昨日見た夢の話をしようか〜たまに予知夢が見られる令嬢ですけど、私は聖女ではありませんよ?〜

陰陽@3作品コミカライズと書籍化準備中

文字の大きさ
上 下
29 / 44

第29話 対逆ハーレムエンド攻略方法

しおりを挟む
「私だって星姫2は散々やって、魔女の館が出るタイミングは把握しているわ。
 これはそれを指し示す手助けをする魔道具よ。あなたを助けてくれるわ。

 魔女の館は、月曜日、雨、午前中、広場、などの組み合わせで、出てくる場所と、魔女の欲しいアイテムが決まるわ。

 この魔道具でその条件を選択すれば、魔女の居場所を特定して、魔女が欲しがるアイテムを教えてくれるわ。

 好感度を上げる相手というのは、自分でなくとも構わない。ライバルに対する攻略対象者の好感度を上げる事も出来るの。ルイ・ランベール侯爵令息ルートがまさにそれよ。

 まずルイ・ランベール侯爵令息の婚約者に対しての、ルイ・ランベール侯爵令息の好感度が70%を超えさせる必要があるわ。

 その時に、マクシム・ミュレール王弟殿下の、ヒロインに対する好感度が70%をこえると、ルイ・ランベール侯爵令息が、マクシムルートの邪魔をしようと登場してくるの。

 最初は完全に敵としてね。そこからルイ・ランベール侯爵令息の好感度を上げていくことで、アドリアンルートが登場するのよ。

 もちろん下げさせることも出来るから、アドリアンからあなたへの好感度を、ハーネット令嬢が下げることも可能だわ。

 魔女の気に入らない贈り物をして、アドリアンからあなたへの好感度を、上げてくださいとお願いをするだけ。

 あなたがそれを利用してしまえばいい。
 ライバルであるハーネット令嬢の好感度をあなたが代わりに引き上げるのよ。
 ……辛いでしょうけどね。」

「ハーネット令嬢への好感度を、引き下げるのでは駄目なのでしょうか?」
「無理ね。そこにはヒロイン補正というものがあるから。」

「ヒロイン補正?」
 また聞き慣れない言葉が出てきたわ。
 王妃さまの言葉を咀嚼しつつたずねる。

「1回に下がる数値よりも、上がる数値のほうが高いのよ。ヒロインだから。あなたがどれだけ下げても、そのぶんハーネット令嬢が上げてくるだけ。無駄な作業だわ。」

「上げるしかないってことですね……。
 でも、ハーネット令嬢も、それを把握しているんですよね?だったら先に行かれてしまうこともあるんじゃ……。」

「そこはハーネット令嬢がアドリアンルートを目指していることから、自然に邪魔が入るから、だいじょうぶだと思うわ。」
「邪魔?」

「今のハーネット令嬢にとっては、ね。
 アドリアンルートのハッピーエンドには、全員の好感度が70%以上必要なの。
 逆ハーレムエンドだからね。

 だけど好感度が70%を超えると、占いの館のある場所にいると、必ず攻略対象者が現れて、占いの館にたどり着く前に、ヒロインと会話を始めようとするのよ。

 そこで目の前に現れた攻略対象者の好感度を上げてしまうと、他の人とのハッピーエンドになってしまうこともあるし、そこで好感度が下がっても、アドリアンルートのハッピーエンドにはたどりつけない。

 慎重に会話内容を選ぶ必要があるわ。
 ハーネット令嬢がいかに会話内容を記憶していたとしても、ゲームの画面と違って、攻略対象者たちの会話は早送り出来ないし、スキップ機能なんて当然ない。

 彼女は既にマクシム・ミュレール王弟殿下の好感度を上げ過ぎるというミスをした。
 だからすべてを完璧に記憶しているわけではないと思うの。

 離婚前にマクシム・ミュレール王弟殿下の好感度を上げすぎると、バッドエンドになるというのは、あなたも夢で見たのよね?」
「はい。」

「だからハーネット令嬢は、マクシム・ミュレール王弟殿下の好感度を少しでも下げたい筈よ。最近避けているそうだから、90%ごえは間違いないでしょうね。

 告白されない為に、必死に逃げ回っているのよ。誰か1人から告白されてしまうと、他の攻略対象者へのルートが閉ざされてしまうもの。プロポーズまでキープが鉄則なのよ。

 その攻略対象者のルートを選ぶのなら、告白後からプロポーズまで、甘いエピソードが続くから、むしろ目指すべきだけど。

 特にまだ離婚していない、マクシム・ミュレール王弟殿下からの告白なんて、リアルで考えてもバッドエンドもいいところだわ。

 だけど1度90%を超えた好感度は、下がる際にペナルティが発生するの。
 自身のステータスが下がるという、ね。
 ただ下がるだけでなく、大きく下がるわ。

 取り戻すのに何度も魔女の館に通うことになるわ。だから極端に下げることも難しい。
 逆ハーレムエンドを目指すにも、魔女ルートに進むためにもね。

 マクシム・ミュレール王弟殿下の好感度を80%くらいまで下げる、自身のステータスを取り戻す、アドリアンの好感度を上げる。

 この3つを同時にこなすことになるから、かなり時間がかかる筈よ。特にステータスを取り戻すのに時間が必要ね。

 だから攻略対象者たちに出会ったら、ゆっくりと時間を使って会話をするでしょうね。
 自身の目指す数値になるように。
 そこがあなたのチャンスよ。」

「わかりました。それと同時に王妃さまにやっていただきたいことがあるのてすが……。
 お願い出来ますでしょうか?」
「何かしら?」

「魔女の好む贈り物の中で、手に入りにくいものはありますか?」
 それを聞くと王妃さまがニコリと笑った。

────────────────────

少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援を押していただけたら幸いです。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故

ラララキヲ
ファンタジー
 ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。  娘の名前はルーニー。  とても可愛い外見をしていた。  彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。  彼女は前世の記憶を持っていたのだ。  そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。  格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。  しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。  乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。  “悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。  怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。  そして物語は動き出した…………── ※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。 ※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。 ◇テンプレ乙女ゲームの世界。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げる予定です。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

気が付けば悪役令嬢

karon
ファンタジー
交通事故で死んでしまった私、赤ん坊からやり直し、小学校に入学した日に乙女ゲームの悪役令嬢になっていることを自覚する。 あきらかに勘違いのヒロインとヒロインの親友役のモブと二人ヒロインの暴走を抑えようとするが、高校の卒業式の日、とんでもないどんでん返しが。

転生ヒロインは乙女ゲームを始めなかった。

よもぎ
ファンタジー
転生ヒロインがマトモな感性してる世界と、シナリオの強制力がある世界を混ぜたらどうなるの?という疑問への自分なりのアンサーです。転生ヒロインに近い視点でお話が進みます。激しい山場はございません。

逃げて、追われて、捕まって

あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。 この世界で王妃として生きてきた記憶。 過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。 人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。 だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。 2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ 2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。 **********お知らせ*********** 2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。 それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。 ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

処理中です...