10 / 34
第3話 (コメント採用回)チートな美少女は幸運10倍③
しおりを挟む
交差切り!!
サイクロプスが斧を手放して、両手で目をおさえてぐるぐると暴れまわる。
僕はサイクロプスの着ていた服のようなものを掴んで、体をのぼり、背中に回った。
「これで終わりだ!!」
両手で目をおさえて無防備な首筋に、全体重をかけてイグナイトスティールの刃先を押し込んだ。
サイクロプスが暴れまわる。
これでも死なないのか!?
僕はイグナイトスティールにしがみついたまま、暴れるサイクロプスに振り回された。
僕はしっかりと両足でサイクロプスの体を挟み込むと、イグナイトスティールの刺さった傷口を広げるように左右に振った。
かたく差し込まれていたイグナイトスティールが、サイクロプスの体から抜ける。
──横一線!!
僕の放った攻撃が、サイクロプスの頭を落とした。
「──うわっ!?と。」
前に崩れ落ちるサイクロプスから飛び退いて地面に着地する。
サイクロプスはそのまま動かなくなった。
僕は倒れている彼女にかけよった。まだ痺れスライムが取り付いている。
1体ずつ倒すと、痺れスライムがとりついていた部分の素肌が見えて、ちょっとドキッとした。
肩を叩いたけど目を覚まさない。
仕方なしにドロップ品の回収や、サイクロプスの剥ぎ取りをすすめながら、彼女が気が付くのを待つことにした。
その間に神の福音の音が聞こえた。
レベルが10になりました。
HPが5上がりました。
MPが3上がりました。
攻撃力が1上がりました。
防御力が1上がりました。
俊敏性が2上がりました。
知力が1上がりました。
スキル、〈カツラを見抜ける〉を習得しました。
レベルが11になりました。
HPが4上がりました。
MPが4上がりました。
攻撃力が3上がりました。
防御力が1上がりました。
俊敏性が2上がりました。
知力が1上がりました。
スキル、〈塩が見つかる〉を習得しました。
レベルが12になりました。
HPが3上がりました。
MPが4上がりました。
攻撃力が1上がりました。
防御力が1上がりました。
俊敏性が3上がりました。
知力が3上がりました。
スキル、〈上手に嘘がつける〉を習得しました。
……もはや何も言うまい。
「う……ん。」
「あ、気が付いた?」
彼女はようやく目を覚ました。
そして、ハッとしたようにあたりを見回すと、倒されているサイクロプスに気が付き、自分が助かった事を知った。
「助けて……くれたんですか?」
彼女のこぼれそうな大きな目が、潤んで僕を見つめている。
こういうのに慣れていない僕は、ま、まあね、と焦りながらドギマギした。
「──やだ、凄いステキ!
なんてセクシーでハンサムなのかしら。
あの……、アナタ、お名前は?」
突如、彼女のものとは思えない、えらく色っぽい大人びた声が響く。
「ちょっと、ストームホルト、いきなり知らない人相手に失礼よ?」
彼女は自分の剣を見ながら声をかける。
意思を持った喋る武器!?
ということは、だ……。
「あの、それ、どなたかに作っていただいたんですか?」
「はい、イスラファンさんという、ドワーフの鍛冶職人さんに作っていただきました!」
そ、そうなんだ……。
イスラファンに気に入られて武器を作って貰ったということは、彼女が勇者になれる素質を秘めているという可能性をさしている。
そして、意思を持った喋る武器がステキと言っている相手とは、もちろん僕ではないのだろう。
イグナイトスティールだ。
いつもうるさいくらい喋るこいつが、何故か黙っている。照れてるってことはないだろうな。
「こいつもイスラファンの作品なんだよ、イグナイトスティールって言うんだ。」
「──イグナイトスティール様!?
やだ!まさかこんなところでお会い出来るなんて……!!」
意思を持った喋る武器界隈では、イグナイトスティールが憧れの存在なんだろうか。
まあ、確かに伝説の勇者が使ってた武器ではあるけど。
というか、武器にハンサムとかあんのか。
「えと、僕は、マクシミリアン・スワロスウェイカーって言うんだ。
君の名前は?」
「あ、すみません!
アリシア・スコットと言います!
助けて下さってありがとうございます!」
「……ひょっとして……なんだけど、今年マジェスティアラン学園に入学予定だったりする?」
「はい!
よくご存知ですね?」
……やっぱりか。
イスラファン作の意思を持った喋る武器を持っているとか、さすが平民から鳴り物入りで入ってくるだけのことはあるが、貴族からの反発はさけられないだろうなあ。
「僕も今年入学予定なんだよ。」
「そうなんですか!
同じクラスになれるといいですね!」
アリシアは屈託なく笑った。上品な貴族の女の子たちとは、違った可愛さがあった。
「どうしてサイクロプスに捕まってたの?
