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下手くそすぎてクロノ死す #1

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「それじゃ、よろしくね」


 建付けの悪い扉を閉めて、心のネクタイを解く。二人きりになったからといって、飛びかかったりしない。おじさんはサービスを受けに来たのだ。


(見せて貰おうか。異世界の娼婦の実力とやらを)


 改めてミラちゃんを視姦しよう。衣服はくすんだ色の薄いワンピース。肩甲骨まで伸びた金髪に、横に尖った小さい耳。ぱっちりおめめは透き通る緑色。そして、一番の特徴である低い身長……色々と犯罪臭をかもし出している。


(しかし合法。圧倒的な合法!)


 ミラちゃんが肩紐を外すと、ストンとワンピースが床に落ちる。白い足にはいくつか小さな痣があり、治りかけの擦り傷がある。見た目通り、活発な子なのだろう。しかし転んでも泣かないに違いない。だって大人だもん。


 合法のイカ腹に、ふくらみかけのおっぱい。決して大きいとは言えないが、横から覗き込むと、その曲線には芸術的で驚異的な魅力がある。控えめという激しい主張が、このおっぱいの価値を何倍にも押し上げているのだ。


(普通なら絶対に見られない期間限定おっぱい。得難い。これは得難い)


 全裸になったミラちゃんは、壁に手をついて尻を突き出す。未熟な体の中心に、主張するご立派な縦筋。開脚によって隙間から覗かせるさくら色を見て、しきりに頷いてしまう……いや、待て。気付くのが遅れたがパンツどこ行った!?

「ねぇ、パンツは? 穿いてなかったの?」

「今ちょっと切らしてまして……」

(切らしてるって何!?)

「そんなことより、おじさん、どうぞ」

「……どうぞ? おじさんは服を脱いだほうがいいのかな?」

「脱ぎたいなら脱いでいいですよ。はやくしたいかと思いまして」


 女体を見れば飛びかかるほどおじさんは若くない。服くらい脱がせてくれると思っていたら、まさかのセルフ。そういうお店のシステムなら分かるが、娼婦と一晩を過ごすのだからじっくりやってくれると思っていた。


 少しがっかりしながら服を脱ぎ、次のリアクションを待つ。しかし、ミラちゃんは尻を向けたまま動かない。


「……あの、しないんですか?」

(いきなり入れろと!?)


 予想外の発言に、心の中で悶絶する。サービスのサの字もない。


(なんというセルフサービス。安さの正体はこれか。おじさんがあと10年若かったらともかく、これじゃ等身大オナホと変わらないよ……)


「おじさんは長く楽しみたいタイプでねぇ。軽い前戯から始めないかい?」

「あー、前戯したい派でしたか!」

(派閥なんてあったのか……)

「そうなんだ。前戯したい派なんだよ。でも今日は仕事でくたくたでねぇ。ミラちゃんにサービスして貰いたいんだよねぇ。お願いしてもいいかな?」

「なるほど! 任せてください。まずは手で良い感じにしますよ!」


 人間、話せば分かるものである。怒りと悲しみでビンビンになった息子を、ミラちゃんが小さなおててで優しくしごいてくれ……優しすぎる。


(へ、へったくそだなぁ……)


 真剣そうな表情から、本人はいたって真面目にしてくれているのだろう。ちらりと見上げてくるときはドヤ顔すらある。実に腹が立つが、それがなかったら息子もくたっとしていたに違いない。


(……もうおじさんが仕込むか。それはそれで、得難い)


「ミラちゃん、しごくときはね、さきっぽの膨れ上がってる部分を重点的によろしくね。握る強さは、今の倍くらいでいいよ」

「そ、そっち派でしたか。分かりました!」


 もう突っ込まない。おまんまんに突っ込むそのときまで突っ込まない。無所属のお前がこっち派に来るんだよ。


「そうそう、上手だね。次は亀頭責めしてみようか。しごきながら、手のひらで亀頭を強めに撫でて。先走りをまとわせれば痛くないからね」

「は、はい。こうですか……?」


 にちゃにちゃと水音が響くと、やっと刺激らしい刺激を感じた。萎えかけていた息子も息を吹き返した。次のステップに誘導しよう。


「うんうん、上手だよ。次はキスしようか。それともNGかな?」

「乱暴なこと以外は何でもおっけーです。ちゅっちゅしましょう」


 身長差がありすぎるので、ミラちゃんは背伸びし、おじさんはかがんでどうにかキスが成立する。小さくてぷるんぷるんの唇に舌をねじ込むと、ミラちゃんの肩がびくりとはねた。


