世話になったのに、礼も言わなければ、これからの貴族生活に水を差される。
それはなんとしても阻止せねば。
ゴンゴンゴン 「ラムダン卿、いきなりすいません。アーサーです」
執事が出てきた。
「旦那様はただいま来客中です。もうすぐ終わられますので、少々お待ちください。こちらへどうぞ」
待合室へ連れていかれる。
その道中、応接間のドアが開き、中から二人の男性がでてきた。
一人はラムダン卿、もう一人は知らない人だった。
すぐに案内されるだろうから、待っておこう。
本当にすぐに案内された。
「ラムダン卿、今回の件では大変お世話になりました。セージ家は無事でしたし、僕の疑いも晴れました」
「それはよかった。これで、セージ家のみんなもアーサー様に仕えることができますね」
「そうですね。さっそく、連れて帰ろうかと思います」
「ええ、そうしてください」
ラムダン家を後にした。
そのままセージ家がいる別荘へ向かう。
ゴンゴンゴン「アーサーです。開けてください」
「アーサー様。お待ちしておりました。どうぞお入りください」
「お待たせしました。全て解決したので、僕の屋敷へ来てください」
「よろしいのですか? ありがとうございます」
「アーサー、ありがとう!」
サルビアがほっぺにキスしてくれた。
こういうピュアな演出は嬉しいな。
「そういうことで、改めまして、サルビア・セージさん。僕と結婚してください」
「ええ。よろこんで。よろしくお願いします」
「あと、結婚式はガーベラと同時に行います。僕は妻に順列をつける気はありません」
「なんと!」
バリスお義父さんが驚いている。
「そんなこと、ストライク家が許してくれないでしょう?」
「いえ、了承は得ています。ご安心ください」
「そうですか。それでは、早速ですが、荷物をまとめますので、少々お待ちください」
しばらく待ったあと、別荘を出発した。
道中、僕とサルビアの二人で僕が乗ってきた馬車に乗ることになった。
セージ家はもう一台の馬車に全員乗っている。
「アーサー、あなたって本当に勇気があるのね」
しゃべり方が出会ったころに戻っている。
気が抜けたのだろう。
「ありがとう。でも、僕はこんなことはあまり好きじゃないんだ。できたらダラダラしていたいんだよ」
「もう、そんなこといって、これだけのことをしたんだよ? かっこいいよ」
美少女にかっこいいと言われた。
もう死んでもいい。
やり残したことはもうない。
ごちそうさまでした。
「ちょっと、ニヤけてるわよ?」
「ああ、ごめんごめん。美少女にかっこいいと言われて昇天しそうになったよ」
あれ?
そういえば、サルビアは美少女だけど、緊張せずに話せるな。
ああ、一度ケンカみたいになったし、言いたいこと言える関係になったら大丈夫なのかな?
僕の相手と言えば、名前もわからない売られた奴隷か、名前はわかるが、子づくりのためだけにやった奴隷かのどっちかなのに。
サルビアはいい子だな。
僕は屋敷につくまで気づかなかった。
屋敷にはセージ家全員分の部屋がないということを。
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