上 下
3 / 5

3、妖精の里

しおりを挟む
まずい長生きしてるあるあるが飛び出してしまって
かなりの時間話してしまった。

「あの…この里に住む妖精達って一体何人ぐらい居るのですか?
 実は、この里って日差しが少なくて妖精達も寒いと思うので
 マフラーを作ってあげたいなぁと…」

「まぁ谷を直して頂いたのにマフラーまでありがとうございます。
 ざっと5千程ですかね?おほほ…」

「5千ですか?!多いですね!がんばります!」


5千か…多いな
まぁぎりぎり材料は、足りるし頑張ろう


とりあえず徹夜して5千作ったけど
皆にどうやって渡そう…また女王陛下にお願いしたら確実だけど
せっかくなら渡してあげたいな。

ぶーん

「なぁ何してる。それマフラーか妖精用の」

あっあの態度の妖精だ
こいつにお願いして連れて行って貰ったらいけるかも

「ねぇ貴方。妖精にこれを渡したいの妖精の里案内してくれない?」

「まあいいよ。僕も暇してたから」

「ありがとう」

妖精の里は、女王が歩きやすい様に道や家など人サイズの大きさだ。
私は、子どもサイズなどで少し大きい様に感じるけど妖精サイズだと逆に入れないからこっちでよかった。

一軒一軒里を周り沢山の妖精にマフラーを渡した。
皆マフラーを見るととても喜んだ。中には、家宝にする!と言ってる妖精も居たような。

家に帰ってくると渡たし忘れていた妖精が居る事に忘れている事に気づいた。すぐさま振り返りマフラーをかけてあげた。

ユリアズは、驚いたと思うと顔が真っ赤になって固まってしまった。
まさかこの状態で風邪を引いたのかも知れない。
すぐに暖炉の目の前に来てもらおう思い触ろうとすると、何も言わずにものすごいスピードで帰っていった。

次の日から私の部屋からでずにちゃんとしたお世話係の仕事をしてくれている様だ。
しかし一向に目を合わせてくれようとしない。
ようやく仲良くなれたと思ったのに。


それから数日後。私は、また旅を再開するために里を出た。


◆◇◆◇◆


それからの2日間、昔借りていた家の中でデザインを考えていた。 ソフィアは、苺ミルク見たいな髪のふわふわウェーブでアメジストの様な瞳。まるでどこかのお姫様の様な恵まれた容姿だ。

なので、彼女の体型に合うプリンセスドレスにしてみようと思う。
それから裾に妖精の里でしか咲かない花。別名、妖精花のデザインをしたレースを着けようと思う。またこのまま順調に行けば式は、春の始めにあるからまだ少し肌寒いかと思い長袖にして背中が少し露出するデザインにした。

さっそく妖精さん達を呼び、完成された純白の生地でドレスを作り始めた。
この妖精さん達には、後から妖精さん用の服を作ってあげよう、一人一人特注で作るからかなり骨が折れるがこんな綺麗な物を作ってもらうのだからしょうがない。


数日後、ドレスが完成した。

純白の美しいドレスは、妖精の加護が掛かっている様でキラキラして居る。ベールには、ドレスの裾にあるレースに似たデザインの物にした。ブーケには、リボンでラッピングされた妖精花の花束にした。


完成を伝える為と早く人間の花嫁を迎えろと忠告に行くためルミアズの元へ行った。ルミアズは、庭に居るようだった。

「ルミアズ~」

「ロシェ。ドレスは、完成したのかい?」

「えぇ完成したわ。
 それと貴方が全然人間の花嫁を迎え入れないって
 妖精達がとても心配してたのよ。
 早く人間の花嫁を迎え入れて妖精達を安心させてあげて頂戴!」

「それは、出来ないよ。だって僕には、心に決めた人がいるから」

「だれ?」

「それは、まだ秘密。」

「へぇ~。一つ聞いておくけど人間よね?」

「人間に分類される。」

「そう。それじゃ私帰るわね!」

ルミアズの心に決めた人かぁ。かわいいだろうな。
とりあえず帰ってソフィアにドレスを渡さなきゃね!


それから私は、多数の妖精達に別れを惜しまれながらも帰ってきた。

すぐには、家に帰らずドレスを持ってソフィアが住む集落の真ん中にある館へやって来た。


私を見たソフィアは、心配した様子で
「どこ行ってたのぉ!嫌われたと思っちゃったじゃない!」
と泣きながら抱き着かれた。

こんなに心配されてしまったならば。
ちゃんと伝えてから行ったほうが良かった。

ソフィアに今までの事を伝えると泣き止んでくれた。
それからドレスを着るように勧めた。

ドレスを着たソフィアは、お花の国のお姫様の様な美しさでとても可愛かった。こんなにかわいくなるのなら作ったかいがある。


それから一週間後、結婚式が行われた。
花が咲き誇る庭園で永遠の愛を誓いあった二人は、幸せそうでこの村の繁栄を願いながら祈っていた。

さすがにいつも黒い服しか着ていない私も「今回だけは、」と蒼いドレスを着ることにした。

予想以上の沢山の招待客が居て最終的には、お祭りと化していた。
まぁそれも案外悪くも無いな。


それから私の噂などを聞いた人々がたくさん移住してきた。
ソフィアは、持ち前の明るさで皆をまとめ、
夫であるヴィクターと共に国を作った。
それは、それは、とても大きな国で他の国から恐れられるほどの。

きっとこのクレアント王国は、私がいる限り簡単に滅びないだろう
なんてたってこの世界で一番の魔女が居るのだから。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

はらぺこテーラー

藤和
ファンタジー
昔々有るところに仕立て屋を営む三兄弟が居ました。 長男のカミーユが仕立てを。 次男のギュスターヴが接客を。 三男のアルフォンスが家事一般を。 これは三人で支え合いながら生活する或る庶民のお話。

問い・その極悪令嬢は本当に有罪だったのか。

風和ふわ
ファンタジー
三日前、とある女子生徒が通称「極悪令嬢」のアース・クリスタに毒殺されようとした。 噂によると、極悪令嬢アースはその女生徒の美貌と才能を妬んで毒殺を企んだらしい。 そこで、極悪令嬢を退学させるか否か、生徒会で決定することになった。 生徒会のほぼ全員が極悪令嬢の有罪を疑わなかった。しかし── 「ちょっといいかな。これらの証拠にはどれも矛盾があるように見えるんだけど」 一人だけ。生徒会長のウラヌスだけが、そう主張した。 そこで生徒会は改めて証拠を見直し、今回の毒殺事件についてウラヌスを中心として話し合っていく──。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

忌むべき番

藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」 メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。 彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。 ※ 8/4 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

処理中です...