48 / 56
第三章 GW帰省編
第四十八話 しても……いいよ?(綾香3泊目)
しおりを挟む
俺がベッドに座り込むと、綾香も恐る恐ると言った様子でベッドの前までやってきた。
先に俺がベッドの上に乗り、シーツをめくり綾香の方へ首を向ける。
「来るか……?」
俺が声を掛けると、綾香はコクリとうなづいて、ベッドの上へと乗っかり、するするとにじり寄ってきた。
綾香が正面に向き合う形でベッドの上に座り込み、俺は先にシーツとベッドの間に入る。
そして、綾香の方を見ると、意を決したようにぽそっとした声を上げた。
「その……入るね」
「お、おう……」
綾香は緊張しながら、俺の方へ近づいてきて、身体をベッドとシーツの間に入れた。
「そ、それじゃあ……行くね」
「お、おう、いいぞ」
綾香は躊躇しながらも、覚悟を決めて、一気に俺に抱き付いてきた。
抱き付かれた瞬間、綾香のフワッとしたいい香りが漂い、柔らかい身体の節々が直で肌に触れあい、温かい体温が更に俺の身体の奥底に眠る欲望を駆りたたせる。
綾香は俺の鎖骨の辺りに顔を埋め、スリスリと堪能していたが、しばらくして一度抱き付くのをやめて俺と向き直ると、首をちょこんと傾げながらばっと腕を広げてきた。
「大地くん、来て……」
一緒に抱き合って寝ようということらしい、だが何故だろう。いつもの綾香の言葉が、今日は一語一語いやらしく聞こえてしまう。俺は躊躇いながらも、綾香の胸元へと吸い込まれるように包まれていく。胸元に吸い込まれると、申し訳程度の柔らかい感触が頬に当たった。
そこで、いつもとの違和感をまた感じた。綾香は緊張が解けていないようで、身体を強張らせている。
すると、綾香がスっと下に身体を動かして、俺の顔の正面に顔を置いてきた。
「どうしたの? いつもと様子が違う気が……」
俺も知らぬ間に身体に力が入っていたようで、いつもと違う様子を感じ取った綾香が、心配して俺の様子を確認しにわざわざ降りてきたらしい。
綾香が手を抱き寄せようとした来たので、俺がふっと力を抜いて抱き枕になろうとした時だった。
「キャ!」
「おっと……」
俺がスっと力を抜き、綾香はグっと変な力を入れてしまったため、綾香が俺を押し倒すような形になる。
仰向けになった俺に、綾香は馬乗りになるように乗ってきてしまった。
目の前でお互い見つめ合う形になり、唇がくっつきそうになるほど顔が目の前にあった。
「えっ!?」
すると、突然驚いたように綾香が腰を浮かせて身を少し引いた。
どうしたのかと下半身の方へ意識を向けると、俺の下着越しから下腹部が大きく腫れあがっていた。
「あの……大地くん……これ……」
綾香は俺の下半身の方をチラっと見た後に、頬を染めながら色っぽい表情で俺を見つめてくる。
「あ、いやっ、これはその……」
俺は思わず視線を逸らす。
仕方がない、真昼間のラブホテルで、お互い下半身下着姿のまま、お互いに抱き合って寝ているのだ。
しかも相手は、道内では知らないものはいないほど有名で、透明感あふれる超絶美人の人気女優井上綾香だ、興奮しないわけがない。
俺が何も言わずにまごついていると、綾香は俺の下腹部と自分の下腹部を押し付け、ウルウルとした表情で俺をじとっとこびり付くような艶めかしい視線で見つめてくる。
「大地くんがしたいなら……してもいいよ?」
綾香はちょこっと首を傾げ、耳に掛けていた黒髪がすらっと前に流れ、トロンとした目で俺を見つめ色っぽい表情で見つめ、甘い吐息を吐きながら誘惑してきた。
思わず俺はムラっと来てしまい、ぐっと理性を押さえるようにして生唾を飲みこむ。
本当にいいのか?? ここで井上綾香とセックスしてしまってのいいのか?
