チョコレート

辛已奈美(かのうみなみ)

文字の大きさ
上 下
1 / 1

1

しおりを挟む
「好きです。付き合ってください。」

教室に入ったところでクラスメイトからチョコレートを渡されると同時に告白された。

僕自身は成績がどちらかというと上位に入ることしか取り柄がない。見た目もいいとはいえないし、運動神経も悪く、下から数えた方が早い位置にいる。クラスないで浮いているわけではないが、アニメなどが好きでクラスの子には「オタク」として認識されている。

ところが、彼女は頭も運動神経もよい子で、学級委員も務めており、クラス内の信頼も厚い子である。誰とでも仲良くすることができ、人がいないところでも他の人のために動いてあげることができるような子だ。

そんな彼女のことが僕は小学校の頃からずっと好きだった。彼女はすごい人だったから、僕は告白することができなかった。

そんな彼女が今僕に告白してくれている。冗談を言う子ではないので、本気だとは思うが、信じることができず、「僕のどこが好きなの?」と聞いてしまった。

「誰かが休んだときに、休んだ子の代わりに掃除をしたり、準備をしたりするところ。やさしいところ。他の人は気がつかないところにも気がつくところ。責任感があるところ。他にもあるけど、まだ聞きたい?」

とかえってきた。聞いている僕の顔は真っ赤だったと思う。僕を本気で好きだと行ってくれるところも、僕を見ていてくれているところも嬉しかった。

僕は思わず、「僕も大好き」と言っていた。

「何事にも一生懸命取り組むところも、みんなのことを見ているところも、誰とでも仲良くできるところも、ものすごい努力家なところも全部大好き」

といっていた。そうして僕たちは恋人同士になった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

悪辣姫のお気に入り

藍槌ゆず
恋愛
『悪辣姫には関わるな』――というのが、セレネストリア学園での暗黙の了解である。 微笑みを湛え全てを見下し、邪魔する者は弱みと秘密を掴んで黙らせ、刃向かう者は実力をもって叩きのめし〝悪辣姫〟とまで呼ばれるようになった美貌の令嬢ミシュリーヌ・シュペルヴィエルと、そんな彼女の婚約者でありながら特に何の取り柄も無い(と本人は思っている)ダニエル・グリエットが、ある日突然『婚約破棄』を条件に決闘を申し込まれたりなんだりする話。 ※『めちゃくちゃに強くて高飛車なヒロイン』と『流されに見えて図太い平凡系男主人公』に異能バトルと婚約破棄と完全両思いをぶち込んで書いた趣味丸出し作品です。  転生要素が見えたりしますが殆ど主人公には関係ないです。

婚約破棄の甘さ〜一晩の過ちを見逃さない王子様〜

岡暁舟
恋愛
それはちょっとした遊びでした

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

勘違い令嬢の心の声

にのまえ
恋愛
僕の婚約者 シンシアの心の声が聞こえた。 シア、それは君の勘違いだ。

パパのお嫁さん

詩織
恋愛
幼い時に両親は離婚し、新しいお父さんは私の13歳上。 決して嫌いではないが、父として思えなくって。

処理中です...