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第二章 ― 争奪戦 ―
第31話 メシュ
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「ようやく見つけたぞ! ジェニー!」
金の短髪でジャージ姿の男が現れた。
今度は誰だ?
「やーやー、メシュくん。どこに行ったかと、ずっと探してたんだよー」
「とても探していたようには見えないが、まあいい」
メシュと呼ばれた男はジェニーの肩に手を置くと、逆側の手で前髪を持ち上げる。
「そうやって俺様を困らせて気を引きたいということなのだろう? 全く可愛い子羊ちゃんだ」
……何だコイツ。ナルシストかな。
と思っていると、メシュが俺を睨んできた。
「貴様……俺様の女に手を出そうとは、身の程を知らぬようだな。今この場で! ギッタンギッタンのグッチョングッチョンに懲らしめてくれるわ!」
「―ッ! ちょ、いきな――」
「はいストーップ」
俺に飛び掛ろうとしてきたメシュは、ジェニーの足払いにより土の上に顔面から倒れた。
「う……ジェニィ……」
おいおい、こんなことしたら怒って――。
「うわああん! 酷いよジェニー! 俺様は君のためを思ってえぇ!」
泣くんかい!
「うはは、面白いだろコイツ。名前はメシュって言って私のパートナーなのだー」
泣き喚くメシュの頭をジェニーが撫で撫でした。
すると、メシュの泣き声がおさまっていく。
幼児かコイツは。
「ひっく……うぅ……そ、そうなのだ! 俺様はジェニーのパートナー! つまりジェニーは俺様の女だ! 俺様以外の男が触れることは許さーん! ワーッハッハッハ!」
怒ったり泣いたり笑ったり、忙しいやつだな。
「貴様、今俺様をバカだと思っただろ」
「え? いや? 全然。ちっとも」
「いいや思ってた! 顔を見ればわかるわ! 俺様をバカにする愚か者には、ハイパーなチート能力で格の違いを教えてくれる!」
何?! チート能力って転生者だけじゃなく、パートナーも使えるのか!
メシュが両手をゆらゆらと上下に動かし始めた後、その両手を腰に添え、仁王立ちとなる。
「くらうがいい! フラーッシュ!」
メシュから強烈な光が放たれた。
「うおっまぶしっ!」
目の前を両手で塞がずにはいられないほどの眩しさだ。
「フハハハ! 思い知ったか下賎の者よ!」
メシュがそう言ったところで、光は弱まっていき、なくなった。
「……確かに、驚いたっちゃ驚いたけど、光るだけじゃなぁ」
「ねー、モンスターも倒せないし」
「ジェニー! さりげなくディスる側にまわるのやめてくれる?!」
「あの、私はスゴイと思いましたよ!」
「……何故だろう褒められてる気がしない。というか哀れみを感じる」
「えぇ! 褒めてますよ!」
くくく、そうだろうそうだろう。マリンは優し過ぎて、逆に優しさが辛くなるタイプだからな。
「ははは、いいぞマリン! そのまま優しさで追い詰めて惨めな思いにさせてしまえい!」
「もうショウマ様まで! 私は追い詰めてなんかいませんてば!」
「お二人さん、面白いねー。どお? 仕事終わったらご飯食べにいかない?」
ジェニーの誘いを断る理由は思いつかなかった。
彼女がこの世界について知っている情報を得たかったというのもあるが、それだけじゃない。
同じ初心者転生者のジェニー。
ウォールガイヤと呼ばれる異世界にやってきて、初めて対等な関係で話せる相手を見つけられたように思うからだ。
「おう! 行こう!」
その後、騒ぎ続けるメシュを無視して、ジェニーたちと一緒にキノコ集めを続けた。
金の短髪でジャージ姿の男が現れた。
今度は誰だ?
「やーやー、メシュくん。どこに行ったかと、ずっと探してたんだよー」
「とても探していたようには見えないが、まあいい」
メシュと呼ばれた男はジェニーの肩に手を置くと、逆側の手で前髪を持ち上げる。
「そうやって俺様を困らせて気を引きたいということなのだろう? 全く可愛い子羊ちゃんだ」
……何だコイツ。ナルシストかな。
と思っていると、メシュが俺を睨んできた。
「貴様……俺様の女に手を出そうとは、身の程を知らぬようだな。今この場で! ギッタンギッタンのグッチョングッチョンに懲らしめてくれるわ!」
「―ッ! ちょ、いきな――」
「はいストーップ」
俺に飛び掛ろうとしてきたメシュは、ジェニーの足払いにより土の上に顔面から倒れた。
「う……ジェニィ……」
おいおい、こんなことしたら怒って――。
「うわああん! 酷いよジェニー! 俺様は君のためを思ってえぇ!」
泣くんかい!
「うはは、面白いだろコイツ。名前はメシュって言って私のパートナーなのだー」
泣き喚くメシュの頭をジェニーが撫で撫でした。
すると、メシュの泣き声がおさまっていく。
幼児かコイツは。
「ひっく……うぅ……そ、そうなのだ! 俺様はジェニーのパートナー! つまりジェニーは俺様の女だ! 俺様以外の男が触れることは許さーん! ワーッハッハッハ!」
怒ったり泣いたり笑ったり、忙しいやつだな。
「貴様、今俺様をバカだと思っただろ」
「え? いや? 全然。ちっとも」
「いいや思ってた! 顔を見ればわかるわ! 俺様をバカにする愚か者には、ハイパーなチート能力で格の違いを教えてくれる!」
何?! チート能力って転生者だけじゃなく、パートナーも使えるのか!
メシュが両手をゆらゆらと上下に動かし始めた後、その両手を腰に添え、仁王立ちとなる。
「くらうがいい! フラーッシュ!」
メシュから強烈な光が放たれた。
「うおっまぶしっ!」
目の前を両手で塞がずにはいられないほどの眩しさだ。
「フハハハ! 思い知ったか下賎の者よ!」
メシュがそう言ったところで、光は弱まっていき、なくなった。
「……確かに、驚いたっちゃ驚いたけど、光るだけじゃなぁ」
「ねー、モンスターも倒せないし」
「ジェニー! さりげなくディスる側にまわるのやめてくれる?!」
「あの、私はスゴイと思いましたよ!」
「……何故だろう褒められてる気がしない。というか哀れみを感じる」
「えぇ! 褒めてますよ!」
くくく、そうだろうそうだろう。マリンは優し過ぎて、逆に優しさが辛くなるタイプだからな。
「ははは、いいぞマリン! そのまま優しさで追い詰めて惨めな思いにさせてしまえい!」
「もうショウマ様まで! 私は追い詰めてなんかいませんてば!」
「お二人さん、面白いねー。どお? 仕事終わったらご飯食べにいかない?」
ジェニーの誘いを断る理由は思いつかなかった。
彼女がこの世界について知っている情報を得たかったというのもあるが、それだけじゃない。
同じ初心者転生者のジェニー。
ウォールガイヤと呼ばれる異世界にやってきて、初めて対等な関係で話せる相手を見つけられたように思うからだ。
「おう! 行こう!」
その後、騒ぎ続けるメシュを無視して、ジェニーたちと一緒にキノコ集めを続けた。
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