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夜鷹編
ヘルム戦 その2
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ヘルムに勝つにはテレサとの共闘が不可欠。だが、一緒に戦うのはこれが初めてだ。こんなことなら、予め予行演習をしておくべきだった。
どうすればテレサというキャラを最大限活かすことができるのか。孤独な暗殺者がいきなり誰かに合わせるのは不可能だ。だから、俺がテレサに合わせるのが最も勝率が高い戦法だろう。
「ククク……いきがっていたのに、急に大人しくなったじゃないか。その黒い刃が報告にあった未知のスキルか。大層な威力のようだが、私によく見せてはくれないのかね?」
「だったら見せてあげるわよ。この武器の凄さをね!」
いや、テレサちゃんは威力知らないよな? いきなり安っぽい挑発に乗られると頭を抱えたくなるが、どちらにせよ攻撃を仕掛けないことには始まらない。
テレサがヘルムに向かっていく。俺は動かずシャドーデーモンを展開する。あれこれ指示するより、テレサの動きを見る。そこから始めなければいけない。
「……シュッ!」
勢いのままにテレサが黒い刃を伸ばす。ヘルムは紙一重の動作でそれを躱している。連撃をもってしてもすべて躱されている。鉄仮面の下は、きっと涼しい顔をしていることだろう。
風に揺れる黒衣の切れ端が、黒い刃に当たる。バチリと黒い稲妻が走り、一瞬にして消し飛ばす。ヘルムはその様子を凝視していた。視線をテレサから逸しても攻撃が当たらない自信があるのか……。
テレサは強い。素早さを活かし、フェイントを交えながも果敢に攻めている。短剣を小振りにすることで隙も小さいし、肘の曲げ伸ばしで距離感も掴みづらい。それでも相手にならないのは、ヘルムが強すぎるだけだ。
実力差を感じ取った俺は、冷や汗が流れるのを自覚した。
「単純に威力を上昇させるスキルか。素晴らしいものだと思うが、使い手がこのクズでは宝の持ち腐れだな」
楽な状態で避けることだけを行っていたヘルムが、とうとう構えた。
テレサも攻撃の手を緩めないものの、わずかながら動きが悪くなっている。これが疲労によるものなら問題はないのだが、テレサはヘルムの強さを俺以上に感じていることだろう。ゆえに、恐怖している。
「アイン……仲間と一緒なら勝てるなどと、幻想を抱いたか?」
実に淡々とした口調だった。テレサが返事をする前に、ヘルムの掌底が腹に打ち込まれた。
吹き飛ばされたテレサをシャドーデーモンでそれとなく守ったが、声をかけてやることはできない。自分の意志で立ち上がり、戦闘に復帰して貰わなければいけない……。
「やはりクズはクズだな。それで、お前は攻撃して来ないのか?」
ヘルムの視線が俺に向く。実に単純な挑発だ。気を抜くと後ずさりしたくなる。今の俺は一身上の都合で何の抵抗もできない。手の内を晒せば、勝率はグッと低くなる。せいぜい、時間を稼ぐことだけ。
「ヘルム、お前の強さはよく分かった。そっちこそ攻撃して来ないのか?」
「お前は面白いことを言うな。誘いに乗ってもいいが……おっと、タフなクズが居たものだ」
テレサが背後から攻撃を仕掛けたが、これも軽く躱されてしまう。モンクのスキルについては分からないことが多い。ほぼ完璧な奇襲を察知するのだから、何らかのスキルを持っているようだが……。
「テレサ、やつの背後を維持しろ。挟み撃ちだ。【ウィスパー】」
気は進まないが、そろそろ戦うしかない。まずは挟み撃ちで死角を増やし、余裕たっぷりのヘルムを泣かせてやる。
「挟み撃ち、か。ザコが考えそうな古い手だ。【ウィスパー】」
ヘルムはテレサに向き合う。つまり、俺よりテレサを警戒している。俺も背後に回り、少しでも相手のペースを乱すサポートをする。
(【シャドウバインド】)
テレサの攻撃に合わせて拘束スキルを使ったが、ヘルムの動きは止まらない。何事もなかったかのように黒い刃を躱しながら、的確に掌底を腹に打ち込み続けている。
(シャドウバインドが通じない!? ステータスの差がありすぎるのかっ)
殴られ続けるテレサを見つめる。シャドーデーモンでいくらかは掌底のダメージを緩和しているつもりだが、幾度となく血の飛沫を出している。どれだけ痛々しい姿だとしても、勝つためにはテレサに耐えて貰うしかない……。
(ちんたらしている暇はないか。次で決めるっ!)
