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夜鷹編
正念場でクロノ死す
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暗殺者が襲ってくるとしたら夜だと思った俺は、北の森で罠を張って待ち構えていた。今日の戦いが、今後の生死を分ける……。
索敵と隠密に長けるレンジャー系の中でも、暗殺者は後ろ暗いことを速やかに実行するために、その手のスキルを重点的に取っているはず。そして、得物は短剣と飛び道具だ。
まず地形を把握し、なるべく障害物となる木が多い場所を選んだ。飛び道具を好き勝手に使わせないぞ作戦だ。知らぬ間に接近を許さないように、周囲に生活魔法を使って水を撒き、嫌でも足音が出るようにしたのだ。
「出てこいよ。そこに居るのは分かってるんだ」
声を出した方向とは全然違う場所から出てきた。ナイトメアに『うわぁ……』とか言われた。恥ずかしくて死にたい。やっぱり死にたくない。
「命が惜しいならその魔物を寄越せ」
焚き火の明かりに映し出されたのは、黒い仮面に、黒い服を着た人物だ。体格と声から男だと分かった。会話する意思があるなら俺も乗るしかない。
「悪いな。ナイトメアはサモン。渡したところでまた同じことになる」
嘘である。ナイトメアはサモンではなく、魂の契約スキル。ユニークスキルと呼ばれる類なので同様の魔物は恐らく居ない。
「ちっ、そういうことか。スキル名を教えろ。見逃してやる」
適当に教えたところで正解はない。ほんの少しの延命にしかならない。だから俺は、逆に聞き返す……。
「レアな魔物を奪って馬車に乗ったときは、どんな気分だった? ほくそ笑んだ? 年甲斐もなくはしゃいじゃった? 仲間とハイタッチした!?」
こんなの、煽るしかないじゃないか!
「き、貴様……っ」
「捕まえたはずのナイトメアが消えたときは、どんな気分だった? 慌てて探した? 苛立って怒鳴り散らしちゃった? 見つからなくて泣いちゃったとか!?」
『止めなよ。ぷるぷるしてるじゃないか』
「……そんなに死にたいなら殺してやるっ!」
いきなり戦闘開始である。黒い服は、闇に溶け込む。相手を撹乱させるにはうってつけだ。そこに暗殺者の素早さと隠密スキルが合わさり、目の前から姿が消えた!
「……そこだっ!」
剣を振り下ろすと、背後からガチりと鈍い音がした。また俺の感は外れたわけだが、無傷だから何の問題もない。
『心のライフはもうゼロよ!』
「……ちっ、見た目の割に固い」
「おんどりゃぁ! くそ……っ」
振り返ったときにはまた消えている。焚き火の明かりがまるで役に立たない。隠密スキルってやつは何でもありか。
「落ち着け、俺……どんなときでも平常心を忘れるな。心の目で見るんだ!」
どうせ見えないなら……やけくそになって目を閉じる。聴覚に集中すれば、きっと相手の足音が聞こえるはずだ!
『ねぇ、それ心の耳って言ったら?』
ナイトメアは今、全世界のバトルモノ主人公を敵に回した。だが安心して欲しい。俺はいつもお前の味方だ! 平常心を取り戻しすぎて集中力が途切れたとき……背後から声がした。
「【アサシンエッジ】」
バリアが砕けた。通常攻撃は防げても、攻撃スキルはダメらしい。それでもバリアのおかげでダメージは軽微。だが、痛みのあとに体に痺れを感じた。
「ぐっ……麻痺か……?」
今の俺は、ギルドに住み込み、資料を荒らして得た情報を元に作戦を立てている。攻撃と同時に状態異常を与えるスキルの存在を知っているがゆえに、刃に塗り込む古典的な方法を見落とした。
「【メディック】」
地面を蹴り上げてなるべく大きな音を出しながら、小声でスキルを使う。相手に聞こえていなければ反撃のチャンスとなるはずだが……。
「……お前、闇の魔術師じゃないのか?」
「カオスマスター・クロノ。それが俺の名前だ」
「カオスマスター・ブサイクロノ……」
『これ恥ずかしいから止めようよ!?』
同感である。これはちょっと若すぎる。悪ノリで受け入れられるレベルを超えている。
「光と闇の魔術師なんてレア中のレア。殺すつもりだったが、お前は捕えることにした。お礼に選ばせてやる。右腕と左腕、失うならどっちがいい?」
「答えは番組の後半でっ! 【ヒール】」
敵が闇に消える。いい加減にこのパターンを崩したい。心の耳はダメ、焚き火の明かりも役立たず。次の作戦は、博打だ。
燃え盛る焚き火くんことキャンプファイヤー一号の近くに陣取り、盾と剣を構えた。敵はどこから攻撃してくる? 俺はどっちを向けばいい? 右か、左か、それとも正面か。確実に当てるなら、左しかない!
