吉田定理の小説以外

赤崎火凛(吉田定理)

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500文字掌編『女子高生』の初稿

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すでに公開してある500文字の掌編『女子高生』の初稿です。

完成稿はこちら⇒ https://www.alphapolis.co.jp/novel/105216602/612720785


コンセプトは最初から変わらないですが、初稿の文章、構成は完成稿とぜんぜん違います。
文字数も500文字以内におさまっていないです。
つまり、全部書き直ししています。


ーーーーーーーーーー以下は500文字の掌編『女子高生』の初稿ーーーーーーーーーーーーーーー


女子高生

 女子高生になってみたくて、未経験ながら履歴書を送った。俺みたいな30過ぎの男が、女子高生としてやっていけるのかという不安はあったが、あっさりと面接の日時が決まった。「女子高生検定に合格したのが10年前ですか」「はい、本当は新卒で女子高生になりたかったのですが、募集がなく」「まあ、とりあえずやってみましょうか」そして俺は二週間後には女子高生としてデビューした。緊張はしたが、ベテラン女子高生の先輩にアドバイスをもらったおかげで自信を持ってやり遂げることができたのだ。
 あれから四年。俺はここでは中堅女子高生として、それなりに重要な仕事も任されるようになった。新人の女子高生の研修を担当するときは、右も左も分からなかったあの頃を思い出す。「わたし、大学で女子高生の資格を取ったんですが、現場の経験がなくて……」「大丈夫ですよ。俺も他の業界から未経験の女子高生として入社したんですが、なんとかなりました」
 しかし最近は、最前線で女子高生として任務に当たる日は少なくなり、他の女子高生たちを管理したり、事務作業をしたりすることが多くなった。そういう業務が嫌いなわけじゃないが、夜遅く車を走らせているとき、ふと、自分はどうして女子高生になったのだろうか、と考えてしまう。俺がやりたかった女子高生って、これなのか? 「女子高生をしております、田中と申します」新たな取引先の偉い人に、そう言って名刺を差し出すとき、その肩書きの噓臭さを胸の内で自嘲的に笑う俺がいる。
 もうすぐ女子高生歴5年。それでも俺は、まだ女子高生を続けてみようと思う。
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