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第43話 リクエスト番外編・婚前旅行で温泉デート!?⑥
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「ねえアデル。このまま太ももの付け根にキスしてもいいかな?」
なんて言ってくる。
「ふっ、太ももの付け根!?
そんな際どいところに、キスなんてされたら、パンツが見えちゃうじゃないですか!」
「おや、すること自体は構わないんだね。太ももの付け根にキスすることの意味が、よくわかっていないと見える。これはいずれじっくりと教えてあげなくてはいけないね。」
ニッコリ微笑むアドリアン王太子。
「太ももの付け根にキスすることの意味?」
私はアドリアン王太子に、太ももの付け根にキスされる想像をしてみた。
こ、これって……。パンツが見えちゃうどころの騒ぎじゃないわ!?
こ、こんなの、恥ずかしすぎて生涯受け入れられる気がしない!
顔に出ていたのだろう、
「いつかは必ず受け入れてもらうことになるんだからね。今から覚悟しておくといいよ。
結婚したら必ずさせてもらうからね。」
と、ニコニコしながらアドリアン王太子が言ってくる。出来る気がしないんだけど。
と、突然グイ、と右足を大きく開かれる。
思わず股の間をバッと両手で隠した。
こんな……こんなポーズ、見えてなくたって恥ずかしいよ!両足じゃないだけまだマシだけど、アドリアン王太子大胆過ぎる!
「ほら、こうして、ね。内ももにキスするんだ。より想像しやすくなっただろう?」
「む、無理です!出来ません!」
ギュッと目を閉じて抗議する。
「それより、そんなポーズをされたら、かえって男は誘われているような気持ちになるんだけど、それはわかっているのかな?」
股の間を隠す私を見ながらそう言う。
「そ、そんなつもり……。」
「今日は膝までで我慢してあげるよ。」
そう言って、私の膝にキスをした。
足を開かれたままで膝にうけるキスは、上から見下ろしていると、まるでそのまま内股まで唇が迫ってきそうにすら感じた。
いつかは直接……ここにキスされるんだ。
そう考えると、ドキドキが止まらない。
「おや、このくらいじゃ光らないね。
刺激に慣れてきちゃったかな?」
「そ、そんなことありませんよ!」
今だって心臓、潰れそうなのに!
「ふうん……、ちょっと悔しいな。
頑張ったつもりなのだけれどね。」
「──えっ。」
スッと立上がったアドリアン王太子は、私をそのままベッドに押し倒した。
「君はドキドキが最高潮に達すると、体が光る仕組みだからね。この程度じゃドキドキが足らないっていうのはすぐにわかるんだ。」
「ア……アドリアン?」
「さて、どうしてくれようかな。」
つっと、首筋を指の背でなぞる。
思わず顔を背けてビクッとしてしまう。
「──どうして欲しい?」
アドリアン王太子が耳元で囁いてくる。
「私!私がアドリアンにマッサージしかえしますから!ね?そうしましょう!」
私は思わずそう言って、アドリアン王太子の体を押し返した。涙目でプルプル震える私を見つめて、フッと微笑むと、
「それもいいかも知れないな。ごめんね。やり過ぎちゃったかな?急ぎ過ぎないようにしていたつもりだったのだけれどね。」
そう言って眉を下げた。
私はホッとため息をついた。こうドキドキの連続じゃ、正直身が持たないもの。
「男性用の香油もあるんですか?」
「今日は用意していないけれど、香りが女性用というだけで、男性にも使えるものだよ。
これをそのまま使うといい。」
そう言われたので、私に使った香油を使って、アドリアン王太子に、今度は私が足のマッサージを施すことになった。ゴツゴツとした、大きくて男らしい、でもきれいな足。
正直……素肌に直接触れるのって、かなりドキドキする。もっと触れたくなってくる。
アドリアン王太子が、私の足にキスした気持ちが、わかるような気がした。
私のつたないマッサージで、気持ちよくなれる筈もないと思うのだけど、眠たくなってきたから、部屋に戻るよ、というアドリアン王太子をドアの前で見送ってベッドに横になる。はあ……今日は色々あった1日だなあ。
うとうとしていると、ドアの外から何やら話し声が聞こえてくる。
「……アド……ンさま、それではまだ……さまは完全開花を……?」
「まだまだ……がかかりそうだね。」
「ですが国王さまからは、この旅で……するようにと……。間に合……でしょうか?」
「アデルを……したくないんだよ。彼女に無理はさせ……ない。大切にし……んだ。
……出来なかったとしても仕方……。
聖女である前に彼女は私の……なんだ。
それよりも彼女の予知について……、」
ああ、やっぱり、能力の開花の問題があったから、あんなに性急だったんだ。でも私に無理させたくないと思ってくれてて……。
アドリアン……、嬉しい、好き……。
ところどころ聞き取れなくて、それでもアドリアン王太子が私をどう思っているのかが伝わって嬉しくて。ウトウトしていた私は、話を聞き終わる前に夢の中に沈んでいった。
その日の夜、私は予知夢のかわりに、人に言えないエッチな夢を見てしまって、次の日の朝、アドリアン王太子の顔をまともに見られなくなり、笑われてしまったのだった。
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なんて言ってくる。
「ふっ、太ももの付け根!?
