俺のチートって何?

臙脂色

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第四章   ― 革命 ―

第164話 Lv 777 ルーノール・カスケード vs Lv 38 渡辺 勝麻

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 「うおおおぉぉぉ!!!」

 俺は力の限り叫んで拳を突き出した。
 それに合わせて、ルーノールも剣を振ってきた。
 拳と剣が合わさったのと同時に、ガキィンッという高音が鳴り響いて衝撃波が広がる。

 自分でもわかる。今の自分の攻撃力とスピードはこれまでと比較にならないほど上昇している。
 にも関わらず、ルーノールは呼吸一つ乱さずに涼しい顔をしていた。

 「口ぶりからしてもう少し期待できると思っていたのだがな。この程度か」

 「ッ! なめんな!!」

 何糞と俺は拳を振り上げてから、音よりも速く連続で殴りかかった。
 しかし、それすらもルーノールは剣1本、しかも片手だけで受け流していく。

 俺の攻撃を完全に見切ってる?! コイツ、知世の『慧眼キーン アイ』みたいな能力でも持ってやがるのか?!

 怒り一色だった感情に、恐怖の色が混じっていく。
 その色の侵食に抗うかのように、俺はがむしゃらに攻撃を放ち続けた。

 「おあああああああ!!!!」

 「やめろ! ルーノール相手に闇雲に攻撃するな!!」
 「――ウッ?!!」

 後ろからディックの声が聞こえてきた直後、巨大なハンマーで殴打されたような衝撃が腹に伝わった。俺の体は後方へふっ飛んでいき、背中を壁に叩きつけられる。腹と背中、衝撃の板ばさみによって汚物が口から零れる。

 同じだ。
 あの時と。
 アリーナでルーノールを殴った時も、いきなり自分がぶっ飛ばされていたんだ。
 この攻撃の正体は何だ? 何かしらのチート能力なの――。

 顔を上げてみれば、目と鼻の先に剣の先端が見えた。

 ――速い!!

 俺は咄嗟に上体を横に倒して避けた。
 剣が俺の頬を掠めながら、背後の壁に突き立てられる。
 間一髪。
 だがこれで終わりではなかった。
 剣を握るルーノールの手に、別方向の力が加えられるのを俺は見逃さなかった。

 剣がガリガリと壁を破壊しながら横に一閃された。
 半ば本能的に屈んで俺は何とかこれを避けるが、次に迫ってきた蹴りは避けられず胸に食らってしまい、床を転がる。

 「カッハッ!!」

 肺の中の空気が一気に吐き出されて、一瞬窒息しかける。
 重い。
 ルーズルーの『防御支援ディフェンス サポート』があっても、一発一発が致命傷になる得るレベルだ。

 呼吸の苦しさから咳き込む俺へ、ルーノールは迫り連続で剣を振るう。その連続攻撃をギリギリでかわす。かわす度に、剣圧によって周囲の床や天井が削れる。
 一振り一振りが死へ通じる門。それが無数に繰り出される。
 まるで迷路だ。
 行き止まりの道を選べば即死。それでいて一瞬の逡巡も許されない死の迷路。
 迷路の中を全力疾走で駆け抜けて、生存本能で道を選んでいる感覚だ。

 もはや、“観の目”も役に立たない。
 攻撃の始まりを視界に捕えてからでは、とても間に合わない。
 パワーもスピードも、これまでの敵が可愛く思えるほど、別次元。
 これが、人類最強と呼ばれる男の実力。

 ……勝てるのか?

 「――いや」

 脳裏に浮かんだ弱音を俺は振り払う。

 「勝つしかないんだ!!!」

 俺は真上に跳躍して天井に足を付けた。そして、ルーノールへと急降下した。
 頭上からの蹴りだ。
 ルーノールは迎え撃とうと剣を突き出してくるが、俺は身を捻ってそれを避ける。

 蹴りはフェイク、本当の狙いはこっちだ!

 俺はルーノールの背後に着地して、振り向き様にローキックを繰り出した。
 まずは脚にダメージを与えて機動力を奪う算段だ。
 蹴りがルーノールのふくらはぎに直撃した。

 「ッ!!」

 すると、また胸に謎の衝撃を受けて、俺はフロアの中央へと飛ばされた。

 「ゲホゲホッ!! クソッタレ、さっきから何なんだよ!!」

 『おい渡辺! 聞いてやがるか?!』

 そこへディックの『精神感応テレパシー』が聞こえてきた。

 『ディック?!』

 『ったく、『精神感応』でようやく返事したか。さっきから呼びかけてんのに無視しやがって』

 無理を言うな。あの状況で声なんて聞いてられるか。

 『いいか渡辺、まずルーノールが持ってるチート能力だが3つだ』

 『3つ? これだけの強さでたったの3つだって?!』

 信じられない。てっきり、ディック並に数多くの能力を持っているとばかり思っていた。

 『ああ。ルーノールは勇者の家系ってわけでもねーからな、能力の数自体は少ない。だがその3つが厄介なのさ。一つは『怪力アサルト パワー』だ。お前もこの能力の面倒具合はよく知ってるだろ?』

