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第三章 ― 筆頭勇者と無法者 ―
第71話 ミカとお買い物
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ミカが戻ってから、10分も経たない内に俺たち三人は床に就いた。
それからしばらくして。
むにゅ。
片方の前腕にやわらかな感触。
今夜もマリンは俺の寝床に侵入し、か細くスベスベとした肌触りの両腕で俺の片腕を完全にホールドし、童貞殺しの凶器を当てている。
今夜はやけに早いな。家が前よりも狭くなって互いの距離が近くなったせいだろうか。
むにゅう。
ふぅ……落ち着け渡辺 勝麻。平常心を保て。
マリンの顔を見るな。目を閉じろ。俺の腕に当たっているのは、気づかない間に転がってたただのマシュマロだ。マシュマロなんだ。ああ、いけないなぁ、食べ物を粗末にして。一体誰が――。
「んんっ」
寝言なのかマリンから声が漏れる。
すみません勘弁してください頼みますから変な声出さないでください。すみません勘弁してください頼みますから変な声出さないでください。すみません勘弁してください頼みますから変な声出さないでください。
と、同じ内容を頭の中で念仏のように三回唱えたときだった。
俺の足元あたりで何かが蠢くのを感じた。
マリンさん今度は足技まで体得したんすか?!
俺は目を開いてマリンの方を見るが、特に動いている様子はなかった。
あれ、じゃあ何、もしかしてネズミとかじゃ――。
布団を捲くると、俺の両足に被さるようにしている白いパジャマ姿のミカが、障子から入ってくる月明かりに照らされた。
「 な に や っ て ん の ミ カ ァ ! ! ! 」という叫びが喉まで出かかっていたが、寸でのところで飲み込む。
「……何してんの?」
マリンを起こさぬよう小声で言う。
「ご奉仕しようかと」
イタズラっぽくミカは笑ってみせる。
「は? ご奉仕って、つまりその――」
「今晩は私が、ご主人様のことスッキリさせますね」
ミカが片方の手の指先を俺の腿に這わせ、そのまま滑らせるようにして俺の股間へと手を動かす。
「だ、ダメだって!」
卑猥な行いを実行しようとしているミカの手を、俺は空いている手で掴んで止める。
「ひっ!」
ミカが跳ねたんじゃないかってくらいに体をビクつかせ、目を固く閉じる。
「す、すみません。お好みのプレイじゃなかったですか?」
が、それも一瞬の間で、すぐに見せ付けるような笑顔を向けてくる。
「そういう問題じゃない。ご奉仕とかしなくていいから、こんなことやめろって」
「マリンさんにはさせてるじゃないですか」
ミカが横目で、俺の腕にひっついているマリンを見る。
「ちがっ! これはやらせてるんじゃなくて、やられているんであってだな!」
「ひょっとしてご主人様は胸の大きい方の娘が好きなんですか? 確かに私はマリンさんと比べて小さいですけど、その分精一杯ご主人様のしたいことに応えますよっ」
……だんだんムカついてきた。
人の話を聞かないのもあるが、それ以上にミカの笑顔が見ててイライラする。この笑顔を俺は知っている。中学を転校したばかりの頃の、俺の笑顔にそっくりだ。
俺は確信する。彼女は、ミカは、前の主人のせいで苦しんでいる。
自分に無理矢理言い聞かせて、やりたくないことをやろうとしている。
望んでいないことをやらせるくらいなら。
「ミカ、命令だ。やめろ」
「う……」
パートナーは主人の命令に従う。これはマリンだけじゃなくミカにも当てはまる。
ミカは笑顔を崩して俺から両手を離し、膝立ちの状態になる。
「なんで……」
肩を振るわせる。
自分の思っていたような展開にならなかったからか、次はどうしたらいいのかわからない様子で、目も俺じゃなく遠くを見ていた。
「俺にこんなことする必要ないから」
マリン、ちょっとごめんな。
俺はマリンに掴まれていた腕をスルリと抜き取ると、上半身を起き上がらせてミカと向かい合った。
「ま、またまたー、そんなこと言って。わかった。ご主人様は純情なのがイイんですね! だったら、そういう風に――!」
またもや予期しなかった出来事にミカが驚く。
俺は彼女の頭を撫でた。
「もういいから。俺の機嫌なんて気にしなくていいし、なんなら俺と一緒に住むこともない。ミカは自分のやりたいように自由にやればいいんだ」
俺の拙い言葉はミカに届いただろうか。
俺に女の子の扱い方なんてわからない。頭を撫でるのだってギャルゲーから得た知識でしかない。こんなことで彼女の傷が少しでも癒せるだろうか。
「え……あ……」
何かを言おうとしているのか、ミカは口を開こうとしては閉じるを何度か繰り返す。
そして、逃げるように自分の布団の中へと戻った。
……伝わった……のか?
