15 / 27
『悪いのは私じゃない』の初稿
しおりを挟むシャルルの部屋の前で、しばらく呆然としていた。
考えてみれば、本人からは男だと言われた事は無い。
シャルルは男性に付ける名前だが、女性に付けては駄目だという法は無い、多分。
僕と言う一人称だって、王都では使ってる女性も見たことがある。
俺とか、ワシとか使ってる女性だっていた。
17歳でスリムな身体付きだが、女性だと分かればなぜ男だと思っていたのかと、自分を殴りたくなる。
ちゃんと丸みをおびた優しい身体だったのだ。
ふたつの膨らみはささやかだったが。
いや、膨らみの事は忘れよう。
これ以上突き詰めて考えては不味い事だった。
そう、彼女は女性だった。
可愛いと思っていた弟が、女性、、、妹だった?
妹、、、本当に妹?
俺はうずくまって、頭を抱えるのだった。
もう二度と顔を見せてくれないかと思ったが、夜には部屋から出てきてくれた。
「シャルル!
さっきはごめん。
俺が勝手に男の子だと思い込んでた。
君は一度も性別の話はしなかったのに。」
「別に男でも良い。
その方がお互い都合が良いでしょう。」
「都合が良い?
なんでだ?」
「同性の方が気兼ねしないでしょう。
こんな所に住んでいるんだから、男に思われていた方が安心だし。」
「シャルル、やっぱり俺と一緒に行こう。
女の子ならば、余計に一人では置いておけない。」
「ほうっておいて。
あなたは通りすがりの、ただの他人。
もう、私に係わらないで。」
シャルル、、、。
気まずい雰囲気のまま、そろろ旅に出なければならない時期がやってきた。
祖母殿はまだ帰らない。
このまま本当に、彼女をひとりで置いて行くのだろうか。
俺には彼女を説得する事が出来ない。
とても、無力だった。
考えてみれば、本人からは男だと言われた事は無い。
シャルルは男性に付ける名前だが、女性に付けては駄目だという法は無い、多分。
僕と言う一人称だって、王都では使ってる女性も見たことがある。
俺とか、ワシとか使ってる女性だっていた。
17歳でスリムな身体付きだが、女性だと分かればなぜ男だと思っていたのかと、自分を殴りたくなる。
ちゃんと丸みをおびた優しい身体だったのだ。
ふたつの膨らみはささやかだったが。
いや、膨らみの事は忘れよう。
これ以上突き詰めて考えては不味い事だった。
そう、彼女は女性だった。
可愛いと思っていた弟が、女性、、、妹だった?
妹、、、本当に妹?
俺はうずくまって、頭を抱えるのだった。
もう二度と顔を見せてくれないかと思ったが、夜には部屋から出てきてくれた。
「シャルル!
さっきはごめん。
俺が勝手に男の子だと思い込んでた。
君は一度も性別の話はしなかったのに。」
「別に男でも良い。
その方がお互い都合が良いでしょう。」
「都合が良い?
なんでだ?」
「同性の方が気兼ねしないでしょう。
こんな所に住んでいるんだから、男に思われていた方が安心だし。」
「シャルル、やっぱり俺と一緒に行こう。
女の子ならば、余計に一人では置いておけない。」
「ほうっておいて。
あなたは通りすがりの、ただの他人。
もう、私に係わらないで。」
シャルル、、、。
気まずい雰囲気のまま、そろろ旅に出なければならない時期がやってきた。
祖母殿はまだ帰らない。
このまま本当に、彼女をひとりで置いて行くのだろうか。
俺には彼女を説得する事が出来ない。
とても、無力だった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

架空戦記の書き方(雑談もするよ!)
ypaaaaaaa
エッセイ・ノンフィクション
初投稿からかれこれ1年半が経ちました。
駄文でありながらこれほど多くの人にお読みいただき感激です。
さて、今回は”架空戦記の書き方”について自分なりの私見で書いていこうと思います。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【作家日記】小説とシナリオのはざまで……【三文ライターの底辺から這い上がる記録】
タカハシU太
エッセイ・ノンフィクション
書けえっ!! 書けっ!! 書けーっ!! 書けーっ!!
*
エッセイ? 日記? ただのボヤキかもしれません。
『【作家日記】小説とシナリオのはざまで……【三文ライターの底辺から這い上がる記録】』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる