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第三章 ― 筆頭勇者と無法者 ―
第89話 バミューダまでの道のり
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遥か彼方の次元で五の罪が思う。
足りないよぉ。
お腹が減っちゃうんだよぉ。
だからね。食べちゃっていいよね。
これは仕方のない話なんだ。
食べないと自分が消えてしまいそうな気分になるんだもん。
だからね。動物も植物も自然も物も人も。
好き嫌いせず、よく噛んで食べるね。
――――――
次の日の朝を迎えた俺たちは、宿の前に集合していた。
ディックが黒いローブを着ているのはいつものことだが、エマ、アイリス、知世も林道で出会ったときに羽織っていたローブを身に着けている。
ディックが突拍子もない発言をする。
「さて、ここいらで涙のお別れだ」
「えー! なんでなんで?! まだバミューダまで護衛してないじゃん!」
いい加減コイツ相手に突っ込むのが面倒になってたから、ミカが代わりに聴いてくれて助かる。
「んもう、言葉足らずでーすよ。皆さん安心してくださーい。短い期間別行動をとるだけでーす」
「そういうこと。だから、アンタたちは馬車に乗って先にバミューダに向かってな。後でアタシらも合流するからさ」
アイリスとエマが言った。
この二人と知世が、特に驚いた様子もないところから察するに、前々から三人には話してあったみたいだな。
俺は口を開く。
「こっちとしては、ちゃんと報酬がもらえるなら問題ない」
「お前が俺の望んだとおりに動いてくれりゃ払ってやるよ」
くっ、相変わらずの上から目線。
「いつ頃戻られますか?」
マリンがもっともな質問をする。
それはいつ報酬がもらえるかにも繋がってくる重要な点だ。
アリーナまでの残りの期間は一週間ちょい。それを過ぎられると困る。
「早ければ明日、遅くとも四日か五日後だろうよ」
間に合うなら構わないけど、何でそんなにあやふやなんだ。
ってか、この勇者様は何で俺にクエストを? 俺と一緒に観光でもしたかったのか? 謎だ。
「バミューダに着いたら、龍川って宿に行ってくれ。俺の名前で予約してあっから。そんじゃ、またな」
ディックたちは道無き道。森の中へと歩いていった。
*
俺たち六人を乗せた馬車が、南に向かって森の中を進む。時折ガタッと馬車が下から突き上げるように揺れるもんだから尻が痛くなる。アスファルトのありがたみを痛感するな。
にしてもだ……。
「暑い……」
少し前まで10月ぐらいの気温だったはずなのに、何だこれ。8月の猛暑だぞ。
「どうなってんだこりゃ」
「あー、そういえば私のサポーターさんが言ってたー。バミューダ港の周辺は常夏なんだってー」
「常夏って、年中こんなに暑いのか?」
「らしいよー」
「うわあ、バミューダはでかい港街だって聞いてるけど、よくこんな場所に住もうって思えるな」
「ホントにねー」
と、同意するジェニーだが、表情はいつも通りニヘラとしている。暑がってるようには見えない。
「ぐぬぬ! この暑さどうにかならんのか」
対照的にメシュは苦悶の表情を浮かべてる。
「ほおひはへう?」
横でミカがマリンの長い青髪を両手でまとめ上げながら、謎の言語を口にしていた。おかしい、この世界では全ての言葉が翻訳されるはずだが……って口に何か含んでるな。
ミカがゴクンッと喉を鳴らして何かを飲み込んだ。
「氷舐める?って言ったの」
「氷だって? そんなもんどこ――」
言い切る前に、ミカは自分の手のひらに一口サイズの氷を作り出してみせた。
「私の能力もう忘れたの?」
「ああ!」
『氷魔法』はそういう使い方もできるのか。やっぱ魔法って便利だなあ。
「ほらほら、手出して」
ミカに言われて手を出すと、手の上に氷が現れる。俺はそれを口の中へと運んだ。
くぅーっ! 冷てー!
