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番外編(ネタ)
【茶番】とりあえず雪夜が大人になれば解決すると思った(そうではなかった)後編
しおりを挟むローゼンは雪夜をヒルシュから遠ざけようとしたが、ヒルシュは赤子を見てニッコリ笑った。
「おやまあ、雪夜クン、今日は赤さんなんですねぇ~! ふふっ、赤さんでも、雪夜クンは心がお強そうです! しかしニンゲンさんは日によって姿が変わるだなんて、驚きですね!」
(赤子の雪夜を見ても『かわいい』ではなく『強そう』なのは樹族の賛辞の基準が強さだからなのだろう。現にローゼンは赤子雪夜を『美しい』と言い、ロカは『面白い』と、それぞれの種族が重要視する『強い』『美しい』『興味深い(退屈させない)』という判断基準が示す最大級の賛辞を述べている)
しかし経過を見ていないのに、雪夜だと見抜いたヒルシュの見解をキリが問うと、ヒルシュは自分の鼻を示した。
「わたくしが雪夜クンの匂いを嗅ぎ間違えるわけありませんから! エッヘン! です!」
識別方法が犬だった。
だが雪夜(赤)は、ヒルシュの姿を見た途端、スン……と虚無顔になったのだ。
泣き叫ぶでも警戒するでもなく、虚無になっている雪夜に流石のヒルシュもオロオロし始めている。
「え、えええ……? 雪夜クン、何だかとってもよそよそしいのですが……? え、えっと、お腹が空いているのでしょうか?」
そう言いながらヒルシュは何故か上着をバリィと豪快に脱ぎ出した。
「ちょ、何で脱いでんですかヒルシュ様! 今、脱ぐような流れ来てましたっけ!?」
ツッコむキリ。
が、ヒルシュは動揺しながらも顔に似合わぬ逞しい胸板を晒したまま雪夜を指差した。
「え、えっと、通常、赤さんは空腹だとおっぱいを欲しがると聞いた事があるので……。雪夜クン、よくわたくしの胸板にくっついて目を点にしてましたので、もしかしておっぱいかなと……」
ヒルシュの発言にキリ&ローゼンは渋い顔で叫んだ。
「ヒルシュ様! 雄っぱいで何か色々と補給できるのは特定の性癖持ちだけですよ!!!!!!」
「雄……いや、本編で雪夜に何をしていたのだこの破廉恥な蛮族めが!」
ガチギレする主従に構わず、ヒルシュは両手を組んで祈るような姿で雪夜に話しかけている。
「エーン! 雪夜クン、まるで最初にお会いした時みたいなお顔をしてます~!」
狼狽えるヒルシュの前で雪夜はローゼンの顔を見ると虚無を消し去り、満面の笑みで喜んでいる。
だがヒルシュの方を向くと再度「スン……」となった。
その姿にローゼンが勝ち誇ったように、本編でも見せなかった最高の勝者の笑みを浮かべる。
「フッ。ヒルシュ、所詮、雪夜の貴様への対応は社交辞令でしかなかったという事だ」
ローゼンの言葉にヒルシュが目眩を起こしたようにクラリと倒れた。
ただ、筋肉で重いので倒れた瞬間に『ズズゥン……』と地響きがした。
倒れた衝撃で庭を凹ませながらも無傷のヒルシュは直ぐにムクッと起き上がって震えている。
「そんな……! 雪夜クンがそんなに他人行儀だったなんて……!」
「莫迦め。雪夜は心も美しい子だからな。貴様のように空気の読めん害獣相手でも慈悲の心を忘れておらぬのだ」
「雪夜クン……、わたくしの雄っぱい大好きでくっついてらしたのに……! だから、わたくし、雪夜クン好みになるよう、特に雄っぱいを鍛えておりましたのに!」
「フン! 雪夜にとって貴様のような下賎の者は遊びでしかなかったという事だ! 蛮族風情が! 分を弁えろ!」
