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17.道案内
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領府に着くと、さっそくギルドで所属の変更を申請した。それから生活面について教えてもらい、手頃な貸し部屋を借りた。
さすがに領府まで来ると、上位の女冒険者は魔導防具を着ている。だからあたしだけが目立つってことはなくなったけど、お尻丸出しなのには変わりない。他の人のお尻と比べられてるんじゃないかと思うと余計に恥ずかしい。
当分は固定PTには入らずに、単独あるいは臨時PTで仕事をしながら領府周辺の地理や魔物分布などをつかんでいこうと思っている。
そんなある日、ギルドに行くと受付嬢に呼ばれてギルマスの部屋に通された。そこには露出度の高い魔導防具を着た三人の女冒険者がいた。冒険者タグを見ると、Aランクだ。国府から来たんだろう。
「君、北東郡出身だったな。北東郡の南東の村といったら分かるか?」
「はい。主な狩場には一通り行きました」
「実はあそこにグリフォンが出た。この領にいる冒険者では対応出来ないので国府から応援を呼んだんだ。で、君には現場までの案内を頼みたい。現地にいる冒険者はCランク止まりだから心許なくてな」
「わかりました」
「よろしくね☆」
三人の中で一番背の高いショートヘアの人があたしに声をかけ、目が合うとウィンクを飛ばしてきた。平均的な男の人くらいの身長はある。女の子にモテそうだ。多分この人がリーダーだろう。
それからホールに出て打ち合わせをすることになった。
「ところでキミ、なかなかいい魔導防具着てるね。見たところ、弓師かな」
「あっ……は、はい。そうです」
「やっぱり。その防具、弓師用の胸当てをモチーフにしてるんじゃないかと思ったんだ。そうか、Bランクで弓師かあ。ねえキミ、もしよかったら単なる道案内じゃなく、ボクたちのPTに臨時で入ってみない? そうすれば討伐報酬と獲物買い取り代金の分け前が出るよ。もちろん道案内よりも危険だけどね」
「えっ、あ、あたしがですか? あの、どうしてあたしに……?」
「グリフォンは魔法への耐性を持っててね。出来れば物理攻撃の後衛、つまり弓師を仲間に入れたかったんだ。まあ、いなくても討伐はできるけどね。より早く、より安全に倒せると思ったんだよ」
「あの、無理はしなくていいのよ。道案内してもらえるだけでも十分助かるから。それにBランクだと、私たちとPTを組めるとはいえ、グリフォンはかなり格上になるし」
「一度、弓を見せてもらえばいいんじゃない? ほら、同じBランクでも幅があるしさ」
「それもそうだね。じゃ、訓練場へ行こうか」
「は、はい」
Aランクの三人が見ている前で弓を披露することになってしまった。射場で弓と矢筒を用意して立ち位置に立って集中する。そして矢に魔力を込めて弓に番え、放った。
「……ほおおう」
「……ね、ねえ、なんかすごくない?」
「……そうね。予想以上だったわ」
「キミ、いくつだっけ」
「は、はい。十四です」
「うわあ、まだ成人前だよ」
「う~ん、これは遠からず昇格できるだろうね」
「ええ。実力的には、今回の討伐でも十分戦力になると思うわ」
「どう、やってみる?」
「は……はい。やってみたいです」
こうしてあたしはAランクPTに臨時で加わることになった。
「それじゃ、まず食糧の買い出しに行こうか」
「あ、あの……このあたりで買うよりも、現地の方が、安いです」
「それもそうだね。お店選びは任せるよ。それじゃ、お姫様はボクの後ろでいいかな」
リーダーがアイテム袋から魔導二輪車を出した。お姫様なんて呼ばれたの、生まれて初めてだ。でも……案内する私が後ろだと、道を指示したりするのが大変そうだ。
「あっ、あの……私が二輪車を運転して、前を走ります」
私も二輪車を出した。
「ええっ! キミ、魔導二輪車持ってたんだ。Bランクなのに」
「は、はい。これはBランク向けに値段を抑えた新型なんです」
「へえ、そんなの出てたんだ。知らなかったよ」
「あっいえ、これは試作品で、まだ売られてないんです」
「えっ、試作車に乗ってるの? キミ、すごい人脈持ってるね」
「はい、製作者と知り合う機会があって……」
「それじゃ、私があなたの後ろに乗せてもらっていい?」
「はい、どうぞ」
二台の二輪車に分乗して地元の街に向かった。
街で食糧の買い出しを済ませて南東の村へ行き、グリフォンが出た山に入った。二輪車で走れる道がなくなると歩いて登り、野営地に着いた。
「いつもはこれに三人で寝てるんだけど、四人でも大丈夫だよ」
大きいテントを立てて、竈で夕食を作って食べた。それからテントに入って寝たんだけど……魔力鍛錬をどうしようか。明日の討伐に備えて少しでも魔力を高めておきたいけど、会ったばかりの人たちに、浣腸してくださいなんて言えない。エッチな女の子だと誤解されてしまう。苦しいけど自分でするしかない。
アイテム袋だけ持ってこっそりテントを出て森に入った。少々声が漏れても届かないくらいテントから離れて、魔力鍛錬セットを出した。
少し脚を開いて浣腸すると、木の幹につかまって必死でこらえた。膝が折れないように頑張ったら、今度は上体だけが前に倒れて胸元で木に抱き付く恰好になってしまった。どうしてこんな恰好になっちゃったんだろう。膝をつくよりはいいか、と思ってそのまま浣腸を続けた。
