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終わりと始まり
新たなるゲーム
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「と、まあそういうわけだ。何か聞きたいことはあるか?」
護送用ヘリコプターの機内。
つい十分前のこと。扉を叩く音が聞こえたかと思うと、どこか虚ろな顔つきの喜多嶋、そして死んだはずの東郷と鬼道院が扉を開け中に入ってきた。
何が起こっているのか分からず、私たちは呆然と東郷らに視線を送る。すると東郷は、私にも内緒で行っていた、運営を欺くための異常な作戦について語り出した。
一人は、自らを殺しその死体に自身の記憶を植え付けて復活。
一人は、今生の幸福を捨てることで不死の力を獲得。
相打ちによる双方死亡の演出により運営を騙し、ゲームを終幕へ。
死体を見に来た喜多嶋に『記憶改竄』を用い味方に改造。館に群がっていた黒服たちを全員撤収させ、悠々と館から脱出。
勝利者たちの姿を探し、このヘリまでやって来て――
些か突飛すぎる話に思考がついていかず、私は演技する余裕もなく二人の顔を見つめた。
東郷の方は不死になったからか、怪我をしている様子は一切ない。対して鬼道院は死んでいることをしっかりと示すように、眉間の中央にぽっかりと小さな穴を開けている。
やっぱり、理解しがたい。
東郷の話が終わってからもしばらくは誰も口を開けられず――と思いきや、ここに残っている者も彼らに負けず劣らずやばい奴。
話が終わるとすぐ、秋華がとろんとした瞳を鬼道院に向け口を開いた。
「つまり、鬼道院さんは既に死んでいて、ここにいるのはその残りかすということですね」
「残りかす……。その表現に対しては異議を申し立てたいところですが、考えとしては間違っていないと思いますよ」
「そうですか。では私から言うことは特にないのです」
どこか物足りなさそうに、小さな手を開け閉めしながらも口を噤む。もしかしたら六道にやったように、鬼道院のことも殴るつもりでいたのだろうか。
その件を知らない東郷と鬼道院は怪訝な視線を秋華に向けるも、特に追及はせず話を戻した。
「他に質問はないか? ないなら早速だが本題に入らせてもらう。観覧者が本当に四大財閥のトップ共なら、こうなることを見越して何か手を打っていてもおかしくないからな。あまり悠長にはしていられない」
言葉通りやや焦りを滲ませ、東郷は視線を巡らす。
私も東郷の考えには同意見。常人なら彼らの策など思いつきもしないだろうが、もし相手があの怪物たちだとすれば、ばれていても何ら不思議はない。気づいたらヘリの周りに銃を持った黒服たちが密集していて――なんて状況が容易に想像できてしまう。
とばっちりで被害に遭うのも嫌なので、できればヘリの外に出て行ってほしいなと考える。しかし、そんな考えは杞憂だと、透明人間が否定の言葉を口にした。
「おそらくだけど、その心配はないと思うよ。天上院様は洞察力に関しては人並みだし、前回勝利者を当てたから八雲様も今回は大したスペックじゃないはずだ。金光様は気づいているかもしれないけど……あの方は少し特殊だから、放置している方が面白いって結論を下すんじゃないかな。後は如月家から誰が参加したかによる……けど、まあ誰が参加したにしても、あそこは跡目争いに忙しいから僕たちに構ってる暇はないだろうし。うん。そんなに焦る必要はないと思うよ」
三人でいた時に比べ、どこか弾んだ六道の声。東郷らのおかげで、ただ連行される以外の選択肢が浮上し、生きる希望を見出したのかもしれない。
ふとある疑問が思い浮かび、私は六道の声がする方を見つめた。
「六道さんの話では確か四大財閥以外にも、杉並っていう悪の組織が見ていたはずですよね? それに四大財閥以外の金持ちも見てたりするんじゃないですか? そっちに気づかれてる危険性はないんですか?」
「保証はできないけど、たぶん問題ないんじゃないかな。杉並はゲームの観戦には興味ないし、実際東郷君たちの策は奇抜過ぎて、四大財閥のトップでもないと気づかないと思うから。あ、でも、今日中に僕たちが護送地点に現れなければ、杉並から追手が差し向けられることにはなるだろうね」
「つまり運営を気にかけず自由な時間を送れるのは今日だけってことですか。うーん、たった一日しかないんじゃ、反撃の手立ては整いませんよね」
申し訳ないですけど東郷たちには降りてもらって、当初の予定通り護送されませんか?
そう提案しようとするも、東郷は私を無視して、堂々と誘いの言葉を投げかけてきた。
「手立てならある。それに一時的に避難するにはうってつけの場所も喜多嶋から聞いておいた。その上でこれから言う頼みごとを受け入れるかどうか判断してもらいたい。
既に予想がついていると思うが、俺と鬼道院は不死の力を利用して四大財閥に復讐するつもりでいる。勝手に拉致監禁し、殺し合いのゲームまで行わせてきた奴らに対し、泣き寝入りするのは御免蒙りたいからな。だが、いくら不死になっていようと二人だけじゃ流石に手が足りない。だからこのゲームを勝ち残るだけの頭脳と度胸を持った、お前らの力を借りたいと思っている。このままゲームの被験者として奴らの実験材料にされる事を良しとせず、また自由に世界を闊歩できるようになりたいなら。分の悪い賭けにはなるが、協力してくれないか」
説得なら鬼道院にさせた方が効果的だろうに。わざわざ自身の口で説得を行うとは。おそらくだが、計画立案者としてのせめてもの責務を果たそうとしているのだろう。
狡猾さも冷酷さも備えているくせに、どこか人間味を捨てきれていない。
心に内包するそのちぐはぐ感は、見ている分には十分楽しい。けど――。
「僕は、是非協力させてもらおうかな」
東郷の呼びかけに真っ先に頷いたのは、透明人間となった六道天馬。彼は直前までどうやって逃げようかとぼやいていたくらいなので、その決断に驚きはない。
相手が透明なため視線を彷徨わせつつも、東郷は「感謝する」としっかり礼の言葉を述べた。
「では、私もお手伝いさせていただくのです。館の中でも言いましたが、私も主催者には腹が立っていましたから。しっかり後悔してもらわないと気が済まないのです」
続いて、苛立ちのいの字も滲ませない声音で、秋華千尋が賛同の声を上げる。彼女の性格を考えれば、これもまた不思議な話ではない。お金の借りパクなんていう次元ではない仕打ち。おそらく東郷が考えているより、はるかに激しい復讐を考えていることだろう。
そんな観察をしているうちに、全員の視線が私に集まってしまった。この中でまだ意思表明をしていないのは私だけ。そして東郷側に付く理由が最も希薄なのも私であるため、どう答えるか皆気にかけているのだろう。
さて、実際どう答えたものか。相手が相手故、無謀な復讐劇となるのは目に見えている。常識的に考えれば、やっぱり断るのが正しいはずだ。
と、ここに来て初めて、復活後の東郷と目が合った。
鬼道院から、私が裏切ろうとしていたことについては既に伝わっているはず。彼は今、どんな思いで私のことを見つめているのか。
ちくりと、微かな痛みが胸を襲う。
私に限って、今さら罪悪感に苛まされるなんてことはないはず。
では、この痛みは一体何だろうか?
まさか、彼に嫌われていることを恐れて――
「神楽耶、俺とゲームをしないか?」
「ゲーム……ですか?」
思考の合間を縫って、東郷の声が耳に届く。
咄嗟に彼の言葉を繰り返した私を真っ直ぐに見据え、東郷は小さく頷くと、ゲームについて説明し始めた。
「合法的に人殺しができる素敵なゲームだ。ルールは簡単。どんな手を使っても構わないから、俺の寿命が尽きるまでに、俺の口から「幸福だ」と言わせることができればお前の勝ち。言わせられなければ俺の勝ちというゲームだ。勝てたなら殺人と云う実績と、お前好みのスプラッタ映像を見ることができる。もし負けたならばお前は俺の隣に死ぬまで居続けなければならない。
どうだ、この殺人ゲーム。受けてくれないか?」
予想だにしていなかったゲーム内容。私は唖然とした表情を浮かべ、彼の顔をじっと見つめた。
冗談を言っているわけではない、真剣そのものの表情。彼が本気で、このアホみたいなゲームを申し出ているのだとはっきり分かった。それと同時に、数秒前まであった微かな胸の痛みが、嘘のように消えてなくなった。
しばらくの間彼の顔を見続ける。それから我慢しきれず、私はくすりとほほ笑んだ。
「東郷さんなりのプロポーズ、もとい新たなキラースペルゲームへの誘いですね。どちらかと云うと私のリスクの方が大きそうで、受けるかどうか悩みますけど……」
やや渋るような発言に、東郷の肩がピクリと震える。
――全く。感情が希薄そうに見えて、こんなにも素直なんて。本当に、見ているだけでぞくぞくしてきちゃうじゃないですか。