ローゼンの渾身のドヤ顔とヒルシュの痛恨のベソベソ顔を遠巻きに見ながらキリは思った。
(5歳児が社交辞令とか他人行儀とか、何なのこのバカな大人達……つか雄っぱいの話題いつまで引っ張るんだよ……)
荒ぶる現場だったが、そこでブツブツ言っていたロカが「閃いたぞ!」と独り言を叫ぶ。
「おい、元凶の青頭君、何を閃いたんだよ!」
多分ロクでもねー事だろうけどと問いかけるが、元凶のロカ君は目を輝かせながら鞄から取り出した黒板にチョークでカッカッと音をたてて理論を書き出していく。
会話のドッジボールすらする気がない行動だが、もうキリはツッコミを諦めて見ていると、黒板いっぱいに文字を書いたロカがキラキラした目で振り返る。
「今の雪夜の心理状態だが、こうではないかと仮説をたててみた!」
黒板には
【初対面の雪夜の好感度に戻っている仮説】
閣下→ぼくを助けてくれた! いいひとだ! 大好き!(好感度MAX。ただしビンタすると好感度は一気に死ぬ)
キリ→お尻を叩いてくるし、クッキーを隠すエネミー(尻を叩かれまくるので警戒対象に)
ヒルシュ殿→窓から入ってくるヘンな人(クッキーとリンゴを奪われ虚無顔に)
ロカさん→水からヘンな人が!!!!!(水に引きずり込まれかけ、超警戒対象に)
その結論に全員がウワァ……という顔になっていたが、ロカは得意げに「どうだ!? 当たっているだろう?」と、謎を解明して嬉しかったらしく
ツヤツヤしている。
だが……。
「おい、青頭君。その理論でいくと、オマエ、雪夜に一番嫌われてんだけどいいのか?」
「……ハッ!」
ツヤピカしているロカに真実を叩きつけると、ロカは見る見る青ざめて、ドシャア……と地面に倒れ込んだ。
(ヒルシュより軽いので軽やかに倒れたが)
そのままロカはガクブル震えていた。
「そ、そうだった……。自分は初見では心の友の雪夜に警戒されていた……。それでは、自分はこのまま雪夜に嫌われたまま……????」
白っぽくなって石化し始めたロカ。
サラサラ……と灰になりかけている姿に鉱族特有の『心が死んだら体も死』現象が起きていると気づいた一同は慌てて声をかけた。
「おい! 青頭! 何でさり気なく死んでんだよ! かき回すだけかき回して大地に還るとかマジおまえ頭コーラルかよ!」
「雪夜を赤子にしたまま勝手に逝くな小僧! これでは雪夜の幼年期編の続きが赤子編になって逆行するではないか!」
「えーん! 雪夜クンがわたくしを見るたびに凄いお顔で舌打ちしてきます~! ロカ君、何とかしてくださーい! わたくし雪夜クンと早くケッコンしたいのです~!」
全員で服を掴んでガクガク揺さぶると、大地に還りかけていたロカはハッと我に返り、飛び起きた。
「ケッコン……! つまり、成人……そうだ! その手があったか!」
そしてロカは背負ってきたリュックの中を「これでもない、あれでもない」と、まさぐった後で、青い液体が入った小瓶を出してきた。
絶対にロクでもないアイテムだと思っている皆の前で、ロカは予想通りの言葉を口にした。
「もしもの事を考えて、加齢用の薬も準備しておいたぞ!」
自信まんまんなロカにキリは目を細める。
「うん! そういう系が出てくるだろうな~とは思ったけど、マジでそのまんまかよ! 少しは捻れよ! つか、なんでそんな基本的な事を忘れんだよ! フツー忘れねぇだろ!」
キリがつっこむと、ロカは顔を真っ赤にして反論した。
「し、仕方ないだろう! 鉱族は興味をもったものに一直線になるんだ!」
そのロカの手からヒルシュが瓶を素早く奪い取った。
