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EP1_3章

3章_6 星降りの守り人

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 「アルタイル、あなたの力を貸して。」
二人の上空を舞う光の大鷲は、
緩やかに高度を下げていく。


淡く煌めく大鷲はオリオンの頭上を旋回し、
その注意を引いた。

オリオンは天を払うように剣を頭上に振り回すが、
大鷲はその剣撃を難なくかわしていく。


一薙ぎ、大振りの一撃をかわした大鷲は、
大振りの隙をついてオリオンへと襲い掛かる。

一瞬のうちに、
大鷲はその強靭な爪でオリオンの右目を切り裂いた。


オリオンは痛みに吠え、
剣を地面に突き立てて、右手で顔を覆う。

しかし、
指の隙間からは止めどなく星屑の光が零れていく。

オリオンは左目で大鷲を睨み付け、
剣を引き抜いた右手で空を裂く。

だが、大鷲はその不意の一撃さえもかわしてみせた。


オリオンを翻弄した大鷲は、やわらかな羽ばたきで二人の前に舞い降りる。


「二人とも、もう大丈夫。後は私に任せて。」


地上に降り立った大鷲から姿を現したのは、
メリッサだった。

事態の掴めてきれない二人の横で、
メリッサに頭を一撫でされた大鷲は、
ゆっくりと瞼を閉じ、霧のように消えていった。

「オリオン座の一等星、リゲルを相手に、
よく持ちこたえてくれました。
私がもう少し早く来ていれば・・・」

自分を責めるように言葉を漏らすと、
メリッサはオリオンのもとへと歩き出した。

オリオンは大鷲の主を視野に捉え、怒りに任せて向かって来る。

「無双の狩人、オリオン。どうして堕ちてしまったの・・・?」
答えの返らない問いの後、メリッサは杖をかかげた。

「ガイアの暗殺者、毒の大蠍。アル・ジャバハー、私に力を。」
静かに言葉を紡いだメリッサの声に呼応するように、
地平線の向こうから光が舞い降り、

大きな蠍が現れた。

その額には、煌々と光が輝いている。
見覚えのある大蠍に、
カムランは身をのけ反ってたじろいだが、

それ以上にオリオンが反応していた。
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