ミカは向こうを向いて寝転がっているため、どんな顔をしているかわからない。
……モヤモヤする。
今夜は眠れそうにないな。
「うぅーん」
「――ちょっ!」
マリンが寝惚けて、上体を起こしていた俺を押し倒すように抱きついてきた。
うん、寝られないな。
※
「ショウマ様、ミカちゃん、行ってきます! 用意した朝ご飯ちゃんと食べてくださいね!」
「……おう、いってらっしゃい」
目にしみる朝日の中、マリンは仕事へと出かけた。
さて、俺も初心者ギルドから呼び出されてるから出かけたいところなんだが、案の定昨夜は寝不足で非常にだるい。
ミカも昨日に比べて様子が違うし……。
正直、ギルドの件よりもこっちの方が気になる。ギルドは明日までに行けばいいって話だったし後回しにしよう。
「……ミカ、服買いに行かないか?」
朝飯を口にしつつ考えてみた結果、この案が浮かんだ。
「……あ、はい! えと! 行き……ます」
俺の問いかけに数秒遅れて応答し、ハキハキした声を出したかと思えば途中から小声になった。やっぱり、ぎこちない。彼女は今何を考えているんだろう。
その後、俺たちは衣料品店へと足を運んだ。
服を買いに行こうと思ったのは、前言どおり暖かい格好をしてほしかったのと、とりあえず形だけでも自由になってほしかったからだ。
「よーし、ミカ。好きな服選びな」
「好きな服って私が欲しいヤツを選んでいいってことですか?」
「おう」
「で、でも、それでご主人様の趣味に合わなかったら――」
「俺のことは考えない。自分のために買いな」
「……わかりました」
ミカは楽しそうにしてるわけでも、落ち込んでいるわけでもなく、ただひたすら戸惑いの表情を浮かべながら、服の森へと歩みを進めた。
俺も自分の服探すか。そろそろジャージは卒業してまともなルームウェアでも買おうっと。
それから30分後、俺は紺色の長袖に長ズボンを早々に購入した俺は、店内に置かれている椅子に座って、ミカの買い物が終わるのを待っていた。
……長ぇ。
服の壁の隙間からたまにミカが見えるのだが、服を両手に三、四枚抱えて試着室へと駆け込んでいる。夢中で選別しているようだった。
ミカは着る服にこだわる性格だったんだなぁ。服買いに来て正解だった。
「ご主人様! ちょっと来てー!」
試着室からミカの嬉々とした声が響いた。
買うものが決まったかな。
試着室の前に到着すると、そこにはグレーのパーカーを着て、下には明るい色のジーンズのショートパンツを履いているミカがいた。
「どお? どお?……あっ、どうですか?」
パーカーのポケットに両手を突っ込んだ状態のまま、腰を左右に捻っていたミカが、自分の言葉遣いが丁寧じゃなくなっていることに気がついて直す。
「さっきの口調のままでいいよ。俺、別に偉い人間じゃないし。ついでに、ご主人様って呼ばなくてもいいから、気軽にショウマって呼んでくれよ」
「は、はい」
「まぁ、それはそれとして、うん、よく似合ってるぞ。なんか元気な女の子って感じがする」
「えへへっ、そう……ですか。ありがとうございます、ご主人様!」
……こりゃ、まだまだ気を遣われちゃいそうだな……。
でも、少しは前進できたかな。
服を購入した後の店からの帰り道、既に日は沈みかけており、街は夕焼けに彩られていた。ミカは服が入った紙袋を片手に、軽くステップを踏んで俺の前を進んでいる。余程嬉しかったのか、彼女のステップは、一歩踏む度に足から音符マークが飛び出そうなくらい軽快だ。
そんな彼女が両足を揃えてピタリと立ち止まった。
「どうした?」
一声かけると、彼女はくるりと振り返って俺の方を向いた。
「ありがとうっ! ショウマ!」
夕日に照らされながら、彼女は真っ直ぐ俺の目を見て、本物の笑顔を見せた。
それからしばらくして。
むにゅ。
片方の前腕にやわらかな感触。
今夜もマリンは俺の寝床に侵入し、か細くスベスベとした肌触りの両腕で俺の片腕を完全にホールドし、童貞殺しの凶器を当てている。
今夜はやけに早いな。家が前よりも狭くなって互いの距離が近くなったせいだろうか。
むにゅう。
ふぅ……落ち着け渡辺 勝麻。平常心を保て。
マリンの顔を見るな。目を閉じろ。俺の腕に当たっているのは、気づかない間に転がってたただのマシュマロだ。マシュマロなんだ。ああ、いけないなぁ、食べ物を粗末にして。一体誰が――。
「んんっ」
寝言なのかマリンから声が漏れる。
すみません勘弁してください頼みますから変な声出さないでください。すみません勘弁してください頼みますから変な声出さないでください。すみません勘弁してください頼みますから変な声出さないでください。
と、同じ内容を頭の中で念仏のように三回唱えたときだった。
俺の足元あたりで何かが蠢くのを感じた。
マリンさん今度は足技まで体得したんすか?!