「話は聞かせてもらった。俺様にも寄越すがいい!」
「えー、メシュも? そうだなぁ、敬語でお願いしてくれたらあげようかな」
「なんとお?!」
出た。ミカのイタズラ心。
「おー、メシュくんにとってキツイ条件だねー。さあ、どうする?」
「ふ、ふざけるなぁ! 俺様が小娘相手に謙るか!」
「あっそ。じゃ、あげなーい」
おいおい。
「もーミカちゃん、意地悪しないの。メシュさんが熱中症にでもなったらどうするの?」
「うー、わかったよ。はい、手出して」
マリンに諭されたミカは、渋々といった感じでメシュの手のひらの上に氷を作り出した。
今のマリン、妹に注意するお姉さんみたいだ。俺もたまにマリンに怒られたりするけど、やっぱお姉さん気質だなあ。
「それじゃ、改めて」
ミカはジェニーとオルガにも氷を渡した後、再びマリンの後ろ髪を弄り始めた。
「さっきから何してんの?」
「見てわかんない? マリンさんの髪をポニテにしてるの」
「降ろしたままの髪だと、熱が籠もって暑かったので、私からミカちゃんにお願いしたんです」
あー、確かにこの暑さでロングヘアは厳しいな。
「ただまとめるだけじゃ味気ないから、後ろの髪をくるりんぱして……両サイドの髪を捻ってもってきて……ゴムを隠して……はい、できた!」
「ありがとう、ミカちゃん」
おお、店で見て以来のポニーテールだ。単純にまとめただけじゃないからか、前よりも大人っぽく見える。
「あの、ショウマ様。変じゃないですか?」
「変じゃないぞ。よく似合ってる」
変どころか、すげぇ可愛い。けど恥ずかしくてそんなこと言えねえ。
「ふふふ、ショウマ様にそう言ってもらえて嬉しいです」
互いに笑顔を向け合う俺とマリン。
「あー、コホン」
その間にミカが割って入る。
「私がまとめた髪型なんだけどなー」
「……えっと?」
「えっとじゃないよ! 私も褒めてよー!」
ミカが口元をムスッとさせる。
な、なんじゃそりゃ。ミカってそんな承認欲求の強いタイプだったのか? まぁ、褒めるけどさ。
「ミカの技術も大したもんだよ。美容師を目指してるだけあるな」
「ふっふーん。でしょでしょー!」
嬉しそうにミカが笑った。
五時間ぐらいは経っただろうか。西の空に日が傾き始めた頃。
これまで馬車二台が横に並んでギリギリ通れる幅の道を走っていたが、それよりも倍の大きさはある道に合流し、視界が一気に開ける。
馬車が揺れまくりだったのも、この道に入ってからは静かになる。
「この道は見覚えがある。フィラディルフィアとバミューダを繋ぐバイパスだ」
なるほど。メインストリートってことか。
道脇の木は伐採され、木で柵も設けられている。流石によく使われてる道は整備されてるな。
ん?
向かいから一台の屋根無しの馬車が走ってくる。その荷台にはパンパンに膨れた麻袋がたくさん乗せられている。
「なぁ、オルガ、あの馬車何を乗せてるんだ?」
「あれは塩だな」
「え、塩?!」
「バミューダからフィラディルフィアへ運んでいるんだ。ウォールガイヤにおいて、塩の主な供給源は海からだからな。お前さんが日頃口にしていた塩はこうやって日数をかけて運ばれてきているというわけだ」
「へぇー」
当たり前のように食していた塩にそんなバックストーリーがあったとは、ちょっと感動してしまった。
食生活の立役者が積まれた馬車が俺たちの横を通り過ぎた。
後ろへ遠ざかっていくそれを俺は感謝の気持ちを込めた目線で見送る。
そのときだった。
視界の端に何かが映った。
空に黒い穴。
一瞬、『道具収納』で作られた穴かと思ったが、違う。あれは紫色の穴だ。
今俺の目に映る穴は明らかにそれとは異質。
「お、オルガ! 空に黒い穴が!」
俺の言葉を聞き、全員もそれを見た。
俺と同じ様に唖然とした表情になるヤツがほとんどだったが、ミカとオルガは違った。
「まさかあれって――」
ミカが何かを言いかけたところで、オルガが馬車から飛び出した。
走っている状態の馬車から降りるという危険行為を、あのオルガがするなんて。
事は急を要するってことかよ!