そんな際どいところに、キスなんてされたら、パンツが見えちゃうじゃないですか!」
「おや、すること自体は構わないんだね。太ももの付け根にキスすることの意味が、よくわかっていないと見える。これはいずれじっくりと教えてあげなくてはいけないね。」
ニッコリ微笑むアドリアン王太子。
「太ももの付け根にキスすることの意味?」
私はアドリアン王太子に、太ももの付け根にキスされる想像をしてみた。
こ、これって……。パンツが見えちゃうどころの騒ぎじゃないわ!?
こ、こんなの、恥ずかしすぎて生涯受け入れられる気がしない!
顔に出ていたのだろう、
「いつかは必ず受け入れてもらうことになるんだからね。今から覚悟しておくといいよ。
結婚したら必ずさせてもらうからね。」
と、ニコニコしながらアドリアン王太子が言ってくる。出来る気がしないんだけど。
と、突然グイ、と右足を大きく開かれる。
思わず股の間をバッと両手で隠した。
こんな……こんなポーズ、見えてなくたって恥ずかしいよ!両足じゃないだけまだマシだけど、アドリアン王太子大胆過ぎる!
「ほら、こうして、ね。内ももにキスするんだ。より想像しやすくなっただろう?」
「む、無理です!出来ません!」
ギュッと目を閉じて抗議する。
「それより、そんなポーズをされたら、かえって男は誘われているような気持ちになるんだけど、それはわかっているのかな?」
股の間を隠す私を見ながらそう言う。
「そ、そんなつもり……。」
「今日は膝までで我慢してあげるよ。」
そう言って、私の膝にキスをした。
足を開かれたままで膝にうけるキスは、上から見下ろしていると、まるでそのまま内股まで唇が迫ってきそうにすら感じた。
いつかは直接……ここにキスされるんだ。
そう考えると、ドキドキが止まらない。
「おや、このくらいじゃ光らないね。
刺激に慣れてきちゃったかな?」
「そ、そんなことありませんよ!」
今だって心臓、潰れそうなのに!
「ふうん……、ちょっと悔しいな。
頑張ったつもりなのだけれどね。」
「──えっ。」
スッと立上がったアドリアン王太子は、私をそのままベッドに押し倒した。
「君はドキドキが最高潮に達すると、体が光る仕組みだからね。この程度じゃドキドキが足らないっていうのはすぐにわかるんだ。」
「ア……アドリアン?」
「さて、どうしてくれようかな。」
つっと、首筋を指の背でなぞる。
思わず顔を背けてビクッとしてしまう。
「──どうして欲しい?」
アドリアン王太子が耳元で囁いてくる。
「私!私がアドリアンにマッサージしかえしますから!ね?そうしましょう!」
私は思わずそう言って、アドリアン王太子の体を押し返した。涙目でプルプル震える私を見つめて、フッと微笑むと、
「それもいいかも知れないな。ごめんね。やり過ぎちゃったかな?急ぎ過ぎないようにしていたつもりだったのだけれどね。」
そう言って眉を下げた。
私はホッとため息をついた。こうドキドキの連続じゃ、正直身が持たないもの。
「男性用の香油もあるんですか?」
「今日は用意していないけれど、香りが女性用というだけで、男性にも使えるものだよ。
これをそのまま使うといい。」
そう言われたので、私に使った香油を使って、アドリアン王太子に、今度は私が足のマッサージを施すことになった。ゴツゴツとした、大きくて男らしい、でもきれいな足。
正直……素肌に直接触れるのって、かなりドキドキする。もっと触れたくなってくる。
アドリアン王太子が、私の足にキスした気持ちが、わかるような気がした。
私のつたないマッサージで、気持ちよくなれる筈もないと思うのだけど、眠たくなってきたから、部屋に戻るよ、というアドリアン王太子をドアの前で見送ってベッドに横になる。はあ……今日は色々あった1日だなあ。
うとうとしていると、ドアの外から何やら話し声が聞こえてくる。
「……アド……ンさま、それではまだ……さまは完全開花を……?」
「まだまだ……がかかりそうだね。」
「ですが国王さまからは、この旅で……するようにと……。間に合……でしょうか?」
「アデルを……したくないんだよ。彼女に無理はさせ……ない。大切にし……んだ。
……出来なかったとしても仕方……。
聖女である前に彼女は私の……なんだ。
それよりも彼女の予知について……、」
ああ、やっぱり、能力の開花の問題があったから、あんなに性急だったんだ。でも私に無理させたくないと思ってくれてて……。
アドリアン……、嬉しい、好き……。
ところどころ聞き取れなくて、それでもアドリアン王太子が私をどう思っているのかが伝わって嬉しくて。ウトウトしていた私は、話を聞き終わる前に夢の中に沈んでいった。
その日の夜、私は予知夢のかわりに、人に言えないエッチな夢を見てしまって、次の日の朝、アドリアン王太子の顔をまともに見られなくなり、笑われてしまったのだった。
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