流石、略奪が生業の樹族……すげぇ手癖悪ぃと感心するキリの前でヒルシュが瓶の口を手刀で斬って開けて(蓋を外すという小賢しい動作をせずにワイルドに開封するのが樹族STYLE)
雪夜に飲ませようとしていた。
「雪夜クーン! お薬さんですー! これを飲んでわたくしとクッキーさん大好きなお姿に戻ってください~!」
そう言って雪夜に薬を飲ませようとするヒルシュの顔面をローゼンが凄まじい勢いで掴んだ。
また気軽にアイアンクローしてる……とキリが見ていると、ローゼンは雪夜を抱えたままヒルシュを阻止しながら怒鳴った。
「落ち着け莫迦者が! 薬ならば適量というものがあるはずだ!」
「樹族の世界に適量の概念はありません! あるだけ飲み食いします!」
「脳筋の発想を繊細な人類に適用するな! 普通は適量というものが存在するのだ! 全て飲ませて雪夜が老衰状態になったらどうするつもりだ!!」
「その時は若返るお薬で調整すれば、ちょうど良い年齢になるのでは?」
「……ハッ!」
ヒルシュの発想にローゼンが目から鱗状態になっていた。
「そうすれば大人雪夜君の寿命が間近になった時に若返りのお薬を使えば、永久機関が完成します!(エッヘン顔)」
「……なるほど」
その理論にロカが首と片手をブンブン振った。
「あ、いえ、若返りの薬も加齢薬も一度飲むと体内で免疫的なものが出来てしまうので一回限りになります。つまり量を間違えると普通に死 に ま す」
力強く断言するロカにキリもローゼンもヒルシュも全員がツッこんだ。
「てめぇ! このバカヤロー! だから先に言えよそういう重要な事は! なんでお前らって思いつきの発明で甚大な被害を生み出しておいてギリギリになるまで反省しねーんだよ! サイアンが、めっちゃキレて詰めてたのも今ならわかるわ!」
「鉱族はやはり滅ぼすべきだった! ついでに樹族のこの鹿野郎も!」
「大丈夫です! 雪夜クンがおじいちゃんになっても、わたくしの愛は変わりませんから! お墓まで看取ります!」←会話の次元が違う鹿野郎
ぎゃあぎゃあ喚いていたが、また「ズズー」という音にキリが音の方向……ローゼンとヒルシュを見る。そして絶叫する。
「ローゼン様!! ヒルシュ様!! 雪夜が!!!! 飲んでるゥゥゥウ!!!!」
キリが指差すと、赤子雪夜が目の前でチラチラされた液体を美味しいジュースだと思ったのか、ヒルシュの手から奪い取って、ごぶごぶ飲んでいたのだ。
しかも全部飲み切って「けぷっ」と言い、空になった入れ物を投げ捨てている。
とんでもなく意地汚いクソガキぶりだったが、ローゼンとヒルシュは大騒ぎしていた。
「なっ!? 雪夜! どうしてそなたは何でも口に入れるのだ! ど、どうすれば……背中を叩けば良いのか!?」
それはモチが喉に詰まった時の対処法ですローゼン様! とキリがツッコむが、傍らではヒルシュがオロオロしながらも拳をバキバキ鳴らしていた。
「雪夜クン!? 飲み物なら幾らでもわたくしが人里から強奪してまいりますのに……! あ、つ、ついでにクッキーさんもあるだけ略奪してまいりますが、村1つと街1つ、どちらを潰しましょうか? そ、それとも両方がいいのでしょうか?(オロオロ)」
「やめてヒルシュ様! 華族の国を思いつきで世紀末の世界にしないで!!!!」
健気な表情で暴徒の発想をする樹族の鹿野郎の服を掴みながらキリは止める。
もう何処からツッコめばいいかわからない程に混乱している現場だが、そこでローゼンの腕の中に居た雪夜の体が大きくなった。
「ローゼン様! 雪夜が……!」
「雪夜! 薬の影響が出始めたのか!?」
ちょうどいい年齢で止まってBL(R18)が始まるのか?