「お前さんらも馬車を止めて来るんだ! 転生者だ!」
足りないよぉ。
お腹が減っちゃうんだよぉ。
だからね。食べちゃっていいよね。
これは仕方のない話なんだ。
食べないと自分が消えてしまいそうな気分になるんだもん。
だからね。動物も植物も自然も物も人も。
好き嫌いせず、よく噛んで食べるね。
――――――
次の日の朝を迎えた俺たちは、宿の前に集合していた。
ディックが黒いローブを着ているのはいつものことだが、エマ、アイリス、知世も林道で出会ったときに羽織っていたローブを身に着けている。
ディックが突拍子もない発言をする。
「さて、ここいらで涙のお別れだ」
「えー! なんでなんで?! まだバミューダまで護衛してないじゃん!」
いい加減コイツ相手に突っ込むのが面倒になってたから、ミカが代わりに聴いてくれて助かる。
「んもう、言葉足らずでーすよ。皆さん安心してくださーい。短い期間別行動をとるだけでーす」
「そういうこと。だから、アンタたちは馬車に乗って先にバミューダに向かってな。後でアタシらも合流するからさ」
アイリスとエマが言った。
この二人と知世が、特に驚いた様子もないところから察するに、前々から三人には話してあったみたいだな。
俺は口を開く。
「こっちとしては、ちゃんと報酬がもらえるなら問題ない」
「お前が俺の望んだとおりに動いてくれりゃ払ってやるよ」
くっ、相変わらずの上から目線。
「いつ頃戻られますか?」
マリンがもっともな質問をする。
それはいつ報酬がもらえるかにも繋がってくる重要な点だ。
アリーナまでの残りの期間は一週間ちょい。それを過ぎられると困る。
「早ければ明日、遅くとも四日か五日後だろうよ」
間に合うなら構わないけど、何でそんなにあやふやなんだ。
ってか、この勇者様は何で俺にクエストを? 俺と一緒に観光でもしたかったのか? 謎だ。
「バミューダに着いたら、龍川って宿に行ってくれ。俺の名前で予約してあっから。そんじゃ、またな」
ディックたちは道無き道。森の中へと歩いていった。
*
俺たち六人を乗せた馬車が、南に向かって森の中を進む。時折ガタッと馬車が下から突き上げるように揺れるもんだから尻が痛くなる。アスファルトのありがたみを痛感するな。
にしてもだ……。
「暑い……」
少し前まで10月ぐらいの気温だったはずなのに、何だこれ。8月の猛暑だぞ。
「どうなってんだこりゃ」
「あー、そういえば私のサポーターさんが言ってたー。バミューダ港の周辺は常夏なんだってー」
「常夏って、年中こんなに暑いのか?」
「らしいよー」
「うわあ、バミューダはでかい港街だって聞いてるけど、よくこんな場所に住もうって思えるな」
「ホントにねー」
と、同意するジェニーだが、表情はいつも通りニヘラとしている。暑がってるようには見えない。
「ぐぬぬ! この暑さどうにかならんのか」
対照的にメシュは苦悶の表情を浮かべてる。
「ほおひはへう?」
横でミカがマリンの長い青髪を両手でまとめ上げながら、謎の言語を口にしていた。おかしい、この世界では全ての言葉が翻訳されるはずだが……って口に何か含んでるな。
ミカがゴクンッと喉を鳴らして何かを飲み込んだ。
「氷舐める?って言ったの」
「氷だって? そんなもんどこ――」
言い切る前に、ミカは自分の手のひらに一口サイズの氷を作り出してみせた。
「私の能力もう忘れたの?」
「ああ!」
『氷魔法』はそういう使い方もできるのか。やっぱ魔法って便利だなあ。
「ほらほら、手出して」
ミカに言われて手を出すと、手の上に氷が現れる。俺はそれを口の中へと運んだ。
くぅーっ! 冷てー!
