ヲタクで腐女子な私にリアル乙女ゲームは攻略不可

10話 ドキドキ♡幼なじみとの夜！(少女漫画のタイトルみたいだな･･･)

「ねぇっ･･･、やだぁ･･･。」
私は涙目で金沢に訴えたが、金沢は聞く耳持たず。私の訴えなどお構い無しにどんどん話を進める。
「やだ･･･じゃないだろ？お前だって本当はしたかったんだろ？」
「でも･･･、本気でやらないでよ･･･。っ！」
「お前、初めてじゃないよな？今までだって何度もやってきただろ？」
「でも･･･、いきなり本気でやられると･･･。」
「こういうのは本気でやらないとな？それに、俺は今までずっと溜まってたんだ。そろそろスッキリしたいし･･･。夜はまだ長い･･･。」
「だからって･･･。」
私は心の中に抑えていた思いを吐き出した。
「レベル上げにいつまでも付き合わせるな！ボケェ！」
現在午前2時。そろそろ私の視力と精神力は限界に近づいていた。

遡ること4時間前･･･。
「さて、始めようか･･･。夜のゲームを･･･。」
「まっ、待って！落ち着い･･･」
金沢はそう言うと、私を押し倒す･･･訳もなく、私の後ろのコントローラーに手を伸ばした。大体分かった。こいつは「夜のゲーム」の卑猥な意味を知らんのだろう。言葉通り、夜通しゲームするつもりだな。

誤解を招く発言をしてしまい、すみません。読者の中にはいやらしい妄想を膨らましてしまった方もいらっしゃるでしょう。
もう一度、意味深では無いように聞こえるように翻訳します。
「ねぇっ･･･、(負けるの)やだぁ･･･。」
「やだ･･･じゃないだろ？お前だって本当は(ゲームが)したかったんだろ？」
「でも･･･、本気で(バトル)やらないでよ･･･。っ！(負けた)」
「お前、(俺のレベル上げ手伝うの)初めてじゃないよな？今までだって何度もやってきただろ？」
「でも･･･、(最近やってないのに)いきなり本気でやられると･･･。」
「こういうの(レベル上げ)は本気でやらないとな？それに、俺は今までずっと(ゲームができないストレスが)溜まってたんだ。そろそろスッキリしたいし･･･。夜はまだ長い･･･。」

「夜はまだ長い。」じゃねぇよ。私を巻き込むなよ･･･。
「ねぇ、いつまで続くの？」
液晶画面を見続けてもう4時間は経っていると思う。
そろそろ眼精疲労がヤバい。
今度真面目に眼科に行こうかな。
「あと8レベは欲しい。」
私の眼球事情を無視して金沢は目標を言った。
「流石にそれは･･･寝ていい？」
「男の横で寝ているなんてハレンチ。」
「お前マジで追い出すぞ。」
「やだ、ごめん。」
ゲームなら家でやればいいのに･･･。毎回そう思うのだが、サンテンドーのswatchは私しか持っておらず、アカウントが2人以上だと8人までは同じ通信代でやれるとかなんとかで、金沢はswatchを未購入のままなのである。そして、よくウチに来る。
こいつ･･･通信代払いたくねぇだけじゃねぇか。
「ねぇ･･･本気で眠いから寝る。おやすみ。」
目が痛い。液晶画面強いわ･･･。そろそろ私の眼球はスリープに入ります。ばいばい。
「待って･･･。紫乃･･･。お願い･･･。」
うるうると目を潤ませて、私の袖口を引っ張る金沢はこの世と思えない程の可愛さを誇っていた･･･。
クッ･･･！耐えるんだ！紫乃！誘惑に負けるな！
「寝るんだったら、金輪際同人誌のモデルはやらないから。それでもいいならおやすみ。」
さっきの可愛さなんてどっかに飛んでってしまったようで、金沢は真顔で脅迫してきた。
殺してぇぇぇ！なんだコイツ！これが人にモノを頼む態度か！私が破壊神だったら、惑星5コくらい余裕で壊せる程怒ってるぞ！ついでにお前を飴にして食べてやるから！いや、金沢琥珀の飴とか不味そう･･･。てか、絶対不味い。金沢にある琥珀糖は食べてみたいけどね･･･。(かいちん食べてみたい･･･♡By作者)
「分かったよ･･･！分かりましたよ！やればいいんだろ！(泣)」
モデルがいなくなるのは困る･･･。作画の質が下がるし･･･。何より、そんな事を頼める人間はいない･･･。私の眼球よ･･･。もう少し頑張ってくれ･･･。