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第一章 ― ワールドガイダンス ―
第22話 みきみきつんぱかるていは
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ちょっと待ってくれ。
自然な流れでマリンが残っているが、オルガが保護してくれるんじゃないのか? 俺が面倒を見ろと?
……パートナー、か。
オルガが言っていた言葉を改めて咀嚼する。
マリンは俺のパートナーだと言っていた。マリン自身、俺のことを何故か慕っているし、命令に従う。 ……ああ、ダメだ。謎が多すぎる。
「悩み事ですか?」
マリンが首をかしげて、心配そうにこちらを見ている。
そんな些細な仕草にですら、ドキっとしてしまうのだから俺ってチョロイな。
「えっとさ、マリンって両親はどこに住んでるんだ?」
とにかく、マリンについてもっと知る必要があるだろう。
「…………」
え? その間は何? もしかしてこれ聞いちゃいけなかったやつ?
「両親は私が小さい頃に亡くなってしまいました」
いけなかったやつだあ!
「ごめん……嫌なこと思い出させちゃって」
「いいえ。もう昔のことですから」
「……それからもずっと一人だったの? 身寄りとかは?」
「いません。両親が死んでから私、ご主人様と会ったあの森の中で、ずっと一人で過ごしてきましたから」
あの森の中を一人で? にわかに信じがたいぞ。
例え上手いことモンスターとの遭遇を避け、食糧を調達できたとしても、身なり――特に髪が整いすぎているのは絶対におかしい。普通そんな環境にいたら髪なんてすぐボサボサになるはずだ。
冷静に考えられる環境になって、改めて考えてしまう。
俺はマリンを信用していいのか?
……うーん。
どーかなぁ。
いーのかなぁ。
……ああもう! メンドくせぇ!
こうやってウジウジ考えるのは性に合わねぇ!
とりあえず、他のことからやるぞ。
と、意気込んでみたものの、何からやるべきか。
ふと、マリンの足元に視線を落とす。
うん、まずはマリンの靴が必要だな。
ワンピース1枚なのも良くないし、服も買いに行くか。あとは――ッ!!
ある事に気づいてしまった俺は、固唾を飲み込む。
「ま、ママママママリンさん?」
「は、はい? どうしました?」
俺のキョドリっぷりに、マリンが少し驚く。
「これからさ、マリンの靴とか服を買いに行こうと思うんだけど」
「いいんですか?!」
マリンが両手を胸の前で合わせて、目を輝かせる。
「そ、それでさ。その……ブ……ブ……ジャー」
「すみません。よく聞こえなかったのでもう一度言ってもらえますか?」
「ブラジャー! とパンツ! もほしいぃい?!」
力み過ぎて最後声が裏返った。
「あ……あう……はい、お願いします……」
マリンが顔を耳まで真っ赤にする。
それと同じくらい俺も赤面してしまう。
本当は、今ブラジャーをつけているのか、パンツを穿いているのか聞こうと思ったが、返答次第では理性が爆発しかねなかったのでやめておくことにした。
自然な流れでマリンが残っているが、オルガが保護してくれるんじゃないのか? 俺が面倒を見ろと?
……パートナー、か。
オルガが言っていた言葉を改めて咀嚼する。
マリンは俺のパートナーだと言っていた。マリン自身、俺のことを何故か慕っているし、命令に従う。 ……ああ、ダメだ。謎が多すぎる。
「悩み事ですか?」
マリンが首をかしげて、心配そうにこちらを見ている。
そんな些細な仕草にですら、ドキっとしてしまうのだから俺ってチョロイな。
「えっとさ、マリンって両親はどこに住んでるんだ?」
とにかく、マリンについてもっと知る必要があるだろう。
「…………」
え? その間は何? もしかしてこれ聞いちゃいけなかったやつ?
「両親は私が小さい頃に亡くなってしまいました」
いけなかったやつだあ!
「ごめん……嫌なこと思い出させちゃって」
「いいえ。もう昔のことですから」
「……それからもずっと一人だったの? 身寄りとかは?」
「いません。両親が死んでから私、ご主人様と会ったあの森の中で、ずっと一人で過ごしてきましたから」
あの森の中を一人で? にわかに信じがたいぞ。
例え上手いことモンスターとの遭遇を避け、食糧を調達できたとしても、身なり――特に髪が整いすぎているのは絶対におかしい。普通そんな環境にいたら髪なんてすぐボサボサになるはずだ。
冷静に考えられる環境になって、改めて考えてしまう。
俺はマリンを信用していいのか?
……うーん。
どーかなぁ。
いーのかなぁ。
……ああもう! メンドくせぇ!
こうやってウジウジ考えるのは性に合わねぇ!
とりあえず、他のことからやるぞ。
と、意気込んでみたものの、何からやるべきか。
ふと、マリンの足元に視線を落とす。
うん、まずはマリンの靴が必要だな。
ワンピース1枚なのも良くないし、服も買いに行くか。あとは――ッ!!
ある事に気づいてしまった俺は、固唾を飲み込む。
「ま、ママママママリンさん?」
「は、はい? どうしました?」
俺のキョドリっぷりに、マリンが少し驚く。
「これからさ、マリンの靴とか服を買いに行こうと思うんだけど」
「いいんですか?!」
マリンが両手を胸の前で合わせて、目を輝かせる。
「そ、それでさ。その……ブ……ブ……ジャー」
「すみません。よく聞こえなかったのでもう一度言ってもらえますか?」
「ブラジャー! とパンツ! もほしいぃい?!」
力み過ぎて最後声が裏返った。
「あ……あう……はい、お願いします……」
マリンが顔を耳まで真っ赤にする。
それと同じくらい俺も赤面してしまう。
本当は、今ブラジャーをつけているのか、パンツを穿いているのか聞こうと思ったが、返答次第では理性が爆発しかねなかったのでやめておくことにした。
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