上 下
7 / 45

第7話 ロリガワか、リアル幼女か、それが問題だ

しおりを挟む
【確定ドロップアンケート。
 1.ギガントミノタウロスの堅角(ドロップ率0%)
 2.ギガントミノタウロスのシャトーブリアン(ドロップ率100%)
 ギガントミノタウロスのシャトーブリアンが選択されました。】

「やったああ!お肉!お肉です!
 100%!皆さん選んで下さってありがとうございます!嬉しいです!」

 目の前が光り、空中にギガントミノタウロスのシャトーブリアンが現れたかと思うと、そのまま地面に落ちそうになり、落下点に手を伸ばした美織が落ちる前に受け止めた。

 それを汚れないようにマジックバッグの中へと入れる。初めて食べる高級肉だ。少しでも可食部分を残したいと思ったのだ。

 だが一度も食料をドロップしたことのない美織は知らなかった。地面にドロップした肉も、なぜかまったく汚れがつかないことを。

 ダンジョン産の食料は、どれも高級品とされ人気が高いが、地面にドロップしてもなぜか汚れがつかない。なおかつ、何故か冷蔵庫に入れなくてもある程度日持ちするのだ。

 ダンジョン産の食品を一般流通させる際に繰り返し検査がなされたが、衛生面でも特に問題ないことが確認され、最も安全な食品として、健康志向の金持ちの間で人気が高い。

:マジックバッグ?持ってたのか?
:この間まで過疎ってたのに、随分と高いもの持ってんだな。
:それな、意外

「ああ、これはですね、先日ドロップしたラミアの毒剣を売ったお金で代わりに買いました!探索者といえばマジックバッグですからね!ずっと欲しかったので嬉しいです!」

 通常の探索者であれば、倒した魔物からはすべからく、どんなものであれドロップする為、マジックバッグが必須とされている。

 大量のドロップアイテムを素手で持ち歩くことは不可能だからだ。ギルドによってはドロップアイテムを拾い、マジックバッグに入れて回収する専門のチームを揃えている。

 美織は今までドロップ品がなかったことに加え、お金がなかったので、マジックバッグのような高いものは買えなかったのだ。

 家に入れるお金のことも考えたが、その為にはたくさんドロップアイテムの入れられるマジックバッグの確保が急務だと考えた。

 マジックバッグでたくさんドロップ品を持って帰ることが出来るようになれば、マジックバッグ分のお金程度いくらでも稼ぐことができる。美織はそう考えて初期投資をした。

 阿平のすすめで中古品の中から探したおかげで、かなり容量の大きな物を購入することが出来たので、美織としては大満足である。

:おめっとさん
:確かにマジックバッグのない探索者なんて聞いたことないもんな
:早くマジックバッグ買ったくらいの金額稼げるといいな

 コメントが優しく励ましてくれる。
「はい!頑張りますね!」
 美織はニコニコしながら答えた。

:それで、その肉どうやって食べるんだ?
:結構なデカさだよな
:お裾分け希望
:ちな、ギガントミノタウロスのシャトーブリアン、市場価格100グラムあたり30万

「そうですね、せっかくなので配信で食べようと思ってるんですけど⋯⋯。」
 美織がそう答えた時だった。

【配信アンケート。
 1.ロリガワを使用しての食べ食べ配信。
 2.リアル妹を召喚しての食べ食べ配信。】

 美織が何も打ち込んでいないにも関わらずそんなアンケートが突然表示された。

「え?え?これって、ドロップ品に関するアンケートだけが出るんじゃないの!?」
 驚く美織。リスナーもこのアンケートにざわつきだした。

:ロリガワってなんだ?別のガワがあるってことか?
:リアル妹!?妹いんの!?

「え?あ、はい。以前親友に、私は将来合法ロリになれる、あんたの声はそっち向きって言われて、チャンネル開設前に一緒に作った9歳の設定のものがあって⋯⋯。
 ──って、違います!私とは違う別の女の子がいてですね⋯⋯!」

:ようするに、剣呑寺いおりロリバージョンがあるってことか!
:妹ちゃんいくつ?

「妹ですか?妹は今7歳です。小学校にあがったばかりなんですよ。──って、剣呑寺いおりに妹なんていませんよ!そういう設定は作ってな⋯⋯あ、なんでもないです。」

 中の人の情報をついついだだ漏れにしてしまい、美織は盛大に焦ってしまう。剣呑寺いおりはあくまでもキャラクター。高坂美織とは別物でなくてはならないのだから。

:ロリ剣呑寺いおり配信と、リアル幼女同伴配信の2択か⋯⋯くっ、悩むぜ。
:確かに
:剣呑寺いおりのロリボも捨てがたい。しかしてリアル幼女も捨てがたい。

「なんで!?なんでえ!?これ、私、どっちか必ずしなくちゃいけないの!?」
 ただ普通に食べる配信をしようと思っていた美織は大パニックだ。

 アンケートでリスナーに配信内容を選んで貰うからには、それを実行するのは配信者として当然のことだ。そして無常にも、アンケート画面はカウントダウンを開始していた。

────────────────────

この作品は読者参加型です。
アンケートで主人公の行動が決まります。

コメント欄にてアンケート回答よろしくお願いします!
さてどちらが選ばれるのか?(*^^*)

少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する

清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。 たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。 神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。 悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

処理中です...