「【アサシンエッジ】」
左を向いた瞬間……背後から、攻撃スキルが聞こえた。俺はダメージを覚悟で切り払う。俺の利き手は右。焚き火は左。障害物に当たることなく、三方向を同時に攻撃するにはこれしかなかったが、手応えはない。
「暗殺者の速さを舐めて貰っては困る。お前の攻撃は俺には当たらない」
「見てから回避余裕でしたってか? お前は、ミスを犯した」
「……何だと? ブサイクなりの強がりか?」
「お前は、俺を煽る最大のチャンスを失った。強がりかどうか、試してみな!」
「くだらん。腕を失い、泣き叫ぶがいい……」
また闇に消える。何度同じことを繰り返せば気が済むのか。これが暗殺者の基本戦法だとしても、退屈でいい加減に飽きた。背後から声が聞こえた瞬間、俺はスキルを唱える。
「【シャドーバインド】」
「ぐっ……こ、拘束スキルかっ」
今度こそ、俺の切り払いが当たった。刃には血が滴っている。決定打にはならなかったが、当たるならどうにでもなる。
「言い忘れてたが、俺は光と闇の魔術師じゃない。闇と光の魔術師だ!」
攻撃を当ててしまったので、相手からの返事がなくなった。ちょっと寂しいけれど、暗殺者としての全力を出してくれるなら構わない。
「いつまで隠れているんだ? 攻撃して来ないのか?」
大きな音がして振り返ったら、焚き火が崩れていた。火の勢いは弱まり、やがて消えた。真っ暗で何も見えない……。
「ひ、人が必死に作ったキャンプファイヤーを……男の夢を壊しやがったな。どこだ! どこに居る!? 姿を見せろ、この卑怯者がっ!」
めちゃくちゃに剣を振り回し、肩で息をする。相手の攻撃は、俺の息が整うまでに必ず来る。だからこのタイミングで、新スキルを唱える!
「【フラッシュ】」
「くそっ……目くらましか……っ」
まばゆい光が森を照らす。目を閉じているのに俺も眩しい。夜目が効く暗殺者には、さぞ強烈だろう……。
この隙に攻撃するつもりが、相手は後方に飛び引いていた。叩き切られるより、木にぶつかったほうがましだよね。俺だってそうするもん……。
「光は嫌いか? フラッ……ねぇ、使うと思った!? 目を閉じちゃった!? ビクってした!? その間抜け面を拝ませてくれよ! ねぇってば!」
「くっ……この……っ……くそがぁぁぁぁぁっ!」
「あっはっは! 俺の腕を飛ばすんじゃなかったのか? 健在ですけど? 傷一つありませんけどーっ!?」
俺はレア。誘拐して金にしたい。だったら俺は殺される心配はないわけで、そりゃあもう好き放題できるわけだ。
「お前は……っ……殺すっ! 金など知ったことか! 八つ裂きにしてやる!」
「やれるものならやってみろ。卑怯者のお前と違って、逃げも隠れもしない」
挑発に返答はなかった。敵は一向に姿を現さない。虫の音もない完全なる静寂が、耳鳴りを引き起こし、俺の集中力が乱れたとき……正面から声がした。
「その腕、貰うぞ! 【アサシンエッジ】」
声は四種類。お仲間の登場である。卑怯な暗殺者が一対一で戦うなど始めから思っていない。スキルの前に喋ったのも、注意を引きつける囮だ。そうなると、攻撃は俺を包囲する形で行われる。
「【ナイトスワンプ】」
対象は自分の足元だ。俺の体重なら、一瞬で沼に消える! 手を伸ばして足を掴み、沼に引きずり込んだ。その反動を使って地上に出た俺は、トドメの一撃を沼に向かってぶちかます!