自身にできる演技力をフル活用。記憶の中の真貴さんをトレースし、男を虜にする理想の女性を再現する。そこに一つ、心と言う名のスパイスをつけ加え、型は完成。
私一人の即興劇。演目は、『幸せな人』。
観客を魅了する、蠱惑的な声で、
「面白そうなので、是非お受けします」
私はゲームの開始を宣言した。
護送用ヘリコプターの機内。
つい十分前のこと。扉を叩く音が聞こえたかと思うと、どこか虚ろな顔つきの喜多嶋、そして死んだはずの東郷と鬼道院が扉を開け中に入ってきた。
何が起こっているのか分からず、私たちは呆然と東郷らに視線を送る。すると東郷は、私にも内緒で行っていた、運営を欺くための異常な作戦について語り出した。
一人は、自らを殺しその死体に自身の記憶を植え付けて復活。
一人は、今生の幸福を捨てることで不死の力を獲得。
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東郷の方は不死になったからか、怪我をしている様子は一切ない。対して鬼道院は死んでいることをしっかりと示すように、眉間の中央にぽっかりと小さな穴を開けている。
やっぱり、理解しがたい。
東郷の話が終わってからもしばらくは誰も口を開けられず――と思いきや、ここに残っている者も彼らに負けず劣らずやばい奴。
話が終わるとすぐ、秋華がとろんとした瞳を鬼道院に向け口を開いた。
「つまり、鬼道院さんは既に死んでいて、ここにいるのはその残りかすということですね」
「残りかす……。その表現に対しては異議を申し立てたいところですが、考えとしては間違っていないと思いますよ」
「そうですか。では私から言うことは特にないのです」
どこか物足りなさそうに、小さな手を開け閉めしながらも口を噤む。もしかしたら六道にやったように、鬼道院のことも殴るつもりでいたのだろうか。
その件を知らない東郷と鬼道院は怪訝な視線を秋華に向けるも、特に追及はせず話を戻した。
「他に質問はないか? ないなら早速だが本題に入らせてもらう。観覧者が本当に四大財閥のトップ共なら、こうなることを見越して何か手を打っていてもおかしくないからな。あまり悠長にはしていられない」
言葉通りやや焦りを滲ませ、東郷は視線を巡らす。
私も東郷の考えには同意見。常人なら彼らの策など思いつきもしないだろうが、もし相手があの怪物たちだとすれば、ばれていても何ら不思議はない。気づいたらヘリの周りに銃を持った黒服たちが密集していて――なんて状況が容易に想像できてしまう。
とばっちりで被害に遭うのも嫌なので、できればヘリの外に出て行ってほしいなと考える。しかし、そんな考えは杞憂だと、透明人間が否定の言葉を口にした。
「おそらくだけど、その心配はないと思うよ。天上院様は洞察力に関しては人並みだし、前回勝利者を当てたから八雲様も今回は大したスペックじゃないはずだ。金光様は気づいているかもしれないけど……あの方は少し特殊だから、放置している方が面白いって結論を下すんじゃないかな。後は如月家から誰が参加したかによる……けど、まあ誰が参加したにしても、あそこは跡目争いに忙しいから僕たちに構ってる暇はないだろうし。うん。そんなに焦る必要はないと思うよ」
三人でいた時に比べ、どこか弾んだ六道の声。東郷らのおかげで、ただ連行される以外の選択肢が浮上し、生きる希望を見出したのかもしれない。
ふとある疑問が思い浮かび、私は六道の声がする方を見つめた。
「六道さんの話では確か四大財閥以外にも、杉並っていう悪の組織が見ていたはずですよね? それに四大財閥以外の金持ちも見てたりするんじゃないですか? そっちに気づかれてる危険性はないんですか?」
「保証はできないけど、たぶん問題ないんじゃないかな。杉並はゲームの観戦には興味ないし、実際東郷君たちの策は奇抜過ぎて、四大財閥のトップでもないと気づかないと思うから。あ、でも、今日中に僕たちが護送地点に現れなければ、杉並から追手が差し向けられることにはなるだろうね」
「つまり運営を気にかけず自由な時間を送れるのは今日だけってことですか。うーん、たった一日しかないんじゃ、反撃の手立ては整いませんよね」
申し訳ないですけど東郷たちには降りてもらって、当初の予定通り護送されませんか?
