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EP1_5章
5章_2 ロクサリオの長い夢
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「ロクサリオ将軍、
トルトゥーザ王国より使者が参られております。」
もう何度目のことだろうか。
ロクサリオは頭を抱えた。
しかし、連邦盟主、
トルトゥーザの使いの機嫌を損ねる訳にはいかなかった。
「謁見の間に、通してやってくれ。私が行こう。」
ロクサリオが謁見の間の玉座の隣に腰を降ろすと、
まもなくバタンとドアを蹴り開けて使者が入って来た。
「やあ、ロクサリオ将軍、またしても貴公か。
我々が会いたいのは貴公ではないのだがな。
元気そうで何よりだ。」
彫りの深い鷲鼻の使者が、横柄な声を上げる。
「それで?新王はそろそろ帰って来たのかね?
戴冠前に世の見分をしようなどとぬかしおって。
そのおめでたい旅に出てから、
じきに半年を数えようというのだぞ。
死んだのならそれでよいが、次を立てねばならんだろう。
このまま空白期間が続けば、他国に示しがつかん。
連邦の諸公は、我がトルトゥーザ王への謁見なくして
公位を認めることは出来んのだ。
何度言わせる、ロクサリオ将軍。」
小柄の使者が、ロクサリオに詰め寄る。
武勇は無くとも権威の衣に包まれたこの男に、
ロクサリオは怒りを買わぬよう、静かに答えた。
「理解はしております。不在が長引いてしまっておりますが、
新たなる我が主君、エオメル・エンタールは必ずや戻りましょう。」
ロクサリオは嘘をついた。
エオメルの代理など考えていないし、
見聞により、より国を豊かにしようと言い残して旅に出た
主君を待つのが家臣の務めだと信じて疑わなかったからだ。
トルトゥーザ王国より使者が参られております。」
もう何度目のことだろうか。
ロクサリオは頭を抱えた。
しかし、連邦盟主、
トルトゥーザの使いの機嫌を損ねる訳にはいかなかった。
「謁見の間に、通してやってくれ。私が行こう。」
ロクサリオが謁見の間の玉座の隣に腰を降ろすと、
まもなくバタンとドアを蹴り開けて使者が入って来た。
「やあ、ロクサリオ将軍、またしても貴公か。
我々が会いたいのは貴公ではないのだがな。
元気そうで何よりだ。」
彫りの深い鷲鼻の使者が、横柄な声を上げる。
「それで?新王はそろそろ帰って来たのかね?
戴冠前に世の見分をしようなどとぬかしおって。
そのおめでたい旅に出てから、
じきに半年を数えようというのだぞ。
死んだのならそれでよいが、次を立てねばならんだろう。
このまま空白期間が続けば、他国に示しがつかん。
連邦の諸公は、我がトルトゥーザ王への謁見なくして
公位を認めることは出来んのだ。
何度言わせる、ロクサリオ将軍。」
小柄の使者が、ロクサリオに詰め寄る。
武勇は無くとも権威の衣に包まれたこの男に、
ロクサリオは怒りを買わぬよう、静かに答えた。
「理解はしております。不在が長引いてしまっておりますが、
新たなる我が主君、エオメル・エンタールは必ずや戻りましょう。」
ロクサリオは嘘をついた。
エオメルの代理など考えていないし、
見聞により、より国を豊かにしようと言い残して旅に出た
主君を待つのが家臣の務めだと信じて疑わなかったからだ。
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