「【ダークネス】」
軽装かつ機敏な動きを得意とする暗殺者は、脆い。恐らく二人を闇に葬ったことになる……。
「ククッ、クククッ……ハーッハッハッハ! 思っていたよりはるかに弱い! こんなことじゃ、俺は殺せないぞ?」
「て、撤退だ! こいつ、戦い慣れている!」
「おぉ、生きていたのか雑魚一号。俺の腕を取るんじゃなかったのか?」
俺の問いに答える者は居なかった。いくつもの葉擦れの音がしたので、木を飛び移りながら逃げたようだ。
「忍者かよ。あいつら何でもありだな……」
『相手も同じことを考えてるんじゃない? 隣の芝は青いのさ』
「せめて足跡くらい残して欲しかったなぁ。アジトが分からないじゃん」
『君が派手に煽らなければ、捕まったふりをして内部から破壊できたかもね』
「やだよ、そんなの怖いじゃん。あぁ、疲れた。対人戦なんてろくなもんじゃねえわ」
『初めてにしては上出来でしょ。目的のアサシンエッジを正面から受けることは出来なかったけど』
「それな。暗殺者ってズルくね? 男なら正面から向かって来いや!」
『裏口が悪人の正面玄関なのさ』
「ですよねー。新スキルを試せただけ良しとするかね……」
手加減して相手の実力を知る。命を賭けてまで得た情報としては納得しがたい。疲労感は色濃く、無事に目覚めることを祈りながら、眠りについた……。
【バリア】
スキルタイプ:アクティブ
消費MP:20
見えない障壁を張る。
【フラッシュ】
スキルタイプ:アクティブ
消費MP:5
聖なる光で周囲を照らす。
索敵と隠密に長けるレンジャー系の中でも、暗殺者は後ろ暗いことを速やかに実行するために、その手のスキルを重点的に取っているはず。そして、得物は短剣と飛び道具だ。
まず地形を把握し、なるべく障害物となる木が多い場所を選んだ。飛び道具を好き勝手に使わせないぞ作戦だ。知らぬ間に接近を許さないように、周囲に生活魔法を使って水を撒き、嫌でも足音が出るようにしたのだ。
「出てこいよ。そこに居るのは分かってるんだ」
声を出した方向とは全然違う場所から出てきた。ナイトメアに『うわぁ……』とか言われた。恥ずかしくて死にたい。やっぱり死にたくない。
「命が惜しいならその魔物を寄越せ」
焚き火の明かりに映し出されたのは、黒い仮面に、黒い服を着た人物だ。体格と声から男だと分かった。会話する意思があるなら俺も乗るしかない。
「悪いな。ナイトメアはサモン。渡したところでまた同じことになる」
嘘である。ナイトメアはサモンではなく、魂の契約スキル。ユニークスキルと呼ばれる類なので同様の魔物は恐らく居ない。
「ちっ、そういうことか。スキル名を教えろ。見逃してやる」
適当に教えたところで正解はない。ほんの少しの延命にしかならない。だから俺は、逆に聞き返す……。
「レアな魔物を奪って馬車に乗ったときは、どんな気分だった? ほくそ笑んだ? 年甲斐もなくはしゃいじゃった? 仲間とハイタッチした!?」
こんなの、煽るしかないじゃないか!
「き、貴様……っ」
「捕まえたはずのナイトメアが消えたときは、どんな気分だった? 慌てて探した? 苛立って怒鳴り散らしちゃった? 見つからなくて泣いちゃったとか!?」
『止めなよ。ぷるぷるしてるじゃないか』
「……そんなに死にたいなら殺してやるっ!」
いきなり戦闘開始である。黒い服は、闇に溶け込む。相手を撹乱させるにはうってつけだ。そこに暗殺者の素早さと隠密スキルが合わさり、目の前から姿が消えた!