そう提案しようとするも、東郷は私を無視して、堂々と誘いの言葉を投げかけてきた。
「手立てならある。それに一時的に避難するにはうってつけの場所も喜多嶋から聞いておいた。その上でこれから言う頼みごとを受け入れるかどうか判断してもらいたい。
既に予想がついていると思うが、俺と鬼道院は不死の力を利用して四大財閥に復讐するつもりでいる。勝手に拉致監禁し、殺し合いのゲームまで行わせてきた奴らに対し、泣き寝入りするのは御免蒙りたいからな。だが、いくら不死になっていようと二人だけじゃ流石に手が足りない。だからこのゲームを勝ち残るだけの頭脳と度胸を持った、お前らの力を借りたいと思っている。このままゲームの被験者として奴らの実験材料にされる事を良しとせず、また自由に世界を闊歩できるようになりたいなら。分の悪い賭けにはなるが、協力してくれないか」
説得なら鬼道院にさせた方が効果的だろうに。わざわざ自身の口で説得を行うとは。おそらくだが、計画立案者としてのせめてもの責務を果たそうとしているのだろう。
狡猾さも冷酷さも備えているくせに、どこか人間味を捨てきれていない。
心に内包するそのちぐはぐ感は、見ている分には十分楽しい。けど――。
「僕は、是非協力させてもらおうかな」
東郷の呼びかけに真っ先に頷いたのは、透明人間となった六道天馬。彼は直前までどうやって逃げようかとぼやいていたくらいなので、その決断に驚きはない。
相手が透明なため視線を彷徨わせつつも、東郷は「感謝する」としっかり礼の言葉を述べた。
「では、私もお手伝いさせていただくのです。館の中でも言いましたが、私も主催者には腹が立っていましたから。しっかり後悔してもらわないと気が済まないのです」
続いて、苛立ちのいの字も滲ませない声音で、秋華千尋が賛同の声を上げる。彼女の性格を考えれば、これもまた不思議な話ではない。お金の借りパクなんていう次元ではない仕打ち。おそらく東郷が考えているより、はるかに激しい復讐を考えていることだろう。
そんな観察をしているうちに、全員の視線が私に集まってしまった。この中でまだ意思表明をしていないのは私だけ。そして東郷側に付く理由が最も希薄なのも私であるため、どう答えるか皆気にかけているのだろう。
さて、実際どう答えたものか。相手が相手故、無謀な復讐劇となるのは目に見えている。常識的に考えれば、やっぱり断るのが正しいはずだ。
と、ここに来て初めて、復活後の東郷と目が合った。
鬼道院から、私が裏切ろうとしていたことについては既に伝わっているはず。彼は今、どんな思いで私のことを見つめているのか。
ちくりと、微かな痛みが胸を襲う。
私に限って、今さら罪悪感に苛まされるなんてことはないはず。
では、この痛みは一体何だろうか?
まさか、彼に嫌われていることを恐れて――
「神楽耶、俺とゲームをしないか?」
「ゲーム……ですか?」
思考の合間を縫って、東郷の声が耳に届く。
咄嗟に彼の言葉を繰り返した私を真っ直ぐに見据え、東郷は小さく頷くと、ゲームについて説明し始めた。
「合法的に人殺しができる素敵なゲームだ。ルールは簡単。どんな手を使っても構わないから、俺の寿命が尽きるまでに、俺の口から「幸福だ」と言わせることができればお前の勝ち。言わせられなければ俺の勝ちというゲームだ。勝てたなら殺人と云う実績と、お前好みのスプラッタ映像を見ることができる。もし負けたならばお前は俺の隣に死ぬまで居続けなければならない。
どうだ、この殺人ゲーム。受けてくれないか?」
予想だにしていなかったゲーム内容。私は唖然とした表情を浮かべ、彼の顔をじっと見つめた。
冗談を言っているわけではない、真剣そのものの表情。彼が本気で、このアホみたいなゲームを申し出ているのだとはっきり分かった。それと同時に、数秒前まであった微かな胸の痛みが、嘘のように消えてなくなった。
しばらくの間彼の顔を見続ける。それから我慢しきれず、私はくすりとほほ笑んだ。
「東郷さんなりのプロポーズ、もとい新たなキラースペルゲームへの誘いですね。どちらかと云うと私のリスクの方が大きそうで、受けるかどうか悩みますけど……」
やや渋るような発言に、東郷の肩がピクリと震える。
――全く。感情が希薄そうに見えて、こんなにも素直なんて。本当に、見ているだけでぞくぞくしてきちゃうじゃないですか。
自身にできる演技力をフル活用。記憶の中の真貴さんをトレースし、男を虜にする理想の女性を再現する。そこに一つ、心と言う名のスパイスをつけ加え、型は完成。
私一人の即興劇。演目は、『幸せな人』。
観客を魅了する、蠱惑的な声で、
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