ヲタクで腐女子な私にリアル乙女ゲームは攻略不可

21話 SAN値ピンチ！

「校長なら帰ったよ･･･。」
扉の外には、ニヤリと嫌な笑顔を浮かべている盛岡先生の姿があった。
「は？なんで先生がここに？」
「宮崎くんに金沢くん。それに高松さん。まだ作業してたんだね。お疲れ様。」
いや私の質問無視かい！
「「お疲れ様でーす。」」
金沢と葵くんも先生の方を向きながら軽く会釈をしていた。葵くんは学年違うからしょうがないにしても、なんで同じ学年の金沢も「誰だこいつ？」みたいな顔してんの？あんた今日世界史無かったの？
「ていうか、なんでここに盛岡先生が･･･」
「あ～、今日来た教育実習生の盛岡先生ですね～！お疲れ様です～。」
盛岡という言葉に反応した葵くんは私の言葉を遮り、先程の愛想振りまきモードに切り替わっていた。私の質問、また流されたけど･･･まぁいいや。葵くん可愛いし。効果音にキャルン♪とかつけたら完璧。
というか、1年なのによくご存知で･･･。学生のネットワーク怖。これが情報網というやつか･･･。侮れん･･･。
盛岡先生は葵くんに「やぁ。」と手を振り、パイプイスを机まで運んできた。
「え？なんで先生？」
もはや質問を流されすぎて、質問の内容が簡略化されていた。勘違いされそうな文面ですね･･･。皆さんもLimeなどでは気をつけてね。
「実はね･･･。僕はまだ実習生だから大した仕事が渡されないんだよ･･･。だから、明日の授業に向けての準備をこの生徒会室でやろうと思ってね･･･。」
「え？なんで？」
「敬語。金沢、敬語。」
敬語を忘れた金沢へ注意をしたが、私も金沢と同じ疑問を抱いていた。別に空き教室を使えばいい話だ。わざわざこの教室を指定する理由が分からない･･･。
「え？だってここには紫乃ちゃんがいるから･･･」
「あー！定時だ帰らなきゃー！それでは皆さんさよーならー！」
私はわざとらしく大声をあげて、小学生以来の挨拶を口にした。
てかなんだよコノヤロウ･･･！しれっとさっきの契約暴露すんじゃねぇよ･･･！変な目で見られるだろうが･･･！
「帰らせねぇよ？」
「帰らせませんよ？」
「「ねぇ、2人はどういう関係･･･？」」
怖いよ･･･(泣)。2人の目が怖いよ(泣)。目が笑ってないよ･･･。葵くんはＳ顔発揮してるし、金沢はマジ顔だし･･･。

･･･。私が無責任な行動をしたからこうなったんだろうなぁ･･･。生徒会のみんなは私に対して異常に過保護だから、心配してくれているんだろうけど･･･。過保護な理由を聞いても、はぐらかされるし･･･。変にすれ違いを生まない為にも、素直に事情を話すしかないかな･･･。

「黙っててごめん、というか今日あった出来事なんだけど･･･」
おずおずと口を開くと、生徒会室の入口から陽気な声が響き渡った。
「諸君！待たせたな！」
「みんなのアイドル登場！」
「待てやボケェ！」
･･･シリアスな雰囲気ぶち壊し要因が2人きた･･･。
最後においては某バレーアニメの烏〇のセッターかな？冗談はさておき･･･なんかお疲れ様です･･･。