(おぉっと、逃さないよぉ)


 抱きかかえてガッチリホールド。宙吊りになったミラちゃんのことはお構いなしに、舌を絡ませ唾液をすする。ようやく成功した粘膜交渉をたっぷりと楽しんでから床に降ろした。


「おじさんとのキスは、どうだった?」

「はぁはぁ……す、凄かったです……」

「本当は舌を絡めるだけじゃなくて、口の中や歯茎を舐め回すんだけどね。慣れてないようだったから短くしておいたよ。唾液、ご馳走様でしたっと」

「も、もちろん知ってますよ。なかなかお上手ですね!」

「今度はミラちゃんからキスして貰おうかな。キスのうまさが、嬢の実力みたいなものさ。ミラちゃんの本気のキス、楽しみだねぇ」


 ベットに腰掛けてミラちゃんを手招きする。これなら疲れずにキスできる。身長の背伸びではなく、女としての背伸びを見せて貰おうじゃないか。


 ミラちゃんの小さな唇がおじさんの唇に当たる。遠慮がちに侵入してきた舌を迎え入れ、あえて吸ったりせずに自主性に委ねると、熱く小さな舌が絡みついてきた。手本を見せたのがいい結果につながったようだ。


 ただ、その先のことは忘れてしまったらしい。小さな舌を吸い立てて、こちらから執拗に絡めると、徐々に力が失われていく。そのタイミングを見逃さず、ミラちゃんの口内におじさんの舌をねじ込む。


「んっ、んんっ……」


 舌の抵抗が弱まればフリータイムだ。歯茎や口内を舌先で擦り上げ、強制的に唾液を排出させる。口の端からこぼれるほど溜まったら、飲み込む。それを繰り返していると、ミラちゃんの瞳がとろけきっていた。


 しかし、俺はサービスを受けに来た身。無抵抗な舌先を弾くように擦りながら、少しずつ自分の口内へと戻していく。これは誘いだ。おじさんの思惑通り、ミラちゃんの舌がおじさんの舌を追って口内へと入ってくる。


 良いキスは理性を奪い、時間を忘れさせる。自分から小さな体を押し付けてきているとも知らず、夢中で舌を絡め、おじさんの唾液を飲んでくれるミラちゃんも可愛いが、次のサービスへと誘導しよう。


「なかなか良かったよぉ。次は、キスしながら手コキをお願いね」

「はぁはぁ……ふぁい……」


 ディープキスと手コキの合わせ技は、相乗効果によって強い幸福感を得られる。頭がぼーっとしているうちに射精していることもあるほど、好みのプレイではあるが、ミラちゃんではぎこちなさが抜けていない。まだ早かったようだ。


「今度は、おじさんの太ももにまたがってくれる? お股を擦り付けながらキスしてみて。きっとミラちゃんも気持ちよくなれるよ」


 キスによる快楽と、女が自分の足でオナニーをしているという満足感は、前戯ならではの楽しみ方だ。息子に刺激を与えずとも、高ぶりも維持されやすい。可愛い顔が快楽に歪むのも嬉しい要素だった。


「はぁ、はぁ……おじさん……つぎ、どうしたら……」

「おっぱい舐めていいかな? きれいな色だし、ずっと舐めたかったんだ」


 返事を待たず、顔を埋めるようにして胸に吸い付く。前戯の効果ですっかり充血した乳首を舌で転がしながら、反対側は指で軽く挟んでこね回す。小さいおっぱいでも柔らかく、なめらかな触り心地は安らぎを感じさせてくれる。


「んっ……おじっ、さん……っ」

「もうちょっと。もう少しだけ、ね?」


 その後もしばらく舐め続け、限界まで育てた。小さな丘にそそりたつ、濡れ光ったさくら色の乳首に頬ずりしたあと、お別れである。


「おじさん……もう……そろそろ……っ」


 丁寧な前戯が実を結び、割れ目から溢れた愛液が内ももを伝っている。本当なら指先で中の感触を確かめたいところだが、おねだりされてしまっては仕方がない。壁に手をつかせ、未熟な尻を向けさせる。


