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第8話 ▷逃げる だが逃げられない!②
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アリシアが絶句している。
まあ、それも仕方ないか。
だって、今の僕らのレベルだと、なかなか手に入れられないものだし……。
「でも、これを売ればお金になるかな?」
「売れると思うけど、冒険者ギルドに証拠品として提出させられるんじゃ……?」
アリシアの言葉にエリザベートが言う。
「うーん……、そうだね、報告する時に回収されちゃうかも。まあいいか!今はそれよりも、戻ることを優先しよう!
証拠はこれでじゅうぶんだよ。」
「そうね、最下層に降りるのは危険だわ。
私もそれがいいいと思う。」
ゾフィーがうなずいた。
全員一致でダンジョンを出て、戻って冒険者ギルドに報告することにした。
戻る最中も再び魔物がわいていた。大した数じゃないけど、わくまでの時間が短くなっている気がする。僕がしんがりをつとめながら、時々現れる魔物を倒していく。
「きゃあっ!?」
先頭を歩いていたアリシアが、突如大声をあげて立ち止まった。
「うわぁ!……ビックリした。」
「ちょっと!いきなり叫ばないでよ!」
「ごめんなさい!……って、これは……」
僕たち4人は、目の前に現れたものを見て唖然としていた。何故なら、巨大なスライムに、地上につながる道を塞がれていたから。
「スライムだよね……?」
「えっと……はい。そう見えますね。」
「……ただのスライムじゃないわよ。こいつ……、きっと上位種よ。」
そうなのだ。僕らの前に現れたスライムには、通常の個体にはない特徴があった。
まず、大きさが違う。通常、スライムは両手の指先を合わせて丸を作ったくらいの大きさなのだ。しかし、今僕らの前にいるスライムは、ゆうに天井近い大きさだった。
「色が違いますね?」
「そういえば、灰色っぽい色をしているわ。──まるで、金属みたいな。」
普通のスライムの色は緑色なんだけど、目の前にいるスライムは灰色をしている。スライムが集まってキングスライムになった場合も、緑色にならなきゃおかしいのに。
「それに、何か妙な魔力を感じる気がするんだけど……」
「私も同じことを思ったわ。」
「……」
「……」
「とりあえず倒してみようか。」
「そうですね!」
「わかったわ。」
僕たちは出口につながる道を塞いでいる、スライムの上位種の討伐を行うことにした。
「よし!じゃあ、いくぞ!」
「はい!」
「ええ!」
「──横一線!」
僕はいつも通り、横一線を放つ。だけど、
「え?効いてない?」
確かに命中したはずなのに、いっさいのダメージを与えられていないようだ。
「なにやってるの?いきましょ!」
「──風の刃!!
──炎の礫!!」
「──聖なる斬撃!!」
ゾフィーとエリザベートの攻撃が、確かにキングスライムに命中したのに、やはり大したダメージを受けているように見えない。
「おかしいわ!
今までこんな事なかったのに!」
「固すぎるわ!普通じゃない!」
「とにかく、もう一度やってみましょう!
──混ざり合う破壊者!!」
「ああ!」
「アリシアでも駄目なの……?」
はじかれるでもなく、ぬるっと剣がスライムの体の上をすべった。
──突然、灰色のキングスライムが動き出した。そしてこちらに向かって、その巨体に似合わぬ動きで、ポンポンと飛び跳ねながら襲いかかってくる。
「危ない!避けろ!」
「きゃあっ!」
「くっ!」
「ぐぅっ……」
僕はかじろうて避けることはできたけど、ぶつかられた衝撃で、アリシア、ゾフィー、エリザベートは吹き飛ばされてしまう。
「大丈夫ですか!?」
「なんとかね……」
「でも、あのキングスライム、どうしたら倒せるの?攻撃が通らないし、隙を見て逃げようにも、動きが早すぎるわ!」
「いったいどうしたら……。」
「なんであんな魔物がいるのよ!?」
「わからないけど……、何か変だよ。」
「ピィイイイヤアアアァ!」
今度は、先程よりも速く襲ってきた。
「速いっ!?」
「マクシミリアンさん!
一旦攻撃は諦めましょう!
下になら降りれます!」
「そうだね!」
急いでその場を離れて、ダンジョン階下に通じる階段に向かう。すると、さっきまで僕らが立っていた場所に、
「ピギャァアーッ!!」
ドーン!!凄まじい勢いでぶつかった。
ダンジョンの壁面が、スライムがぶつかった衝撃で凹み、パラパラと石が崩れ落ちる。
「うそぉ……?」
「なんて攻撃力なの……。」
「信じられないわね……。」
コイツを倒さないと、ひょっとして地上に上がれない!?けど、無理だよ!
────────────────────
マクシミリアン・スワロスウェイカー
15歳
男
人間族
レベル 16
HP 167
MP 133
攻撃力 83
防御力 69
俊敏性 62
知力 91
称号
魔法
スキル 勃起不可 逆剥けが治る 足元から5ミリ浮く モテる(猫限定) 目薬を外さない 美味しいお茶を淹れる 体臭が消せる 裸に見える 雨予報(15秒前) カツラを見抜ける 塩が見つかる 上手に嘘がつける 快便になる 他人の才能の芽が見える 相手がほんの少し素直になる 植物が育ちやすくなる おいしい水が手に入る 悪口が聞こえる
────────────────────
まだ冒険を続けますか?
