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15.討伐依頼
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次の日、朝食を食べてから出発した。師匠との別れは辛くて泣きそうだった。
「うっ、師匠……」
「またいつでも会えますよ」
防具職人にもお世話になった。魔導二輪車は、定期的にレポートを送ってる間は無料レンタルだ。そして魔導防具は材料費のみということで初級防具みたいな値段にしてもらっていた。
まず南東領の領府まで行き、そこからまっすぐ北に向かった。そして東領の領府を抜けて、次の街でエッチなホテルに泊まった。もちろん一人でだ。
昨日の夜、防具職人に渡されたのは魔力鍛錬セットだった。浣腸液が革袋に詰められたもの多数。それから魔力中枢をマッサージするための道具まである。普通のホテルでこれを使って、声が漏れたら大変だから、エッチなホテルにした。
浣腸を繰り返して、お尻の穴を柔らかくする。そして浣腸液が入ったまま、切なさをこらえて道具を入れていく。殻をむいたゆで卵みたいな、弾力のある白い玉が二つだ。二つ目の玉がお尻の穴をくぐり抜けて中に引き込まれると、奥にある一つ目の玉が一番切ないところを刺激してしまう。
高まった浣腸液の圧力に玉が押し戻されると、下がっていく時にもまた擦れてしまう。刺激に耐え切れずにお尻の穴がびくんと締まると、再び玉は奥に入って行く。こうして玉は腸の中でひとりでに往復を始めてしまった。玉に刺激され続けて、どんどん追い詰められていく。手を使わなくてもマッサージできるって、こういうことだったんだ。
切ない自己鍛錬から一夜明けて出発。北東領の領府を通って、領の中のさらに北東にある郡に着いた。この街を空けたのは一週間くらいだろうか。魔導防具姿を知り合いに見られるのはすごく恥ずかしいし緊張する。
ギルドに入ると、知り合いの冒険者がいた。別のPTだけど、同期で同じ弓師ということもあって割と仲がいい。
「しばらく見ない間にずいぶん印象変わったわね」
「修行の旅に出て、一皮むけてきたんだ」
「そうだったんだ。ところであんたが前にいたPT、大変なことになってるみたいよ。何でも後衛が先にやられて崩れたんだって。討伐は失敗続きで降格させられるんじゃないかって噂よ」
「へえ、そんなことになってるんだ」
なんとなく状況は察しがついた。あたしがいた時は真っ先に目を潰してたから、魔物は接してる相手と戦うしかない。でも魔物の目が見えるなら後衛が狙われることもある。前衛が魔物の注意を十分に引き付けられなかったんだろう。
あのPTが主に狩ってる人型魔物は、木の枝などを利用した簡単な武器を使う。投げることも可能だから、後衛に攻撃が届くことは十分あり得る話だ。知らず知らず、魔物の目が見えないのを前提にした戦い方になっちゃってたんだろう。
「ま、あたしはもう脱退したから関係ないよ。それに、所属を領府に替えようと思ってるんだ」
「そうなんだ。寂しくなっちゃうね」
「同じ領内だし、またいつでも会えるよ」
受付に行って、所属の異動を申し出た。
「あっ、しょ、少々お待ちください。ギルドマスターに伝えてきます」
それからあたしはギルマスの部屋に呼ばれた。
「昇格したそうだな。おめでとう」
「ありがとうございます」
「ところでだ。実は北西の山のワイバーンが南下してきて被害が出てる。CランクPTが討伐に向かったんだが、倒せなくてな。ランク的には倒せてもおかしくないんだが、属性相性の問題なのか……」
それはなんとなくわかる。ワイバーンの弱点属性は地だけど、地属性魔法は使いどころが限られてるから、適性があったとしても伸ばしてる人はあまりいないようだ。
それに、師匠から教わった絶妙なタイミングと狙い。あれを知らなかったら、防具に使われるほど丈夫な皮を纏ったワイバーンを真っ向から叩いて攻撃を通さなきゃいけない。