俺は心の中で自問自答をする。
いや、違う……これはお互いが本当の意味でセックスがしたいわけではない。ただ、その場の雰囲気に飲まれてしまっているだけだ。落ち着くんだ……
俺は心の中での葛藤と戦いながら、なんとか理性を抑えて息を吐いた。次の瞬間、俺は綾香のトロンとした色っぽい表情が見えなくなるように、綾香の頭を俺の首元に持っていくようにして、ぎゅっと抱きしめた。
「え!? だ、大地くん!?」
綾香は突然の出来事に、俺が理性を失ったのかと思い、ビクっと身体を震わせて身構えたが、綾香の強張った身体を落ち着かせるように、俺は綾香の頭をポンポンと優しく撫でた。
「大丈夫だから……やましいことをしにここに来たわけじゃないから……そんな無責任なことはしないよ」
俺は勇気を振り絞って綾香に向けてそう言い放った。綾香の方から勇気を振り絞って誘われたのにここで断ってしまうのは、男として失格なのかもしれないが、今俺が出来る精一杯のことだった。
それに今は、一時の雰囲気と感情に流されてしまっているだけで、綾香も正常な判断が出来ていない。
後になって後悔しないように、俺が冷静であるべきだ。
「そっか……」
綾香は一言ボソっと言い放つと、ふぅっとため息をついて、身体の力を抜いた。
ようやく綾香も、ラブホテル独特の異様な雰囲気から解放され、いつもの平常心を取り戻してきたようだった。
俺もそれを確認して、安堵したように身体の力を抜いた。
「ふふっ……」
すると、綾香が半笑いのような息を漏らした。
「どうしたの?」
「いやっ、大学サボってこっちまで来て、大地くんと会って昼間からラブホテルで一緒に抱き合って寝てるって……ホント何やってるんだろうって思っちゃって」
正気に戻った綾香が、呆れたような口調で言ってくる。
「ホント、何やってんだろうな……」
俺もついつい呆れ交じりの言葉を漏らしてしまう。
お互いにくっつき合ったまま、苦笑いを浮かべながら会話を交わす。
「でも、大地くんに会えたからなんか嬉しくなっちゃんたんだよねー」
綾香は感慨深く呟きながら、再び俺の背中に手を回して抱き付いてきた。
下腹部のことは気にせずに、綾香に思いっきり自分の下腹部を重ね合わせるようにくっつけて、足を絡め合い、べったりとくっ付いた。
「そっか……」
俺は綾香を横目で見ながら、もう一度力を入れてギュっと抱きしめ返す。
二人は落ち着きを取り戻してはいたものの、先ほどの甘い雰囲気が名残惜しかったかのように、そのままお互いの身体の温もりを感じ合う、愛し合った後のカップルのようなハグをして、甘い余韻に浸りながら、段々と意識が遠くなっていき、眠りについていった。
先に俺がベッドの上に乗り、シーツをめくり綾香の方へ首を向ける。
「来るか……?」
俺が声を掛けると、綾香はコクリとうなづいて、ベッドの上へと乗っかり、するするとにじり寄ってきた。
綾香が正面に向き合う形でベッドの上に座り込み、俺は先にシーツとベッドの間に入る。
そして、綾香の方を見ると、意を決したようにぽそっとした声を上げた。