俺は目を開いてマリンの方を見るが、特に動いている様子はなかった。
あれ、じゃあ何、もしかしてネズミとかじゃ――。
布団を捲くると、俺の両足に被さるようにしている白いパジャマ姿のミカが、障子から入ってくる月明かりに照らされた。
「 な に や っ て ん の ミ カ ァ ! ! ! 」という叫びが喉まで出かかっていたが、寸でのところで飲み込む。
「……何してんの?」
マリンを起こさぬよう小声で言う。
「ご奉仕しようかと」
イタズラっぽくミカは笑ってみせる。
「は? ご奉仕って、つまりその――」
「今晩は私が、ご主人様のことスッキリさせますね」
ミカが片方の手の指先を俺の腿に這わせ、そのまま滑らせるようにして俺の股間へと手を動かす。
「だ、ダメだって!」
卑猥な行いを実行しようとしているミカの手を、俺は空いている手で掴んで止める。
「ひっ!」
ミカが跳ねたんじゃないかってくらいに体をビクつかせ、目を固く閉じる。
「す、すみません。お好みのプレイじゃなかったですか?」
が、それも一瞬の間で、すぐに見せ付けるような笑顔を向けてくる。
「そういう問題じゃない。ご奉仕とかしなくていいから、こんなことやめろって」
「マリンさんにはさせてるじゃないですか」
ミカが横目で、俺の腕にひっついているマリンを見る。
「ちがっ! これはやらせてるんじゃなくて、やられているんであってだな!」
「ひょっとしてご主人様は胸の大きい方の娘が好きなんですか? 確かに私はマリンさんと比べて小さいですけど、その分精一杯ご主人様のしたいことに応えますよっ」
……だんだんムカついてきた。
人の話を聞かないのもあるが、それ以上にミカの笑顔が見ててイライラする。この笑顔を俺は知っている。中学を転校したばかりの頃の、俺の笑顔にそっくりだ。
俺は確信する。彼女は、ミカは、前の主人のせいで苦しんでいる。
自分に無理矢理言い聞かせて、やりたくないことをやろうとしている。
望んでいないことをやらせるくらいなら。
「ミカ、命令だ。やめろ」
「う……」
パートナーは主人の命令に従う。これはマリンだけじゃなくミカにも当てはまる。
ミカは笑顔を崩して俺から両手を離し、膝立ちの状態になる。
「なんで……」
肩を振るわせる。
自分の思っていたような展開にならなかったからか、次はどうしたらいいのかわからない様子で、目も俺じゃなく遠くを見ていた。
「俺にこんなことする必要ないから」
マリン、ちょっとごめんな。
俺はマリンに掴まれていた腕をスルリと抜き取ると、上半身を起き上がらせてミカと向かい合った。
「ま、またまたー、そんなこと言って。わかった。ご主人様は純情なのがイイんですね! だったら、そういう風に――!」
またもや予期しなかった出来事にミカが驚く。
俺は彼女の頭を撫でた。
「もういいから。俺の機嫌なんて気にしなくていいし、なんなら俺と一緒に住むこともない。ミカは自分のやりたいように自由にやればいいんだ」
俺の拙い言葉はミカに届いただろうか。
俺に女の子の扱い方なんてわからない。頭を撫でるのだってギャルゲーから得た知識でしかない。こんなことで彼女の傷が少しでも癒せるだろうか。
「え……あ……」
何かを言おうとしているのか、ミカは口を開こうとしては閉じるを何度か繰り返す。
そして、逃げるように自分の布団の中へと戻った。
……伝わった……のか?
ミカは向こうを向いて寝転がっているため、どんな顔をしているかわからない。
……モヤモヤする。
今夜は眠れそうにないな。
「うぅーん」
「――ちょっ!」
マリンが寝惚けて、上体を起こしていた俺を押し倒すように抱きついてきた。
うん、寝られないな。
※
「ショウマ様、ミカちゃん、行ってきます! 用意した朝ご飯ちゃんと食べてくださいね!」
「……おう、いってらっしゃい」
目にしみる朝日の中、マリンは仕事へと出かけた。
さて、俺も初心者ギルドから呼び出されてるから出かけたいところなんだが、案の定昨夜は寝不足で非常にだるい。
ミカも昨日に比べて様子が違うし……。
正直、ギルドの件よりもこっちの方が気になる。ギルドは明日までに行けばいいって話だったし後回しにしよう。
「……ミカ、服買いに行かないか?」
朝飯を口にしつつ考えてみた結果、この案が浮かんだ。
「……あ、はい! えと! 行き……ます」
俺の問いかけに数秒遅れて応答し、ハキハキした声を出したかと思えば途中から小声になった。やっぱり、ぎこちない。彼女は今何を考えているんだろう。
その後、俺たちは衣料品店へと足を運んだ。
服を買いに行こうと思ったのは、前言どおり暖かい格好をしてほしかったのと、とりあえず形だけでも自由になってほしかったからだ。
「よーし、ミカ。好きな服選びな」
「好きな服って私が欲しいヤツを選んでいいってことですか?」
「おう」
「で、でも、それでご主人様の趣味に合わなかったら――」
「俺のことは考えない。自分のために買いな」
「……わかりました」
ミカは楽しそうにしてるわけでも、落ち込んでいるわけでもなく、ただひたすら戸惑いの表情を浮かべながら、服の森へと歩みを進めた。
俺も自分の服探すか。そろそろジャージは卒業してまともなルームウェアでも買おうっと。
それから30分後、俺は紺色の長袖に長ズボンを早々に購入した俺は、店内に置かれている椅子に座って、ミカの買い物が終わるのを待っていた。
……長ぇ。
服の壁の隙間からたまにミカが見えるのだが、服を両手に三、四枚抱えて試着室へと駆け込んでいる。夢中で選別しているようだった。
ミカは着る服にこだわる性格だったんだなぁ。服買いに来て正解だった。
「ご主人様! ちょっと来てー!」
試着室からミカの嬉々とした声が響いた。
買うものが決まったかな。
試着室の前に到着すると、そこにはグレーのパーカーを着て、下には明るい色のジーンズのショートパンツを履いているミカがいた。
「どお? どお?……あっ、どうですか?」
パーカーのポケットに両手を突っ込んだ状態のまま、腰を左右に捻っていたミカが、自分の言葉遣いが丁寧じゃなくなっていることに気がついて直す。
「さっきの口調のままでいいよ。俺、別に偉い人間じゃないし。ついでに、ご主人様って呼ばなくてもいいから、気軽にショウマって呼んでくれよ」
「は、はい」
「まぁ、それはそれとして、うん、よく似合ってるぞ。なんか元気な女の子って感じがする」
「えへへっ、そう……ですか。ありがとうございます、ご主人様!」
……こりゃ、まだまだ気を遣われちゃいそうだな……。
でも、少しは前進できたかな。
服を購入した後の店からの帰り道、既に日は沈みかけており、街は夕焼けに彩られていた。ミカは服が入った紙袋を片手に、軽くステップを踏んで俺の前を進んでいる。余程嬉しかったのか、彼女のステップは、一歩踏む度に足から音符マークが飛び出そうなくらい軽快だ。
そんな彼女が両足を揃えてピタリと立ち止まった。
「どうした?」
一声かけると、彼女はくるりと振り返って俺の方を向いた。
「ありがとうっ! ショウマ!」
夕日に照らされながら、彼女は真っ直ぐ俺の目を見て、本物の笑顔を見せた。
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