俺のチートって何?

臙脂色

文字の大きさ
上 下
105 / 172
第三章   ― 筆頭勇者と無法者 ―

第102話 価値観の相違

しおりを挟む
 俺とオルガはあの後、騎士連中の馬車で病院へと搬送された。オルガと同じ病室に運ばれ、ベッドに寝かされた状態で看護師から『回復魔法リカバリー マジック』を受けた。
 これで人生三度目の骨折治療になるわけだったが、アリーナ戦のときに比べれば、折っている箇所も少なく、折れ方も綺麗だったので、3日もあれば完治するとのことだった。


 物を盗み人を攫う犯罪組織ジェヌインの襲撃から、一夜が明けたバミューダは騒然とし始めた。バミューダの住人や祭りでやってきた観光客など、街にいた半数近くの人間が急に意識を失って倒れたり、埠頭がメチャクチャに荒れたりしたんだから当然の反応だ。
 騎士も、埠頭の修繕や千頭たちの追跡よりも、何が起きたのか情報を求めてやってくる者や騎士の警備の甘さを咎める人々の対応でてんてこ舞いだった。

 一体何が起きたのか。
 俺の知る限り千頭には三つの目的があって、今回の作戦が実行された。

 1つはバミューダが始まりの街と言われる所以であるアトランタ号を奪うこと。アトランタ号は最初の転生者たちを乗せて現れた船だ。千頭はあの船に転生する仕組みが隠されていると言っていた。正直、俺にとっては船なんてどうでもよかったが、バミューダの住人たちは船が無くなったことにかなりのショックを受けているらしい。この街にとってはシンボルのような存在だったのだろう。

 2つ目は、俺の誘拐。
 千頭は現れて早々に俺をスカウトしに来たとか言いやがった。ジェヌインの最終目的は、元の世界である地球に帰ること。その目的と俺の願いが一致しているから俺を迎えに来たらしいが、俺は他人を踏み台にしてまで、元の世界帰ろうとは思えなかった。
 ……市川が、アイツの話を聞いていたら、なんて答えたんだろう。

 3つ目は、ディックを殺すこと。
 ジェヌインが去った直後、俺はエマたちと一緒にディックのもとへ『瞬間移動テレポート』で移動したのだが、酷い有様だった。
 ディックは意識を失っていた。
 ディックの黒いローブは赤黒いローブと呼べる代物に変わっていて、頭からも大量に血を流していたんだ。
 エマとアイリスが大急ぎで『回復魔法』をかけていたが……アイツ死んじゃいないよな……。



 とにかく、千頭の自分勝手な振る舞いのおかげで、俺はこうして病院のベッドで横たわっている。

 「1989年――」

 隣のベッドで横になっていたオルガが、口を開いた。

 「俺が24歳で交番勤務だった頃、世間がまだ景気というものはどんどん良くなるものだと思っていた時代だ。交番近くの空き地でサッカーボールを蹴って遊ぶ子供がいた。当時その子供はまだ8歳で屈託のない笑顔をしていた」

 突然何だ? と、俺は言いかけたが、オルガが自分の過去を語るなんて珍しかったから、黙って耳を傾けることにした。

 「その子供がな。ある日、ボールを道路に蹴り出してしまって、慌ててボールを追いかけたんだ」

 「そこに車が来て轢かれそうになったのをオルガが助けた?」

 「ああ、そうだ」

 「そんな漫画みたいな話が実際にあるなんてな」

 「フッ、俺もあんな場面に出くわすとは思わなかったさ」

 「どうして、今その話を?」

 「それが、俺と千頭の出会いだった」

 な! 千頭だって!?

 「そのことがあってから、千頭はよく交番にやってきて俺と話すようになった」

 オルガの話は続いた。
 千頭は特撮ヒーローが好きだったこと。
 自分を救ってくれたオルガをヒーローのように思っていたこと。
 いつか、自分もオルガみたいな警察官になると夢を語っていたこと。