「その……入るね」
「お、おう……」
綾香は緊張しながら、俺の方へ近づいてきて、身体をベッドとシーツの間に入れた。
「そ、それじゃあ……行くね」
「お、おう、いいぞ」
綾香は躊躇しながらも、覚悟を決めて、一気に俺に抱き付いてきた。
抱き付かれた瞬間、綾香のフワッとしたいい香りが漂い、柔らかい身体の節々が直で肌に触れあい、温かい体温が更に俺の身体の奥底に眠る欲望を駆りたたせる。
綾香は俺の鎖骨の辺りに顔を埋め、スリスリと堪能していたが、しばらくして一度抱き付くのをやめて俺と向き直ると、首をちょこんと傾げながらばっと腕を広げてきた。
「大地くん、来て……」
一緒に抱き合って寝ようということらしい、だが何故だろう。いつもの綾香の言葉が、今日は一語一語いやらしく聞こえてしまう。俺は躊躇いながらも、綾香の胸元へと吸い込まれるように包まれていく。胸元に吸い込まれると、申し訳程度の柔らかい感触が頬に当たった。
そこで、いつもとの違和感をまた感じた。綾香は緊張が解けていないようで、身体を強張らせている。
すると、綾香がスっと下に身体を動かして、俺の顔の正面に顔を置いてきた。
「どうしたの? いつもと様子が違う気が……」
俺も知らぬ間に身体に力が入っていたようで、いつもと違う様子を感じ取った綾香が、心配して俺の様子を確認しにわざわざ降りてきたらしい。
綾香が手を抱き寄せようとした来たので、俺がふっと力を抜いて抱き枕になろうとした時だった。
「キャ!」
「おっと……」
俺がスっと力を抜き、綾香はグっと変な力を入れてしまったため、綾香が俺を押し倒すような形になる。
仰向けになった俺に、綾香は馬乗りになるように乗ってきてしまった。
目の前でお互い見つめ合う形になり、唇がくっつきそうになるほど顔が目の前にあった。
「えっ!?」
すると、突然驚いたように綾香が腰を浮かせて身を少し引いた。
どうしたのかと下半身の方へ意識を向けると、俺の下着越しから下腹部が大きく腫れあがっていた。
「あの……大地くん……これ……」
綾香は俺の下半身の方をチラっと見た後に、頬を染めながら色っぽい表情で俺を見つめてくる。
「あ、いやっ、これはその……」
俺は思わず視線を逸らす。
仕方がない、真昼間のラブホテルで、お互い下半身下着姿のまま、お互いに抱き合って寝ているのだ。
しかも相手は、道内では知らないものはいないほど有名で、透明感あふれる超絶美人の人気女優井上綾香だ、興奮しないわけがない。
俺が何も言わずにまごついていると、綾香は俺の下腹部と自分の下腹部を押し付け、ウルウルとした表情で俺をじとっとこびり付くような艶めかしい視線で見つめてくる。
「大地くんがしたいなら……してもいいよ?」
綾香はちょこっと首を傾げ、耳に掛けていた黒髪がすらっと前に流れ、トロンとした目で俺を見つめ色っぽい表情で見つめ、甘い吐息を吐きながら誘惑してきた。
思わず俺はムラっと来てしまい、ぐっと理性を押さえるようにして生唾を飲みこむ。
本当にいいのか?? ここで井上綾香とセックスしてしまってのいいのか?