「話は聞かせてもらった。俺様にも寄越すがいい!」
「えー、メシュも? そうだなぁ、敬語でお願いしてくれたらあげようかな」
「なんとお?!」
出た。ミカのイタズラ心。
「おー、メシュくんにとってキツイ条件だねー。さあ、どうする?」
「ふ、ふざけるなぁ! 俺様が小娘相手に謙るか!」
「あっそ。じゃ、あげなーい」
おいおい。
「もーミカちゃん、意地悪しないの。メシュさんが熱中症にでもなったらどうするの?」
「うー、わかったよ。はい、手出して」
マリンに諭されたミカは、渋々といった感じでメシュの手のひらの上に氷を作り出した。
今のマリン、妹に注意するお姉さんみたいだ。俺もたまにマリンに怒られたりするけど、やっぱお姉さん気質だなあ。
「それじゃ、改めて」
ミカはジェニーとオルガにも氷を渡した後、再びマリンの後ろ髪を弄り始めた。
「さっきから何してんの?」
「見てわかんない? マリンさんの髪をポニテにしてるの」
「降ろしたままの髪だと、熱が籠もって暑かったので、私からミカちゃんにお願いしたんです」
あー、確かにこの暑さでロングヘアは厳しいな。
「ただまとめるだけじゃ味気ないから、後ろの髪をくるりんぱして……両サイドの髪を捻ってもってきて……ゴムを隠して……はい、できた!」
「ありがとう、ミカちゃん」
おお、店で見て以来のポニーテールだ。単純にまとめただけじゃないからか、前よりも大人っぽく見える。
「あの、ショウマ様。変じゃないですか?」
「変じゃないぞ。よく似合ってる」
変どころか、すげぇ可愛い。けど恥ずかしくてそんなこと言えねえ。
「ふふふ、ショウマ様にそう言ってもらえて嬉しいです」
互いに笑顔を向け合う俺とマリン。
「あー、コホン」
その間にミカが割って入る。
「私がまとめた髪型なんだけどなー」
「……えっと?」
「えっとじゃないよ! 私も褒めてよー!」
ミカが口元をムスッとさせる。
な、なんじゃそりゃ。ミカってそんな承認欲求の強いタイプだったのか? まぁ、褒めるけどさ。
「ミカの技術も大したもんだよ。美容師を目指してるだけあるな」
「ふっふーん。でしょでしょー!」
嬉しそうにミカが笑った。
五時間ぐらいは経っただろうか。西の空に日が傾き始めた頃。
これまで馬車二台が横に並んでギリギリ通れる幅の道を走っていたが、それよりも倍の大きさはある道に合流し、視界が一気に開ける。
馬車が揺れまくりだったのも、この道に入ってからは静かになる。
「この道は見覚えがある。フィラディルフィアとバミューダを繋ぐバイパスだ」
なるほど。メインストリートってことか。
道脇の木は伐採され、木で柵も設けられている。流石によく使われてる道は整備されてるな。
ん?
向かいから一台の屋根無しの馬車が走ってくる。その荷台にはパンパンに膨れた麻袋がたくさん乗せられている。
「なぁ、オルガ、あの馬車何を乗せてるんだ?」
「あれは塩だな」
「え、塩?!」
「バミューダからフィラディルフィアへ運んでいるんだ。ウォールガイヤにおいて、塩の主な供給源は海からだからな。お前さんが日頃口にしていた塩はこうやって日数をかけて運ばれてきているというわけだ」
「へぇー」
当たり前のように食していた塩にそんなバックストーリーがあったとは、ちょっと感動してしまった。
食生活の立役者が積まれた馬車が俺たちの横を通り過ぎた。
後ろへ遠ざかっていくそれを俺は感謝の気持ちを込めた目線で見送る。
そのときだった。
視界の端に何かが映った。
空に黒い穴。
一瞬、『道具収納』で作られた穴かと思ったが、違う。あれは紫色の穴だ。
今俺の目に映る穴は明らかにそれとは異質。
「お、オルガ! 空に黒い穴が!」
俺の言葉を聞き、全員もそれを見た。
俺と同じ様に唖然とした表情になるヤツがほとんどだったが、ミカとオルガは違った。
「まさかあれって――」
ミカが何かを言いかけたところで、オルガが馬車から飛び出した。
走っている状態の馬車から降りるという危険行為を、あのオルガがするなんて。
事は急を要するってことかよ!
「お前さんらも馬車を止めて来るんだ! 転生者だ!」
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