これ以上、テレサを殴らせるわけにはいかない。地味な見た目とは裏腹に、破壊力のある掌底を封じてやる。踏み込めなければ、威力は出ない!
【ナイトスワンプ】でヘルムを沼に沈め――。
「――ふんっ!」
沼に沈むと思った瞬間、ヘルムが拳を叩きつけた。泥水と砂埃が舞い上がり、周囲に降り注ぐ。ヘルムは拳の一振りで沼を干上がらせた……。
(ナイトスワンプでさえも……っ)
呆然とした俺に、ヘルムが向き直る。本能で後ろに飛び引いたが、もう目の前まで距離を詰めて来ているっ!
(【フラッシュ】……ごほっ、あぁっ!?)
白い光の中で、腹に痛みが走った。続けて、背中に衝撃が来る。またしても吹き飛ばされた。
フラッシュの光は、網膜を焼くほど強烈なものだ。これは目を持たないシャドーデーモンでも一時的に視界を奪う。ヘルムがフラッシュを凌いだ様子を見ることはできなかったが、その方法は察しが付いた。
(もう、バレたのか……っ)
いくらヘルムが強かろうと、光速を超えられない。ただ、それを使うのは俺だ。使われると分かっていたら、対抗策はある。
片目を閉じる。右目が焼かれれば、左目で視界を確保する。たったそれだけのことでフラッシュの脅威は無効化されてしまう……。
「……強いやつだと聞いていたから、期待していたのだがな」
淡々と話す声色に、わずかに落胆とため息がある。こんなにも実力差があるなんて、夢にも思わなかった。
【ヒール】を自分に使ってやっとの思いで立ち上がったとき、テレサもまた地に伏していた。武器は手放していない。
黒い短剣の輝きは、希望の光だ。それがまだ消えてないなら、戦いは終わっていない……っ!
「ほぅ、まだ立つか。手加減をしすぎたようだな。【ウィスパー】」
掌底、突き上げ、叩き落とし……地面に足を付けることさえ許されず、一方的に攻撃される。痛みと衝撃で意識は途切れ、瞬時に呼び起こされる。地獄のような時間が続くなか、俺は必死に【ヒール】を唱え続けた。
「ふむ……しぶといな。勝ち目はないはずだが。まさか、生き残れるとでも思っているのか?」
本来ならば、マナ不足による吐き気で正気を保つのも難しい。それよりも強い痛みで感覚が鈍り、唱えられたのが不幸中の幸いだ。
「……生憎と、渋とさが持ち味なんでね……【ダークネス】」
恐怖を打ち消すルーティン。手を伸ばし、【ダークネス】を放とうとしたが、目にも留まらぬ速さではたき落とされ、腕がありえない方向に曲がった。
痛みに叫ぶ暇もない。ヘルムの拳が目の前に迫り……直前で止まった。
「そいつから……っ、離れろ……っ!」
満身創痍のテレサが、ヘルムの背中に、黒い刃を突き立てている。黒い稲妻が弾ける音がする……。
(そう……かっ、テレサちゃんが……助けてくれたのか……)
「……大した威力だ。だが、その程度の威力で、オリハルコンの鎧を抜けるとでも?」
ヘルムは健在だった。黒衣が消滅し、全貌が顕になる。全身は黒銀の鎧で覆われ、両腕には重厚なガントレットを装備している。これもまた、オリハルコンの輝きだった。
死神さえ倒した黒い刃なら、ヘルムの鎧も貫く……俺の願いは、無情にも砕け散った。オリハルコンの前には、ダークネスも通用しない。
それでも、俺は立ち上がる。テレサに死が迫っている。絶望している暇はない。
(カオスバインドッ!)
