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砂時計が落ちきる前に

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「ねぇ突然呼び出してどうしたの?なんか用事?あ、もしかして相談とか?なんでも聞くよっ!話して話して!」
君は楽しそうに笑いながらそう言った。


僕は君がずっとずっと好きだった。

小学校の時に友達と好きな人が同じで密かに諦めていた君も見たし、中学校の時に付き合ってた彼氏に振られても笑ってたけど家に帰ってからすごく泣いてた君も知ってる。

お父さんが亡くなった時にお母さんが困らないように泣くのを我慢していた君も知ってるし、その時に「こんな時なのに泣かない薄情者」だと親戚のおばさんに言われて傷ついた君も知ってるよ。

僕は君と一緒にいたし相談にものった。別れた時の愚痴とかも僕に言ってたもんね。君のことは世界で一番、君よりもわかってると思うよ。多分ね。

けど君は知らないだろう。僕が君に好きな人がいると知った時や別れたと聞いた時の気持ちを、君が僕を頼ってくれた時の嬉しさを、そして僕が君を好きなことを。

でも君はこう言った。

『もう恋なんてしない』

と。

原因はわかってる。全部全部君が話してくれたから。

この前君を振った男は最低だった。

いや、それだけじゃない。君が今まで付き合っていた男はみんな君をただのオモチャのように、見栄を張るために、君自身を見ることはなくステータスとして付き合って飽きたら捨てて…そんなのばっかりだった。

僕だったらずっと一緒にいるのに、一生愛してあげるのに、けど告白する勇気もなく、そもそも僕みたいな地味な男--君が僕はかっこいいよって言ってくれた時はすごく嬉しかった--と君のような可憐な女性では釣り合わないからね。

でも今日僕は君に想いを告げようと思う。

恋なんてしないなんて言わないで。僕は君が君の好きな人に向ける笑顔をまた見たいんだ。僕に向けてくれなくてもいい。君のことが本当に好きな人がいるってことを知って欲しい。

これでもう君と離れ離れになってしまうかもしれないけれど言うよ。



「ずっとずっと好きでした。君は恋なんてしないって言ってたけれど僕に最後のチャンスをください。僕と付き合って欲しいです。」


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