 「千頭にもそんな子供らしいときがあったなんて、あの後じゃ信じられないな」

 「そうだな。千頭と会ってから3年後に俺は死んだが、最後まで良い子だった」

 「そんで今から14年前に、異世界で再会したわけか」

 「ああ、憧れていた警察官となった千頭は警察学校を卒業してから2年ほど後に、乗っていたパトカーにトラックが横から激突してきて命を落としたそうだ」

 ……またトラックか。

 「その時点で性格は変わってたのか?」

 「……あの頃の俺は、人と接することを恐れていたからな。断言はできないが、変わっていなかったはずだ。レイヤの話では俺のことを毎日気にかけてくれていたらしい」

 「それなのに再会から三ヶ月で、千頭はオルガたちの前から消えて、犯罪者となった……か」

 わからない。千頭が。
 ヒーローに憧れて警察官にまでなったやつが、何故、犯罪行為に手を染めているのか。
 ふと、千頭が言っていた言葉を思い出す。
 『モラルやルールを守るというのは余裕の表れだ』
 ……今の千頭には、余裕が無いんだろうか。


 そんなことを考えていたとき、病室のドアが勢いよく開いた。

 あ……マリン。

 「ショウマ様! オルガさん!」

 マリンが俺のそばまで駆け寄ってきた。後から、ミカ、ジェニー、メシュも部屋の中へ入ってくる。

 「盗賊団に襲われたって聞いてけど! 二人とも大丈夫?!」

 ミカも鬼気迫る表情で、俺とオルガの様子をまじまじと見てくる。

 「左腕をやられた程度だ」

 オルガはミカに包帯が巻かれた左腕を動かしてみせる。

 「俺は、両手両足をポッキリと……あ、アハハハ参っちゃうよなぁ! 2ヶ月の間に3回も折って、もう1年の間に何回折る気だよってペースで!」

 俺はわざと明るい調子で言った。
 マリンの瞳が揺れていて、今にも目から雫が零れ落ちそうだったから。

 「ごめんなさい……そばにいたのに……ショウマ様を守れませんでした。それどころか私は眠っていて……」

 マリン、責任を感じてるのか……。

 「マリンが謝る必要ないって。俺からしたら、マリンが怪我とかしなくて良かったって思うよ」

 「……はい」

 吐き出しかけた言葉を喉の奥へ押し込むような、くぐもった声でマリンは返事をした。


 *


 三日が経ち、無事に治った俺とオルガは退院した。

 この三日間、ディックに何度かスマホでメッセージを送信していたのだが、連絡が取れずにいた。
 宿屋でこれからどうしようかと、皆で話し合っていたところ、エマ、アイリス、知世、そしてディックが『瞬間移動』で現れた。ディックは松葉杖で体を支えていて、まだ完治しているとは言えない状態だった。
 「大丈夫か?」と俺は、声をかけるが。

 「用は済んだ。フィラディルフィアに戻るぜ」

 俺に対して返答はなく、ディックは真顔でそれだけ口にした。

 いきなりな展開ではあったものの、俺としても一度家に帰って休みたかったので、反対は無かった。


 ディックの愛馬たちとも合流した後、俺たちはエマの『瞬間移動』で、あっという間にフィラディルフィアの東区の入り口の前へと帰還した。

 馬車でも四日近くはかかる道を一瞬で……『瞬間移動』すげぇ。ゲームでもワープってよくある機能だけど、こうして実際に体験すると便利さがより身に染みるなぁ。

 「というか、最初から『瞬間移動』でドロップスカイとかバミューダまで移動すれば良かったんじゃ?」

 思ったことを声に出す俺に、エマが答える。

 「『瞬間移動』は移動する際に大量の魔力を使うんだ。ジェヌインに魔力の流れを感知する能力者がいたら、すぐに察知されちまう」

 「あー、隠密行動のために使えなかったのか」

 「そういうこと。ま、どちらにしろ私達の動きは筒抜けだったけどな」

 ……? なんだろう。エマに愛想が無いのは毎度のことなんだけど、今回はいつも以上に素っ気無いような。
 まあいいか。

 「ディックたちも家に帰るんだよな? 怪我してるし途中まで見送ろうか? って『瞬間移動』がありゃ家までひとっ飛びだったな」

 ディックがおもむろに俺の方を振り返る。
 その表情は真顔のままだ。怪我の具合が悪いのか、それとも千頭を取り逃したことがそれほどまでにショックだったのか。
 これまでディックと言ったら憎たらしい笑みだったから、なんかこの表情には慣れない。

 「他人よりも自分の心配をした方がいい」

 低い声でディックが言った。

 ドクンッと心臓が大きく高鳴った。
 ……なんだ……猛烈に嫌な予感がする…………まさか、こいつ……。

 そんな馬鹿なと思いつつも、俺は次の言葉を口にせずにはいられなかった。

 「おい、ディック……報酬を渡せ」

 俺はゆっくりと片手を前に差し出した。

 「悪いが、クエストは未達成だ」

 ――! コイツ、マジかよ!