「……そこだっ!」
剣を振り下ろすと、背後からガチりと鈍い音がした。また俺の感は外れたわけだが、無傷だから何の問題もない。
『心のライフはもうゼロよ!』
「……ちっ、見た目の割に固い」
「おんどりゃぁ! くそ……っ」
振り返ったときにはまた消えている。焚き火の明かりがまるで役に立たない。隠密スキルってやつは何でもありか。
「落ち着け、俺……どんなときでも平常心を忘れるな。心の目で見るんだ!」
どうせ見えないなら……やけくそになって目を閉じる。聴覚に集中すれば、きっと相手の足音が聞こえるはずだ!
『ねぇ、それ心の耳って言ったら?』
ナイトメアは今、全世界のバトルモノ主人公を敵に回した。だが安心して欲しい。俺はいつもお前の味方だ! 平常心を取り戻しすぎて集中力が途切れたとき……背後から声がした。
「【アサシンエッジ】」
バリアが砕けた。通常攻撃は防げても、攻撃スキルはダメらしい。それでもバリアのおかげでダメージは軽微。だが、痛みのあとに体に痺れを感じた。
「ぐっ……麻痺か……?」
今の俺は、ギルドに住み込み、資料を荒らして得た情報を元に作戦を立てている。攻撃と同時に状態異常を与えるスキルの存在を知っているがゆえに、刃に塗り込む古典的な方法を見落とした。
「【メディック】」
地面を蹴り上げてなるべく大きな音を出しながら、小声でスキルを使う。相手に聞こえていなければ反撃のチャンスとなるはずだが……。
「……お前、闇の魔術師じゃないのか?」
「カオスマスター・クロノ。それが俺の名前だ」
「カオスマスター・ブサイクロノ……」
『これ恥ずかしいから止めようよ!?』
同感である。これはちょっと若すぎる。悪ノリで受け入れられるレベルを超えている。
「光と闇の魔術師なんてレア中のレア。殺すつもりだったが、お前は捕えることにした。お礼に選ばせてやる。右腕と左腕、失うならどっちがいい?」
「答えは番組の後半でっ! 【ヒール】」
敵が闇に消える。いい加減にこのパターンを崩したい。心の耳はダメ、焚き火の明かりも役立たず。次の作戦は、博打だ。
燃え盛る焚き火くんことキャンプファイヤー一号の近くに陣取り、盾と剣を構えた。敵はどこから攻撃してくる? 俺はどっちを向けばいい? 右か、左か、それとも正面か。確実に当てるなら、左しかない!
「【アサシンエッジ】」
左を向いた瞬間……背後から、攻撃スキルが聞こえた。俺はダメージを覚悟で切り払う。俺の利き手は右。焚き火は左。障害物に当たることなく、三方向を同時に攻撃するにはこれしかなかったが、手応えはない。
「暗殺者の速さを舐めて貰っては困る。お前の攻撃は俺には当たらない」
「見てから回避余裕でしたってか? お前は、ミスを犯した」
「……何だと? ブサイクなりの強がりか?」
「お前は、俺を煽る最大のチャンスを失った。強がりかどうか、試してみな!」
「くだらん。腕を失い、泣き叫ぶがいい……」
また闇に消える。何度同じことを繰り返せば気が済むのか。これが暗殺者の基本戦法だとしても、退屈でいい加減に飽きた。背後から声が聞こえた瞬間、俺はスキルを唱える。
「【シャドーバインド】」
「ぐっ……こ、拘束スキルかっ」
今度こそ、俺の切り払いが当たった。刃には血が滴っている。決定打にはならなかったが、当たるならどうにでもなる。
「言い忘れてたが、俺は光と闇の魔術師じゃない。闇と光の魔術師だ!」
攻撃を当ててしまったので、相手からの返事がなくなった。ちょっと寂しいけれど、暗殺者としての全力を出してくれるなら構わない。
「いつまで隠れているんだ? 攻撃して来ないのか?」
大きな音がして振り返ったら、焚き火が崩れていた。火の勢いは弱まり、やがて消えた。真っ暗で何も見えない……。
「ひ、人が必死に作ったキャンプファイヤーを……男の夢を壊しやがったな。どこだ! どこに居る!? 姿を見せろ、この卑怯者がっ!」
めちゃくちゃに剣を振り回し、肩で息をする。相手の攻撃は、俺の息が整うまでに必ず来る。だからこのタイミングで、新スキルを唱える!