「だが、お前さんの昇格試験の課題はワイバーンだったそうだな。Bランクともなれば領府に移るのは止められないが、この街での最後の仕事としてワイバーンを討伐してくれないか。この前のバジリスクのような大物ならともかく、このランクで余所に応援を求めても来てくれないんだ」
「わかりました。行ってみます。出没地点の地図があったらください」
ギルマスの部屋から出ると、ホールのテーブルで地図を見て行程を考えた。まだ昼間だから、今から山に入って野営するのがいいだろうか。
「お、おい。お前……あの弓師か?」
声をかけてきたのは、元PTの剣士だった。後ろに他のメンバーもいる。
「お前、一体どこ行ってたんだよ」
「あたしはもうPTメンバーじゃないんだから、言う必要ないと思うけど」
「そのことだけどな、お前が反省したならまたPTに戻してやる」
「あたしは別に反省することなんて何もないし、PTに戻る必要もないよ。あんたたち、あたしが抜けてからずいぶん弱体化したらしいじゃない」
「く……」
剣士は俯いた。その時地図が目に入ったようだ。
「お、おい。何だよこの地図は。お前まさかワイバーン狙いに行くのか」
「そうだけど、それが何か?」
「だったら俺達と組めよ。お前が一人で行ったって、どうにかなるわけねえだろ」
首から提げたBランクの冒険者タグを手に持って、元PTメンバーに見せた。
「あたしはこの通りBランクに上がったの。その時の課題はワイバーンだったのよ。つまりあたしは一人でワイバーンを倒せるってこと」
「嘘つくな! そんなことあるわけねえ」
「嘘言ったって仕方ないでしょ。試験の結果はギルドの記録に残ってるし、ギルマスも知ってる。ギルマスに聞いてみたら?」
「……た、たとえそうだとしてもだ。一ランク差ならPT組めるだろ。俺達と組めよ。育ててやった恩を忘れたのか?」
「別にあんたたちに育ててもらったわけじゃないんだけど。あたしが抜けてからあんたたちが魔物を倒せなくなったってことは、あたしがPTに必要な役割を果たしてたってことよね」
「うっ、師匠……」
「またいつでも会えますよ」
防具職人にもお世話になった。魔導二輪車は、定期的にレポートを送ってる間は無料レンタルだ。そして魔導防具は材料費のみということで初級防具みたいな値段にしてもらっていた。
まず南東領の領府まで行き、そこからまっすぐ北に向かった。そして東領の領府を抜けて、次の街でエッチなホテルに泊まった。もちろん一人でだ。
昨日の夜、防具職人に渡されたのは魔力鍛錬セットだった。浣腸液が革袋に詰められたもの多数。それから魔力中枢をマッサージするための道具まである。普通のホテルでこれを使って、声が漏れたら大変だから、エッチなホテルにした。
浣腸を繰り返して、お尻の穴を柔らかくする。そして浣腸液が入ったまま、切なさをこらえて道具を入れていく。殻をむいたゆで卵みたいな、弾力のある白い玉が二つだ。二つ目の玉がお尻の穴をくぐり抜けて中に引き込まれると、奥にある一つ目の玉が一番切ないところを刺激してしまう。
高まった浣腸液の圧力に玉が押し戻されると、下がっていく時にもまた擦れてしまう。刺激に耐え切れずにお尻の穴がびくんと締まると、再び玉は奥に入って行く。こうして玉は腸の中でひとりでに往復を始めてしまった。玉に刺激され続けて、どんどん追い詰められていく。手を使わなくてもマッサージできるって、こういうことだったんだ。
切ない自己鍛錬から一夜明けて出発。北東領の領府を通って、領の中のさらに北東にある郡に着いた。この街を空けたのは一週間くらいだろうか。魔導防具姿を知り合いに見られるのはすごく恥ずかしいし緊張する。
ギルドに入ると、知り合いの冒険者がいた。別のPTだけど、同期で同じ弓師ということもあって割と仲がいい。
「しばらく見ない間にずいぶん印象変わったわね」
「修行の旅に出て、一皮むけてきたんだ」