 知っている。アリーナの初戦では苦しめられたもんだ。
 攻撃力と防御力が上がるだけの単純な能力だが、それ故に対策のしようも無いんだ。

 『その『怪力』の効果もあってルーノールは人類で唯一、攻撃力と防御力がそれぞれ1000を超えちまってる。正真正銘のバケモノさ。これだけでも絶望もんだが、これに加えて問題なのが『絶対反撃アブソリュート カウンター』って魔法だ』

 俺はそのチート名から察した。

 『さっきから俺が食らってる謎の攻撃の正体はそいつか!』

 『その通り。体の表面に張られた透明な。そいつを殴っちまうと相手は無傷のままで、逆にテメェがやられるって仕組みだ』

 俺の中で一つの疑問が解けたところへ、ルーノールがまた襲ってくる。
 俺は攻撃を回避した後、逃げに徹した。
 今はとにかくコイツをもっと知る必要がある。

 『ソイツに弱点は?!』

 『2つある。1つはルーノールの予想よりも強い攻撃を出す、だ。『絶対反撃』を発動させるには相手の攻撃力に比例した魔力が必要だからな。攻撃に対して魔力の出力が低けりゃ攻撃は貫通する。もう1つはルーノールが予想しなかった方向から攻撃するってやつだ』

 『方向? 攻撃を入れる位置に意味なんてあるのか?』

 『大アリだ。魔力の膜は決して全身に張られてるわけじゃないからな。相手の攻撃力が大したことなければ全身を膜で覆うってことも可能なんだろうが、渡辺ほどの攻撃力となれば相当の魔力がいるはずだ。そんなのを全身にかけてたら秒で魔力がすっからかんになっちまうから、ルーノールは攻撃されると予想した箇所にだけ魔力の膜を発生させてお前の攻撃を返してるんだ』

 つまり、ルーノールに攻撃を与えるには、“今以上の攻撃力で殴る”か“裏をかく”の二択になるのか……既に全力で攻撃してるから“今以上の攻撃”ってのは難しい。やるなら“裏をかく”しかない。

 『それと一番重要なのが3つ目の能力で――』

 「なっ!!」

 話の途中だったが、会話を中断せざるを得なかった。
 ルーノールが辺りに散らばった床や天井の破片を剣で斬り飛ばしてきたのだ。
 いくつもの破片がぶつかってきたことで、俺はよろめいて隙を生じさせてしまう。

 その隙をルーノールが見逃すはずもなかった。
 これまで片手で持っていた剣を、両手で握り締めて高々と振り上げてくる。明らかな全力の一撃だ。
 姿勢を崩した俺にその攻撃を避けることは不可能。

 神の鉄槌の如き一撃が俺に振り下ろされたのと同時に、轟音と土煙が舞い上がって床が崩れた。

 「――ショウマさまあああぁ!!!」

 彼女の涙混じりの叫び声が聞こえた。
 きっと俺が殺されたと思ったんだろう。
 けど、俺はまだ生きていた。

 「……ほう。我が一撃を受けてまだ生きているとは」

 謁見の間の真下にあった部屋で、俺は片膝を着いてルーノールの振り下ろした剣を、交差させた両腕で受け止めていた。

 ……ふざけんじゃねぇ、デタラメ過ぎるだろ!!
 いくらファンタジーの世界だからって、これが人間に出せるパワーだっていうのか?!
 剣を受け止めている両腕がガクガクと震える! それを支えている腰も脚も! あらゆる部位の筋肉が絶叫してやがる!
 腕まわりの『防御支援』はほぼ全壊! 剣も肉に食い込んできてる! どうする! どうする!!!

 「その表情から察するに、そこから抜け出す策は無いようだな。ならば早々に討ち果たさせてもらうとしよう」

 ルーノールの両腕の筋肉が大きく隆起した。

 「――っうううううぅ!!!!」

 剣の重みが倍に増し、両腕が押されていく。

 や、ばい!! 潰される!!
 持ち上げろ、剣を持ち上げて反撃するんだ!!!

 「んっぐ! うおおおおおおおおおお!!!!!」

 これでもかと腹からありったけの声を出して、体中に力を入れる。

 集中しろ!! 腕や脚だけじゃない!! 指先の筋肉の筋1本1本まで力を行き渡らせろ!!