俺は心の中で自問自答をする。
いや、違う……これはお互いが本当の意味でセックスがしたいわけではない。ただ、その場の雰囲気に飲まれてしまっているだけだ。落ち着くんだ……
俺は心の中での葛藤と戦いながら、なんとか理性を抑えて息を吐いた。次の瞬間、俺は綾香のトロンとした色っぽい表情が見えなくなるように、綾香の頭を俺の首元に持っていくようにして、ぎゅっと抱きしめた。
「え!? だ、大地くん!?」
綾香は突然の出来事に、俺が理性を失ったのかと思い、ビクっと身体を震わせて身構えたが、綾香の強張った身体を落ち着かせるように、俺は綾香の頭をポンポンと優しく撫でた。
「大丈夫だから……やましいことをしにここに来たわけじゃないから……そんな無責任なことはしないよ」
俺は勇気を振り絞って綾香に向けてそう言い放った。綾香の方から勇気を振り絞って誘われたのにここで断ってしまうのは、男として失格なのかもしれないが、今俺が出来る精一杯のことだった。
それに今は、一時の雰囲気と感情に流されてしまっているだけで、綾香も正常な判断が出来ていない。
後になって後悔しないように、俺が冷静であるべきだ。
「そっか……」
綾香は一言ボソっと言い放つと、ふぅっとため息をついて、身体の力を抜いた。
ようやく綾香も、ラブホテル独特の異様な雰囲気から解放され、いつもの平常心を取り戻してきたようだった。
俺もそれを確認して、安堵したように身体の力を抜いた。
「ふふっ……」
すると、綾香が半笑いのような息を漏らした。
「どうしたの?」
「いやっ、大学サボってこっちまで来て、大地くんと会って昼間からラブホテルで一緒に抱き合って寝てるって……ホント何やってるんだろうって思っちゃって」
正気に戻った綾香が、呆れたような口調で言ってくる。
「ホント、何やってんだろうな……」
俺もついつい呆れ交じりの言葉を漏らしてしまう。
お互いにくっつき合ったまま、苦笑いを浮かべながら会話を交わす。
「でも、大地くんに会えたからなんか嬉しくなっちゃんたんだよねー」
綾香は感慨深く呟きながら、再び俺の背中に手を回して抱き付いてきた。
下腹部のことは気にせずに、綾香に思いっきり自分の下腹部を重ね合わせるようにくっつけて、足を絡め合い、べったりとくっ付いた。
「そっか……」
俺は綾香を横目で見ながら、もう一度力を入れてギュっと抱きしめ返す。
二人は落ち着きを取り戻してはいたものの、先ほどの甘い雰囲気が名残惜しかったかのように、そのままお互いの身体の温もりを感じ合う、愛し合った後のカップルのようなハグをして、甘い余韻に浸りながら、段々と意識が遠くなっていき、眠りについていった。
0
お気に入りに追加
45
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。

恐喝されている女の子を助けたら学校で有名な学園三大姫の一人でした
恋狸
青春
特殊な家系にある俺、こと狭山渚《さやまなぎさ》はある日、黒服の男に恐喝されていた白海花《しらみはな》を助ける。
しかし、白海は学園三大姫と呼ばれる有名美少女だった!?
さらには他の学園三大姫とも仲良くなり……?
主人公とヒロイン達が織り成すラブコメディ!
小説家になろう、カクヨムでも投稿しています。
カクヨムにて、月間3位

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

覚えたての催眠術で幼馴染(悔しいが美少女)の弱味を握ろうとしたら俺のことを好きだとカミングアウトされたのだが、この後どうしたらいい?
みずがめ
恋愛
覚えたての催眠術を幼馴染で試してみた。結果は大成功。催眠術にかかった幼馴染は俺の言うことをなんでも聞くようになった。
普段からわがままな幼馴染の従順な姿に、ある考えが思いつく。
「そうだ、弱味を聞き出そう」
弱点を知れば俺の前で好き勝手なことをされずに済む。催眠術の力で口を割らせようとしたのだが。
「あたしの好きな人は、マーくん……」
幼馴染がカミングアウトしたのは俺の名前だった。
よく見れば美少女となっていた幼馴染からの告白。俺は一体どうすればいいんだ?

俺の家には学校一の美少女がいる!
ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。
今年、入学したばかりの4月。
両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。
そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。
その美少女は学校一のモテる女の子。
この先、どうなってしまうのか!?

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。

コミュ障な幼馴染が俺にだけ饒舌な件〜クラスでは孤立している彼女が、二人きりの時だけ俺を愛称で呼んでくる〜
青野そら
青春
友達はいるが、パッとしないモブのような主人公、幸田 多久(こうだ たく)。
彼には美少女の幼馴染がいる。
それはクラスで常にぼっちな橘 理代(たちばな りよ)だ。
学校で話しかけられるとまともに返せない理代だが、多久と二人きりの時だけは素の姿を見せてくれて──。
これは、コミュ障な幼馴染を救う物語。
毎日更新します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる