中身はクズモブなのに『ピュア』だけでゴリ押す第六王子のハーレムは完成する〜非戦闘スキルなのにバトルも無双〜

ahootaa

文字の大きさ
上 下
12 / 63

第12話 催眠術の実力

しおりを挟む
 昨日は催眠術の実験をした。
 思ったより使い勝手がいい。
『ピュア』は強力だが、言葉による指示に具体性がなかった。
 かけられた相手が勝手にピュアになって、勝手に都合のいいように解釈するというのが効果だった。
 それはそれで良いところもあるのだが、催眠術は具体的な指示ができる。
 しかも、ピュアではなできなかったエロいこともできる。
 つまり、少しくらい恥ずかしいことや、嫌なことでもするということだ。
 おそらく「人を殺せ」という指示はできないだろう。
 あくまで「少しくらいの嫌な気持ちは我慢できる」という程度だ。
 
 つまり、サイトとフランソワはそれほどイヤでは無かったのだろう。
 そう考えないと、罪悪感が強すぎてイヤになる。
 なにが言いたいかと言うと、その程度には効果があるということだ。
 これを指針にスキルを使える。
 
「サイト様、行きますよ」
「ちょっと待って!」
 扉を開けると、裸の男女が。
 おっと、失礼。
 サイトの話し方が素に戻ってたな。
「すいません」

「アーサー様、お見苦しいところを失礼いたしました」
 フランソワが急いで服を着て出てきた。
 最近は、アイシスがメイド業の大半をできるようになったので、フランソワは時間に余裕があったのだろう。

「いいよいいよ。付き合ってるんだろ?早く結婚までしちゃうのもいいかもね!」
「私ごときが結婚だなんて」
「あら、フランソワ、あなたは年齢的にもラストチャンスかもしれませんよ? 逃してはいけません。あなたのご両親には私から連絡しておきますね」
 お母様が話を一気に進める。

「ありがとうございます。それでは、勇者様に責任を取ってもらいます」
「おめでとう」
 勝手に話を進めてやろう。
『ピュア』「サイト様? フランソワと結婚しますよね?」
「もちろん、僕の初めてを捧げたんだ!一生守るよ!」
 やっぱりDTだったか。
 先に卒業されたな。
「だってさ、おめでとう」
 フランソワは顔を赤く染めている。

 質問口調で都合のいい言葉を引き出すときは『ピュア』で、命令口調や言い切りの時は『催眠術』と使い分けた方が良さそうだ。

 さて、本題だ。
「サイト様、お稽古の時間ですよ。早く朝食をとってくださいね」
「イェーイ!わかったZE!今日もヨロシクNE!」
 やっと調子が戻ったな。
 いや、うざいからやめてほしいけど。

 朝食が終わる頃にガーベラもやってきた。
 今日もダンジョンに行く予定だ。
 いつものダンジョンで『催眠術』の実験だ。
 しかし、ある程度は秘密にしておく必要がある。
 あまりに極悪なスキルなので不信感につながる恐れがある。
 不信感を持たれることは回避しないと、新婚生活に影響するはずだ。
 サイトはどっちでもいいけど。
 
 そうこうしているうちにダンジョンに着いた。
「それじゃあ、フォーメーションは昨日と一緒でいいよね?」
 俺が話を進める。
「そうですね。私は先行しがちなので気をつけます」
 あ、そうだったね。
「まぁ、性格もあるしね。本当にピンチの時は大声出すから助けに来てね」
 昨日は来なかったけど。
「わかりました。気をつけます」

「さて、今日は目標無しで、レベリングメインにしましょうか。」
 ガーベラからの提案だ。
 勇者のレベルの上がり方が異常だから、様子を見るためだろう。
「ウェーイ!今日もアゲてくZEー!」
「そうですね。レベルを上げていきましょう」
 ガーベラが慣れすぎてて怖い……。

 まぁ、前衛はまた勝手に進んで行くだろうから、勝手に実験しておこう。

 ……やっぱり放って行かれた。
 今は4階層だが、敵が強くなってきている。
 そして、道がわからない。
 ダンジョンは迷宮と言われるほど道が複雑だ。
 何の予備知識も持たない僕には何もわからない。
 
 うだうだしていると、魔物が現れた。
 ウェアウルフだ。
 お、これは実験できるぞ。
『催眠術』「おすわり!」
 ウェアウルフはおすわりした。
 すぐに首を切った。

 効果はある!
 魔物も言葉がわかるんだ!
 これは大発見だ!
 でも、秘密にしておこう。
 僕のスキルはあまりにもゲスい使い方ができるので、風評被害が出る。

 すると、ウェアウルフが二体現れた。
 これはまずいな。
 一体におすわりさせている間に、もう一体に攻撃される。
 それなら……。
『催眠術』「仲間割れしろ!」

 すると、右側の一体が左のウェアウルフを襲った。
 左は抵抗している。
 つまり、一体にしか効果はなかったのだろう。
 くそー、2体同時はダメかー!
 それができたら、モンスターハウスに行って「仲間割れしろ」で無双だったのにな。

 しばらくすると、攻撃していた個体が勝った。
『催眠術』「ペットになれ!」
 ウェアウルフはしなだれて近寄ってくる。
「クゥーン」
 完全に手懐けた。
 あれ?
 これってテイムしてない?
 初めからこうすればよかった!

 しかし、問題点もある。
 見た目が悪い。
 凶暴そうな見た目のまま擦り寄ってくるので気持ち悪い。
 あっ、
『ピュア』「表情を柔らかくしてね」
 すると「ガルルゥ」から「ワンワン」くらいには柔らかくなった。

 あとは『催眠術』無しで命令を聞くかどうかだな。
 名前でも付けようか。
「ポチ、三回まわってワン!」
 ポチは三回まわってワンと吠えた。
 なかなか賢いな。
 よし、戦わせてみよう。

 お、都合よく雑魚モンスター代表のゴブリンがやってきたぞ!
「ポチ!ゴブリンを倒してこい!」
 ポチはゴブリンの喉元を食い破り、一撃で倒した。
「えらいぞ!ポチ!」
 尻尾をブンブン振っている。
 
 次はアイツだな。
 ゴブリンの上位種オーガが現れた。
 多分アイツはウェアウルフでは倒せないな。
 テイムしちまおうか。
『ピュア』『催眠術』「大人しくテイムされろ」
 片膝ついて、服従の姿勢をとっている。
 すごいな。
 完全にテイムだ。
 裏技を発見したような気分だな。
 どれくらいの魔物まで通用するのか、実験が命がけだな。
 通用しなくなる時が僕の死ぬ時か……。

 体長2mはあるオーガとウェアウルフを引き連れてダンジョンを歩いていく。
 4階層で出会う全ての魔物をポチとオーガがなぎ倒ししていく。
 どうやら、オーガは階層主だったようだ。
 どいつもオーガを見たら逃げていくか、棒立ちになって、一撃で倒されている。

 オーガも名前付けとくか。
 うーん。
「オガ丸!お前はオガ丸だ!」
「ウォー!」
 オガ丸は叫んだ。
 理解したのかな?

 よし、次は5階の階層主にぶつけたらどうなるかを試そう!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

処理中です...