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一章
箸休め
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オールハイン昔話 《セバタロウ》
昔々、とても仲睦まじい老夫婦がいました。
夫婦は愛し合っていましたが、子供がいませんでした。
ある日、アイリスおばあさんは山へ狩りに、
エリオットおじいさんは川へどこでもアイリスおばあさん人形を洗濯に行きました。
おじいさんが洗濯をしていると、川上から、イイカゲンニシロハラグロクソデンカ、イイカゲンニシロハラグロクソデンカと、大きな紅茶の箱が流れてきました。
おじいさんは少し腹が立ったので、どうしようかと悩みましたが、可哀想だから仕方ない、可哀想だから、ほんと可哀想、川に流されてほんと可哀想と煽りながら、紅茶の箱を持って帰ることにしました。
家に帰ると、既におばあさんがイノシシと野うさぎを捌き終えた後でした。
今日はイノシシと野うさぎ鍋ですよ!と、嬉しそうに言うおばあさんにおじいさんはデレデレしながらそうか、そうかと繰り返します。
おばあさんは、おじいさんが紅茶の箱を抱えているのに気づき、割ってみましょうといいました。
言われるがままに箱を割ってみると、中から、紅茶の茶葉にまみれた男の子がでてきました。
おばあさんとおじいさんはたいそう喜び、この子は幸薄そうな顔をしているから、セバタロウと名付けようと決めました。
セバタロウは嫌な顔をしましたが、おばあさんの意思は絶対です。
セバタロウはすくすくと育ち、とても苦労人な性格に育ちましたが、わりとスペックは高く、おじいさんとおばあさんの身の回りの世話を自分から申し出ました。
15歳になったセバタロウはおじいさんとおばあさんに鬼ヶ島の鬼リリス退治を命じられました。
おじいさんによると、なんでも、性格が悪く、何故かおばあさんを目の敵にしているので、ぶっ殺してこいとのことでした。
おじいさんは、途中で食べなさいと、食用コオロギ一匹、コオロギ型のチョコ二つをもたせてくれました。
旅立ったセバタロウが最初に出会ったのは、スナイパーライフルを担いだ犬、ミシェルでした。
ミシェルは、チョコをよこせとセバタロウを脅します。
セーバタロさんセバタロさん、おててにもったチョコレートーひっとつ私によっこしなさい
スナイパーライフルを向けられては言うことを聞くしかありません。
セバタロウはおとなしくチョコレートを渡しました。
ミシェルはそんなセバタロウをみて、あ、やだ、タイプかも、と思い、結婚を申し込みました。
セバタロウも満更ではなかったらしく、それを快く受け入れました。
夫婦になった2人は歩き続けます。
やがて、猿のアスランに出会いました。
アスランは持っていたリンゴを握りつぶし、チョコレートを欲しがりました。
流石に身の危険を感じたセバタロウはおとなしくチョコレートを渡します。
チョコレートを食べたら、死ぬまで私のために働かなければならないよ?とセバタロウは冗談を言いましたが、真に受けた猿のアスランは、セバタロウに永遠の忠誠を誓ってしまいました。
お供が増えたセバタロウは、
雉のエヴァンに出会いました。
セバタロウの手元にはもう食用コオロギしか残っていません。
しかし、雉のエヴァンは虫は大好物のようで喜んで食べました。
あまりにも喜ぶので、辺りにいた虫を雉のエヴァンの口にたらふく詰め込むと、言うことを聞くからもうやめてくれと泣きながら雉のエヴァンは謝りました。
船に乗って、鬼ヶ島に渡った一行の前に、
鬼の手下Aデューク、鬼の手下Bレオンが現れました。
鬼の手下Aデュークは蝶々を追いかけて崖に落っこち、鬼の手下Bレオンは、鬼のパンツはママに洗ってもらってるんですかぁ?という雉のエヴァンの煽りに耐えきれず泣きながら逃げていきました。
手下をやられた鬼リリスは怒り狂い、ソーラン節を踊りながらセバタロウ達を崖へ追い詰めていきました。
その時、エリオットおじいさんが現れ、鬼リリスの踊りを鼻で笑いました。
鬼リリスはなんなのよぉぉぉぉぉぉぉぉ!と叫びながら、逃げていきました。
セバタロウはいいました、おじいさんが最初からいけと。
エリオットおじいさんは、お前の嫁さんが鬼の息の根を止めようとライフルを構え出したあたりからやばいと思っていたと、そんなので頭を吹き飛ばしたらR指定入ってしまうといいました。
エリオットおじいさんとアイリスおばあさんは結局心配で後ろからついてきていたのでした。
なんだかんだでみんな仲良く暮らしましたとさ。
おひとよしおひとよし。
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
「っていう童話を考えたんだが、どうだ?セバスチャン」
「早く寝てください、そして、しばらく目覚めないでくださいアホ殿下」