テレサに伸びた拳が、コンマ数秒だけ止まった。そのおかげで、テレサは初めてヘルムの攻撃を躱した……。
「……ほぉぅ、今のは、何だ? 先ほどの蜘蛛の巣が引っかかるような感覚ではない。この私を刹那とはいえ、止めるほど強力な拘束スキル……面白い!」
ヘルムが笑い出す。腹立たしいところだが、立て直す時間として使う。愛のマナポーションを飲み、自分とテレサを回復し、シャドーデーモンを召喚した。
戦いは、仕切り直しだ。
どうすればテレサというキャラを最大限活かすことができるのか。孤独な暗殺者がいきなり誰かに合わせるのは不可能だ。だから、俺がテレサに合わせるのが最も勝率が高い戦法だろう。
「ククク……いきがっていたのに、急に大人しくなったじゃないか。その黒い刃が報告にあった未知のスキルか。大層な威力のようだが、私によく見せてはくれないのかね?」
「だったら見せてあげるわよ。この武器の凄さをね!」
いや、テレサちゃんは威力知らないよな? いきなり安っぽい挑発に乗られると頭を抱えたくなるが、どちらにせよ攻撃を仕掛けないことには始まらない。
テレサがヘルムに向かっていく。俺は動かずシャドーデーモンを展開する。あれこれ指示するより、テレサの動きを見る。そこから始めなければいけない。
「……シュッ!」
勢いのままにテレサが黒い刃を伸ばす。ヘルムは紙一重の動作でそれを躱している。連撃をもってしてもすべて躱されている。鉄仮面の下は、きっと涼しい顔をしていることだろう。
風に揺れる黒衣の切れ端が、黒い刃に当たる。バチリと黒い稲妻が走り、一瞬にして消し飛ばす。ヘルムはその様子を凝視していた。視線をテレサから逸しても攻撃が当たらない自信があるのか……。
テレサは強い。素早さを活かし、フェイントを交えながも果敢に攻めている。短剣を小振りにすることで隙も小さいし、肘の曲げ伸ばしで距離感も掴みづらい。それでも相手にならないのは、ヘルムが強すぎるだけだ。
実力差を感じ取った俺は、冷や汗が流れるのを自覚した。
「単純に威力を上昇させるスキルか。素晴らしいものだと思うが、使い手がこのクズでは宝の持ち腐れだな」
楽な状態で避けることだけを行っていたヘルムが、とうとう構えた。
テレサも攻撃の手を緩めないものの、わずかながら動きが悪くなっている。これが疲労によるものなら問題はないのだが、テレサはヘルムの強さを俺以上に感じていることだろう。ゆえに、恐怖している。
「アイン……仲間と一緒なら勝てるなどと、幻想を抱いたか?」
実に淡々とした口調だった。テレサが返事をする前に、ヘルムの掌底が腹に打ち込まれた。
吹き飛ばされたテレサをシャドーデーモンでそれとなく守ったが、声をかけてやることはできない。自分の意志で立ち上がり、戦闘に復帰して貰わなければいけない……。
「やはりクズはクズだな。それで、お前は攻撃して来ないのか?」
ヘルムの視線が俺に向く。実に単純な挑発だ。気を抜くと後ずさりしたくなる。今の俺は一身上の都合で何の抵抗もできない。手の内を晒せば、勝率はグッと低くなる。せいぜい、時間を稼ぐことだけ。
「ヘルム、お前の強さはよく分かった。そっちこそ攻撃して来ないのか?」
「お前は面白いことを言うな。誘いに乗ってもいいが……おっと、タフなクズが居たものだ」
テレサが背後から攻撃を仕掛けたが、これも軽く躱されてしまう。モンクのスキルについては分からないことが多い。ほぼ完璧な奇襲を察知するのだから、何らかのスキルを持っているようだが……。
「テレサ、やつの背後を維持しろ。挟み撃ちだ。【ウィスパー】」
気は進まないが、そろそろ戦うしかない。まずは挟み撃ちで死角を増やし、余裕たっぷりのヘルムを泣かせてやる。
「挟み撃ち、か。ザコが考えそうな古い手だ。【ウィスパー】」
ヘルムはテレサに向き合う。つまり、俺よりテレサを警戒している。俺も背後に回り、少しでも相手のペースを乱すサポートをする。
(【シャドウバインド】)
テレサの攻撃に合わせて拘束スキルを使ったが、ヘルムの動きは止まらない。何事もなかったかのように黒い刃を躱しながら、的確に掌底を腹に打ち込み続けている。
(シャドウバインドが通じない!? ステータスの差がありすぎるのかっ)
殴られ続けるテレサを見つめる。シャドーデーモンでいくらかは掌底のダメージを緩和しているつもりだが、幾度となく血の飛沫を出している。どれだけ痛々しい姿だとしても、勝つためにはテレサに耐えて貰うしかない……。
(ちんたらしている暇はないか。次で決めるっ!)