「【フラッシュ】」
「くそっ……目くらましか……っ」
まばゆい光が森を照らす。目を閉じているのに俺も眩しい。夜目が効く暗殺者には、さぞ強烈だろう……。
この隙に攻撃するつもりが、相手は後方に飛び引いていた。叩き切られるより、木にぶつかったほうがましだよね。俺だってそうするもん……。
「光は嫌いか? フラッ……ねぇ、使うと思った!? 目を閉じちゃった!? ビクってした!? その間抜け面を拝ませてくれよ! ねぇってば!」
「くっ……この……っ……くそがぁぁぁぁぁっ!」
「あっはっは! 俺の腕を飛ばすんじゃなかったのか? 健在ですけど? 傷一つありませんけどーっ!?」
俺はレア。誘拐して金にしたい。だったら俺は殺される心配はないわけで、そりゃあもう好き放題できるわけだ。
「お前は……っ……殺すっ! 金など知ったことか! 八つ裂きにしてやる!」
「やれるものならやってみろ。卑怯者のお前と違って、逃げも隠れもしない」
挑発に返答はなかった。敵は一向に姿を現さない。虫の音もない完全なる静寂が、耳鳴りを引き起こし、俺の集中力が乱れたとき……正面から声がした。
「その腕、貰うぞ! 【アサシンエッジ】」
声は四種類。お仲間の登場である。卑怯な暗殺者が一対一で戦うなど始めから思っていない。スキルの前に喋ったのも、注意を引きつける囮だ。そうなると、攻撃は俺を包囲する形で行われる。
「【ナイトスワンプ】」
対象は自分の足元だ。俺の体重なら、一瞬で沼に消える! 手を伸ばして足を掴み、沼に引きずり込んだ。その反動を使って地上に出た俺は、トドメの一撃を沼に向かってぶちかます!
「【ダークネス】」
軽装かつ機敏な動きを得意とする暗殺者は、脆い。恐らく二人を闇に葬ったことになる……。
「ククッ、クククッ……ハーッハッハッハ! 思っていたよりはるかに弱い! こんなことじゃ、俺は殺せないぞ?」
「て、撤退だ! こいつ、戦い慣れている!」
「おぉ、生きていたのか雑魚一号。俺の腕を取るんじゃなかったのか?」
俺の問いに答える者は居なかった。いくつもの葉擦れの音がしたので、木を飛び移りながら逃げたようだ。
「忍者かよ。あいつら何でもありだな……」
『相手も同じことを考えてるんじゃない? 隣の芝は青いのさ』
「せめて足跡くらい残して欲しかったなぁ。アジトが分からないじゃん」
『君が派手に煽らなければ、捕まったふりをして内部から破壊できたかもね』
「やだよ、そんなの怖いじゃん。あぁ、疲れた。対人戦なんてろくなもんじゃねえわ」
『初めてにしては上出来でしょ。目的のアサシンエッジを正面から受けることは出来なかったけど』
「それな。暗殺者ってズルくね? 男なら正面から向かって来いや!」
『裏口が悪人の正面玄関なのさ』
「ですよねー。新スキルを試せただけ良しとするかね……」
手加減して相手の実力を知る。命を賭けてまで得た情報としては納得しがたい。疲労感は色濃く、無事に目覚めることを祈りながら、眠りについた……。
【バリア】
スキルタイプ:アクティブ
消費MP:20
見えない障壁を張る。
【フラッシュ】
スキルタイプ:アクティブ
消費MP:5
聖なる光で周囲を照らす。
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