マッサージに入ると、上体がズルズルと下がってしまい、必死で木にしがみついた。切なさに耐えかねて背中が三日月のように反ってしまい、そのまま真っ白になって悶え続けた。
さすがに領府まで来ると、上位の女冒険者は魔導防具を着ている。だからあたしだけが目立つってことはなくなったけど、お尻丸出しなのには変わりない。他の人のお尻と比べられてるんじゃないかと思うと余計に恥ずかしい。
当分は固定PTには入らずに、単独あるいは臨時PTで仕事をしながら領府周辺の地理や魔物分布などをつかんでいこうと思っている。
そんなある日、ギルドに行くと受付嬢に呼ばれてギルマスの部屋に通された。そこには露出度の高い魔導防具を着た三人の女冒険者がいた。冒険者タグを見ると、Aランクだ。国府から来たんだろう。
「君、北東郡出身だったな。北東郡の南東の村といったら分かるか?」
「はい。主な狩場には一通り行きました」
「実はあそこにグリフォンが出た。この領にいる冒険者では対応出来ないので国府から応援を呼んだんだ。で、君には現場までの案内を頼みたい。現地にいる冒険者はCランク止まりだから心許なくてな」
「わかりました」
「よろしくね☆」
三人の中で一番背の高いショートヘアの人があたしに声をかけ、目が合うとウィンクを飛ばしてきた。平均的な男の人くらいの身長はある。女の子にモテそうだ。多分この人がリーダーだろう。
それからホールに出て打ち合わせをすることになった。
「ところでキミ、なかなかいい魔導防具着てるね。見たところ、弓師かな」
「あっ……は、はい。そうです」
「やっぱり。その防具、弓師用の胸当てをモチーフにしてるんじゃないかと思ったんだ。そうか、Bランクで弓師かあ。ねえキミ、もしよかったら単なる道案内じゃなく、ボクたちのPTに臨時で入ってみない? そうすれば討伐報酬と獲物買い取り代金の分け前が出るよ。もちろん道案内よりも危険だけどね」
「えっ、あ、あたしがですか? あの、どうしてあたしに……?」
「グリフォンは魔法への耐性を持っててね。出来れば物理攻撃の後衛、つまり弓師を仲間に入れたかったんだ。まあ、いなくても討伐はできるけどね。より早く、より安全に倒せると思ったんだよ」
「あの、無理はしなくていいのよ。道案内してもらえるだけでも十分助かるから。それにBランクだと、私たちとPTを組めるとはいえ、グリフォンはかなり格上になるし」
「一度、弓を見せてもらえばいいんじゃない? ほら、同じBランクでも幅があるしさ」
「それもそうだね。じゃ、訓練場へ行こうか」
「は、はい」
Aランクの三人が見ている前で弓を披露することになってしまった。射場で弓と矢筒を用意して立ち位置に立って集中する。そして矢に魔力を込めて弓に番え、放った。
「……ほおおう」
「……ね、ねえ、なんかすごくない?」
「……そうね。予想以上だったわ」
「キミ、いくつだっけ」
「は、はい。十四です」
「うわあ、まだ成人前だよ」
「う~ん、これは遠からず昇格できるだろうね」
「ええ。実力的には、今回の討伐でも十分戦力になると思うわ」
「どう、やってみる?」
「は……はい。やってみたいです」
こうしてあたしはAランクPTに臨時で加わることになった。
「それじゃ、まず食糧の買い出しに行こうか」
「あ、あの……このあたりで買うよりも、現地の方が、安いです」
「それもそうだね。お店選びは任せるよ。それじゃ、お姫様はボクの後ろでいいかな」
リーダーがアイテム袋から魔導二輪車を出した。お姫様なんて呼ばれたの、生まれて初めてだ。でも……案内する私が後ろだと、道を指示したりするのが大変そうだ。
「あっ、あの……私が二輪車を運転して、前を走ります」
私も二輪車を出した。
「ええっ! キミ、魔導二輪車持ってたんだ。Bランクなのに」
「は、はい。これはBランク向けに値段を抑えた新型なんです」
「へえ、そんなの出てたんだ。知らなかったよ」
「あっいえ、これは試作品で、まだ売られてないんです」
「えっ、試作車に乗ってるの? キミ、すごい人脈持ってるね」
「はい、製作者と知り合う機会があって……」
「それじゃ、私があなたの後ろに乗せてもらっていい?」
「はい、どうぞ」
二台の二輪車に分乗して地元の街に向かった。
街で食糧の買い出しを済ませて南東の村へ行き、グリフォンが出た山に入った。二輪車で走れる道がなくなると歩いて登り、野営地に着いた。
「いつもはこれに三人で寝てるんだけど、四人でも大丈夫だよ」
大きいテントを立てて、竈で夕食を作って食べた。それからテントに入って寝たんだけど……魔力鍛錬をどうしようか。明日の討伐に備えて少しでも魔力を高めておきたいけど、会ったばかりの人たちに、浣腸してくださいなんて言えない。エッチな女の子だと誤解されてしまう。苦しいけど自分でするしかない。
アイテム袋だけ持ってこっそりテントを出て森に入った。少々声が漏れても届かないくらいテントから離れて、魔力鍛錬セットを出した。
少し脚を開いて浣腸すると、木の幹につかまって必死でこらえた。膝が折れないように頑張ったら、今度は上体だけが前に倒れて胸元で木に抱き付く恰好になってしまった。どうしてこんな恰好になっちゃったんだろう。膝をつくよりはいいか、と思ってそのまま浣腸を続けた。
マッサージに入ると、上体がズルズルと下がってしまい、必死で木にしがみついた。切なさに耐えかねて背中が三日月のように反ってしまい、そのまま真っ白になって悶え続けた。
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