養っていただかなくても結構です!〜政略結婚した夫に放置されているので魔法絵師として自立を目指したら賢者と言われ義母にザマァしました!(続く)
陰陽@4作品商業化(コミカライズ他)
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第60話 さらわれた私②
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「ええ。ぜひ、常に強い心でいてください。私に相談したいことがあれば、またいつでも相談に乗りますので。気軽に声をかけてください。私が店にいなくても、従業員に声をかけて下さればすぐに参ります。差し支えなければ今のお住まいをお伺いしても?」
「ああ、今は……。」
私は今住んでいる村の場所と、村での私の家を教えた。シュテファンさまはそれを嬉しそうに聞いていた。
弁護士との契約も無事に終え、私はシュテファンさまと別れて辻馬車を拾い、家路についた。その時なんとなくの違和感があったのだけれど、それがなんであるのかよくわからないまま、馬車に揺られていたのだった。
だいぶ慌ただしく色々なことが決まって、疲れていたのだろう、私は馬車の中でうとうとと眠りこけてしまった。
……──ひんやりとした肌寒い心地に目を覚ますと、私の体は縛られて、藁の上に転がされているのに気が付いた。
「ここは……どこ?」
見覚えのない場所。だけど特有の動物臭さと糞尿の発酵したような臭いに、家畜小屋のような場所であることに気が付いた。
手首も足首も縛られて、藁の上に転がされている。口元にも口枷のようなものがつけられており、声を出すことも出来なかった。
その時、引き戸を開けて2人組の男たちが家畜小屋の中に入ってきた。
「──~~~……!!」
口枷越しに思わず叫んだ声が漏れる。
「おい、人質が目を覚ましてるぞ。」
「薬の効きが弱かったんじゃないのか。乗り換えの馬車が来るまで時間がある。下手に騒がれて村の奴らに気付かれても面倒だ。」
──馬車!そうだ馬車!馬蹄のマークの下がった辻馬車を掴まえるように言われて、そうした筈だったのに、吊り下げられたマークになんとなく違和感を感じたのだ。
ということはあれは偽物の馬車で、最初から私を捕まえる為に用意された馬車だったということになる。馬車の中で寝てしまったのも、馬車の中に薬を準備していたのだろう。
「さあ、もう一度おねんねするんだな。依頼主のところまで無事連れて行かなくちゃならねえんだ。かわいそうだがな。」
依頼主?依頼主ですって?いったい誰がこんなことを頼んだと言うの?この間の強盗たち?だけどレオンハルトさまによる2度目の捕縛で、労役所に入っている筈だわ。
労役所というのは、犯罪を犯したけれど、死刑に相当させる程ではない人間を、閉じ込めておいて、かつ日々労働に従事させるという場所のことだ。
一度の犯罪では、程度によって入ることはないけれど、複数回数を重ねた場合は、情状酌量の余地なしとして、罪に応じた期間、労役所に入れられるという刑罰がかされる。
一定期間の労働を終えるまで、出てこられないと聞いたもの。まさかこんなに早く出て来る筈がないわ。だとしたら誰が……?
「その前にこの女、味見しねーですかい?依頼主からは、生かして連れてこいとしか言われてねえんでしょ?」
男の一人が私のロングスカートをグイとまくった。下着があらわになり、思わず縛られたままの足を腹部に寄せて隠そうとした。
「へへ……、身動きの取れない女ってのもまたそそるもんがあるな……。」
男がのしかかってきて下着に手をかけた。
~~~~~!!
口枷越しに声にならない叫び声を上げる。
「ムウッ!フウッ!!」
「おい何やってんだ、乗り換えの馬車が来たぞ、遊んでねえで女を馬車に乗せろ。」
別の男がそう言ったことで、男はチェッと舌打ちして私の上からどいた。
「さあ、もう一度寝るんだ。」
嫌……。寝たくないわ、絶対に寝るものですか!そう強い意思を持って男を睨んだ。
「おお、おっかねえ顔だな。」
男がそれを見て笑う。
────────────────────
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「ああ、今は……。」
私は今住んでいる村の場所と、村での私の家を教えた。シュテファンさまはそれを嬉しそうに聞いていた。
弁護士との契約も無事に終え、私はシュテファンさまと別れて辻馬車を拾い、家路についた。その時なんとなくの違和感があったのだけれど、それがなんであるのかよくわからないまま、馬車に揺られていたのだった。
だいぶ慌ただしく色々なことが決まって、疲れていたのだろう、私は馬車の中でうとうとと眠りこけてしまった。
……──ひんやりとした肌寒い心地に目を覚ますと、私の体は縛られて、藁の上に転がされているのに気が付いた。
「ここは……どこ?」
見覚えのない場所。だけど特有の動物臭さと糞尿の発酵したような臭いに、家畜小屋のような場所であることに気が付いた。
手首も足首も縛られて、藁の上に転がされている。口元にも口枷のようなものがつけられており、声を出すことも出来なかった。
その時、引き戸を開けて2人組の男たちが家畜小屋の中に入ってきた。
「──~~~……!!」
口枷越しに思わず叫んだ声が漏れる。
「おい、人質が目を覚ましてるぞ。」
「薬の効きが弱かったんじゃないのか。乗り換えの馬車が来るまで時間がある。下手に騒がれて村の奴らに気付かれても面倒だ。」
──馬車!そうだ馬車!馬蹄のマークの下がった辻馬車を掴まえるように言われて、そうした筈だったのに、吊り下げられたマークになんとなく違和感を感じたのだ。
ということはあれは偽物の馬車で、最初から私を捕まえる為に用意された馬車だったということになる。馬車の中で寝てしまったのも、馬車の中に薬を準備していたのだろう。
「さあ、もう一度おねんねするんだな。依頼主のところまで無事連れて行かなくちゃならねえんだ。かわいそうだがな。」
依頼主?依頼主ですって?いったい誰がこんなことを頼んだと言うの?この間の強盗たち?だけどレオンハルトさまによる2度目の捕縛で、労役所に入っている筈だわ。
労役所というのは、犯罪を犯したけれど、死刑に相当させる程ではない人間を、閉じ込めておいて、かつ日々労働に従事させるという場所のことだ。
一度の犯罪では、程度によって入ることはないけれど、複数回数を重ねた場合は、情状酌量の余地なしとして、罪に応じた期間、労役所に入れられるという刑罰がかされる。
一定期間の労働を終えるまで、出てこられないと聞いたもの。まさかこんなに早く出て来る筈がないわ。だとしたら誰が……?
「その前にこの女、味見しねーですかい?依頼主からは、生かして連れてこいとしか言われてねえんでしょ?」
男の一人が私のロングスカートをグイとまくった。下着があらわになり、思わず縛られたままの足を腹部に寄せて隠そうとした。
「へへ……、身動きの取れない女ってのもまたそそるもんがあるな……。」
男がのしかかってきて下着に手をかけた。
~~~~~!!
口枷越しに声にならない叫び声を上げる。
「ムウッ!フウッ!!」
「おい何やってんだ、乗り換えの馬車が来たぞ、遊んでねえで女を馬車に乗せろ。」
別の男がそう言ったことで、男はチェッと舌打ちして私の上からどいた。
「さあ、もう一度寝るんだ。」
嫌……。寝たくないわ、絶対に寝るものですか!そう強い意思を持って男を睨んだ。
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男がそれを見て笑う。
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