「とってもきれいな色をしてるねぇ。もしかして処女じゃないよね?」

「大丈夫です……経験済みですからっ、早く……っ」


 非処女なのは好都合である。処女はまじで面倒くさい。小さな穴に入る保証も出来たところで、再びのお預けタイム。尻を掴みながら親指で割れ目を横にを広げ、顔を近づけて胸いっぱいに匂いを嗅ぐ。


(……んっ? 薬草みたいな匂い。亜人って変わってるなぁ)


 ひくついた膣口から愛液を舐め取り、ふっくらとした陰核に擦り付ける。あとは執拗に舐め続けた。


「あっ、おじっ、さん……それっ、だめっ……」


 ダメとは許可に他ならない。程よい酸味と塩気を味わいながら、絶頂を迎えるそのときまで舌の動きを緩めない。


「ほんとにっ、だめ……そんなに……舐められた、らっ……んんーっ!」


 痙攣する体をしっかり掴んで支えていると、『あっ……』と情けない声が漏れた。その直後、膣口よりも小さな穴から漏れ出た温かい黄金水が、おじさんの足を濡らす。大きく鼻で息を吸って、アンモニア臭を堪能した。


「はぁ、はぁ……ダメって言ったのに……ごめんなさい……」

「いいんだよ。おじさんが悪かったね。これはお詫びが必要だね」


 内股を伝う黄金水の名残を、舌を這わせてすくい取りながら遡っていく。


「そっ、そんなの舐めちゃダメですよっ!」


 どうも罪悪感があるらしい。ミラちゃんの気持ちが萎えないように陰核を舐めてすけべな心を取り戻してあげた。


「美味しかったよぉ。おじさんはねぇ、恥ずかしがってる表情が大好きなんだ。だから気にしてないし、むしろ嬉しいねぇ。さて、クリイキも済んだようだし、そろそろ本番にしよっか」

「うぅ……おじさんがそう言うなら……いいですけど……」


 だらだらになった先走りと愛液を息子にたっぷりと絡ませて、ぐっと腰を押し出すと、狭いながらもすんなりと入っていった。


「ミラちゃんの合法ロリまんまん、とって熱くてキツキツで気持ちいいねぇ。奥の奥まで愛液でとろっとろだし、待たせすぎちゃったかなぁ?」

「んっ……そんなことっ、ないですよ……っ」

「そっかぁ。それじゃ、最後までたっぷり楽しませて貰うねぇ」


 まずは腰を上下に揺らし、キツキツのおまんまんを広げる。愛液が息子の根本まで馴染んだところで、ゆっくりと動き始める。


「あっ、んっ……おじさんっ、どうですか……ぁっ」

「うんうん、凄く良いよ。少し浅いけど子宮口とちゅっちゅできるし、引き抜くときは膣壁が亀頭を擦り上げてくれてるよ」


 だがしかし、何度も言うが俺はサービスを受けに来たのだ。ただ腰を振るだけでは、やはり等身大オナホと変わらない。軽く褒めたところで、次の要求だ。


「ミラちゃん、おじさんの腰の動きに合わせてみて。おじさんが突き入れたときに、お尻を打ち付ける感じだよ」

「んっ……分かりまっ……あんっ!」

「おやおや、えっちな声が出ちゃったね。お互いに動きを合わせると、とっても気持ちよくなれるんだよぉ」

「はっ、あぁっ! はいっ、これ……これっ! 凄いっ、です……っ!」

「うんうん、その調子だよ。腰に角度を付けて、自分で気持ちいいところも探ってごらん」


 おじさんも角度を微妙に変えて、反応の良いところを探る。ミラちゃんはまだ体が出来上がっていないようで、子宮口を責め続けるより、突き上げるようにするのがお気に入りのようだった。


「あっ、あっ、あぁっ! おじさん……もう……っ!」

「イくときは、ちゃんとイクって言うんだよっ!」

「はいっ、はい……っ! イっ、イク……イクっっっ!」


 ミラちゃんの小さな体が痙攣すると同時に、膣内がぎゅーっと締まる。おじさんも亀頭を子宮口に擦り付けながら、溜まっていた精液を遠慮なく注ぎ込んだ。我慢の果てに得られた強烈な快楽に、脳が痺れてしまう。