というか、仲間の人たちは?」
「いえ、1人です。
新人向きのダンジョンだって、教えて貰って、それで。
でも、まさか、下の階層にあんな強い魔物がいるなんて、思ってもみなくて。」
「……それ、誰に教わったの?」
僕だって、いずれはと思っているけど、いきなり下層になんて潜らない。
ここは確かに新人向きのダンジョンであることに間違いはないけど、普通はそこを説明するものだ。
────────────────────
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
サイクロプスが斧を手放して、両手で目をおさえてぐるぐると暴れまわる。
僕はサイクロプスの着ていた服のようなものを掴んで、体をのぼり、背中に回った。
「これで終わりだ!!」
両手で目をおさえて無防備な首筋に、全体重をかけてイグナイトスティールの刃先を押し込んだ。
サイクロプスが暴れまわる。
これでも死なないのか!?
僕はイグナイトスティールにしがみついたまま、暴れるサイクロプスに振り回された。
僕はしっかりと両足でサイクロプスの体を挟み込むと、イグナイトスティールの刺さった傷口を広げるように左右に振った。
かたく差し込まれていたイグナイトスティールが、サイクロプスの体から抜ける。
──横一線!!
僕の放った攻撃が、サイクロプスの頭を落とした。
「──うわっ!?と。」
前に崩れ落ちるサイクロプスから飛び退いて地面に着地する。
サイクロプスはそのまま動かなくなった。
僕は倒れている彼女にかけよった。まだ痺れスライムが取り付いている。
1体ずつ倒すと、痺れスライムがとりついていた部分の素肌が見えて、ちょっとドキッとした。
肩を叩いたけど目を覚まさない。
仕方なしにドロップ品の回収や、サイクロプスの剥ぎ取りをすすめながら、彼女が気が付くのを待つことにした。
その間に神の福音の音が聞こえた。
レベルが10になりました。
HPが5上がりました。
MPが3上がりました。
攻撃力が1上がりました。
防御力が1上がりました。
俊敏性が2上がりました。
知力が1上がりました。
スキル、〈カツラを見抜ける〉を習得しました。
レベルが11になりました。
HPが4上がりました。
MPが4上がりました。
攻撃力が3上がりました。
防御力が1上がりました。
俊敏性が2上がりました。
知力が1上がりました。
スキル、〈塩が見つかる〉を習得しました。
レベルが12になりました。
HPが3上がりました。
MPが4上がりました。
攻撃力が1上がりました。
防御力が1上がりました。
俊敏性が3上がりました。
知力が3上がりました。
スキル、〈上手に嘘がつける〉を習得しました。
……もはや何も言うまい。
「う……ん。」
「あ、気が付いた?」
彼女はようやく目を覚ました。
そして、ハッとしたようにあたりを見回すと、倒されているサイクロプスに気が付き、自分が助かった事を知った。
「助けて……くれたんですか?」
彼女のこぼれそうな大きな目が、潤んで僕を見つめている。
こういうのに慣れていない僕は、ま、まあね、と焦りながらドギマギした。
「──やだ、凄いステキ!
なんてセクシーでハンサムなのかしら。
あの……、アナタ、お名前は?」
突如、彼女のものとは思えない、えらく色っぽい大人びた声が響く。
「ちょっと、ストームホルト、いきなり知らない人相手に失礼よ?」
彼女は自分の剣を見ながら声をかける。
意思を持った喋る武器!?
ということは、だ……。
「あの、それ、どなたかに作っていただいたんですか?」
「はい、イスラファンさんという、ドワーフの鍛冶職人さんに作っていただきました!」
そ、そうなんだ……。
イスラファンに気に入られて武器を作って貰ったということは、彼女が勇者になれる素質を秘めているという可能性をさしている。
そして、意思を持った喋る武器がステキと言っている相手とは、もちろん僕ではないのだろう。
イグナイトスティールだ。
いつもうるさいくらい喋るこいつが、何故か黙っている。照れてるってことはないだろうな。
「こいつもイスラファンの作品なんだよ、イグナイトスティールって言うんだ。」
「──イグナイトスティール様!?
やだ!まさかこんなところでお会い出来るなんて……!!」
意思を持った喋る武器界隈では、イグナイトスティールが憧れの存在なんだろうか。
まあ、確かに伝説の勇者が使ってた武器ではあるけど。
というか、武器にハンサムとかあんのか。
「えと、僕は、マクシミリアン・スワロスウェイカーって言うんだ。
君の名前は?」
「あ、すみません!
アリシア・スコットと言います!
助けて下さってありがとうございます!」
「……ひょっとして……なんだけど、今年マジェスティアラン学園に入学予定だったりする?」
「はい!
よくご存知ですね?」
……やっぱりか。
イスラファン作の意思を持った喋る武器を持っているとか、さすが平民から鳴り物入りで入ってくるだけのことはあるが、貴族からの反発はさけられないだろうなあ。
「僕も今年入学予定なんだよ。」
「そうなんですか!
同じクラスになれるといいですね!」
アリシアは屈託なく笑った。上品な貴族の女の子たちとは、違った可愛さがあった。
「どうしてサイクロプスに捕まってたの?
というか、仲間の人たちは?」
「いえ、1人です。
新人向きのダンジョンだって、教えて貰って、それで。
でも、まさか、下の階層にあんな強い魔物がいるなんて、思ってもみなくて。」
「……それ、誰に教わったの?」
僕だって、いずれはと思っているけど、いきなり下層になんて潜らない。
ここは確かに新人向きのダンジョンであることに間違いはないけど、普通はそこを説明するものだ。
────────────────────
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
11
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる