勇者の孫は逆チート〜ハズレスキルしか手に入れられない不遇な男の、やがて英雄?になる物語〜

陰陽@3作品コミカライズと書籍化準備中

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第12話 (コメント採用回)スキル定着スクロールの発見②

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「うん、そういうのもあるみたいだね、残念だったけど……。」
 僕は力なくそう言った。

「ま、まあでも、風邪を引いた時にはいいんじゃない!?鼻が詰まることがなくて困らなそうで!」
 慰めのつもりなのかゾフィーが言う。

「う、うん、そうだね、ありがと……。」
 未だかつてない期待をした分、ガッカリ感が今まで以上だよ。

「あ!宝箱の中に剣が入ってるじゃない!」
 エリザベートがもう1つ見つけた剣を、宝箱の中から拾おうとすると。

「待って!エリザベート!」
 ゾフィーが止める。
「え?」
「その剣……何かおかしいわよ……。」

 ゾフィーは剣の異変を感じ取っているみたいだ。でも僕には何も感じ取れない。
「……そう?」
「ええ。」

「じゃあ……僕が触ってみるよ。」
 僕は剣を拾う。すると……。
 バチバチバチバチィッ!!
「うわっ!」

 僕の体に、電撃が走った!
「マクシミリアン!?」
 ゾフィーとエリザベートが駆け寄る。アリシアが僕を回復魔法で癒す。

「ありがとう……。」
「ちょっと見せて?」
 ゾフィーは僕の体をチェックする。そして突然顔色を変えると……。

「やっぱり……この剣、呪われてるわ!」
 それを聞いたエリザベートとアリシアと、ゾフィーの3人は僕から距離を取る!
「え!?なんで!?」

 僕は距離を取られたことに驚く。
「あ、危ないですわ!近づいたらみんなも呪われてしまいますわ!」
 エリザベートが叫ぶ。

「え?僕、もう呪われてるの!?」
「ええ……。その剣を触ったことで、呪いが移ったのよ……。」
 ゾフィーが言う。

「そ、そんなぁ……。」
 僕はガックリと項垂れた。まさかこんなことになるなんて……!僕のスキル定着スクロールが無駄なスキルだったばかりか、剣に呪われちゃうだなんて!

 おまけにみんなに距離を取られてしまった。僕はショックで泣きそうになる。
「そんなに落ち込まないでマクシミリアン!呪いは解呪出来るらしいわ!」

 エリザベートがそう慰めてくれるけど……。
「大丈夫よ!最悪、解呪師に頼めばいいじゃない!」

 ゾフィーもそう言ってくれる。でも解呪師に頼むにはお金がかかるからね。今は貧乏だし。おじいさまやお父さま、お金出してくれるかなあ?自力で解決せいって言われそう。

 ていうかそもそも、この剣の呪いってなんなの?
「ねえ、この剣に付いてる呪いってなんなの?ゾフィーはわかる?」

「わからないわ、聖属性と反発する、強い力だってことくらいしか……。」
 僕が尋ねると、ゾフィーが答えてくれる。

「わたくしわかりましてよ!」
 とストームホルトの声がした。
「わかるの!?ストームホルト!!」
 アリシアがストームホルトを見る。

「わたくしの名前、ホルトは、権能を持つ神の名前。呪いを看破するくらいわけありませんわ。……んん……。その武器の呪いは、ランダムで持ち主のスキルを封印することですわね。他の人に影響はありません。」

「え?それだけ?」
 僕、封印されて困るスキル、ひとつも持ってない。思わずホッとしてしまう。みんなはとても可愛そうな目で僕を見てるけど。

「レベルが上がれば、ランダムではなく、指定したスキルの封印も出来るようですわね。それに、更にレベルが上がれば、他人のスキルも封印出来るようになりますわ。」

「なにそれ、凄いじゃないか!」
 敵のスキルまでもいずれ封印出来るようになるなんて、むしろ最高じゃないか!

「いいもの手に入れちゃった!」
「ええ?いいの?マクシミリアン。スキルが封印されちゃうのよ?武器のレベル上げを、スキル無しでやることになるのよ?」

 ゾフィーがそう言ってくるけど、
「うん、僕は問題ないかな。」
 日頃からスキル無しで戦ってるしね!

 なんなら発動されたくないエッチなスキルを封印してくれようものなら、それこそ願ったり叶ったりだよ!

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