「……ふぅー、合法ロリまんまん最高だったよぉ。……あれ? ミラちゃん?」


 意識が飛んでしまったらしいミラちゃんをベッドまで運び、横に寝かせる。髪は乱れ、汗が滲んでいる。そして何より、広がった膣口から溢れてくる精液がとても魅力的だった。


「……んあっ、おじさん。私、気を失っちゃって……」

「良いんだよ。ミラちゃんには少しハードだったかもね」

「つ、疲れました……でも、凄く気持ちよかったです……」

「割と普通にしたつもりだけどねぇ。そうそう、気になったことがあるんだけど聞いてもいいかな?」

「うっ……な、何でしょうか……?」

「小人族のおまんまんって、薬草の香りがするものなのかい?」

「あっ、それは薬草を煎じた液体を塗り込んでいるからですよ」

「えっ? それまたどうして?」

「体が小さいので、男の人とサイズが合わなくて出血するんです。……あれ? でも今は出血してないですね」

(ピロートークでナチュラルにディスって来たね!?)

「おじさんのおちんちん、とっても大きかったから切れてると思ったのに。こんなの初めてです」


 うむ、許した。リップサービスも大事である。しかし、気になるのはミラちゃんとの最初のやり取りだ。いきなり尻を向けるとは……まさか。


「ねぇ、ミラちゃん。君は前戯をしないのかな?」

「……希望されたらするんですけど、膣の評判が一番良いんです!」


 努力とサービスの方向性が間違っている。中出ししておいてあれだが、本当に女なのかと疑うほどである。無知にしても周りに教えてくれる人も居ないのだろうか。


「うん。まぁ、前戯があれじゃあねぇ……」

「うぅ……実は下手だってよく言われます。頑張って前戯しても、もういいよって言われて、そのまま本番になったり……」


 そんなことは秒で分かった。俺に声をかけたのも、単純に売れ残ったから最後の手段だったということも察している。プロ根性はあるようだから、しっかりとした知識と経験があればそのうち人気が出るかもしれない。


「あの! おじさんとのえっち、凄く気持ち良かったです!」

「嬉しいこと言ってくれるねぇ。リップサービスは大事だからね。他のお客さんにも、嘘でもいいからちゃんと言うんだよ?」

「違うんです。ほ、本当に良くて……仕事だってこと忘れちゃって……だから、その……私に男性が喜ぶテクニックを教えてください!」

「構わないよ。今日やったことは、ごく一部だからねぇ」


 他の娼婦を抱くことも諦めてないが、対抗策を見つけるまでは、ミラちゃんのお世話になることもあるだろう。そんなわけで仕込むつもりではいた。


 ロリに仕込みか。これはこれで、得難い。


「ありがとうございます! お代は無料で結構ですので!」

「ミラちゃん、自分を安売りしてはいけないよ。お代はしっかり払う」

「でもでも、教えてくださるのにお金なんて……」

「その考えは、捨てよう。おじさんがお金を払い、ミラちゃんの一晩を買う。そして、おじさんが満足出来るようにテクニックを仕込むんだ。だからミラちゃんは、おじさんにこう言うべきなんだよ」

「私の体にすけべを仕込ませてあげる……?」

(うむ、実に良い響きだ。俺の中で価値が高まってきたぞ)


 正直なところ、従順な子はあまりタイプではない。予想外のサービスで良い意味で裏切られたい。とはいえ、基礎がなければ発展はない。


 エッチに自信を付けさせれば、小生意気な一面が見えてくるかもしれない。そうなったらいいな。


「そうだ、すっかり忘れてた。【ヒール】【メディック】」


 自分とミラちゃんにスキルを使う。ヒールはおまけだ。


「わっ、おじさん! 聖職者だったんですかっ!?」

「いや、ただのすけべな光の魔術師だよ」


 何故か尊敬の眼差しを向けられている。聖職者のくせに娼婦を買うなんて悪い人……くらい言って欲しいものである。


「治療費! お支払いしますからっ!」

「や、止めて! そういうの本当にいいから!」

「ま、まさか……人々を無料で癒す伝説のっ――」

(そんなの居たんかーい!)


 誤解を解くのに時間がかかり、2回戦など出来る雰囲気ではなかった……。




 あとがき


2019/04/25 一部内容を変更しました。
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