異世界ドM魔術師

龍川凡流

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 かの者は大悪魔マルキド。

邪悪の権化と評されたのも今は昔、彼は現世に縛り付けられている。

彼の契約満了の成立条件は『契約者は不死の権利を放棄する』か『彼を物理的に屈服させる』かのどちらかである。

しかし今回彼を呼び出したヴィクセンはその双方の条件を満たさなかった。

痛みを喜びと捉え、抵抗もせずにただマルキドの加虐を受け止める。

死にたいとも思わず、マルキドを倒そうとも思わないのだ。

故に彼は、彼女が満足して条件を満たすまでいつまでも魔界に帰ることが出来なくなったのだ。

「あぁぁぁ!!!クソが!この女狐がぁぁぁ!!!」

「にょほ、にょほぉぉ~♡」

マルキドはかつてない程激昂し、ヴィクセンに志向の加虐ディア―ペインを浴びせ続けた。

しかし、その怒りも彼女を喜ばせることになった。

「あぁ~畜生!この女狐がぁ!俺を魔界に帰せよォォォ!!!」

――ただヴィクセンを甚振る奴隷と化してしまったマルキド。

 その嘆きの絶叫も、彼女の嬌声に埋もれていった。
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