【かんけつ】ながれ星のねがい

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　ところが、弟は兄に少しもそうだんをしなかった。あしたはながれ星となるという日が来てもそうだんしなかったのだ。そこで、兄はなやみのないようはそうぞうできていたが、弟に「いったいなにをなやんでいるのだ？明日はながれ星となる日だ。ここですごすさいごの1日くらい楽しんだらどうだ。」と言った。弟は「ぼくたちはながれ星になったらどうなるの？生きていることができるの？生きていることができたとしてまた兄さんに会うことができるの？今日が兄さんと会うさいごの日になるのはいやだ。」そう言ってなき出してしまった。

　兄は弟をだきしめてせなかをなでながら「ぼくたちが明日どうなるかわからない。しんでしまうかもしれないし、ぶじに生きていたとしても会うことはできないかもしれない。ただ、ながれ星は海に入るとほうせきになり、ほうせきとしてだいじな人ともういちど会うことができるというでんせつがある。この話はたくさんの本に書かれていた。海とはしお水だらけのばしょだ。どうなるかわからないが、このでんせつをしんじて同じ海にいっしょにとびこまないか？」と言った。それを聞いた弟はなきながら何回も何回もうなずいていた。