 歯を食い縛り、目を剥き、立ち上がろうとする。
 だが、巨大隕石でも圧し掛かっているかのように、剣はビクともしなかった。

 「――ッッッッッ!!!!!!」

 だから、俺は剣を持ち上げるのを諦めた。

 「クソッタレアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ!!!!!!!!!」

 その代わりに、片足を持ち上げて、思い切り床を踏んだ。足元の床が崩落し、俺とルーノールはさらに一階下へと落ちていく。
 
 「よ、しっ!」

 落ちていく最中、剣を横へ受け流し、俺はどうにか潰されるのを回避することに成功する。
 そして、刹那の安堵の中、俺は今が最大の好機であると直感で悟った。

 いくらルーノールでも地に足が付いていない状況での戦闘は不慣れのはず! 活路を見出すとしたら、裏をかくとしたら、今しかない!!

  俺はルーノールへ殴りかかる。と、見せかけて黒いポンチョをルーノールへと投げた。

 「――ぬ」

 ポンチョに隠される間際、ルーノールのしかめっ面が一瞬だけ見えた。
 だよな。そういう反応になるだろうさ。
 視界を封じられたら、俺の攻撃位置を予測した上での『絶対反撃』ができなくなるんだからな!!

 体を大きく回転させて、俺はポンチョ越しにあるルーノールの首元を狙って踵落としを放った。
 ゴッという手応えが踵に伝わった。
 『絶対反撃』による反射攻撃も無し、完璧に攻撃が決まった。

 「……攻撃を直に受けたのはいつぶりか。その機転の良さ、確かにただの童ではないようだ」
 「――――」

 何事もなかったかのように話すルーノールの声を聞き、言葉を失った。
 感情が恐怖に支配されていく。
 予感はしていた。
 ルーノールが持つ能力の一つが『怪力』と知った時点で、防御力が1000を超えているという事実を知った時点で、最悪な真実に辿り着いていた。

 “俺の攻撃力では、そもそもルーノールにダメージを与えられない”。

 この迷路に、ゴールは無い。
 俺は、次の攻撃をもろに食らった。

 「ウッ!!」

 ルーノールに斬り上げられた俺は2階分の天井を突き破って、謁見の間へと戻って床に落ちた。

 「く……そ……」

 すぐさま立ち上がろうとするが視界がグラつき、手足に力が入らない。腹部も涙が出るほど痛む。

 寝てんじゃねぇぞ、渡辺 勝麻。早く立ち上がれ、立ち上がって構えろ。
 構えて……それから……えと……どうする?
 え……何をしたらいいんだ? 何をしたら、勝てる?

 経験したことの無い高い壁。
 それを前にして、俺はただ思考を停止させるしかなかった。

 「渡辺えぇ!! だらしなく倒れてるんじゃねぇ!」

 そんな俺の背中を、ディックが大声で押した。

 「これまでどんなに無茶だと思えた場面でも、オメェはその意思で超えてきたじゃねーか! オメェはこっからだろうがよ!!」

 「ディック……ああ、そうだな……その通りだ」

 脳みそが揺れる中、強引に自分を仁王立ちさせた。
 その際、腹から血が滴ったが気にしない。
 俺は、やる。

 顔を上げて前を見てみれば、両手を組んで祈るようにして俺を見ているマリンがいた。
 ……本当に、いつも心配かけてばかりだな……でも……あと少しで終わるよ……。

 床に空けられた穴からルーノールが飛び上がって現れた。俺とマリンの間に着地する。

 「……やってやる」

 俺は黒い風を右腕に纏わせる。
 一生の願いだ。俺のチート。
 どうかこの分厚い壁に、風穴を空けてくれ!

 「くらいやがれええぇぇ!!!!」

 パシィンッ。

 全身全霊を込めたストレートが、ルーノールの手のひらで止められた。
 目を疑った。
 そして、脳天を剣の柄頭で打たれ、俺の顔面は床に埋もらされた。
 それは決定的な一打だった。溢れ出ていた風は止み、俺の視界は一気にボヤケていく。

 「意気込んで来たもの故、何かあるのかと思ったが。ただの月並みの拳であったな。もっとも、それだけの深手を負いながら、これまでと同等の力を引き出せたことは感嘆するが」

 ルーノールの声が遠くで反響しているかのように聞こえる。
 後にディックも続いてくる。

 「な……同等だと?! そんなわけねぇ! 渡辺の『絶対の意思アブソリュート インテンション』は意思が強いほど強力になって――まさか……渡辺のチート能力の限界?……黒い風はそのサイン……」

 「……そんなはず無い、そんなはずが無いわ」

 ディックの言葉を誰かが強く否定した。この声は、フィオレンツァだ。

 「だって……人の意思の力には無限の可能性があるのですよ? その力に上限なんてない。そう思ったから私はその能力を……もう一度希望を……全人類を救えると思って……お願いです…………渡辺さん、どうか、負けないで……」