それとも進み過ぎて爺さんになり、まさかのおじいちゃん総受BL小説(R還暦)という上級者向け展開になるのかと固唾を飲む皆。
だが、しばらくの後に現れたのは……。
「……めちゃくちゃイケメンじゃねぇか……」
キリが思わず感想を漏らす程の美男子が姿を見せた。
さらさらの黒髪に、きりっとした瞳の清廉そうな青年が居たのだ。
全裸で。
しかもローゼンにお姫様抱っこされてる状態で。
「「ガフッ!」」
その雪夜(大人)のあまりの美貌にローゼンとヒルシュがダメージボイスを漏らしている。
ヒルシュは赤面しながら腰砕け状態で地面に座り込んでいる。(※攻)
ローゼンにいたっては感動で漢泣きしている。(※攻2)
「オトナ雪夜クン、なんてお強そう……! わたくし、めろめろです……」
「流石、雪夜……、幼少期から理知的ではあったが(略)成人した姿は更に(略)高貴さ溢れる(略)美しくも清廉な(略)姿だ……」
(さっきのロカみたいに略さないと文字数がオーバーする状態で雪夜の美しさを絶賛しているローゼン)
大人2人が秒で骨抜きにされている光景にキリはツッコむ。
「ヒルシュ様! かわいこぶってますけど、アンタ作中最強の攻ですから! ローゼン様は全裸の成人男性をお姫様抱っこしたまま車田泣きは絵面が強すぎますんで、とりあえず雪夜に服ぐらい着せましょう!」
そう告げるキリにロカがリュックから成人男性用の衣装を出してくる。
だが、ロカが服を雪夜(20↑)に手渡そうとしたが、雪夜はニコーッと笑うと、ローゼンの腕から全裸のまま飛び降りた。
そしてエッヘン顔をした。
前を隠せと慌てるキリとローゼンだったが、雪夜は「ゆきやクンはローゼンさまにだっこされてるとムテキです!」と歩き出した。
全裸で。
呆然とそれを見ている面々の前で雪夜はドスドス走りだした。
「きょうは、なんだか、めせんがたかいぞ! いまならクッキーをいっぱいたくさん、たべれるヨカン! ぼくは、ゆく!」
そのまま門から外に出ようとしている雪夜にキリとローゼンが絶叫する。
「バカやめろ雪夜ァアアアア! せめて前を隠せ!!!!! あっ、ちがっ、胸じゃねぇ! 下だよ! 下を隠せアホ!!!」
「大人になっても中身は5歳児のままではないか!」
見た目は大人で中身は5歳児というアウトなのかセーフなのか個人の判断が分かれる展開になりかけたが、ロカの薬はまだ完璧ではなかったのか、薬同士が相殺しあったのか走りだした雪夜が見る見る縮み、元の5歳児の体長になっていった。
……なっていたが、そのままテテテーと森に走ってゆく。
ローゼンとキリが着換えを持ったまま追いかけ、ヒルシュは「雪夜クンが元に戻って良かったです~!」と嬉しそうに乙女走りで追いかけ(←攻)現場にはロカだけが残された。
ロカは熱心にメモをとる。
「うん! 改良の余地、ありすぎ……とメモメモ。だが……」
大人の雪夜も面白かったな……と、ちょっと頬を染めたのだった。
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【あとがき】
「キリがロカさんの頸動脈を狙い打ちしてピンチを加速させたのに特に謝る下りを入れてなかった」という後悔がカタチになりました。
常識人枠のロカお兄さんは番外編ではTo Loveるメーカーになります。
キリは本編のままツッコミ枠ですね。
ヒルシュの雄っぱいは最初、某ケンシロウ氏みたいに筋肉で「フンッッ!!!(パァーン!)」と破くつもりでしたが、その後に目と同じ幅の涙を流して号泣するローゼンとか全方位の絵面が濃すぎる気がしたので、控え目に両手で上着を裂かせました(謎の配慮)
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