 「冗談じゃないぞ! いくら千頭を捕えられなかったからって、それを俺に――」

 「千頭は関係ねぇよ」

 俺の怒号を、ディックがピシャリと切り裂く。

 「露天風呂での会話の時点でお前には金を渡さないことを決めていた」

 「露天風呂での、会話だって?!」

 「金だけじゃねぇ。ワタナベ ショウマ。お前をアリーナでぶっ倒して、そこの女――ミカをもらうぜ」

 「え?!」

 突然ディックに指を指されたミカから驚きの声が漏れた。

 こ、このヤロウ! 金を渡さないどころか、アリーナまで!

 「お前! 一体どういうつもりだよ!」

 「どういうつもりか? そりゃミカを手に入れて、ヤるに決まってる。それが勇者の役目だからな。そいつが持つ『飛行フライト』の能力は、スナイパーライフルでの狙撃と相性が良い。俺とミカのガキなら将来有望な戦力になる」

 最初からそれが狙いで俺たちに近づいてきやがったのか!

 「ふざけんな! 戦力になる子どもを作るため? お前はミカを何だと思ってやがる! ミカの気持ちも考えないで! ミカは俺たちと一緒にいたいんだよ! 人の気持ちを無視するんじゃねぇ!」

 「チャンスなら一応与えたんだぜ。露天風呂のとき、お前は言ったよな。マリンとミカを抱くつもりはないってよ。お前が住んでいた世界ではそれが誠実とされるのかもしれねーが、ここ異世界では、次世代へ自分の能力を継がせる気のないヤツの方が不誠実なんだよ」

 「魔人と戦う気が無いヤツはみんな悪だってのか!」

 「そのとおりだ、よくわかってんじゃねぇか。露天風呂で俺の二つ目の質問に対して、お前はこうも言った。「マリンとミカを守ってスローライフを送るんじゃないか」ってな。戦いは他人に丸投げして、自分は悠々自適に暮らす。何でそんなヤツに貴重な戦力を囲われなきゃいけない?」

 チッ! あのときのやり取りの裏に、そんな意味があったのか! 軽い気持ちで答えた結果が、こんな形で返ってくるなんて!

 後悔の念から、俺は両拳を握り締める。
 その片方の腕にミカが飛びついてきて身体を密着させてきた。
 ミカを見ると、不安な気持ちを顔一杯に広げていて、その顔で俺を見つめていた。

 ……さっさと抱けば良かった? 戦いに身を投じれば良かった? そうじゃねぇだろ。そんなことして、二人が喜ぶはずがねぇ!

 「ディック、お前の価値観じゃ、俺は悪なんだろうな。けどな、俺の価値観じゃテメェの方が悪だ! いいぜ、アリーナ! どうせ逃げられないなら、お前を叩きのめしてやるよ! んでもって、ミカを守る!」

 「はっ! 俺を前に、転生したての雑魚がよく咆えた! 度胸だけは認めてやる!」

 ディックが不敵な笑みを浮かべた。
 そして、片手を俺の方へ突き出して、人差し指を一本上に向けて立てた。

 「1日だ。明日1日だけ、ミカとの時間を過ごさせてやる。んで、その翌日にはアリーナでお別れだ」

 「ちょ、ちょっと待ってください! 明後日にアリーナに出る気でーすか?! それまでに怪我は――」

 「俺は、今この場でコイツと戦っても負けるとは思ってねー」

 横槍を入れたアイリスをディックは一蹴した。

 「そんじゃ、明後日までの時間、せいぜい楽しんで過ごせよ。ワタナベ」

 最後にそう言い残した後、ディックたちは『瞬間移動』でその場からいなくなった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。

たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】 『み、見えるの?』 「見えるかと言われると……ギリ見えない……」 『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』  ◆◆◆  仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。  劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。  ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。  後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。  尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。    また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。  尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……    霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。  3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。  愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー! ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...