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第11話 使えるスキルを手に入れ……た?
しおりを挟む第3階層のすべての魔物を倒すと、壁があいて中に入れる空間が現れた。こういう時は中に宝箱が入っていたりするんだよね!
「さ、中に入りましょう?」
僕たちはワクワクしながら、宝箱があるであろうスペースの中に入って行った。
宝箱はもちろん罠の可能性もある。ミミックっていう、宝箱に擬態した魔物もいるし、コインムシっていう、金貨に偽装した魔物もいたりするからね。慎重にいかないと。
「あ、マクシミリアン!この宝箱、ぜんぶ鍵がかかってるわよ。」
エリザベートが宝箱に触れて声を上げる。
「ほんとだ!鍵がかかっているってことは、罠の可能性もあるってことだね!危ないから僕が開けるよ!魔物だったら倒して!」
僕は宝箱に駆け寄り、宝箱の鍵を開けた。すると……。ギィイイ~ガコン!と大きな音がして、宝箱がパカッと開いた。
「え?」
3人が驚いている。
「どうしたの?3人とも。」
「宝箱が……開いたの……?」
「すごい……。」
3人は驚いている。
「え?すごいことなの?」
僕はすごく疑問に思ったので聞いてみた。すると。
「そりゃそうでしょ!宝箱は鍵がかかってると、罠じゃない限り、鍵開けスキルを持ってる人がいないと、絶対に開かないんだから。」
エリザベートが説明してくれる。
「だから、マクシミリアンは凄いのよ!」
エリザベートとゾフィーは手放しで褒めてくれるけど……。これは偶然なのかな……?
たまたまだよね?こんな都合のいい能力ってあるのかな? 僕はそんな事を考えていたけど、3人は僕が宝箱を開けたことがよほど嬉しいのか、僕の能力を褒め続けていた。
でも、なんであいたのかなあ……。
──あ!ひょっとして、新しく手に入れた〈中身が確認出来る〉のおかげってこと?
いつも通りなら、てっきり中身がわかっておしまいってだけのスキルだろうと思ってたんだけど、くだらないスキルじゃなかったんだ!これは凄いぞ!ようやく人に言えるよ!
僕の求めていた剣士のスキルでこそないけど、盗賊のスキルだってことにすれば、鍵開けが出来るのは需要があるからね!
……まあ、ほんとの鍵開けじゃないから、宝箱以外には通用しないんだろうけど……。
もしもこれが罠のあるものだった場合、盗賊の鍵開けスキルはそれを看過出来るんだ。
そこまでのことが出来たら最高なんだけどなあ……。そう思っていると、蓋が開いたはずの宝箱が、目の前で再び音を立てて閉まってしまった。え?どゆこと?
蓋に触っちゃったのかな?そう思ってもう一度開けようとすると、今度は開かない。
「どうしたの?マクシミリアン。」
「開いた筈なのに開かなくて……。」
さっき中身を確認して、ミミックでもコインムシでもなかったから、どうにかして中身を手に入れたいのにびくともしない。
「ま、まさか……。中身を確認して終わり?」
僕のスキルを読んで字の如く考えると、そういうことになる。
「ごめん、僕のスキルで開いたみたいなんだけど、中身を確認出来るだけで、実際に開いたわけじゃないみたいだ……。」
そう言うとみんなガッカリした顔をした。
せっかく使えるスキルが手に入ったと思ったのに!やっぱり使えないじゃないかあ!
────────────────────
マクシミリアン・スワロスウェイカー
年 齢:15歳
性 別:男
種 族:人間族
レベル:24
H P:185
M P:154
攻撃力:101
防御力:89
俊敏性:82
知 力:105
称 号:
魔 法:
スキル:勃起不可、逆剥けが治る、足元から5ミリ浮く、モテる(猫限定)、目薬を外さない、美味しいお茶を淹れる、体臭が消せる、裸に見える、雨予報(15秒前)、カツラを見抜ける、塩が見つかる、上手に嘘がつける、快便になる、他人の才能の芽が見える、相手がほんの少し素直になる、植物が育ちやすくなる、おいしい水が手に入る、悪口が聞こえる、肩もみがうまくなる、寝坊しなくなる、ラッキースケベが起きる確率が上がる、パンツが見えそうになる、パンツの種類を言い当てられる、相手が一番喜ぶプレゼントが分かる、魚が寄ってくる、中身が確認出来る
────────────────────
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