これ以上、テレサを殴らせるわけにはいかない。地味な見た目とは裏腹に、破壊力のある掌底を封じてやる。踏み込めなければ、威力は出ない!
【ナイトスワンプ】でヘルムを沼に沈め――。
「――ふんっ!」
沼に沈むと思った瞬間、ヘルムが拳を叩きつけた。泥水と砂埃が舞い上がり、周囲に降り注ぐ。ヘルムは拳の一振りで沼を干上がらせた……。
(ナイトスワンプでさえも……っ)
呆然とした俺に、ヘルムが向き直る。本能で後ろに飛び引いたが、もう目の前まで距離を詰めて来ているっ!
(【フラッシュ】……ごほっ、あぁっ!?)
白い光の中で、腹に痛みが走った。続けて、背中に衝撃が来る。またしても吹き飛ばされた。
フラッシュの光は、網膜を焼くほど強烈なものだ。これは目を持たないシャドーデーモンでも一時的に視界を奪う。ヘルムがフラッシュを凌いだ様子を見ることはできなかったが、その方法は察しが付いた。
(もう、バレたのか……っ)
いくらヘルムが強かろうと、光速を超えられない。ただ、それを使うのは俺だ。使われると分かっていたら、対抗策はある。
片目を閉じる。右目が焼かれれば、左目で視界を確保する。たったそれだけのことでフラッシュの脅威は無効化されてしまう……。
「……強いやつだと聞いていたから、期待していたのだがな」
淡々と話す声色に、わずかに落胆とため息がある。こんなにも実力差があるなんて、夢にも思わなかった。
【ヒール】を自分に使ってやっとの思いで立ち上がったとき、テレサもまた地に伏していた。武器は手放していない。
黒い短剣の輝きは、希望の光だ。それがまだ消えてないなら、戦いは終わっていない……っ!
「ほぅ、まだ立つか。手加減をしすぎたようだな。【ウィスパー】」
掌底、突き上げ、叩き落とし……地面に足を付けることさえ許されず、一方的に攻撃される。痛みと衝撃で意識は途切れ、瞬時に呼び起こされる。地獄のような時間が続くなか、俺は必死に【ヒール】を唱え続けた。
「ふむ……しぶといな。勝ち目はないはずだが。まさか、生き残れるとでも思っているのか?」
本来ならば、マナ不足による吐き気で正気を保つのも難しい。それよりも強い痛みで感覚が鈍り、唱えられたのが不幸中の幸いだ。
「……生憎と、渋とさが持ち味なんでね……【ダークネス】」
恐怖を打ち消すルーティン。手を伸ばし、【ダークネス】を放とうとしたが、目にも留まらぬ速さではたき落とされ、腕がありえない方向に曲がった。
痛みに叫ぶ暇もない。ヘルムの拳が目の前に迫り……直前で止まった。
「そいつから……っ、離れろ……っ!」
満身創痍のテレサが、ヘルムの背中に、黒い刃を突き立てている。黒い稲妻が弾ける音がする……。
(そう……かっ、テレサちゃんが……助けてくれたのか……)
「……大した威力だ。だが、その程度の威力で、オリハルコンの鎧を抜けるとでも?」
ヘルムは健在だった。黒衣が消滅し、全貌が顕になる。全身は黒銀の鎧で覆われ、両腕には重厚なガントレットを装備している。これもまた、オリハルコンの輝きだった。
死神さえ倒した黒い刃なら、ヘルムの鎧も貫く……俺の願いは、無情にも砕け散った。オリハルコンの前には、ダークネスも通用しない。
それでも、俺は立ち上がる。テレサに死が迫っている。絶望している暇はない。
(カオスバインドッ!)
テレサに伸びた拳が、コンマ数秒だけ止まった。そのおかげで、テレサは初めてヘルムの攻撃を躱した……。
「……ほぉぅ、今のは、何だ? 先ほどの蜘蛛の巣が引っかかるような感覚ではない。この私を刹那とはいえ、止めるほど強力な拘束スキル……面白い!」
ヘルムが笑い出す。腹立たしいところだが、立て直す時間として使う。愛のマナポーションを飲み、自分とテレサを回復し、シャドーデーモンを召喚した。
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