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権力掌握へ

動き始める巨大勢力

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「くそ!ラキドの奴!リクトにあそこまで甘いとは・・」
「仕方あるまい。奴は事実を言っただけだ。責めようにも責めることはできん。」
幹部達が集まっていた。第一作戦の失敗により彼らの中には僅かながら苛立ちが見えた。
「そう簡単にいくもんではない。それくらい理解しろ。」
纏め役らしき男が落ち着いた様子で周りに話す。この男、この中では抜けた力を持っており全員が黙り込んだ。
「今回、我々が奴らを倒すために用意した軍勢は騎士兵ナイトアーミー、それと王国の兵がわずかというところか。」
すらすらと男は喋りだす。どこか余裕を感じさせる雰囲気に他の幹部は疑問を抱いた。
「ちょっと待ってくれ、なぜそこまで貴方は余裕があるんだ?奴らは怪物レベルに強いのだぞ。」
「そんなもの数の前には敵わんわ。」
「しかし、500人ちょっとじゃ・・」
「安心しろ。その程度で勝てるなど思っていないからな。」
纏め役は余裕を持って返す。
「他にも軍勢はいる。私の力を舐めないでいただきたい。それと作戦はこんな感じだ。」
そう言って幹部達に紙を配る。そこには全ての計画が書いてあった。
「こ、これは・・」
「いくらなんでもやりすぎだ!」
その内容への反応はそれぞれ違ったものだが、かなり過激な作戦だというのは分かる。
「勝てば官軍負ければ賊軍、という言葉を知っているだろ?その通りなのさ要は結果が全てだ。その途中に何か悪いことがあってもその程度はなんとも思えない成果を上げるのだ。」
全員が黙り込む、何も言い返せないからだ。
「反論は無いようだな。じゃあ決定だ。日時は追って知らせる。このことはギャスパー殿にも伝えておかねばな。」
そう言って纏め役は部屋を出た。後に残された幹部達もぞろぞろと部屋を出た。
どうやら今回の計画にはさすがにやりすぎだと判断しているのかその顔にはためらいが見えていた。


「・・・まさか、これほどまで関わっているものが多いとはな。」
ギャスパーは計画書を見て、そして話を聞いた後に呟いた。
「敵は怪物揃いの軍団です。並大抵の数では潰せるとは思っておりませんので、このくらいは当然といったら当然なのでは?」
「確かにその通りだな・・」
「話は以上です。詳しいことは後日説明いたします。では、さようなら。」
1人残されたギャスパーは呟く。
「これは大きくなるだろうな。まぁ、いい。これも我々のクランの栄光のためだ!」
事態は大きく動き始めている。その時は確実に迫っていた。
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