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第二章 寝泊り開始編
第二十五話 面接
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水曜日の授業を終えて、家に帰宅してすぐに、俺はリクルートスーツに着替えた。
「よしっ」
気合を入れて、手持ちの荷物に筆記用具や履歴書がちゃんと入っているのを確認して、再び家を出た。
俺は今からアルバイトの面接へと向かう。
駅前まで戻り、そこから踏切を渡り、駅の反対側に続く商店街を歩いていく。
数分ほど歩いてたどり着いたのは、以前訪れたことのある雑居ビル。相変わらず、一階の歯科医院前には大量の自転車が駐輪されており、通行の邪魔になっていた。
俺はそこの雑居ビルの外階段を登っていき、二階にある個別塾の入口へと向かう。
入り口の前で俺は一息ついてから、意を決して中へと入った。
中に入って目の前受付のような一角があり、そこにスーツ姿で、髪の毛を横流しにしてぎっちり固めた男性が立っていた。
その男性が俺の姿を見て声を上げた。
「こんにちは」
俺は、咄嗟に挨拶を返す。
「こんにちは、初めまして! えっと、今日面接予定の……」
「あぁ、南くんだね! 待っていたよ、はじめまして、ここの塾長をしている大宮と申します」
大宮さんと名乗ったその男性は、ぺこりと頭を下げてくる。
俺も慌ててペコリを頭を下げてお辞儀をする。
「はっ、初めまして、南大地と申します」
大宮さんは、三十歳くらいのお兄さんと表現するのが相応しいほど、爽やかな笑みを向けてきていた。
「それじゃあ、こちらへどうぞ」
挨拶も手短に、塾長の大宮さんに案内されて向かったのは、会議室のような場所。
といっても、パイス椅子と長机が簡易的に置いてあるだけのスペースだ。
そこで、まず簡単な筆記試験を行い、その後に大宮さんと一対一での面接を行う流れになっていた。
筆記試験を危なげなく無事に終えた俺は、緊張な面持ちで大宮さんが来るのを待っていた。すると、コンコンと扉が叩かれて、大宮さんが会議室に入ってくる。
「お待たせしちゃってごめんね!」
「いえ……」
何やらファイルのような資料を手元に持ちながら、大宮さんが対面のパイス椅子に腰かける。
そして、姿勢を正して座り、気を取り直すように爽やかな顔で声を上げた。
「改めまして、ここの塾長をしています。大宮と申します」
丁寧に挨拶をされ、俺は慌てて返事を返す。
「南大地と申します。よろしくお願いします」
立ちあがって頭を下げてから、お互いにパイプ椅子に座り直して、早速面接を開始した。
大宮さんは、とても丁寧にアルバイトの内容の説明や、普段の大学のことなどを熱心に聞いてくれた。
途中、共通の話題もあったので、そのまま面接は順調すぎるほどく進んでいき、気が付けばあっという間に三十分近く話しこんでいた。
「おっと、もうこんな時間か……そろそろ授業が始まっちゃうな」
腕時計を確認した大宮さんが、そう言って話を切り上げて俺に向き直る。
「それじゃあ面接はここで終わりにします。合否は一週間以内にメールで連絡するので、お待ちください」
「はい、ありがとうございました」
こうして無事に面接を終えた俺は、個別塾を後にする。
会議室から出ると、授業開始の時間が近いからなのか、校舎内には既に数名の先生と思われるスーツ姿の人と、私服姿の生徒たちが数名机に座って待っていた。
俺は学習塾の入り口で改めて大宮さんにお辞儀する。
「本日は、ありがとうございました」
「いえいえ、こちらそこ。ありがとうございました」
大宮さんに挨拶を済ませて、俺は学習塾をドアから出て、外階段を降りていく。
その途中、逆に一人の制服姿の女子高生が階段を登ってきた。その女子高生がふと顔を上げると、俺と自然と視線がぶつかる。俺は彼女に見覚えがあった。
セミロングの真っ直ぐな黒髪で、特徴あるサクランボのヘアゴムで髪をサイドに結んでいる女の子。この前ドラックストアで不思議な行動をとっていた女子高生だ。そのくりっとした目と、あどけなさが残る可愛らしい女子高生の顔つきを再び見た俺は、この前ドラッグストアで見た時とは違い、別のどこかで会った事があるような感じの既視感をこの時覚えた。
俺がそんなことを思いながら女子高生を眺めていると、彼女は少し驚いたような表情を見せたが、すぐに何事もなかったように顔を背け、駆け足で階段の登って俺の横を通り過ぎ、そそくさと個別塾の中と向かって行く。
やはり彼女は、この学習塾の生徒のようで、入り口付近で俺を見送っていた大宮さんにぺコリと挨拶を交わして中へと入っていった。
また、彼女に会えるといいな……俺は去り際にそんなことを思いながら、学習塾を後にした。
「よしっ」
気合を入れて、手持ちの荷物に筆記用具や履歴書がちゃんと入っているのを確認して、再び家を出た。
俺は今からアルバイトの面接へと向かう。
駅前まで戻り、そこから踏切を渡り、駅の反対側に続く商店街を歩いていく。
数分ほど歩いてたどり着いたのは、以前訪れたことのある雑居ビル。相変わらず、一階の歯科医院前には大量の自転車が駐輪されており、通行の邪魔になっていた。
俺はそこの雑居ビルの外階段を登っていき、二階にある個別塾の入口へと向かう。
入り口の前で俺は一息ついてから、意を決して中へと入った。
中に入って目の前受付のような一角があり、そこにスーツ姿で、髪の毛を横流しにしてぎっちり固めた男性が立っていた。
その男性が俺の姿を見て声を上げた。
「こんにちは」
俺は、咄嗟に挨拶を返す。
「こんにちは、初めまして! えっと、今日面接予定の……」
「あぁ、南くんだね! 待っていたよ、はじめまして、ここの塾長をしている大宮と申します」
大宮さんと名乗ったその男性は、ぺこりと頭を下げてくる。
俺も慌ててペコリを頭を下げてお辞儀をする。
「はっ、初めまして、南大地と申します」
大宮さんは、三十歳くらいのお兄さんと表現するのが相応しいほど、爽やかな笑みを向けてきていた。
「それじゃあ、こちらへどうぞ」
挨拶も手短に、塾長の大宮さんに案内されて向かったのは、会議室のような場所。
といっても、パイス椅子と長机が簡易的に置いてあるだけのスペースだ。
そこで、まず簡単な筆記試験を行い、その後に大宮さんと一対一での面接を行う流れになっていた。
筆記試験を危なげなく無事に終えた俺は、緊張な面持ちで大宮さんが来るのを待っていた。すると、コンコンと扉が叩かれて、大宮さんが会議室に入ってくる。
「お待たせしちゃってごめんね!」
「いえ……」
何やらファイルのような資料を手元に持ちながら、大宮さんが対面のパイス椅子に腰かける。
そして、姿勢を正して座り、気を取り直すように爽やかな顔で声を上げた。
「改めまして、ここの塾長をしています。大宮と申します」
丁寧に挨拶をされ、俺は慌てて返事を返す。
「南大地と申します。よろしくお願いします」
立ちあがって頭を下げてから、お互いにパイプ椅子に座り直して、早速面接を開始した。
大宮さんは、とても丁寧にアルバイトの内容の説明や、普段の大学のことなどを熱心に聞いてくれた。
途中、共通の話題もあったので、そのまま面接は順調すぎるほどく進んでいき、気が付けばあっという間に三十分近く話しこんでいた。
「おっと、もうこんな時間か……そろそろ授業が始まっちゃうな」
腕時計を確認した大宮さんが、そう言って話を切り上げて俺に向き直る。
「それじゃあ面接はここで終わりにします。合否は一週間以内にメールで連絡するので、お待ちください」
「はい、ありがとうございました」
こうして無事に面接を終えた俺は、個別塾を後にする。
会議室から出ると、授業開始の時間が近いからなのか、校舎内には既に数名の先生と思われるスーツ姿の人と、私服姿の生徒たちが数名机に座って待っていた。
俺は学習塾の入り口で改めて大宮さんにお辞儀する。
「本日は、ありがとうございました」
「いえいえ、こちらそこ。ありがとうございました」
大宮さんに挨拶を済ませて、俺は学習塾をドアから出て、外階段を降りていく。
その途中、逆に一人の制服姿の女子高生が階段を登ってきた。その女子高生がふと顔を上げると、俺と自然と視線がぶつかる。俺は彼女に見覚えがあった。
セミロングの真っ直ぐな黒髪で、特徴あるサクランボのヘアゴムで髪をサイドに結んでいる女の子。この前ドラックストアで不思議な行動をとっていた女子高生だ。そのくりっとした目と、あどけなさが残る可愛らしい女子高生の顔つきを再び見た俺は、この前ドラッグストアで見た時とは違い、別のどこかで会った事があるような感じの既視感をこの時覚えた。
俺がそんなことを思いながら女子高生を眺めていると、彼女は少し驚いたような表情を見せたが、すぐに何事もなかったように顔を背け、駆け足で階段の登って俺の横を通り過ぎ、そそくさと個別塾の中と向かって行く。
やはり彼女は、この学習塾の生徒のようで、入り口付近で俺を見送っていた大宮さんにぺコリと挨拶を交わして中へと入っていった。
また、彼女に会えるといいな……俺は去り際にそんなことを思いながら、学習塾を後にした。
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