 らしくもない。縋るような声だった。
 そんなフィオレンツァに呆れたのか、ルーノールが鼻で笑う。

 「フン、無限の力だと? そのような都合の良い能力、あるわけがなかろう」

 そう言って、ルーノールは俺の片方の手首を掴むと、持ち上げて宙ぶらりんにした。その際、額から血が流れ落ちる。
 俺は抵抗しようとするが、身体が言う事を聞かない。

 「能力の名『絶対の意思』と言ったか。なるほど、言い得て妙よ。他人の言葉に一切耳を傾けようとしない、ウヌの自分本位な人間性をよく表しておるわ」

 ルーノールに腹を殴られた。
 内蔵が浮くような感覚とパキッと何が折れる音ともに飛ばされて壁にぶつかる。
 そこへ続けて迫ってきて、俺の頭を鷲掴みにするとそのまま壁へ叩きつけた。
 その勢いで壁を貫通した俺は壁の向こう側に転がる。もはや、俺の目はハッキリと物の輪郭を捉えられてはいなかったが、空が見える事からその場所がバルコニーであるとわかった。

 背中越しに銃声が鳴った。

 「グアアッ!!」
 「ディ、ディック!!」

 ディックとアイリスの叫び声が上がる。

 「やれやれ、死に損ないは大人しく引っ込んでいるがいい」

 「こんのおおおっ!!! うあ!!」

 今のは、エマ。
 何が起きているのか直接目で見て確認したかったが、そのために首を動かすこともできなかった。

 痛い。
 痛い……痛い?
 変だな。
 痛みがだんだん無くなってきてる。

 妙な感覚に浸っていると、またルーノールが片手で俺を持ち上げた。
 今度はもう片方の手で、剣の切っ先を俺に向けている。

 「やめてええぇ!!!」

 ルーノールの後ろで、叫びながらこっちに向かって走ってくるマリンの姿がぼんやりと見えた。

 ……ごめん……マリン……君を助けられなかった。

 剣に、身体を刺し貫かれた。
 腹と背中から大量の血が溢れ出すのを感じた。
 しかし、意外にも痛みは無く、叫び声も出なかった。

 力無く顔が下を向いた時、自分の体が目に入って気づく。
 刺されたショックなのか、赤いはずの血が真っ白に見えた。血だけじゃない、あらゆるモノが――世界が色を失って白くなっていた。

 ルーノールが一度剣を引き抜くと、また刺してきた。

 すると音が何も聴こえなくなる。
 生まれてから今日までこれほど静かな時は無かったと思えるほど、無音が満ちる。

 さらに刺される。

 眠くなってくる。
 そこで、俺は理解した。
 痛みの感覚が無いのも、世界から色と音が消失したのも、俺の魂が世界から遠ざかっているからなんだと。

 「――」

 マリンが泣きながら何かを訴えてる。
 でも、何を言ってるかわからない。
 とにかく俺は一言謝りたくて「ごめんな」と口を動かそうとするけれど、俺の意思と身体の連結は既に途切れていて何も言葉を発せられなかった。

 最後に、ルーノールは俺を軽く上に投げると、剣を下から上へ斬り上げた。
 トドメの一撃か。
 感覚が無いせいで実際斬られたのかもよくわからなかったが、白い血がたくさん出てきたから、きっと斬られたんだろう。

 斬られた俺は宙を舞って、落ちていく。
 そういえば、ここはバルコニーだったっけ……このまま真っ逆さまに落ちていくのか?……ああ、やっぱり落ちていくのか。

 城から投げ出された俺は、真っ白な空を瞳に映しながら重力に引っ張られる。既に抗う気力も無く、自然の法則に身を委ねて迫る死を受け入れようとした。
 『防御支援』ももう残ってない。今の俺は普通の人と同じ頑丈さだ。
 確か謁見の間は結構高い位置にあったから……グチャグチャに潰れてお終いだろうな……。

 ……あーあ、2回目の人生に俺は何が出来たんだろうな。……何も出来なかった……1回目の人生より酷い。1回目はたった一人ではあったけど、人をどん底から救うことが出来た。
 でも今回は、誰も守れなかった。
 本当に酷い終わり方だ。

 俺は、二度目の人生に幕を下ろそうと目蓋を閉じようとした。
 けどその時、彼女の叫びが聞こえたような気がして目を見開いた。哀しさとか悔しさとかが入り混じった叫びだった。

 真っ白だった世界が、金色に覆われていった。



 「…………え?」

 俺は素っ頓狂な声を漏らした。
 体を左右に向けて、視線をあちこちに動かす。

 「……ここは……どこだ?」

 いつの間にか、俺は見知らぬ森の中に立っていた。
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