電車2

電車

　僕は赤ちゃんの声や子どもの高い声がとても苦手だ。頭の中で響いてつらくなる。僕は学校に行くために電車を使っている。そこで学校に行くときも学校から帰るときもベビーカーに乗せた子ども連れの母親を見た。行きと帰りでは別の家族で、どちらも途中から泣き出した。乗っていた電車が地下鉄だったので景色が変わらないうえに30分以上乗るのは赤ちゃんにはつらかったのかもしれない。電車に乗っている人が多く車両を移動することができなかったので目的地に着くまで我慢していた。

　学校に行くときの母親は必死で泣き止まそうとしていた。子どもにいろいろ話しかけたり、お気に入りだとおぼしきおもちゃで気をひいたりだ。母親の様子がとても申し訳なさそうだった。母親が悪いわけではないのに、そんなに申し訳ないという反応をしなくてもよいのにと思った。泣き声はつらいが、電車で赤ちゃんが泣いてしまうこともあるだろうから仕方がないとも思った。

　学校から帰るときの母親は赤ちゃんの様子を一瞥しただけでずっと携帯を見ていた。周囲に泣いているのを気にする人がいれば「赤ちゃんは泣くのが仕事だからしょうがない」と対応していた。赤ちゃんを泣き止ませて欲しいと思った。赤ちゃんが泣くのはしょうがないとは思う。それでも公共の場で様々な人がいるから赤ちゃんを泣かさないための努力をする必要があるのではないかと思った。泣いている赤ちゃんがかわいそうだし、その泣き声から避難できない僕もとてもつらいからだ。

　いつもニュースなどで電車の中での、親子の様子の記事を見ると意見が両極端でなぜなのか疑問に思っていた。今日行きと帰りで僕が正反対の意見を持ったことで理由がわかった気がする。どちらの親をよりよく見かけるか、どちら側に近い発想を持っているかということで意見が変わるのだと思う。