「セバタロウ冷たい」
「……は?」
「セバスチャンさんおやすみなさい」
昔々、とても仲睦まじい老夫婦がいました。
夫婦は愛し合っていましたが、子供がいませんでした。
ある日、アイリスおばあさんは山へ狩りに、
エリオットおじいさんは川へどこでもアイリスおばあさん人形を洗濯に行きました。
おじいさんが洗濯をしていると、川上から、イイカゲンニシロハラグロクソデンカ、イイカゲンニシロハラグロクソデンカと、大きな紅茶の箱が流れてきました。
おじいさんは少し腹が立ったので、どうしようかと悩みましたが、可哀想だから仕方ない、可哀想だから、ほんと可哀想、川に流されてほんと可哀想と煽りながら、紅茶の箱を持って帰ることにしました。
家に帰ると、既におばあさんがイノシシと野うさぎを捌き終えた後でした。
今日はイノシシと野うさぎ鍋ですよ!と、嬉しそうに言うおばあさんにおじいさんはデレデレしながらそうか、そうかと繰り返します。
おばあさんは、おじいさんが紅茶の箱を抱えているのに気づき、割ってみましょうといいました。
言われるがままに箱を割ってみると、中から、紅茶の茶葉にまみれた男の子がでてきました。
おばあさんとおじいさんはたいそう喜び、この子は幸薄そうな顔をしているから、セバタロウと名付けようと決めました。
セバタロウは嫌な顔をしましたが、おばあさんの意思は絶対です。
セバタロウはすくすくと育ち、とても苦労人な性格に育ちましたが、わりとスペックは高く、おじいさんとおばあさんの身の回りの世話を自分から申し出ました。
15歳になったセバタロウはおじいさんとおばあさんに鬼ヶ島の鬼リリス退治を命じられました。
おじいさんによると、なんでも、性格が悪く、何故かおばあさんを目の敵にしているので、ぶっ殺してこいとのことでした。
おじいさんは、途中で食べなさいと、食用コオロギ一匹、コオロギ型のチョコ二つをもたせてくれました。
旅立ったセバタロウが最初に出会ったのは、スナイパーライフルを担いだ犬、ミシェルでした。
ミシェルは、チョコをよこせとセバタロウを脅します。
セーバタロさんセバタロさん、おててにもったチョコレートーひっとつ私によっこしなさい
スナイパーライフルを向けられては言うことを聞くしかありません。
セバタロウはおとなしくチョコレートを渡しました。
ミシェルはそんなセバタロウをみて、あ、やだ、タイプかも、と思い、結婚を申し込みました。
セバタロウも満更ではなかったらしく、それを快く受け入れました。
夫婦になった2人は歩き続けます。
やがて、猿のアスランに出会いました。
アスランは持っていたリンゴを握りつぶし、チョコレートを欲しがりました。
流石に身の危険を感じたセバタロウはおとなしくチョコレートを渡します。
チョコレートを食べたら、死ぬまで私のために働かなければならないよ?とセバタロウは冗談を言いましたが、真に受けた猿のアスランは、セバタロウに永遠の忠誠を誓ってしまいました。
お供が増えたセバタロウは、
雉のエヴァンに出会いました。
セバタロウの手元にはもう食用コオロギしか残っていません。
しかし、雉のエヴァンは虫は大好物のようで喜んで食べました。
あまりにも喜ぶので、辺りにいた虫を雉のエヴァンの口にたらふく詰め込むと、言うことを聞くからもうやめてくれと泣きながら雉のエヴァンは謝りました。
船に乗って、鬼ヶ島に渡った一行の前に、
鬼の手下Aデューク、鬼の手下Bレオンが現れました。
鬼の手下Aデュークは蝶々を追いかけて崖に落っこち、鬼の手下Bレオンは、鬼のパンツはママに洗ってもらってるんですかぁ?という雉のエヴァンの煽りに耐えきれず泣きながら逃げていきました。
手下をやられた鬼リリスは怒り狂い、ソーラン節を踊りながらセバタロウ達を崖へ追い詰めていきました。
その時、エリオットおじいさんが現れ、鬼リリスの踊りを鼻で笑いました。
鬼リリスはなんなのよぉぉぉぉぉぉぉぉ!と叫びながら、逃げていきました。
セバタロウはいいました、おじいさんが最初からいけと。
エリオットおじいさんは、お前の嫁さんが鬼の息の根を止めようとライフルを構え出したあたりからやばいと思っていたと、そんなので頭を吹き飛ばしたらR指定入ってしまうといいました。
エリオットおじいさんとアイリスおばあさんは結局心配で後ろからついてきていたのでした。
なんだかんだでみんな仲良く暮らしましたとさ。
おひとよしおひとよし。
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
「っていう童話を考えたんだが、どうだ?セバスチャン」
「早く寝てください、そして、しばらく目覚めないでくださいアホ殿下」
「セバタロウ冷たい」
「……は?」
「セバスチャンさんおやすみなさい」
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