「そうだったんだ。ところであんたが前にいたPT、大変なことになってるみたいよ。何でも後衛が先にやられて崩れたんだって。討伐は失敗続きで降格させられるんじゃないかって噂よ」
「へえ、そんなことになってるんだ」
なんとなく状況は察しがついた。あたしがいた時は真っ先に目を潰してたから、魔物は接してる相手と戦うしかない。でも魔物の目が見えるなら後衛が狙われることもある。前衛が魔物の注意を十分に引き付けられなかったんだろう。
あのPTが主に狩ってる人型魔物は、木の枝などを利用した簡単な武器を使う。投げることも可能だから、後衛に攻撃が届くことは十分あり得る話だ。知らず知らず、魔物の目が見えないのを前提にした戦い方になっちゃってたんだろう。
「ま、あたしはもう脱退したから関係ないよ。それに、所属を領府に替えようと思ってるんだ」
「そうなんだ。寂しくなっちゃうね」
「同じ領内だし、またいつでも会えるよ」
受付に行って、所属の異動を申し出た。
「あっ、しょ、少々お待ちください。ギルドマスターに伝えてきます」
それからあたしはギルマスの部屋に呼ばれた。
「昇格したそうだな。おめでとう」
「ありがとうございます」
「ところでだ。実は北西の山のワイバーンが南下してきて被害が出てる。CランクPTが討伐に向かったんだが、倒せなくてな。ランク的には倒せてもおかしくないんだが、属性相性の問題なのか……」
それはなんとなくわかる。ワイバーンの弱点属性は地だけど、地属性魔法は使いどころが限られてるから、適性があったとしても伸ばしてる人はあまりいないようだ。
それに、師匠から教わった絶妙なタイミングと狙い。あれを知らなかったら、防具に使われるほど丈夫な皮を纏ったワイバーンを真っ向から叩いて攻撃を通さなきゃいけない。
「だが、お前さんの昇格試験の課題はワイバーンだったそうだな。Bランクともなれば領府に移るのは止められないが、この街での最後の仕事としてワイバーンを討伐してくれないか。この前のバジリスクのような大物ならともかく、このランクで余所に応援を求めても来てくれないんだ」
「わかりました。行ってみます。出没地点の地図があったらください」
ギルマスの部屋から出ると、ホールのテーブルで地図を見て行程を考えた。まだ昼間だから、今から山に入って野営するのがいいだろうか。
「お、おい。お前……あの弓師か?」
声をかけてきたのは、元PTの剣士だった。後ろに他のメンバーもいる。
「お前、一体どこ行ってたんだよ」
「あたしはもうPTメンバーじゃないんだから、言う必要ないと思うけど」
「そのことだけどな、お前が反省したならまたPTに戻してやる」
「あたしは別に反省することなんて何もないし、PTに戻る必要もないよ。あんたたち、あたしが抜けてからずいぶん弱体化したらしいじゃない」
「く……」
剣士は俯いた。その時地図が目に入ったようだ。
「お、おい。何だよこの地図は。お前まさかワイバーン狙いに行くのか」
「そうだけど、それが何か?」
「だったら俺達と組めよ。お前が一人で行ったって、どうにかなるわけねえだろ」
首から提げたBランクの冒険者タグを手に持って、元PTメンバーに見せた。
「あたしはこの通りBランクに上がったの。その時の課題はワイバーンだったのよ。つまりあたしは一人でワイバーンを倒せるってこと」
「嘘つくな! そんなことあるわけねえ」
「嘘言ったって仕方ないでしょ。試験の結果はギルドの記録に残ってるし、ギルマスも知ってる。ギルマスに聞いてみたら?」
「……た、たとえそうだとしてもだ。一ランク差ならPT組めるだろ。俺達と組めよ。育ててやった恩を忘れたのか?」
「別にあんたたちに育ててもらったわけじゃないんだけど。あたしが抜けてからあんたたちが魔物を倒せなくなったってことは、あたしがPTに必要な役割を果たしてたってことよね」
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