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EP1_4章
4章_5 欺瞞攻撃
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一路西門を離れ、
かなりの遠回りで北門へと向かった三人は、
西門と同じように激しい攻撃を受けている北門を目の当たりにした。
城内からも弓兵が果敢に反撃を試みているが、
劣勢は否めない。
「よし、まずは西門と、この北門の間を移動する敵兵を、
一人残らず始末してくれ。おそらく伝令だ。」
カムランが言い終えるより早く、
トラリスの矢は敵の伝令を射抜いていた。
相変わらずの見事な腕前に、カムランは惚れ惚れした。
「まったく、素晴らしいな。他にも居たら頼むよ。
北門を包囲する敵軍に、二、三十程度矢を射かけて欲しいんだ。
適当に誰かに当ててくれればそれで十分、
援軍を匂わせるにはこれ以上ない。」
カムランの指示を聞いたトラリスは、
不服そうな横目でじろりとカムランを見る。
「適当は、主義に反する。」
短く言葉を吐いたトラリスは、
茂みの陰から矢継ぎ早に弓を放つ。
そのどれもが命中し、バタバタと敵が倒れていく。
そして、最後に放った一本が敵に届いた後、
敵軍に大きな動揺が広がった。
「隊長!くそっ、どこから狙ってきやがった!
近くに伏兵が居るぞ!」
トラリスが言葉を話したこと、
そしてどうやら敵の指揮官を射抜いてしまったらしいことに、
カムランは驚きを隠せない。
「トラリス・・・!なんてこった、
殊勲賞ものじゃないか!」
予想を超えた出来事に、
カムランは笑いがこぼれるのを禁じ得なかった。
「笑っている場合じゃありません。
敵の斥候が辺りを探し始めたわ!」
メリッサがぴしゃりと言うと、
我に返ったカムランを先頭に、
三人は静かに北門を離れ、
茂みに身を隠しつつ東門へと駆けていった。
かなりの遠回りで北門へと向かった三人は、
西門と同じように激しい攻撃を受けている北門を目の当たりにした。
城内からも弓兵が果敢に反撃を試みているが、
劣勢は否めない。
「よし、まずは西門と、この北門の間を移動する敵兵を、
一人残らず始末してくれ。おそらく伝令だ。」
カムランが言い終えるより早く、
トラリスの矢は敵の伝令を射抜いていた。
相変わらずの見事な腕前に、カムランは惚れ惚れした。
「まったく、素晴らしいな。他にも居たら頼むよ。
北門を包囲する敵軍に、二、三十程度矢を射かけて欲しいんだ。
適当に誰かに当ててくれればそれで十分、
援軍を匂わせるにはこれ以上ない。」
カムランの指示を聞いたトラリスは、
不服そうな横目でじろりとカムランを見る。
「適当は、主義に反する。」
短く言葉を吐いたトラリスは、
茂みの陰から矢継ぎ早に弓を放つ。
そのどれもが命中し、バタバタと敵が倒れていく。
そして、最後に放った一本が敵に届いた後、
敵軍に大きな動揺が広がった。
「隊長!くそっ、どこから狙ってきやがった!
近くに伏兵が居るぞ!」
トラリスが言葉を話したこと、
そしてどうやら敵の指揮官を射抜いてしまったらしいことに、
カムランは驚きを隠せない。
「トラリス・・・!なんてこった、
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予想を超えた出来事に、
カムランは笑いがこぼれるのを禁じ得なかった。
「笑っている場合じゃありません。
敵の斥候が辺りを探し始めたわ!」
メリッサがぴしゃりと言うと、
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三人は静かに北門を離れ、
茂みに身を隠しつつ東門へと駆けていった。
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