▷はい
いいえ
────────────────────
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
まあ、それも仕方ないか。
だって、今の僕らのレベルだと、なかなか手に入れられないものだし……。
「でも、これを売ればお金になるかな?」
「売れると思うけど、冒険者ギルドに証拠品として提出させられるんじゃ……?」
アリシアの言葉にエリザベートが言う。
「うーん……、そうだね、報告する時に回収されちゃうかも。まあいいか!今はそれよりも、戻ることを優先しよう!
証拠はこれでじゅうぶんだよ。」
「そうね、最下層に降りるのは危険だわ。
私もそれがいいいと思う。」
ゾフィーがうなずいた。
全員一致でダンジョンを出て、戻って冒険者ギルドに報告することにした。
戻る最中も再び魔物がわいていた。大した数じゃないけど、わくまでの時間が短くなっている気がする。僕がしんがりをつとめながら、時々現れる魔物を倒していく。
「きゃあっ!?」
先頭を歩いていたアリシアが、突如大声をあげて立ち止まった。
「うわぁ!……ビックリした。」
「ちょっと!いきなり叫ばないでよ!」
「ごめんなさい!……って、これは……」
僕たち4人は、目の前に現れたものを見て唖然としていた。何故なら、巨大なスライムに、地上につながる道を塞がれていたから。
「スライムだよね……?」
「えっと……はい。そう見えますね。」
「……ただのスライムじゃないわよ。こいつ……、きっと上位種よ。」
そうなのだ。僕らの前に現れたスライムには、通常の個体にはない特徴があった。
まず、大きさが違う。通常、スライムは両手の指先を合わせて丸を作ったくらいの大きさなのだ。しかし、今僕らの前にいるスライムは、ゆうに天井近い大きさだった。
「色が違いますね?」
「そういえば、灰色っぽい色をしているわ。──まるで、金属みたいな。」
普通のスライムの色は緑色なんだけど、目の前にいるスライムは灰色をしている。スライムが集まってキングスライムになった場合も、緑色にならなきゃおかしいのに。
「それに、何か妙な魔力を感じる気がするんだけど……」
「私も同じことを思ったわ。」
「……」
「……」
「とりあえず倒してみようか。」
「そうですね!」
「わかったわ。」
僕たちは出口につながる道を塞いでいる、スライムの上位種の討伐を行うことにした。
「よし!じゃあ、いくぞ!」
「はい!」
「ええ!」
「──横一線!」
僕はいつも通り、横一線を放つ。だけど、
「え?効いてない?」
確かに命中したはずなのに、いっさいのダメージを与えられていないようだ。
「なにやってるの?いきましょ!」
「──風の刃!!
──炎の礫!!」
「──聖なる斬撃!!」
ゾフィーとエリザベートの攻撃が、確かにキングスライムに命中したのに、やはり大したダメージを受けているように見えない。
「おかしいわ!
今までこんな事なかったのに!」
「固すぎるわ!普通じゃない!」
「とにかく、もう一度やってみましょう!
──混ざり合う破壊者!!」
「ああ!」
「アリシアでも駄目なの……?」
はじかれるでもなく、ぬるっと剣がスライムの体の上をすべった。
──突然、灰色のキングスライムが動き出した。そしてこちらに向かって、その巨体に似合わぬ動きで、ポンポンと飛び跳ねながら襲いかかってくる。
「危ない!避けろ!」
「きゃあっ!」
「くっ!」
「ぐぅっ……」
僕はかじろうて避けることはできたけど、ぶつかられた衝撃で、アリシア、ゾフィー、エリザベートは吹き飛ばされてしまう。
「大丈夫ですか!?」
「なんとかね……」
「でも、あのキングスライム、どうしたら倒せるの?攻撃が通らないし、隙を見て逃げようにも、動きが早すぎるわ!」
「いったいどうしたら……。」
「なんであんな魔物がいるのよ!?」
「わからないけど……、何か変だよ。」
「ピィイイイヤアアアァ!」
今度は、先程よりも速く襲ってきた。
「速いっ!?」
「マクシミリアンさん!
一旦攻撃は諦めましょう!
下になら降りれます!」
「そうだね!」
急いでその場を離れて、ダンジョン階下に通じる階段に向かう。すると、さっきまで僕らが立っていた場所に、
「ピギャァアーッ!!」
ドーン!!凄まじい勢いでぶつかった。
ダンジョンの壁面が、スライムがぶつかった衝撃で凹み、パラパラと石が崩れ落ちる。
「うそぉ……?」
「なんて攻撃力なの……。」
「信じられないわね……。」
コイツを倒さないと、ひょっとして地上に上がれない!?けど、無理だよ!
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マクシミリアン・スワロスウェイカー
15歳
男
人間族
レベル 16
HP 167
MP 133
攻撃力 83
防御力 69
俊敏性 62
知力 91
称号
魔法
スキル 勃起不可 逆剥けが治る 足元から5ミリ浮く モテる(猫限定) 目薬を外さない 美味しいお茶を淹れる 体臭が消せる 裸に見える 雨予報(15秒前) カツラを見抜ける 塩が見つかる 上手に嘘がつける 快便になる 他人の才能の芽が見える 相手がほんの少し素直になる 植物が育ちやすくなる おいしい水が手に入る 悪口が聞こえる
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まだ冒険を続けますか?
▷はい
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